仕事ができないのがつらい。
重い気持ちがなかなか拭えず、毎朝憂鬱でたまらない。
そんなときに、「どうして私はこうなんだろう・・・」と塞ぎこんでしまっていたら、ちょっと立ち止まってみてください。
仕事ができないのがつらいと感じるのは、それだけ真摯に仕事に向き合えているということ。
そこには自信を持って、つらい気持ちのやり場をこう考えてみませんか。
「仕事ができない」を因数分解してみる
「仕事ができない」と感じる現状について、落ち込んでいる感情と自分に起こっている事実を切り分けて考えてみましょう。
「仕事ができない」は、目安となる「できる状態」と比べた結果で感じる感情です。今あなたが、比べている「仕事ができる状態」とはどんな状態でしょうか。
たとえば、ミスをしないなど、「最低限他人に迷惑がかからないような、あるべき状態」にもなっていないのか。
後輩や新人など、「自分よりも後から入社した人に比べて、これぐらいはできたほうがいい状態」に到達していないのか。
それとも、「自分が理想とする状態」からかけ離れているのか。
社内で評価されている同僚や先輩と比べた時に、「社内で評価される状態」に遠く及ばないのか。
つらい原因がわかれば対処法がわかるかもしれませんし、少しはスッキリするかもしれません。この「つらい」と感じる感情は何から生まれているのか、自分の心に向き合ってみましょう。
昨日より1つでもできるようになれば「よし」とする
もし、今の状態がミスや失敗が多く、「最低限他人に迷惑がかからない状態」にもなっていなくて、周囲の人に迷惑をかけているようでつらいのであれば、焦らないことがとても大切です。
焦ると仕事に集中できなくなったり、配慮を巡らせたりすることがしにくくなり、ますます状況が悪化してしまいます。
一気に「できる人」を目指すのではなく、毎日1つずつでもできることを増やしていきましょう。
「問い合わせのメールにすぐに対応する」「○○の資料を誤字脱字なく仕上げる」など、1日1つでも積み重ねれば、1ヶ月で20以上も改善ができます。
たとえ、周囲から「失敗ばかりで困る」「辞めてほしい」と言われているような場合でも、一番の解決法は1つでもできることを増やし、ミスを減らすことです。
「失敗ばかりで周囲に迷惑をかけてしまう・・・」と思っていると、「自分は失敗ばかりだ」というセルフイメージになってしまいます。たとえ今、仕事がつらくて辞めたとしても、「自分は失敗ばかりで、仕事ができない」というセルフイメージのままでは、いい転職ができません。
昨日より1つでもできるようになれば「よし」とし、焦らずに丁寧に1つ1つできることを積み重ねていきましょう。
職場の同僚・後輩・先輩とは比べない
職場の同僚や先輩、あるいは自分よりもあとから入社してきた後輩と比べて、「自分はなんて仕事ができないんだろう」と思ってしまうこともあります。
「他人と比べるな」とはよく言われますが、そうはいっても人はどうしても他人と比べてしまうもの。
同期よりも出世が遅れている。
後輩よりも業績が悪い。
あの先輩に比べたら、自分の知識と技術のなさに泣けてくる。
他人と比べずに職場で過ごすのは、仙人でもない限り難しいかもしれません。
でも現状では比べても何もいいことはありません。
それならば、他人と比べるのはやめて、他人と比べることに思いを巡らせる時間を仕事に打ち込みましょう。その分、勉強をしたり、社外の講習やセミナーに通ったり、顧客先を訪問したり、とできることはいろいろあります。
他人と比べて嘆く時間を、自分を磨く時間、自分を成長させる時間に使ってみてください。
「できないこと」より「できたこと」に目を向ける
人は自分が思い描いたような人間になります。
「仕事ができない、つらい」と思いすぎていると、「仕事ができない」自分に、自分をどんどん追い込んでしまうようなものです。
そうならないためにも、「仕事ができないこと」よりも、どんなに小さくてもいいから「できたこと」に目を向けましょう。
たとえばお客様からクレームが続いてつらい状況を、顧客先に何度も足を運んで何とか関係修復ができたとします。
この状況なら、「なんでこんなにクレームばかり」「なんで失敗してしまったんだろう」と思い悩んだり、自分を責めたりするよりも、「クレームの状況を乗り切れた」自分の対応力に目を向けましょう。
物事は見方次第で本当に大きく変わります。「できたこと」に目を向けているうちに、状況が改善する可能性も大いにあるのです。
少しだけできるようになる努力をする
そして最後に。
仕事がつらいときには、少しだけでも、自分が思い描く状態に近づけるように、仕事できるようになる努力をしてみませんか。
営業目標を達成できるよう、今日は1件だけ顧客先を多く回る。
ミスなくできるように、自分だけのマニュアルやチェックリストを作る。
帰宅してから1冊だけビジネス書を読む。
セミナーに参加する。
できる人に教えてもらう。
など、何でもいいので、何か1つ行動を起こしてみましょう。
何も思いつかないようであれば、毎朝いつもよりも30分早く出勤してみるのもおすすめです。
朝の時間を有効活用し、始業前にその日のスケジュール、やるべきことを整理して1日に取り組めば、仕事の成果も変わってくるかもしれません。
「状況を改善するために、自分はきちんと行動を起こせている」という気持ちは、今の状況を変えるきっかけになります。
小さな行動からでも、「仕事ができない、つらい」状況は変わります。つらいときこそ、何か1つ始めてみましょう。