「今の仕事がどうも合わない。」
「仕事をしていてもちっとも楽しくない。」
「上司とも合わないし、条件も悪いし、もう辞めたい。」

このように感じているからといって、今の仕事を簡単に辞めることはあまり得策ではありません。

しかし、「今の仕事が合わない。」と感じるまま、何となく我慢して仕事を続けてしまっていては、転職のタイミングを逃してしまうこともあります。

「仕事が合わない」と悩んでいるなら、その自分の気持ちにしっかり向き合って、悩みを解消するための行動を起こしましょう。悶々とする今を改善するための4つのステップを紹介します。

1:今の仕事が合わない理由を挙げてみよう

合わない理由

まずは、「今の仕事が合わない」と感じる理由を整理してみましょう。モヤモヤする悩みは、それを整理することで、解消に向かうことができます。

企業トレーニングや自己啓発の分野の第一人者であるデール・カーネギーはその著書「道は開ける」で、次の4段階を踏めば、悩みの9割は追い払うことができるとしています(デール・カーネギー著 「道は開ける」 1999 創元社)。

カーネギーが提唱する4段階のステップは次の通りです。このステップにそって、「仕事が合わない」という悩みを解消していきましょう。

【悩みを分析して解消する方法】(デール・カーネギー)

1)悩んでいる事柄を詳しく書き記す。
2)それについて自分でできることを書き記す。
3)どうするかを決断する。
4)その決断をただちに実行する。

まずは「1)悩んでいる事柄を詳しく書き記す」です。思いつくままに、「仕事が合わない」と感じる事柄を書きだしてみてください。

業務の適性がないのか。人間関係がうまくいっていないのか。社風が自分に合わないのか。業績が上がらず自信がないのか。同じことの繰り返しで、成長感がないのか。本当は違うことがやりたいのか。

理由は複数あるかもしれません。何となく合わないと思っていても、その原因がはっきりするだけで、モヤモヤは晴れるものです。

悩んでいる事柄を書きだしたら、次のステップに進みます。

2:現状で自分にできることはないか、考える

次は、「2)それについて自分でできることを書き記す」です。1)であげた事柄に対して、今の職場でできることはないかを考えてみましょう。

業務の適性がないと感じていたら、自分の長所を今の業務で活かす方法が本当にないかもう一度見直してみましょう。仕事のやり方を変えれば、適性を活かせることがあるかもしれません。また、仕事への適性について上司に相談する、異動の可能性を打診するのも有効です。

職場の人間関係がうまくいっていなければ、人間関係をよくできないか試してみましょう。毎朝気持ちよく挨拶をする、ということを徹底するだけでも人間関係が改善することもあります。

仕事に成長感が感じられなければ、違うやり方や新しい分野へのチャレンジを上司に相談してみるのはいかがでしょうか。あなたの気持ちを知った上司から、新たな提案があるかもしれません。

これらは一例ですが、できることはいろいろあります。実行するかしないかは別にして、悩んでいる事柄を解消できるような行動をできる限り具体的に書きだしてみましょう。

自分で思いつかなければ、信頼できる友人や先輩、キャリア・カウンセラーに相談してみてください。

3:どうするかを決断する

「2)それについて自分でできることを書き記す」ことができたら、それを実行するかしないか、実行するならいつまでにやるのかを決断しましょう。

1度にたくさんのことを行動に移してみるか、まずは1つずつ行動に移してみるかはあなた次第です。

ただし、「何もしない」「放っておく」ということだけは決断しないでください。後で詳しく述べますが、ここで何か1つでも行動を起こすことが、とても重要だからです。

4:その決断を直ちに実行する

そしてやると決断したら、それを直ちに実行に移しましょう。「今の仕事が合わない」と感じているおもしろくない現状をどれだけ変えられるか、ゲーム感覚でトライしてみてください。

「今の仕事が合わない」と思った時に現状を変えるために行動を起こした人と、何も行動を起こさずに仕事を辞めてしまった人とでは、「うまくいかない現状を変えるために行動を起こせたかどうか」という経験の差がつきます。

結果的に現状が変わらなかったとしても、「現状を変えるために自分で考えて、何らかの行動を起こしたかどうか」は、非常に大きな違いになります。

行動を起こせば、必ず何らかの結果が得られます。現状は変えられなかったかもしれませんが、対人スキルや仕事のやり方、物事の捉え方など、行動を起こしたことで多くの学びがあったはずです。

また、行動を起こせば「現状から逃げずに行動を起こした」という自信がつき、「現状を変えるために自分は何をしたか」を語れるようになります。この自信と経験が、転職の際にあなたの評価を大きく左右するのです。

どうしても現状が変わらなかったらその時は転職を

このように自分で考えて行動を起こしてみると、今の仕事の違う側面が見えてきたり、異動になったり、職場の人間関係がよくなったりと現状が改善して、「今の仕事が合わない」という悩みが解消できることもあります。

反対に、自分がどれだけ頑張っても現状が変わらないこともあります。

周囲に働きかけても、人間関係がよくならない。
仕事の新しいやり方を提案しても、聞いてもらえない。
異動を希望しても無理そうだ。

行動を起こした結果、「どうにもならない」ということがわかったら、ストレスで心身に影響が出る前に転職先を探し始めてもよいでしょう。