内定をもらって、やっと終了した就職活動。しかし実際には、「本当にこれでよかったのだろうか」と不安や迷いが生じる人も多いようです。

この心境は、結婚前に「本当にこれでいいのだろうか」と漠然と不安になる「マリッジブルー」にも似ており、「内定ブルー」と言われています。

今は、インターネットで様々な情報収集ができ、内定先企業や職種に関する悪い評判などをたやすく見つけられます。また、「他人の芝生は青く見える」と言われるように、友人知人の内定先がよく見えるなど、自分の決断に不安や迷いをもたらす要素は、気になりだしたらキリがありません。

そんな「内定ブルー」に陥ってしまった時は、このように考えてみませんか。

社会人としてやっていけるか?活躍できるか?の答えは難しい

活躍

「内定ブルー」の要因で多いのが、「自分は社会人としてきちんとやっていけるのか」「入社後に活躍ができるのか」という将来への不安です。

これはただ漠然と感じる不安もあれば、内定者研修や内定者フォローで感じた「企業が社員に求める能力」が高いことを目の当たりにして不安を感じることもあります。

しかしこの将来に対する不安は、いくら考えても答えを出すのは難しいものです。

ただ1つ確かなのは、最初から「きちんとやっていける」新入社員は、ほとんどいないということです。

企業も、新入社員に初めから社会人として完璧さや、入社直後の活躍を期待しているわけではありません。企業が新入社員に期待しているのは、失敗しながらでも多くの経験から学び、成長していくことです。

企業は、「この人はここで活躍ができる」と確信しているからこそ、内定を出しています。「自分はやっていけるのか」と不安になった時には、内定をもらった自分に自信を持ちましょう。

同期と合わなくても尊敬する先輩や上司に出会えることもある

尊敬

また、「同期と合わない」というのも就職が不安になる大きな要因となります。内定式や企業が開催する内定者研修、懇親会などで同期入社となる内定者に会い、「ウマが合わない…」「この同期とはやって行けそうもない」と感じると、将来の人間関係も不安になるでしょう。

さらに他の企業に内定した友人が、同期と仲良くなって盛り上がっている姿を見ると、「それに比べて自分は・・・」と暗い気持ちになってしまいます。

しかし実は、入社後に同期と過ごす時間は、通常そんなに多くありません。

企業によって新入社員の研修期間の差はありますが、大体数週間から数か月。その後はそれぞれの別の部署に配属され、所属部署の先輩や上司と共に仕事をします。同期との日常業務での接点は、新入社員研修後ほとんどなくなるでしょう。

たとえ同期とは合わなくても、配属先の部署で頼りになる先輩や尊敬できる上司に恵まれる可能性は大いにあります。

「他の内定者同士が仲良くなっているのに、自分はどうしても気が合わなくて、入社式が憂鬱で仕方がなかったけれど、配属された部署の先輩や上司がすごく良く、一気に会社が好きになった。」という話も聞きます。

学生時代は友人との関係が非常に重要なので、その延長で同期との人間関係がうまくいきそうにないと不安になってしまうのも無理はありません。しかし入社後は、同期と接点を持たなくても仕事はできます。同期とウマが合わなくても、大丈夫なのです。

自分を必要としている企業を信じてみる

企業

「内定ブルー」の心境で最も多いと言われているのが、「本当にこの企業でいいのだろうか」「もっと他にいい会社があるのではないだろうか」という不安や迷いです。

民間企業の調査では、特に第一志望や第二志望の企業の面接で不採用となり、志望度合が高くない企業から内定をもらった場合に、このよう心境に陥る人が多いという結果が出ています。

これらの迷いは、自分の判断に自信が持てないことが原因です。それは、自分で納得できるくらい考え、情報収集をして企業選びをしなかったか、行きたいと思っていた企業で結果が出せず、今の企業を「妥協して選んだ」という状況になってしまったからではないでしょうか。

迷いが強いなら、思い切って気が済むまで情報取集をし、就職活動を続けましょう

ただしその前に、自分の思う「もっといい企業」とは何がいい会社なのか(給与なのか、勤務地なのか、風土なのか、仕事内容なのかなど)、判断軸を必ず明確にしておく必要があります。

判断軸を明確にしなければ、「これが自分にとってのいい企業」と決められず、いつになっても満足できません。その判断軸が自分でもわからないのであれば、今内定をもらった企業に入社し、働きながら見つけても遅くはありません。

実は「本当にこの会社でいいのだろうか」「もっと他にいい会社があるのではないだろうか」という迷いについては、多くの人がとても重要な点を見落としています。それは、何はともあれ、「今内定をくれた企業が、今自分を一番評価してくれている企業」という現実です。

「もっといい企業」は他にあるかもしれませんが、その企業が今採用活動を行い、自分を評価してくれるとは限りません。

もちろん、気になる企業があるなら後悔しないためにもチャレンジするべきですし、「自分はやっぱりこれがやりたい」「こういう環境で働きたい」という軸があれば話は別ですが、もし「なんとなく…」であるならば今自分を一番評価し、必要としてくれている企業を信じてみてはいかがでしょうか。

内定ブルーになってしまったら人と会って話をしましょう

将来に対する不安は、自分でどれだけ考えていてもその不安や迷いからはなかなか抜け出せません。そんな時は信頼できる友人や家族に会って、自分の考えをアウトプットしてみましょう。またはキャリアコンサルタントに専門的な意見を聞くという方法もあります。

いずれにしても人に話すことで気持ちが整理でき、客観的な意見を聞くことで、心境はかなり変わってきます。

また、内定先企業の先輩社員に会うのも効果的です。内定者フォローでそのような機会があれば積極的に参加し、もしなければ「先輩社員の話を聞かせてもらえませんか」と人事に確認してみましょう。もしかしたら、対応してもらえるかもしれません。

どうしても気が進まなければ、内定辞退という道もあります。

モヤモヤしたまま答えがでなければ、まずは入社してみて、働きながら答えを見つけるという道もあります。いずれの悩みについても、答えを出すのは数年働いて「働く現実」を知ってからでも遅くはないからです。

自分を評価して内定を出してくれた企業とのご縁を大切に、納得できる気持ちを見つけてください。

※やっぱり合わない、辞退しようかな…と「辞退」に気持ちが傾いてきたら、こちら「→就職内定先が合わない!今から辞退したいときの考え方」もどうぞ。