「働きたい企業がない。どの企業をみても、いろいろ考えると、何か違うなと思ってしまう…」
就職活動でも、転職活動でも、応募企業を検討しているうちに「働きたい企業がみつからない」状態になってしまう人も少なくないのではないでしょうか。
これから1日約8時間、週5日。転職しなければしばらく働くことになると考えると、立地や福利厚生、給与に研修制度、社風に経営者の人柄など気になることは確かにいろいろ出てきます。
どの企業でもいいような気がするけど、「どうしてもこの企業」と思える企業がない。
どの企業も自分が求める環境とは少し違う気がする。
そう行き詰ってしまったら、こんな感じで仕切り直してみませんか。
1)社会人として実現したいライフスタイルを考える

「働きたい企業がない」と思ったら、就職・転職情報サイトや企業の口コミサイトを検索する手を一度とめて、自分の気持ちに落ち着いて向きあってみましょう。
そして、社会人として実現したいライフスタイルをイメージしてみてください。
・できるだけ高収入を得たい。
・人の役に立っていることが実感できる仕事がしたい。
・オシャレなオフィスで働きたい。
・会社は駅から近くて、周囲にもいろいろなお店があるような便利な場所で働きたい。
・成長したいから、学べる環境で働きたい。
・何でもいいから、業界トップ企業で働きたい。
・若いうちから役職を任されたい。
・仕事はそこそこでいいから、早く帰れてプライベートを充実させたい。
・尊敬できる先輩社員がいるような環境で働きたい。
・結婚後も出産後も仕事を続けたい。
・土日はしっかり休みたい。
・○○業界の仕事をしたい。
こんな感じでOKです。
まずは思いつく限り、自由に書き出すか、パソコンのメモ帳やワードファイルで明記していきましょう。どちらでも構いませんが、モヤモヤとイメージするだけでなく、文字にして箇条書きにすることで、自分が何を望んでいるのかがはっきりしてきます。
面倒臭がらずに、必ずイメージを文字で箇条書きにしてください。
2)そのライフスタイルを実現するために職場に求める条件を書き出す
実現したいライフスタイルが明確になったら、それを実現するために職場に求めたい条件を書き出しましょう。
・できるだけ高収入を得たい→月収30万円以上の仕事
・会社は駅から近くて周囲も便利な場所がいい→●●駅、○○駅、××駅から通える企業
・早く帰れてプライベートを充実させたい→月の残業時間20時間以下、年間休日●日以上
・若いうちから役職を任されたい→20代で部長以上の管理職がいる
・学べる環境で働きたい→OJTだけではなく研修制度がしっかりしている
・結婚後も出産後も仕事を続けたい→ワーキングマザーが多く活躍している
こんな感じです。自分の希望をしっかり文字にしていきましょう。
3)「どうしても必要な条件」と「あれば嬉しい条件」を明確にする
さて、条件を書き出したらここからが重要です。
書き出した条件を「どうしても必要な条件」と「あれば嬉しい条件」に分けてください。
「あれもこれも、みんなどうしても必要!」と思ってしまいがちですが、どうしても必要な条件は、2~3つに絞りましょう。
「こうだったらいいな」という希望まで全てを叶える企業はそうそうありません。だから、「これだけあれば満足して働けそう」と思える条件を明確にして、企業選びの判断軸をはっきりさせる必要があります。
判断軸をはっきりさせるということは、取捨選択の基準を明確にするということです。たとえば、「ある程度の収入を得たら、あとはプライベートを充実させたい」と「月収30万以上」「土日は休み」「月の残業時間は20時間以下」を必要な条件にしたら、それ以外の条件はある程度は妥協する意識を持つ。
自分が気持ちよく働ける条件と共に、見逃してもいい「妥協点」をはっきりさせましょう。
4)「あれば嬉しい条件」に優先順位をつける
そうはいっても「あれば嬉しい条件」でも、できれば叶えたいと思うのが人情です。そこで、ここも優先順位をはっきりさせておきます。
「あれば嬉しい」けれど、必要条件に限りなく近い条件は「◎」。ほどほどに重要なのは「○」、あったら嬉しいけど、よく考えればなくてもいいようなものは「△」として、条件の優先順位を「見える化」していきましょう。
「◎」「○」「△」がバランスよくなるように、自分の気持ちに向き合って考えてみてください。
「働きたい企業がない」なら自分の「働きたい」を見直そう
このプロセスで考え直してみると、「自分が働きたい企業」がどんな企業なのか、条件がはっきりしてくると思います。
条件がはっきりしたところで、今度は「自分が決めた必要条件を満たし、より多くの『あれば嬉しい条件』を持っている企業」を探すために、もう一度、就職・転職情報サイトをみてみましょう。
そして必要条件を満たす企業と、「あれば嬉しい条件」のうち「◎」をもつ企業名を書き出し、その企業の情報をしっかり読んでみてください。
どうでしょうか。
その企業は「働きたい」にしっくりきたでしょうか。
それとも、やっぱり「まだ何か違う」企業だったでしょうか。
もし「やっぱりまだ何か違う」と違和感があれば、その違和感にとことん向き合ってみましょう。
たとえば、月収も休日も仕事内容も良かったのに、実は立地がどうしても気に入らなかったのであれば、自分が思っていた以上に、企業の立地にこだわる志向だったといえます。
妥協できると思っていた条件がそうではなかったり、反対にこだわっていた条件が、別にこだわる必要はなかったり。実際の企業情報に触れて感じた違和感に丁寧に向き合い、自分にとって働きたいと思える企業はどんな企業なのか軌道修正していきましょう。
「働きたい企業がない」という状況は、言い返すと「どんな企業なら自分は働きたいと思えるのか」がはっきりしていない、現実的になっていない、ということになります。
そんなときはもう一度原点に戻り、自分の気持ちにきちんと向き合って「自分にとって働きたい環境とは何か?」を見直していきましょう。