会社を辞めたいと思っていても、なかなか本当に辞める決心はつかないものです。
もう少し頑張ったほうがいいのではないか。
辞めても、結局どこも一緒ではないか。
そんな思いがよぎって「辞める」ことへの罪悪感を、心のどこかで感じてしまっている自分もいませんか。
しかし、実際にはそんな我慢をしないで早く転職したほうがよいケースもあります。会社を辞めて、転職したほうがいタイミングはいつなのか。どう見極めればいいのか。会社を辞めるタイミングの見極め方を確認しておきましょう。
1:異動はもう期待できない
「会社を辞めたい。」と思う理由が、仕事内容や上司や職場での人間関係、残業時間などの場合、異動で職場が変わればその悩みが解決することもあります。
そのため、まずは社内で異動ができるように上司や人事部に異動希望を伝えるのが、「会社を辞める前に取るべき行動」です。しかし、職務内容や会社の風習によっては人事異動が叶わないケースもあるでしょう。
異動希望を伝えたけれど、どうしても異動は叶わない。
または、そもそも異動ができる職場ではない。
まずはそれが会社を辞めるタイミングの1つです。
2:職場のコミュニケーション改善の努力はしつくした
本音の転職理由は、職場の人間関係に関するものが多いと言われています。上司や同僚など、周囲とのコミュニケーションがうまくいかず、ストレスを感じて退職するケースはよくあることです。
しかし、職場のコミュニケーションがうまくいかないのは、周囲だけでなく、あなた自身に原因があることもあります。もし原因が自分にあるなら、仕事を辞めて次の職場に行っても、また同じように職場のコミュニケーションに問題を抱えるようになるかもしれません。
自分に原因があるかどうか、それに気づける人はなかなかいません。だからこそ、もし職場の人間関係がうまくいかないことが辞めたい理由ならば、まずは「もしかしたら、自分にも原因があるかもしれない。」と思って自分の行動を振り返り、人間関係を改善する努力をしてみましょう。
明るく挨拶をする、仕事の報連相をきちんと行う等、まずは基本的な業務上のコミュニケーションを徹底してみてください。相手の反応に辛くなることもあるかもしれませんが、1~3ヶ月くらいの期間を区切って、ゲーム感覚で割り切ってチャレンジしてみましょう。
この辛い状況で自分の行動を変えることができたら、たとえ周囲の反応が変わらなくても必ず自分の糧になります。そして自分が変わっても相手が変わらず、コミュニケーション改善のための努力はできることはやったと思えたら、心置きなく転職してよいタイミングなのです。
3:心身に悪影響が出ている
よく眠れない。
偏頭痛が多くなった。
食欲不振になった。
いつもイライラして、家族にもあたってしまう。
このように「会社を辞めたい。」と思うあまり、心身共に悪影響が出始めたら、真剣に会社を辞めることを考えてもよいでしょう。
ただしできることなら、退職ではなく休職して体を休めるのが先です。一度休職することで心身が休まってリフレッシュできる、あるいは待遇の改善が図られるケースもあるからです。
しかし、現実には様々な事情から休職できない職場もあります。さらには、休職の制度が事実上運用されていない、休職が認められないということもあるでしょう。
心身に悪影響が出ているのに休めない。もう体が壊れてしまう。そんな限界に達したら、心身が壊れてしまう前に会社を辞めましょう。
4:状況が変わるなら多少の勤務条件には目をつぶれる
「会社を辞めたい。」と思った時に、次の転職先のことを少しイメージしてみてください。
年収や待遇がアップし、幸せな転職ができる可能性もありますが、転職で年収や待遇が下がる、仕事内容のやりがいが減るなどの妥協が必要になる可能性もあります。また、大手企業や有名企業、その系列企業などで働いていた場合、次も大手企業や有名企業に転職できる保証はありません。会社の知名度や規模、安定度などが下がることもあります。
年齢、経験などにもよりますが、次の転職先が自分の希望通りになる保証はどこにもありません。
それでも今の状況が変わるなら、たとえ少しくらい年収や待遇が下がっても構わないと思えますか。会社の規模や知名度が下がっても、このストレスから解放されるならそれでもいいと思えますか。
そう思えて、今の会社の待遇や知名度、安定度などにも未練がなくなったら、転職して状況を改善する時がきたといえます。
5:今の会社に勤務して1年以上経った
これまでの条件に全て当てはまっていたとしても、それでも会社を辞めないほうがいいケースが1つだけあります。それが、今の会社に勤務してまだ1年経過していない時です。
どんな理由があれ、1年未満で退職してしまうと転職活動にマイナスの影響を及ぼします。あまりにも在籍期間の短い職歴は、書類選考の際に「我慢ができない人なのではないか。」「周囲とうまくやっていけない人なのではないか。」と思われてしまうからです。
次こそいい職場で働きたいと思ったら、できれば2~3年の在籍期間があるのが望ましいものです。どうしても耐えられない場合には、せめて1年以上は今の職場でがんばってみましょう。
「できるだけのことはした」と思えたら退職を
「できることはやった。」という思いと自信は、面接でも好印象につながります。次こそいい職場に出会うためにも、「もう限界」と思ってからあともう一度だけ、この職場でできることは本当にないか確認し、「できるだけのことをしてから辞める」のが大切なのです。
そして「できることはもうやった。もう状況は変わらないし、今の会社にも未練はない。」と思えたら、それが会社を辞めるタイミングです。
ただし、次の転職先が決まる前に会社を辞めてしまうと、年齢や経験によっては、転職先がなかなか決まらずさらに精神的に辛くなるリスクがあります。
「激務でどうしても転職活動の時間が取れない。」
「精神的に追い詰められていて、仕事を続けながらの転職活動なんてとても無理。」
という状況の場合はその限りではありませんが、可能な限り仕事を続けながら転職活動を行い、本当に会社を辞めるのはできるだけ次の転職先が決まってからにしましょう。