今の仕事がつまらない。自分に向いていない。やりがいが感じられない。
そんな欝々とした日々を送っていると、「このまま仕事を続けていても、つまらないし、成長もできないし…」と、「転職」の二文字が頭に思い浮かんできてしまいますよね。
転職して、違う会社で環境が変われば、仕事のやりがいも感じられるようになるのではないか。
そう思ってしまうのは自然なことですが、「やりがい」を探し続ける流浪の民になってしまわないように、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
満たされていないのは、本当は何なのか?に目を向ける
「仕事にやりがいを感じない」…この状態には、実はいろんな原因があります。
・一生懸命がんばっているのに、全く評価されない。
・仕事が簡単すぎて、退屈。
・仕事が合わない、適性がなくて、つまらない。
・仕事の意味、価値が理解できない(自分の仕事が、誰の何の役にたっているのかわからない)。
・仕事のことを相談できる上司や先輩がいない。
・職場の同僚と合わない。
・職場のコミュニケーションが少ない、職場が殺伐としている。
・同じことの繰り返しで進歩がない。
・「この人と一緒に働きたい」と思える人や、「この人みたいになりたい」と思えるような人がいない。
などなど、「やりがいが感じられない」と思うのは、何か満たされない思いや不満があるからです。そしてそれは、大きく分けると4つに分類されます。
1)仕事への評価に対する不満
(評価されない、よく注意される等)
2)仕事の適性に対する不満
(仕事が簡単すぎる、退屈、合わない等)
3)仕事を通じた成長感に対する不満
(誰の何のためになっているのかわからない、同じことの繰り返しで進歩がない、尊敬できる人がいない等)
4)職場でのコミュニケーションに対する不満
(相談できる人がいない、同僚と合わない、社風が合わない等)
あなたの場合、「やりがいが感じられない」原因になっていたものは、何だったでしょうか。転職をするかどうかを考える前に、まずはその答えを探してみましょう。
転職をしなければ解消できない「やりがい問題」とは?
さて、上記4つの不満は、
①自分の考え方や受け止め方で変わる可能性があるもの
②自分が行動を起こせば変わる可能性があるもの
③転職しなければ変えられないもの
に分かれます。
たとえば、「仕事への評価に対する不満」は、評価されないと感じている状況は、上司への報連相を小まめにしてみる、仕事のやり方を変えてみるなど、自分が行動を起こせば変わる可能性があります。
「仕事の適性に関する不満」も、仕事が簡単すぎたり単純すぎたりするのであれば、上司に仕事内容について相談すれば状況が改善するかもしれませんし、異動の可能性があるのであれば、上司や人事部に異動願いを出すなど行動を起こせば、状況は変わる可能性があります。
改善の余地が全くない仕事などありませんから、単純に見える業務でも、「もっといいやり方はないか?」と工夫したり改善したり、考える余地はきっとあるでしょう。
「仕事を通じた成長感に対する不満」も、ものは考えようです。仕事を通じてどんどん成長するというのは、それだけ難題やストレス、プレッシャーを乗り越えていく必要があるということ。果たして自分は、本当にそんな状況を望んでいるのでしょうか?
また、人はどんな環境でも、どんな人からも、学ぼうと思えば学び、成長することができます。というと、説教くさく聞こえてしまうかもしれませんが、環境は見方次第でいくらでも変わるのもまた事実です。嫌な上司も、合わない同僚も「これも人生の学び」と思えば、その人たちへの対応も変わってくるでしょう。人間関係は鏡のようなものですから、あなたの対応が変われば、相手の態度も少なからず何か変化があるはずです。
「やりがいを感じられない」原因のなかで、転職しなければ変えられないものは「社風」です。「同僚と合わない」「相談できる人がいない」レベルであれば、自分のコミュニケーションを変えることで変わる可能性がありますが、「社風」だけは自分の努力や考え方ではどうにもなりません。
やりがいが感じられない原因が、「社風があわない」のであれば、あるいは、それ以外の理由でもまずは自分で考え方を変えたり、行動を起こしてみたりして、あまり状況が変わらなかったのであれば、その時が転職を考えるときだと思います。
「やりがいを感じないから転職!」はアリだけど…
いろいろ書きましたが、結論からいえば「やりがいが感じられない」状況を、転職で改善するのは全然「アリ!」です。
しかし、「やりがいが感じられないから、転職でもしようかな」とモヤモヤしたまま転職するのは、あまりおすすめできません。また、やりがいが感じられない理由をみつけても、自分の考え方を変えてみたり、状況を変えようと行動を起こしたりする前に、転職してしまうのもあまりおすすめではありません。
なぜなら「やりがい」とは、ある環境にいけば、またはある仕事をすれば必ず感じられたり、誰かが与えてくれたりするものではなく、自分で見出していくものだからです。
だから、自分が「やりがい」を感じるのはどんなものなのか?をきちんと考えず、また今の環境でやりがいを見出す努力もせずに転職してしまっても、次の職場でやりがいをみつけられない…なんてことになりかねません。
「やりがいを感じられない」というのは、自分に深く向き合い、現状を見直すいいチャンスです。ここでしっかり考えることこそが、人としての成長につながります。転職もアリですが、転職以外の選択肢もあることを視野に入れて、ゆっくり自分に向き合ってみましょう。