「気の合う友人と飲みに行くのは楽しいけれど、職場の上司や同僚と飲んでも楽しくない。」
「お酒を飲まないと本音でコミュニケーションできないなんて、おかしい。」
「そもそも、お酒飲めないし、お金がもったいない!」

と、最近は20~30代を中心に、「飲み会が嫌い」「飲み会には行きたくない」という人が多数派を占めるようです。

職場の飲み会が嫌いな理由、はいろいろあるでしょう。でも「飲み会」は、悪いことばかりでもありません。

「飲みニケーションの大切さなんて、聞きたくもない。」なんて思わずに、飲み会のメリットについて確認してみませんか。

あなたは社内にどれくらい「知り合い」がいますか?

社内の知り合い

「職場の飲み会に参加する奴が出世する」という説を聞いたことはありませんか。

あるいは、社内で見渡してみると、いい仕事を任せてもらったり、業務の中心になっていたりする人は、上司とよく飲みに行くタイプではありませんか。

そのように上司や周囲の人が仕事を任せるようになるのは、度重なる飲み会の場でコミュニケーションを重ね、彼ら・彼女らの考えや性格、仕事に対する思いなどを「よく知っている」からです。

「よく知っている」までいかなくとも、社内の「ちょっとした知り合い」の関係を増やすことはとても大切です。「ちょっとした知り合い」は、「仲がいい」「相性が合う」とまではいかなくても、仕事に対する姿勢や考え方、ちょっとした人柄やプライベートを知っているような関係です。

「私は出世したくないから関係ない。」「自分のことを職場の人に知ってもらわなくて結構。」という考え方もあるでしょう。

しかし出世に興味がなくても、職場で「ちょっとした知り合い」を増やせば、仕事で「ちょっとした得」をする場面が増えていきます。

どんな職場でも、同じ社内の人間とはいえ、「よく知らない人」と「知っている人」の対応が違うことはよくあります。「知っている人」なら聞いてもらえる融通が、「よく知らない人」だと聞いてもらえない、なんてこともあります。

会社では、一人で完結する仕事はほとんどありません。だからこそ、社内に「ちょっとした知り合い」が多い方が圧倒的に仕事は進めやすくなります。

その「ちょっとした知り合い」を増やす絶好の機会となるのが、飲み会なのです。

「ちょっとした知り合い」が増えれば仕事はやりやすくなる

「ちょっとした知り合い」が増えるメリットについて、もう少し詳しくみていきましょう。

たとえば仕事では、「よく知らない人」と「ちょっとした知り合いの人」ではこのように対応が変わることがあります。

・「よく知らない人」なら文句を言うけれど、「ちょっとした知り合い」なら、文句を言わずにフォローする。
・「よく知らない人」から「明日までにお願いします。」と頼まれても、「忙しいからちょっと無理。」と断るような場合でも、「ちょっとした知り合い」なら、「仕方ないな。もっと早くいってよ!」となんだかんだと引き受ける。
・業務にプラスになるような情報を知っていても、「よく知らない人」には特に伝えないけれど、「ちょっとした知り合い」なら情報提供する。

このように日常業務の細かい場面で、「よく知らない人」か「ちょっとした知り合い」かの差が実は表れているのです。そしてこのメリットは、相手のことをよく知っていれば知っているほど大きくなります。

「こいつなら、仕方ないか。」「こいつの言うことなら聞いてやるか。」とどれだけの人に思ってもらえるかが、仕事をする上ではとても重要です。

また「よく知らない人」が減り、「ちょっとした知り合い」が社内に増えれば、会社で挨拶や雑談をする機会が増えます。会社で他の人とコミュニケーションをとる機会が増えれば、それだけ職場は居心地のよいものになります。

「職場は仕事だけしていればいい」「職場の人と仲良くなるつもりはない」と割り切った考え方もありますが、「ちょっとした知り合いになる」ことは、「仲良くなる」と少し違います。

「職場の人と仲良くするつもりはない」のは自由ですが、このようなメリットがあるなら「ちょっとした知り合いになる」人間関係作りまで拒否してしまうのはもったいないと思いませんか。

飲み会で「ちょっとした知り合い」を増やすコツ

そうはいっても、「大勢で飲むのは苦手。」「飲み会での会話に困る。」という方もいるでしょう。そんな時に飲み会で「ちょっとした知り合い」を増やすためには、どうしたらいいのでしょうか。

そのためにはまず、両隣の2人、目の前の1人(余裕があれば斜め前の人の2人)と、「自分の周囲3人(斜め前の人を入れて5人)」に集中してみましょう。これなら相手にするのは、大人数ではなくて少人数です。

そして、気が合わなくても、話が合わなくてもいいから、この「周囲の人」に対して「知らなかったことを見つけよう」という気持ちで接してみてください。

相手が話をしてくれる場合には、聞き役に徹すればいいですし、話題に困ったら「休日は何をしているんですか?」「お酒はよく飲みますか?どんなものが好きですか?」など無難な話題を振ってみましょう。

愚痴っぽい人やお説教が好きな人、一方的に話をする人の隣になってしまったら、運が悪かったと思って話に付き合うしかありません。多少我慢して話を聞いていれば、相手はあなたを「話をちゃんと聞いてくれる人」だと知ることができます。それも「ちょっとした知り合い」になるきっかけとなるのです。

「職場の飲み会」も悪くないと思ってみよう

飲み会に対して、「職場の人となんて気が合わない。」「お酒が入らないと本音で語れないなんて…。」と嫌悪感を抱いている人も少なくないですが、気が合わなくても、本音で語れなくてもいいのです。そう構えずに、飲み会を社内での「ちょっとした知り合い」を増やす場と考えてみましょう。

「職場の飲み会は業務」と言い切る人もいますが、ある意味その通りで、仕事をやりやすくするために、職場の人間関係を作るための時間です。
面倒くさいと感じるかもしれませんが、飲み会で作られた人間関係は自分の仕事のやりやすさに繋がり、プラスとなって自分に返ってくるのです。

「職場の飲み会は嫌だ」と思っていると、飲み会の良さも見えてこなくなってしまいます。今度の飲み会は、「悪くないかもしれない」と思って参加してみませんか。