「このままでいいのか、わからない…」この迷いはふとした瞬間にやってきます。

特に、今の仕事がある程度できるようになり、慣れてきたとき。
今すぐ転職活動をしようと思うほどではないけれど、なんとなくしっくりこないとき。
今の会社に未来を感じられないとき。
人間関係が悪いというわけではないけれど、一緒に働く同僚や先輩、上司に対して、「この人たちと一緒に仕事ができて楽しい」というワクワクも感じないとき。
この仕事も生活も、今はいいけれど、5年も10年もやっていくのはどうかな…と不安に思うとき。

その思いのバロメーターがMaxになってしまえば、「よし、転職しよう!」と行動を起こせる。でもまだそこまでではないからこそ、余計モヤモヤする―。

誰に相談しても答えがでなそうな、そんな「転職未満」のキャリアの迷いを感じたら、こう考えてみませんか。

このままでいいのかわからない…は
「このままではよくない」から感じる

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今の仕事に、働く環境に、本当に何の問題もなかったら、「このままでいいのかわからない」とは感じません。
だから「このままでいいのかわからない…」という迷いは、自分の本心が求めているものと今の仕事や環境が違うというサインです。

ただ、だからといってすぐに仕事や環境を変えるにはリスクも伴いますし、新たな変化を受けいれなければなりません。

人間には「変化を避けたい」という脳の本能もありますから、そこでちょっとブレーキがかかる…本心が求めているものと今は違うけれど、変化を避ける気持ちもある。

それが「このままでいいのかわからない」という迷いになっているのではないかと思います。

自分のやりたいことや
長期ビジョンを考えてとかいうけれど…

こんなときによくあるアドバイスとしては、「自分の本当にやりたいことや、キャリアやビジョンを考えてみましょう」というものですが、それがわかったら苦労はしませんよね。

自分の本当の気持ちを整理して向き合うのは、意外に難しいもの。

もっといえばどんなに向き合ったところで、なかなか見えてこないことはよくありますし、自分に向き合って、やりたいことや将来なりたい自分がぼんやり見えていても、そこにたどり着く方法がわからない…ということもあります。

さらに、「昔やりたかったことを思い出して」なんていわれますが、昔やりたかったことと、今やりたいことは変わってることもしばしばです。やりたいことは変わっていなくても、「さすがにそれで飯を食べていこうとは思ってない…」ということもありますよね。

一度、自分の気持ちに向き合ってみるのはとても大切ですが、もし考えたところで答えが見えてこなかったら、今の時点の自分にはまだ「答え」がないんです。

しかしそれは決して、悪いことでもまずいことでもなく、「今の自分には答えがない」と気づくのがとっても重要

そして「今はまだ答えがない」とわかったら考えるのはやめにして、「答え」を見つけるために一歩動き出しましょう。

会いたいと思った人に会う。
行ってみたいと思っていたイベントやセミナーに参加する。
以前から興味があった、新しい習い事や趣味を始めてみる。
行きたかった映画に行ってみる。

どんなことでもかまいません。「前からやりたかったこと」「自分の興味があること」はありませんか?

今はまだ自分のなかで見えない「答え」も、今とは違う行動を起こし、人に会い、新たに情報や刺激を得たり、新たな経験をしたりすることで、何かを感じれば、いつか必ず自分のなかに見えてきます。

「答え」は「自分のなか」にありますが、その「答え」を見つけるきっかけやヒントは「外」にあります。「答え」が見つからない、わからないのは、そのきっかけやヒントが足りていないだけなのです。「答え」がみつからなかったら、ヒントを探しにいきましょう。

キャリアの8割は
「偶然の出会い」でやってくるから

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明確なキャリアプランや、強い志に基づいて自らのキャリアを築いていく人たちもいますが、世の中そんな人ばかりではありません。

それをキャリア理論として提唱したのが、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ博士です。

クランボルツ博士は、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」という論理に基づき、その偶然を計画的に設計して、自分のキャリアを良いものにしていこうとしています。

「偶然を計画的に設計する」と聞くと、「偶然なんだから、計画的に設計できるわけがない」と思ってしまいますが、これは起きている出来事、出会った人が「よい偶然」となるような心持ちで過ごしていきましょう、ということ。

クランボルツ博士もそのために必要な条件として次の5つをあげています。

(1)好奇心
新しい出会いや新しい学習の機会に興味関心をもつこと。

(2)冒険心
新たな機会があったら、それに向かって一歩踏み出してみること。リスクを取って行動を起こすこと

(3)楽観性
くよくよしないこと。何とかなると思うこと。

(4)柔軟性
他人の意見や新たな視点を受け入れ続けていくこと。こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること。

(5)持続性
飽きずに続けること。1つ何かをみつけたら、納得するまで失敗してもやってみること。

「このままでいいのかわからない」そう感じている今は、この5つも自分のなかから消えてしまっている状態ではありませんか?
それでは次のキャリアのきっかけになる偶然には出会えませんし、身の回りにその出会いやきっかけがあったとしても見落としてしまいます。

次のキャリア。
自分のやりたいこと。

それを見つける偶然に出会うために、「好奇心」「冒険心」「楽観性」をもって新しい行動を起こし、人に出会い、「柔軟性」でその出来事を受け入れ、いいなと思ったら「持続性」をもって続けてみましょう。

そうすればきっと、「このままでいいのかわからない」から脱出するヒントを見つけられますよ。