就職活動ってめんどうくさそう。
それにそもそも、会社に入ってやりたいことなんてない。
社会人なんてつまらなそうだし、会社の歯車になんてなりたくないし。
だから、就職なんてしたくない。

ついこんなことを考えてしまっていませんか。確かに様々な働き方がある今、
企業に就職することが全てではありません。

しかし「就職したくない」の先にある現実と未来は、そんなに楽園ではありません。
そして、「就職する」こともまた、そんなに悪いことばかりでもありません。

「就職したくない」と思ったら、就職に関するこの3つの現実を知っておきましょう。

1:確かに「就職しない道」はある

就職しない道

「就職したくない」と思っても、今は確かにそれなりに収入を得られる「就職しない道」があります。起業する、フリーターになる道はもちろんですが、インターネットを活用して

・株式やFXのトレーダーになる。
・プロブロガーになる。
・You tubeやサイト運営で稼ぐアフィリエイターになる。
・オークションの転売(せどり)を行う。

など、収入を得る手段はたくさんあります。そしてこれらの仕事は成功者がブログなどで、「時間に縛られることなく、会社員よりも稼いでいます。」と情報発信しているので、さらに「自分もそのような生き方がいい。」と魅力を感じてしまうかもしれません。

またクラウドソーシングのマッチングサイトも多数あるので、デザインやライティング、WEB制作、翻訳などのスキルを持っていれば、卒業後すぐにフリーランスとして活動することもできるでしょう。

通勤しなくてよく、時間の都合もつきやすく、自宅でできて、煩わしい人間関係もない。そんな「就職しない道」を選ぶのも1つの選択です。

さらに、

・とりあえず大学院に進学する。
・地域おこし協力隊に参加してみる。
・(海外・国内問わず)ボランティア活動をしてみる。

等の選択肢を選べば、就職することを数年「先延ばし」にできます。

「就職しろ」と言われても、「就職しない道」もたくさんあるのも1つの現実です。しかし、「就職しない道」は決して会社員に比べて楽というわけではないのです。

2:「就職しない道」だって決して楽ではない

「就職しない道」は、短期的に考えれば面倒な就職活動もしなくてよく、煩わしい人間関係がありそうな会社に勤める必要もありません。生活に必要な収入が得られるのなら、それもいいと思ってしまうでしょう。

ただしこの「就職しない道」の現実は、もちろんいいことばかりではありません。

まず株式やFXのトレーダー、アフィリエイター、フリーランスなどの「自分で稼ぐ道」を選んだ場合です。

いずれの方法で得た収入でも、実は会社員の手取りの給与と簡単に比べることはできません。会社員は健康保険も厚生年金も、会社がその保険料や年金の掛け金を半額負担して払ってくれています。その金額は収入にもよりますが、月額数万円になります。

フリーランスとなれば、その分を自分で払わなければなりません。フリーランスが加入する国民年金の掛け金は厚生年金に比べて安いですが、その分老後に受け取る年金額も少なくなります。

また就職しないで生活が安定するような収入を得るためには、会社員以上の努力と労力が必要になります。会社員の何倍もの月収を稼ぐ人は一握りで、一般的な会社員の月収は到底稼げない人のほうが圧倒的に多いことを知っておきましょう。

次に大学院や地域おこし協力隊、ボランティア活動など、数年「先延ばし」にした場合を考えてみましょう。

これらの選択肢は、もちろん「これがやりたい」という意志があればプラスに働きます。

しかし「とりあえず」「就職がいやだから」「なんとなく」で選んでしまうと、数年後にはもっと厳しい就職の道が待っています。

新卒一括採用が慣習になっている日本では、就職活動で採用されるのが最も正社員として採用されやすいのです。地域おこし協力隊やボランティア活動を数年経験した場合、「社会人経験」として新卒扱いではなくなります。そのため、中途採用として企業での実務経験者と比較されることになります。

企業は一般的には同じ年齢であれば、中途採用では一般企業で社会人経験を積んだ人を採用します。つまり、こうした活動後に一般企業に就職しようと思ったら、その時には企業での実務経験者に負けないくらい、「活動を通じて得たもの」をPRする必要があります。

それは同じ「学生」という土台で比べてもらえる就職活動での自己PRよりも、はるかに自己PRの難易度が上がることを忘れないようにしましょう。

3:就職したからこそ得られるものもある

一方、就職するのも悪いことばかりでもありません。就職したからこそ得られるものもあります。たとえば企業に就職すれば、

・尊敬できる先輩や上司との出会い。
・未来の結婚相手との出会い。
・仕事のやりがい。
・チームで仕事をする一体感。
・安定した仕事。
・企業のリソース(資金、商品、サービス、顧客、信用力など)を活かした仕事。

などが得られます。職場は面倒な人間関係がある場だけでなく、人生を変えるような出会いや、学生時代以上のやりがいを得られる可能性もある場なのです。

「企業の歯車にはなりたくない。」という主張はよく言われていますが、1つ1つの「歯車」がかみ合うからこそ、1人では到底できない仕事ができます。

そしてこの「歯車」を動かすのは「人の思い」です。つまり自分の思いで、自分が原動力となって他人を動かしていくこともできるのです。

「就職なんてしたくない。」と思う方の多くは、楽しくイキイキと働く社会人に出会ったことがありません。インターネットのブログや掲示板には、会社で働く愚痴や不満が溢れているので、「会社員なんて、面白くなさそう。」「楽しく働いている人なんていないのだろう。」と思ってしまうでしょう。

しかし何事もそうですが、「満足」よりも「不満」のほうが情報の拡散力が強いのです。だから、会社の「不満」な情報がインターネットのブログや掲示板に溢れますが、自分の仕事にやりがいを感じて楽しく働いている社会人も本当にたくさんいます。

このように就職したからこそ得られるものもありますし、会社員になって働くこともまた、そんなに悪いものでもないのです。

「会社で働かない道」はいつでも選べる

「就職しない道」、つまり「会社で働かない道」は、就職した後でもいつでも選べます。会社を辞めるのは簡単だからです。

しかし、「就職する道」はそうはいきません。日本は新卒一括採用が慣習なので、新卒時に正社員として就職しなかった場合、正社員として就職する難易度はその後年々高くなってしまうからです。

「就職しない道」は、まずは一度就職してみてから、真剣に考えてみませんか。