仕事には、やりがいなんていらない…という考え方があります。
一方で、1日8時間もの時間を費やし、人生の大半を占めるのだから、やりがいを感じられる仕事についたほうがいい、仕事にやりがいは必要なもの…という考え方もあります。

毎日同じような仕事でつまらない時。
仕事にやりがいや充実感を感じられない時。
転職でやりがいはそうでもなさそうだけど、他の条件はすごくよい会社に内定して迷った時。
「仕事にやりがいは必要」という意気揚々と語る意識が高い人の記事を見て、心がざわつく時。

そんな「仕事のやりがい」問題が気になった時には、こう考えてみませんか。

仕事のやりがいはいろいろあっていい

キャリアダウン

「仕事のやりがい」ときくと、なんとなく「やりがい」=「仕事での充実感、成長感、達成感」のような、煌びやかなイメージを持ってしまっていませんか?

たとえば、

☑仕事を通じて成長している。
☑社会的に意義のある仕事ができている。
☑自分の仕事が、社内外で高く評価されている。
☑自分のやりたい仕事に就いている。
☑「この仕事は自分しかできない」と思えるような成果を出し、周囲からも認められている。

というような、目覚ましく活躍している状態に感じる感覚だけが「仕事のやりがい」のように思えてしまってはいないでしょうか。

しかし、大辞林を調べてみると、「やりがい」とは「物事をするにあたっての心の張り合い」と説明されています。

この言葉の意味通りに「やりがい=心の張り合い」と考えると、人それぞれでいろんな「心の張り合い」があっていいのがわかります。

たとえば、

☑目の前のお客様に、「ありがとう」と喜んでもらえた。
☑誰かの役に立っていると実感できた。
☑今日もミスなく仕事ができた。
☑一生懸命仕事をして、今日も社食のお昼がおいしく食べられた。
☑気の合う同僚と、和気あいあいと働けている。
☑尊敬できる上司と一緒に仕事ができている。
☑オフィス環境が良くて、毎日快適に働けている。

こうした日々のちょっとした「心の張り合い」だって、十分仕事の「やりがい」なのです。

自分のやりたい仕事をやって、充実していて、しかもそれが評価されていて、満足な報酬を得ているー。

そんな「やりがい」のイメージに縛られてしまっていると、日々の仕事に溢れているちょっとした心の張り合いを見落としてしまいます。

「やりがいとは、こういうもの」のイメージを一度リセットして、今の仕事を見つめ直してみると、意外にたくさんのやりがいが見つかるかもしれません。

「仕事以外のやりがい」を支えるものだっていい

もちろん、別の考え方もあります。

確かに1日8時間かそれ以上の時間を仕事に費やしますが、人生に大切なのはもちろん仕事だけではありません。

人生のうち、仕事だけが成長感や充実感、達成感を感じる場ではありません。

だから人生のうちの長い時間を費やすからといって「仕事」にやりがいを感じなければいけないわけではなく、仕事を「仕事以外の場所にある、自分の心の張り合いを支える収入の糧として、割り切って取り組むもの」として捉える生き方だっていいのです。

たとえば以前、ある国民的男性アイドルグループの大ファンで、毎年開催される全国ツアーの参戦が生きがいだという女性にお会いしました。

彼女は、そのために「コンサートツアーに参加しやすい仕事」という軸で仕事を選び、実際に毎年全国各地で開催されるコンサートに行ける今のライフスタイルにとても満足していました。

「仕事はもちろん、一生懸命やります。でも私にとって仕事は、生活費とコンサートに行ける費用が稼げればいいものなので」と自分の価値基準が明確な彼女は、「仕事にやりがいが必要なのか?」という問題に悩むことはありません。

彼女は「自分の趣味」でしたが、これが「子どものため」「家族と過ごす時間のため」「ボランティア活動」など「仕事以外で自分にとって大切なもの」はたくさんあるでしょう。

「仕事にやりがいを感じたほうがいい」とはいうけれど、自分の人生にとって大切な「心の張り合い」は仕事以外の場にあり、仕事はそのための生活の糧としてあるだけ。別に、仕事で成長感や達成感、充実感なんてなくていい。

それはそれで、とても素敵な考え方なのです。

「仕事のやりがい問題」には
人それぞれの答えがある

仕事にやりがいはいるのか、いらないのか。
その問いには万人共通の正解はなく、人それぞれに答えがあります

他人の答えは、自分の価値観や判断軸を考える上での参考にはなりますが、自分にも同じように当てはまるわけではありません。

同じように、自分の価値観が他人にも同じように当てはまるわけでもありません。

ただ1つ、いずれにしても「やりがい」を考える上でとても大切なことがあります。

それは、「やりがい=自分の心の張り合い」であり、人それぞれに答えがあるからこそ、他人の状況と比べていると、いつまでたっても「やりがい」は見つからず、感じにくくなるということです。

たとえば、自分は年収450万で仕事も楽しいし、成長も感じているのに、年収600万円の友人と比べると何だか自分の仕事がつまらなく見えてしまうかもしれません。

SNSで友人が仕事の充実した生活を発信しているのをみて、「それに比べて、自分は…」と思ってしまうかもしれません。

目の前のお客様には「ありがとう」と言ってもらえて、嬉しいとは思うのに、社内でもっと活躍している同僚と比べるとモヤモヤしてしまうかもしれません。

他人と比べて自分の状況が恵まれていると、確かにちょっとした優越感に浸れはしますが、他人との比較を判断基準にしてしまうと、どんな状況にも必ず「上には上」がいますから、どこかで満たされなくなってしまいます

「他人と比べない」というのは、簡単にみえてなかなか難しいですが、ぜひ自分の心にまっすぐに向き合ってください。

そして、もし他人との比較を抜きにして今の状況に「やりがい」が感じられないのであれば、それは

・「やりがい=自分の心の張り合い」が何かわかっているけれども、それが今の状況にはない
・そもそも「やりがい=自分の心の張り合い」が何だかわからない

のどちらかだと思いますので、自分はどちらなのか、答えがでるまで自分自身に向き合ってみましょう。

自分が抱える問題がどちらなのかわかったら、次に何をすべきかが見えてきます。「仕事のやりがい問題」に関するモヤモヤも、解決にむけてきっと一歩動きだしていけると思いますよ。