大学を卒業した後、進学も就職活動もしていなかったけれど、そろそろこの大卒ニートを抜け出したい。だけど、今さら何から始めていいのかわからないから動けない…。

大卒ニートからの社会復帰を本気で考え始めたら、こんな行動から始めてみませんか。できることからで構いません。焦らずに、1つ1つ行動を変えていきましょう。

「今日から何か1つでも行動を起こす」と決める

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(出典:厚生労働省 若年雇用関連データ
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/12.html)

「何もしていない期間」は少しでも短いほうが、就職活動はしやすくなります。つまり、ニート生活が長くなればなるほど、就職活動では不利になってしまいます。

例えば、厚生労働省の発表のデータを見ても、フリーターから正社員への転職状況であっても、フリーター期間が長くなればなるほど、正社員への転職率は低くなっています。アルバイトで働いていてもこの状況なので、アルバイトもしていない状態が長くなればなるほど不利になるのは、言うまでもありません。

大卒ニートから本気で社会復帰したいと思ったときに最初に行うことは、「今日から何か1つでも行動を起こす」と心に決めることです。ニート期間は短いほど、社会復帰しやすくなります。決心したら、今日のうちに何か1つでも行動を起こしましょう。

外出する習慣をつけるためにもハローワークやジョブカフェへ

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「今日のうちに何か1つ行動を起こす」と決めたら、まず頑張ってほしいのが、ハローワークへの求職申込です。今は「わかものハローワーク」など、若年層に特化したハローワークもありますので、近くにある場合はぜひ利用しましょう。

若者の仕事探しを支援する「ジョブカフェ」(厚生労働省管轄で、各都道府県が運営。「東京しごとセンター」、「ヤング・ジョブ・あいち」など都道府県によって名称は異なる)にも足を運んでみてください。

「わかものハローワーク」や「ジョブカフェ」には、就職活動を支援する多くの無料の講座やセミナー、職場体験やカウンセリングのサービスがあります。外出の予定を作るためにも、1つでもいいから参加してみてください。

これらの行動の目的は、「外出する習慣」を身につけ、就職に関する情報や、就職活動の環境を生で経験することです。興味が持てる求人がみつからなくても、もし今日ハローワークに行けたなら、それで今日は目標達成。大成功です。焦らずにいきましょう。

求人情報の収集手段は様々な方法がありますが、ニート期間が長い場合はハローワークの求人のほうが就職しやすい可能性があります。その意味でも、ハローワークは積極的に利用したい機関なのです。

生活リズムを整えるために早起きをしよう

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次におすすめなのが、「早起き」です。「深夜遅く、あるいは早朝まで起きていて、昼近くにやっと起床」という生活を送っている場合、その改善が社会復帰への第一歩です。まずは働く社会人と同じ生活リズムを身につけましょう。

早起きから始めれば、早く起きている分早く眠くなり、早寝の習慣も身に付いていきます。会社で働くことをイメージして、遅くとも7~8時の起床を目指し、明日は早起きしましょう。

「起きてもすることがないから、早起きできない」という場合には、今まで深夜にやっていたネットサーフィンやゲームを早起きしてやるのでも構いません。まずは「早く起きる」という習慣を、身につけてください。

安易な資格の勉強を始めるよりは1日でも早く就職活動

就職が少しでも有利になるように資格の勉強を…と考える方もいるでしょう。しかし、仕事に資格が必要な職業(公認会計士や税理士、弁護士など)や、資格と就職が関連深い職業(医療事務や介護関連職など)以外は、資格の勉強はあまりおすすめできません。

理由は、「資格の勉強をしている」ことで満足してしまって就職に対する危機感が薄くなり、「仕事をしていない無職期間」がさらに長くなる可能性があるからです。

先にも述べましたが、ニート期間は短ければ短いほど、就職活動はスムーズになります。多くの職種の場合、数か月で取得できるような資格よりも、数か月早く就職活動を始めたほうがよいのです。

例えば面接では、他の条件が同じような場合、「半年間勉強して、簿記2級を取りました。」という人よりも、「経理の仕事をしたいと思い、今簿記2級取得を目指して勉強しています。」 という人のほうが好評価となります。

なぜなら、後者のほうが「早く働きたい」という仕事に対する意欲と無職への危機感が感じられるからです。

どうしても「資格を持っているほうが安心する」という場合は、就職活動と並行して勉強することをおすすめします。就職活動といっても、起きている時間すべてを就職活動に費やすわけではありません。1日のうち数時間は、必ず「空き時間」があります。その空き時間を、勉強に活用してみましょう。

ニート期間が長い場合はアルバイトや派遣社員から正社員の可能性も探す

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大卒ニート期間があまりに長くなってしまった場合は、正社員としての就職が難しくなってしまうかもしれません。その時には、パート・アルバイトや派遣社員でも、努力次第で正社員への登用の可能性がある仕事も視野に入れましょう。

ただし、求人票には「正社員への登用あり」と記載されていても、実績がなく事実上は正社員に登用されることは限りなく低いこともありますので、面接では必ず確認してください。

また、パート・アルバイトや派遣社員からの正社員への登用の実績があっても、最初から正社員として入社した社員に比べると、給与や職務範囲、昇格などに差があることもあります。

不公平を感じるかもしれませんが、こればかりは仕方がありません。それでもパート・アルバイト、派遣社員時代よりは待遇(給与の額面、雇用の安定性、社会保険制度や福利厚生など)が良くなっているはずです。他人と比べるのではなく、自分として待遇改善ができたことをよしとしましょう。

就職活動で損をしないためにも高すぎるプライドを捨てる

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「自分は、もっとすごい仕事ができるはずだ」
「自分には、もっといい企業があっている」

と思ったことはありませんか。そのような考えは、あなたを受け入れてくれる企業や、実はやりがいのある仕事との出会いを遠ざけてしまうことになります。

大卒ニートとして無職期間を過ごしてしまった場合、採用される可能性のある企業は、新卒採用の頃の就職活動で受けた企業のような、知名度や規模のある企業ではありません。

従業員数も少なく、知名度も低い企業になるでしょう。

大学時代の友人が就職した企業に引け目を感じたり、「もっといい企業があるはず」と思ってしまったりするかもしれませんが、それでは採用される可能性の高い中小企業とは出会えません。

企業の本当の良さは、従業員数や知名度には関係がありません。働きやすさ、風土、仕事内容などの面から魅力的な中小企業も数多くあります。

「せっかく大学を出たのに、中小企業なんて」と思うかもしれませんが、社会人の約70%は中小企業で働いています。中小企業の求人に、しっかり目を向けてみてください。

企業の採用意欲の高い今は社会復帰のチャンス

円安やアベノミクスの影響で景気が回復した2015年は、企業の採用意欲も高い状態が続いています。新卒採用も売り手市場と言われ、完全失業者数は60ヶ月連続で減少し、完全失業率も3.3%(2015年5月)と、2000年以降最も低い水準で推移しています。

求人環境が改善している今年は、大卒ニートから社会復帰がしやすい環境だと言えます。何か1つでも行動を起こすと、環境は変わります。ぜひ一歩踏み出してみましょう。