image001
(出典:総務省統計局・労働力調査(2014年2月)より作成 http://www.stat.go.jp/data/roudou/ )

総務省統計局の労働力調査では、全国で約182万人のフリーターがいます(2013年現在)。このフリーターとは

1)「15歳から34歳」「パート・アルバイト及びその希望者」
2)「男性は卒業者、女性は卒業で未婚の者」
3)「完全失業者で探している職種がパートかアルバイト」
4)「非労働人口で、家事も通学もしていない人のうち、就業内定をしておらず、希望する仕事の形式がパート・アルバイト」

のいずれかに該当する人と定義されています。数年前に比べて15-24歳のフリーターの数は減少傾向にありますが、25-34歳のフリーターは増加傾向にあり、フリーターの長期化が問題になっています。(内閣府 「平成25年版子ども・若者白書」)

image002

(出典:内閣府 「平成25年版子ども・若者白書」
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h25honpen/b1_04_02.html )

新入社員の頃は、フリーターも正社員も年収にさほど大きな差はありません。しかし、その賃金格差は40代では正社員の年収はフリーターの年収の倍となり、年金収入も含めると生涯収入の差は2~3億と言われています。

将来を考えてフリーターから正社員になりたいと思ったら、軌道修正は早ければ早いほどしやすいです。正社員になりたいと思ったら、このステップで行動を始めましょう。

1: いつまでに正社員になるか期限を決める

image003

正社員になりたいと思ったら、最初に「いつまでに正社員になるのか」自分で期限を決めましょう。そして、期限を決めたら、それまでは何十社落ちてもあきらめないことを決意しましょう。

アルバイトの仕事と収入があると、「正社員になりたい」と思っても目の前の仕事を優先してしまいます。「そのうち…」「いい仕事があったら…」「応募してもどうせダメだし…」と思っていると、あっという間に何年も過ぎてしまいます。

それを避けるためにも、漠然と「正社員になりたい」と思うのではなく、「○才までに正社員になる」と目標期限を決めることが大切です。

志望する業界にもよりますが、フリーターから正社員になるためには、数十社応募する覚悟と行動力が必要です。期限が決まれば、月にどれくらいの応募が必要なのか道筋が見えてきます。

この決意が「まあいいや」となってしまいがちな人は、家族や友人に周囲に宣言して、怠けそうになったらチェックしてもらえる環境作りもおすすめです。

2:書類選考と面接に向けて「2つの軸」を用意する

image004

正社員を目指すと決まったら、書類選考(応募書類の作成)と面接に備えて2つの軸を用意します。それが「やりたい仕事」(志望動機)と、「その仕事に活かせる自分のセールスポイント」(自己PR)です。

やりたいことが見つからない場合は、アルバイト経験のなかで、最もやりがいを感じたり、嬉しかったりした経験と同じ内容の仕事を候補に挙げてみてください。それでも見つからない場合には、「こんな環境で働きたい(例:人と接する仕事、ものを作る仕事、和気藹々としている会社など)」という希望でも構いません。ただし、「こんな環境で働きたい」という希望は、自分がどうしても譲れないもの1~2つに絞ります。

次に、「その仕事に活かせるかどうか」という視点で、自分のセールスポイントを整理します。たとえば、接客の仕事をしたいなら、接客でお客様から喜ばれたエピソードを中心に自分のセールスポイントをまとめます。

些細なことでもいいので、自分が最も力を入れたこと、努力したこと、苦労したことなどを思い出して、人に伝えられるようなエピソードにしておきましょう。

3:減点方式ではなく加点方式で企業を選ぶ

image005

そして企業選びです。企業選びは、絞りすぎると応募する企業の絶対数が少なくなってしまいます。あれこれと条件を絞らずに、数十社を目安に応募企業を広げてみましょう。

ただし、広げるといっても「全く興味のない会社でも応募する」ということではありません。興味のない企業の面接がうまくいくことはあまりありません。しかし、興味のない企業であっても不採用となれば、多少なりともショックを受けます。それは、転職活動を進める上で精神的にもあまりいいことではありません。

だから応募する企業は、少しでも興味が持てそうな企業にします。そして書類選考が通ったら、「せっかくのご縁だから調べよう」と、心を開いてその企業のいいところを真剣に探してみてください。ホームページなどでは見つからなくても、担当者や企業の雰囲気がよかったということもありますから、面接にも「行ってみたら雰囲気のいい会社かもしれない」とオープンな気持ちでいきましょう。

企業は「これがいや、あれがダメ」と減点方式でみるのではなく、いいところを探す加点方式でみることが大切です。

たとえば介護福祉業界は、減点方式でみると、「仕事がきつい」「給料が安い」「夜勤がある」など多くの懸念点がみつかります。しかし加点方式で見ると、求人需要が高い割に、高度な専門知識や経験が不要のため、未経験から正社員になれる可能性が他の業界に比べて圧倒的に高いという良さがあります。他にも個別に企業をみれば、「職場の雰囲気がいい」「人の役に立っていることを実感できる」等を実感できる職場もあります。

企業を減点方式でみて、不満な点を探して応募先を絞ってしまうのではなく、視野を広く持ち、いいところを探すという加点方式で向き合いましょう。

フリーター期間が長くなるほど転職難易度は高くなる

image006

(出典:厚生労働省 若年雇用関連データ
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/12.html
※資料出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の展開―「第3回若者のワークスタイル調査」から―」2011)

生涯フリーターとして生計をたてることも、また1つの選択肢ではあります。しかし、正社員を希望しているのなら、その決断は早ければ早いほど実現可能性は高くなります。

厚生労働省の若年雇用関連データによると、フリーターから正社員の転職場状況は、フリーター期間が6ヶ月以内の場合には全体で72.5%ですが、これが3年以上となると57.0%まで低下してしまいます。

また、正社員への転職のしやすさは、フリーター期間の長さだけでなく、年齢も影響します。年齢が上がれば上がるほど、企業も個人に対して「今後の成長性や可能性」よりも「今までの経験」を求めるため、正社員への転職の難易度は上がってしまいます。

フリーターから正社員を目指すなら、早ければ早いほど実現の可能性は高くなります。「今はアルバイトも忙しいから、そのうち」と決断を後回しにせず、今すぐ行動に移しましょう。