「社会復帰をしたいから。」
「子どもの養育費が必要だから。」
「やりがいを感じたいから。」
様々な理由から、出産・専業主婦時代を経て再就職をしたいと考える女性は数多くいます。しかし出産後数年の離職期間(ブランク)を経ての再就職活動は、そう簡単なものではありません。
それでも、希望の再就職を実現できる人は何が違うのでしょうか。再就職に成功する主婦はこんなところが違うのです。
未就学の子どもがいる場合、サポート体制を万全にしてある
特に未就学の子どもがいる場合、「子どもが病気になったらどうしますか?」と必ず面接で確認されます。
未就学の子どもは、頻繁に病気にかかります。それに加えて、保育参観など親の参加が求められる行事もあります。その度に頻繁に休むようでは、パートやアルバイトといえども職場に負担がかかってしまいます。
未就学の子どもがいる場合は、仕事で遅くなった時や病気になった時のサポート体制を万全にしておきましょう。
近くに両親や義両親が住んでいる場合は協力を依頼し、そうではない場合は延長保育や行政のファミリーサポート、NPO法人や民間のサービスなど、地域で利用できる保育支援サービスを調べ、利用登録をし、いつでも利用できるようにしておきます。
こうした準備を整えていても、やむを得ず仕事を休まなければならないこともあります。しかし、「子どもが病気になったら、お休みさせていただきます。」というのと、「○○と●●を利用して、対応できるようにしています。どうしても都合がつかなかったらお休みをいただくかもしれません。」というのでは、相手に与える印象は全く違います。
「小さい子どもがいるのだから、休むのは仕方ない」ではなく、極力その事態を避けられるような準備をしましょう。
「~してほしい」と自分の都合ばかり要求しない
「土日祝日は休みでないと困る。」
「勤務時間は子どもが帰ってくる15~16時くらいまで。」
「残業はしたくない。できない。」
「販売(コンビニやスーパーのレジ、飲食店、工場勤務など)の仕事はイヤ。」
「時給は○○円以上でないとイヤ。」
「子どもの行事や病気になった時には、仕事を休むのは当然。」
これらは、主婦が仕事を探す時に多くの人が希望する条件です。仕事先を探す際の心境として、あなたが共感できるものはいくつありましたでしょうか。子どもを持ち、家庭を優先したい主婦としては「一般的な希望」ですが、残念ながらそれを叶えてくれる企業はそう多くありません。
時にはこうした条件を満たす求人もありますが、子持ちの主婦なら誰もが希望する求人となり、競争倍率は非常に高くなります。他の人と同じ条件で求人を探していては、なかなか再就職も決まらないでしょう。
自分の希望すべてを叶えようとすると、再就職の難易度は格段に上がってしまいます。再就職で成功する主婦は、「月に1度なら土日も働ける」「週に1~2回なら残業できる」など、可能な限り妥協できる人です。少し条件を広げるだけで対象求人も広がりますし、その柔軟な姿勢が「仕事を頼みやすい雰囲気」となって面接でも企業に伝わるからです。
再就職活動では、つい「自分の都合」ばかりを要求してしまいがちになります。企業や職場はどんな人に働いてもらいたいと思うのか、相手の都合や立場も少し考える視点を持ってみましょう。
離職期間が2年以上になったらパートや派遣社員も視野に
(出典:内閣府 平成18年版国民生活白書
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h18/10_pdf/01_honpen/)
退職をしてから今までの離職期間は、どれくらいでしょうか。もし、退職して2年以上経過している場合は、正社員だけでなく、パートや契約社員、派遣社員も視野に入れましょう。
内閣府の「平成18年版国民生活白書」でも、企業の9割が「中途採用において、2年以上の離職期間だとマイナス評価になる」と回答しています。実際に総務省の調査では、出産・育児のために離職した、前職が正社員の女性が再就職後に正社員となる割合は、離職後1年未満なら19.5%。離職後1~2年未満では8.8%、2年以上だと8.1%と、「離職後1年以上経過した場合、正社員として再就職できる女性10人に1人もいない」状況なのです。
「離職期間10年でも正社員で再就職できた」という話をどこかで聞くと、「私も…」と思うかもしれません。しかし、長い離職期間を経ても正社員として再就職できる人は、およそ以下の条件に全て当てはまる人です。
1)有名大学を卒業している
2)新卒時に大手優良企業に就職している
3)人柄がいい
1)と2)の条件をクリアすることで、その人のポテンシャルの高さが証明されます。そして面接で接した人柄でブランクを感じさせず、社風に合い、仕事を任せられそうだと判断できた場合に長いブランクを経ても正社員として採用となります。
離職期間が長くなったら、最初はパートやアルバイト、派遣社員など採用される可能性の高い仕事を探しましょう。そこで実績を積めば、勤務先でフルタイムの正社員への契約を打診されることもありますし、勤務経験を生かして正社員に転職できる可能性を高めることができます。
「働きたい」という真剣さが相手に伝わる
子持ちの主婦が再就職するために最も重要なのが、「働きたい」「働かなければならない」という真剣さを相手に伝えることです。
再就職を希望する理由でも、「夫の収入だけでは家計が苦しい」など、「働かなければならない」状況であればあるほど、再就職しやすいともいわれています。それは企業が、「働かなければならない状況なのだから、辞めずにしっかり働いてくれるだろう」と期待するからです。
パートやアルバイトでも、採用して短期間で辞めたり、頻繁に仕事を休まれたりしては企業も困ります。だから、「真面目に長く仕事を続けてくれそうか」が、主婦を採用する重要なポイントになります。
育児のサポート体制を万全にしておくのも、条件を広げて「一般的には子持ちの主婦が嫌がるような条件」でも働く意思をみせるのも、すべて「再就職をどれだけ真剣に考えているか」を伝えるためです。ここが再就職できるかどうかの分かれ道になります。
相手目線で考えられるようになると再就職もうまくいく
「再就職したい」と思うのは、「子どもの養育費や家計の足しにしたい」「仕事のやりがいを感じたい」と自分の思いや都合がきっかけです。
しかし、面接では自分の都合ばかりを主張し、それを叶えようとする「自分目線」のメッセージではうまくいきません。
子持ち主婦でも再就職ができる人は、「相手目線」で考えて行動することができる人です。あなたも、「自分が企業だったらどんな人を採用したいか」と「相手目線」で考えてみたら、やるべきことが見えてきて、再就職の実現に一歩近づくことができますよ。