厚生労働省が8月30日に発表した平成28年7月の有効求人倍率は、1.37倍となり24年5か月ぶりの高水準となった4月から高水準の上昇・横這いが続いています。
企業の採用意欲が高い今は、フリーターから就職活動をする絶好の機会といえます。
就職のチャンスともいわれても、やりたいことがわからないから、どこに応募していいかわからない・・・と行き詰っていたら、このように会社選びを進めてみませんか。
1:大企業は除外する

まずは、誰もが名前を知っているような、大企業を自分の選択肢から外しましょう。
今は、多くの大企業で採用意欲が高く、なかには「経験不問」の求人もあるかもしれませんが、大企業の求人は、正社員経験者からも大人気の激戦区です。
応募者も非常に多いため、フリーターからチャレンジしても書類選考を突破するのはほぼ不可能でしょう。
自分が知っている企業がいい企業とも限りません。
名前を聞いたことがなくても、安定していたり、社風が良かったりと、「いい企業」はたくさんあります。
聞いたことがなく、あまり知られていなくて選考のライバルが少ない企業にこそ、フリーターから就職できる可能性があるのです。
2:「なんとなく良さそう」と思ったら応募してみる
今は、フリーターからの就職を支援するサービスも増えていて、無料で利用できます。
ハローワーク、転職情報サイト、フリーターからの就職支援サービスなどをフル活用し、とにかく多くの企業情報に触れてみてください。そして直感で「なんとなく良さそう」と思った会社は、まずは応募してみましょう。
直感で「なんとなく良さそう」と思ったあとに、ついつい「でも○○だからなぁ・・・・」「××じゃないし・・・・」とアラ探しをしてしまってはいませんか。そうなると、応募する企業の選択肢はどんどん狭まってしまいます。
目にした会社に何か1つでも惹かれるものがあれば、それも何かのご縁です。アラ探しではなく、「他にもいいところがあるかもしれない」という目で、会社をみてみましょう。
3:ベンチャー企業を経営者や働く社員で選んでみる
「やりたいことが特に見つからない」場合には、経営者の人柄や社員の雰囲気でベンチャー企業を選んでみませんか。
ベンチャー企業の場合、フリーター経験のみでも意欲があれば、正社員として採用される可能性は十分にあります。
転職情報サイトで「ベンチャー」をキーワードに検索し、様々な会社の社員紹介や経営者からのメッセージを読んでみましょう。
「こういう人たちと働きたいな」「この人と一緒に仕事がしたいな」と思える会社に出会えたら、その感覚を大切にしてください。
4:100%の納得感を目指さない
フリーターからの就職活動では、「長く続けたいから、妥協せずに納得できる仕事を探したい」と思ってしまうかもしれません。
しかし、100%の納得感や満足度を目指していると、「自分に合う企業はない」「働きたい企業はない」という結論になってしまうこともよくあります。そして「妥協して働くくらいなら・・・」と、フリーターを続けてしまうことになりかねません。
フリーターからの就職に限らず、正社員からの転職活動であっても、自分の希望が全て叶うような転職はそうそうありません。
勤務先が家から近くて通いやすいなら、多少の仕事内容には目をつぶる。会社の雰囲気がよく働きやすそうなら、多少給与が安いのは許容するなど、希望との違いを受け入れていくことはとても大切です。
「あと2万、基本給が高ければここでいいんだけど・・・」
「給与はいいんだけど、何となく雰囲気が・・・」
「仕事内容はいんだけど、ちょっと遠くて・・・」
など、「ここはいいけど、ここが・・・」と思ってしまって、応募する企業がどんどんなくなってしまっているということはありませんか。
その「~だけど」の後は本当に重要な条件なのか、ぜひ見直してみましょう。
5:派遣会社も視野に入れてみる
年齢にもよりますが、正社員や契約社員の仕事に惹かれるものがなければ、派遣社員からスタートするのも選択肢の1つです。
派遣会社は教育研修制度が整っていることも多く、実務経験を積みながらスキルアップすることもできます。
「リクナビNext」が企業の人事を対象に行った調査では、「一定の派遣社員経験は評価対象になる」と回答した企業は68.7%。
「受けたい企業がないから…」とフリーターを続けるよりは、派遣社員としての仕事を始めたほうが、より就職がしやすい状況になるでしょう。
フリーターから本当に就職したいなら
前述の「リクナビNext」の調査によると、「フリーターを正社員として採用する場合、何歳くらいまでの方を対象として考えますか?」という問いに対して、最も多かったのが「24才まで」と「25才まで」で共に30%でした。
つまり、「フリーターから正社員として採用する場合は、24~25才まで」と回答した企業が6割になります。
年齢が上がるにつれてこの割合は少なくなり、「35才まで」と答えた企業は5%です。
30才を超えても5%は採用してくれる企業があるという見方もできますが、年齢が上がるにつれて正社員として就職できる可能性が少なくなるのは明らかです。
フリーターから本当に就職したいのであれば、最も重要なのは就職を後回しにしないことです。
どこに応募したらいいかわからないから。
やりたいことがわからないから。
どの会社にもピンとこないから。
応募先が選べずに就職を後回しにしてしまうと、就職の可能性はどんどん低くなってしまいます。就職を真剣に考えることは大切ですが、真剣に考えるあまり行動に移せない・・・ということがないように気を付けましょう。