就職活動がうまくいかない。何十社も受けているのに、不採用ばかり。
友達は皆、就職が決まったのに、一生懸命やっているのに、どうして自分はうまくいかないのだろう・・・。
このように就職活動で行き詰ってしまうと、
「自分はダメな人間ではないか。」「社会から必要とされていないのではないか。」と思い悩み、
ひどい時にはうつ病になってしまう人もいます。
しかし就職活動がうまくいかない理由は、あなたがダメな人間だからでも、
社会から必要とされていないからでもありません。
どうせ自分なんて…。」と思い詰めてしまうと、
問題の根本解決をする前に自分で自分をダメにしてしまいます。
そうならないためにも、就職活動がうまくいかない理由を冷静に見つめてみませんか。
1:「やりたいことがない」が確実に企業に伝わっているから
あなたには就職して「やりたいこと」がありますか。
「実は就職してやりたいことなんてない…。」が本音ではありませんか。
だけど就職しなければいけないから、「とにかく何でもいいから応募しなきゃ。」で、とりあえずエントリーシートを送っていませんか。
その「実は、この会社に入社したいと思っているわけではない。」「実は、やりたいことなんてない。」という思いは、間違いなく確実に企業に伝わっています。本人に会わなくてもエントリーシートの状態で、わかることもあります。
「そうはいっても、やりたいことがないからどうしようもない」。と思うかもしれません。それでも、就職活動では自分を振り返って「やりたいこと」を見つけなければならない理由があります。
なぜなら、「やりたいこと」がない、またはわからない学生を企業が採用することはほとんどないからです。
実は採用現場では、「学生のやりたいことが社内で実現できるかどうか」も、重要な採用基準となっています。学生の「やりたいこと」がその企業で実現できるなら、その学生の能力を最大限発揮して成長してくれるだろうし、簡単には辞めないだろうと判断できるからです。
そのため「やりたいこと」がわからない学生には、その判断ができません。結果として、「やりたいこと」のよくわからない学生は不採用になるのです。
「自分がこの先ずっとやりたい仕事は何か?」と思うと、「やりたいこと」を決めるのはとても重大な決断になってしまい、なかなか決められなくなってしまいます。「やりたいこと」は、一生の仕事である必要は全くありません。まずはここ数年の間に「やりたいこと」でもいいのです。また、ライフスタイルで「実現したい状態」でも構いません。
そして、その「やりたいこと」が叶う企業を、企業規模や年収、業界などにとらわれず探して応募してみてください。そして「やりたいこと」を、自信を持って伝えましょう。
就職活動では、何社も応募することが定石になっています。しかし「やりたいこと」がはっきりしない間は、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」というわけにはいかないのです。
※どうしても就職でやりたいことが見つからなかったら、こんな軸で「働きたい企業」を見つけてみましょう。
→就職でやりたいことがない時の「働きたい企業」の見つけ方
2:「適性」は思っているよりも大事だから
就職活動がうまくいかない学生をみていると、自分の適性やタイプと全く違う業界や職種、企業に応募していることもあります。企業も様々なタイプを採用したいと考えていますが、それは自社の風土に合うタイプで業務適性を最低限クリアしていることが条件となります。
繰り返しになりますが、企業は学生に入社後に最大限能力を発揮してほしいし、その企業の環境で成長して業績を上げてほしいのです。きれいごとではなく、それが費用対効果の最も高い状態だからです。
そして社内で能力を発揮し、成長できるタイプや適性は今までの採用事例からその傾向がわかるので、自社にその学生の適性が合うかどうかは極めて重要なのです。
一般的に「学生の適性」と「企業が求める適性」が、ミスマッチとなってしまっている例をみてみましょう。
・自由で形式にとらわれない発想が得意なタイプなのに、「大手だし安定しているし、年収も高いし。」などの理由から、前例に則ることが重要な銀行などの金融業界を志望している。
・初対面の人と打ち解けるのが得意ではないのに、「憧れの業界だから。」と社員のほとんどが営業職となるような企業に応募している。
・自分の意見をあまり主張しないで協調性があることが長所なのに、「語学が得意だから。」と総合商社を受けている。
このように「企業が学生に対して最低限求める適性」と「自分の適性」がマッチしていない企業に応募し続けると、不採用になり続けることがあります。
もしある業界や職種で不採用が続いていたら、自分の適性とのミスマッチの可能性も考えてみましょう。もしかしたら、他の業界や職種に方向転換したら意外にあっさりとうまくいくかもしれません。
3:志望動機や自己PRを暗記して面接に行っているから
「面接で失敗したくない。」
「緊張していても面接できちんと話せるように。」
そんな思いから、面接対策として志望動機や自己PRを暗記していく学生は本当にたくさんいます。しかし、もし就職活動がうまくいっていないのであれば、これらを暗記していくことはやめましょう。
志望動機や自己PRを文章で暗記していくと、忘れないうちにと一気に志望動機をまくしたてたり、暗記した文章を抑揚なく淡々と発表したりすることになってしまいます。
これが相手にどんな印象を与えるか、逆の立場で考えてみましょう。
あなた自身も、相手から一気にまくしたてられる話や、何の抑揚もなく淡々と語られる話で相手の人柄を判断したり、興味関心をもったりするのは難しいのではないでしょうか。それは面接官も同じです。
志望動機や自己PRを暗記していくことで、あなたの人柄や思いがわかりにくくなってしまいます。人柄や思いのわからない学生は自社に合う人材か判断しかねるので、不採用になってしまうのです。
ではどうすればいいかというと、志望動機や自己PRは伝えたい思いやエピソードのポイントをまとめて、そのポイントを覚えておくことをおすすめします。
実際に、不採用が続いていた学生が「志望動機と自己PRの暗記」をやめてポイントだけを覚えていくようにしたことで、希望の会社に内定した事例もあります。
文章を丸暗記するのをやめれば、その場の自分の思いがこもった言葉で語れるようになります。その時初めて、あなたの人柄や思いが伝わり、企業に合う人材かどうか判断できる志望動機や自己PRとなるのです。
不採用なのは「わからない」からか「合わない」から
このように就職活動で不採用になるのは、あなたが「企業に合うかわからない」からか、または「適性が合わない」からか、どちらかです。
適性が合わない、または企業に合うかどうかわからないからといって、あなたに能力や価値がないわけではありません。たまたま「合わなかった」、または「企業が合うかどうかを判断するのに必要な情報を伝えられなかった」だけの話なのです。
だから、就職活動がうまくいかないからといって自信を失う必要はありません。冷静に今までうまくいかなかった原因を見直して、軌道修正していけば大丈夫です。
ただ、一人で考えていても何をどう修正したらよいのか、気づきにくいのも事実です。行き詰っていると感じたら、友人や家族、先輩やキャリアコンサルタントなど周囲の力をうまく借りていきましょう。