頑張っても、努力しても仕事ができない。
ミスも多いし、周囲に迷惑をかけてしまうのも辛いし、もう辞めてしまいたい。
仕事がうまくいかず、「どうしてこんなに仕事ができないのだろう。」と行き詰ってしまうことは誰にでもあります。
追い詰められて、どうしていいかわからない。でも「努力が足りないんじゃない?」や「ミスを減らす工夫をしたら?」というもっともな正論や、「最初は皆そんなものだよ。」という慰めは聞きたくない・・・と思ったら、こう考えてみませんか。
1:「辞めたい」と思う本当の理由を考えてみる
仕事ができなすぎて、辛い。仕事ができないから、辞めたい。
そんな考えで頭がいっぱいになってしまったら、「辞めたい」と思う本当の原因を考えてみましょう。自分の気持ちに正直に向き合ってみてください。「仕事ができないから、辞めたい」にも様々な原因があるはずです。たとえば下記のなかで一番自分の感情に近いのは、どれでしょうか。
・仕事ができないことにプライドが傷ついて、「仕事ができない」という状態が許せない。
・仕事に必要な業務知識や専門知識がどうしても覚えられず、能力の限界を感じる。
・仕事が実は好きではなくてやる気がなく、なかなか覚えられない。
・ミスが多い、仕事が遅いのが原因で周囲の風当たりが強く、職場の人間関係が辛い。
・周囲に迷惑をかけることがあまりにも多く、申し訳ない。
ここでは一般的な例をあげましたが、他にもあるかもしれません。自分が「辞めたい」と思う本当の原因を見つけてください。原因がわかれば、ベストな対処法もわかります。
もし仕事ができないことにイライラして、「仕事ができない」という状態が許せないなら、辞めることはベストではありません。できない仕事をそのままにして辞めれば、モヤモヤした思いは残ってしまいます。次の仕事でもうまくいかないでしょう。
業務知識や専門知識がどうしても覚えられず、落ち込んでしまう人は、周囲の知識が豊富な人と比較して自己嫌悪してしまっていることがあります。人と比べず、1日1つでも多くの知識を学べればよしと、自分を認めてあげてください。
会社は「あなたならできる」と見込んで、配属をしています。どうしても無理だと思う場合には、上司に相談してみましょう。自分で感じているほど、上司は問題にしていないこともよくあります。
今の仕事が好きではなくてやる気がない場合には、今の仕事に自分の好きな要素が本当に1つもないのか、見直してみましょう。「こんな仕事やりたくない。」と思いこんでいると、仕事のいいところや楽しいところも見えなくなります。思い込みを外して仕事を見つめ直してみてください。それでもやはり気持ちが変わらないなら、転職を考えてもいいかもしれません。
仕事のミスや仕事が遅いことが原因で、周囲の人間関係が悪い場合には、辞めるのも1つですが、修復の余地がないか少しだけ頑張ってみる価値はあります。自分のコミュニケーション次第で、人間関係はよくなる可能性があるからです。
周囲に迷惑をかけるのが申し訳ないと感じた時も、まずは上司や話ができる先輩に相談してみましょう。自分が気にしているほど迷惑に感じていない可能性もありますし、どうすれば仕事ができるようになるのかアドバイスをくれるかもしれません。
このように、原因によって「辞める前にできること」があります。「辞めたい」と思う本当の原因を見極め、その原因を解決できるように行動を起こしてみて、それでもだめなら辞めるのでも遅くありません。
2:辞めた時のメリット・デメリットを冷静に考えてみる
「仕事ができないから、辞めたい・・。」と思った時には、ここで仕事を辞めた時のメリットとデメリットを冷静に考えてみましょう。
仕事を辞めるメリットは、何よりも環境を一新できることです。新たな仕事、新たな職場、新たな人間関係のもと、新たな気持ちで仕事に向き合うことができます。今の職場では忘れてしまっていた「仕事のやりがい」を見つけられるかもしれません。気の合う仲間や尊敬できる上司に出会える可能性もあります。
一方、仕事を辞めるデメリットは、転職で状況がよくなるとは限らない点です。求人情報や面接で確認した情報で、転職先企業の全てがわかるわけではありません。自分の希望通りだと思った企業が、想像していたのとは違う仕事や風土だったり、職場環境だったりすることもあります。
また転職先を決めずに退職してしまった場合は、なかなか転職先が決まらず、条件が悪い企業にやむを得ず転職せざるを得なくなるかもしれません。
「仕事ができないから辞めたい。」で仕事を辞めてしまうと、「自分は仕事ができない。」というセルフイメージがなかなか払拭できない可能性があります。そうなると、次の職場でも「私は仕事ができないから…。」とまた思ってしまうかもしれません。
さらに、「うまくいかなければ辞めればいい。」という「辞め癖」もついてしまいます。「辞め癖」がついてしまうと、転職に抵抗がなくなり、転職を繰り返す結果、勤務条件や仕事内容が自分の希望からどんどん遠くなってしまうのは本当によくあることです。
辞めるのがいけないわけではありません。しかし、辞めたときのデメリットや影響も知っておきましょう。
3:「明日は今日より1つだけできるように」を積み重ねてみる
「仕事ができない」と感じるのは、周囲のよくできる社員と比べて自分でそう感じるか、上司や先輩、同僚などから叱責を受けるかのいずれかの時でしょう。
いずれの場合でも、そんな時には今の自分よりもかなり高いレベルと比較して「自分は仕事ができない」と感じています。しかし仕事は急にできるようになるものでもありません。
1つ1つ、少しずつで大丈夫なのです。今日は昨日より1つだけできるようになれば、それでいいのです。優秀な先輩や、高すぎる目標と比べるのではなく、「明日は今日より1つだけ何かできること」を目指しましょう。
1日1つでも1週間たてば5つです。1年間なら、年間休日120日だったとしても245つと、大きな進歩になります。1つずつ、できることを増やしていきましょう。
「あと○○だけ」と期限付きでやってみよう
「仕事ができないから辞めたい。」と思ったときには、「あと1ヶ月だけ。」「あと3ヶ月だけ。」等と期限を決めて、「最後のもう一頑張り」をしてみましょう。
ずっとこの職場で仕事をしなければいけないと思うと辛くなりますが、「あとこれだけやったら辞めてもいい。」と自分を許してあげると、少し気が楽になれることもあります。「ここでずっと頑張らなきゃいけない。」という肩の荷を思い切って降ろしてみましょう。
肩の荷を降ろすことで、今まで見えなかったこと、感じられなかったことがみつかるかもしれません。
そして自分で決めた期限がやってきたとき、「ここでもう少し働いてみようかな。」と思えたら働き続ければいいですし、「やはり無理!」と思えたら、その時から転職先を探せばいいでしょう。
ただし、本当に辞めるのは必ず転職先が決まってからにしてくださいね。