就職活動も、誰もが自分のやりたいことを目指して活動しているというわけではありません。「実はやりたいことがない…」という悩みも、多くの学生が持っています。

「自分のやりたいこと」が見つけられないと、応募したい企業がわからないと思ってしまいがちです。しかしやりたいことがわからなくても、「ここで働きたい」と思える企業を見つけることはできます。

「就職といってもやりたいことがない…」と行き詰ってしまった時には、こんな視点で働きたい企業を見つけてみませんか。

やりたいことがなければ、「どうしてもやりたくないこと」を明確にする

どうしても

やりたいことがない場合には、自己分析をして「自分の好きなこと」を洗い出し、そこから関連する仕事を見つけるのが通常のプロセスです。

それでも「車が好きだけど、自動車関連の仕事がしたいわけでもない…。」等、好きなことは趣味にしておきたいという方もいるでしょう。

その場合は、「どうしてもやりたくない仕事」から明確にしてみましょう。自分が「これだ!」と思うやりたいことを見出すのは難しくても、どうしてもやりたくないことなら1~2つは出てくるはずです。

「じっとしていられない性格で、デスクに座りっぱなしの仕事はしたくない。」「接客の仕事は無理。」などが明確になったら、企業を探す時にその条件だけは外します。そして、それ以外の企業をすべて幅広く検討対象にします。

やりたいことがない場合の「働きたい企業選び」は、様々な企業を視野に入れ、情報収集していくことから始まります。検討対象を広げるだけ広げたところで、自分の興味関心の反応に従って絞っていきましょう。

やりたいことがなければ、「一緒に働きたい人」を探す

一緒に

視野を広げてからの「働きたい企業の探し方」で最も有効なのが、「一緒に働きたいと思える人」を探すことです。

仕事内容はもちろんですが、「一緒に働く人」というのはとても重要です。1日8時間以上過ごす職場の雰囲気や企業カルチャーが自分に合うか、「この人みたいになりたい」と思えるキャリアのロールモデルとなる先輩がいるかは、仕事の満足度に深く関係します。

OB・OG訪問、または多くの企業が一度に集まる合同企業説明会などにできる限り参加し、できる限り多くの社会人と話してみましょう。

特に合同企業説明会は、企業の担当者の人となりを知り、ゆっくり話を聞くチャンスです。

OB・OG訪問や合同企業説明会では、「何を話していいかわからない。」という方もいますが、最初はあなたが話す必要はありません。「どんな仕事をするのか教えてください。」と教えてもらえばいいのです。

話を聞いているうちに、「この仕事は面白そうだな」とか「こういう人になりたいな」と思える人に出会えます。その思いを大切にしましょう。

「この人と一緒に働きたい」も立派な志望動機になる

OB・OG訪問や、企業説明会で感じた「この人と一緒に働きたい」という思いは、立派な志望動機になります

「学生でも大切に扱ってくれた。自分も人を大切にする環境で働きたい。」
「イキイキとして仕事にやりがいを感じている姿に、自分も同じように働いてみたいと思った。」
「上下関係なく言いたいことを言い合っている姿に、提案しやすい環境だと思った。」

等、実際に感じた思いを軸に、なぜその人と一緒に働きたいのか、その人のようになりたいと思うのか。それは自分のどんな価値観と一致しているのかを明確にしていきましょう。

さらにその企業と競合他社を比べたサービスや商品の違い、企業風土の特徴や、あなたが魅力的だと感じた社員たちの仕事を調べ、「自分もぜひやってみたい」「自分ならこうしたい」と考えを付けたせば、さらに熱意は伝わりやすくなります。

やりたいことがなければ、「何となく共感できる」を大切にする

共感できる

また、企業を調べていくと、商品やサービスに共感できることもあります。就職情報サイトや合同企業説明会では、企業の商品やサービスを「どんな目的で作られたのか?誰のための商品・サービスなのか?」と興味を持ってみてください。

その業界に興味がなくても、今まで企業名を知らなかったとしても、「あ、こういう商品・サービスっていいな」と思えるものに出会えるかもしれません。その共感をぜひ大切にしてください。

他にも中小企業やベンチャー企業など、経営者との距離が近い企業では、経営者の思いや理念に共感できることも「働きがい」につながります。

特に強い思いやメッセージをもつ経営者は、その思いを自社ホームページで発信しています。合同企業説明会でも、社長がブースにいて事業を説明してくれることもあります。「知らない」「聞いたことがない」という企業こそ、経営者の理念や思いを確認してみれば、運命の出会いがあるかもしれません。

やりたいことがわからなくても、自分が共感できるサービスや商品、あるいは経営者の下で働くことは自己の成長や仕事のやりがいとなります。やりたいことがなかったら、「あ、いいな」と共感できる商品やサービス、経営者を探してみましょう。

「○○に共感した」は、その企業ならではの志望動機になる

経営者や商品やサービスに共感した場合、それはその企業ならではの志望動機になります。競合他社ではなく、その企業の商品・サービス、あるいは経営者に共感したのは、何が他とは違うからなのか。自分のどのような経験や価値観にフィットしたのか。

自分が共感した理由や背景を考えて、相手にわかりやすく伝えられるよう整理しましょう。

この選択を一生の仕事にするかどうかまで、考えて悩む必要はありません。これから数年その商品やサービスに携わりたい、その経営者と一緒に働いてみたい、という気持ちがあれば十分です。

共感できる商品やサービス、経営者のために一生懸命仕事をする数年間を経れば、その後にやりたいことは自ずと見えてきます。一生の仕事にしていきたいことは、働きながら見つけても遅くはありません。

やりたいことがなければ、体を動かして企業情報を調べよう

企業情報

やりたいことがみつからないのは、実は「企業や仕事に関する情報がまだ十分ではない」というサインです。そんな時には人一倍、企業情報を調べる努力をしましょう。

就職情報サイトや就活口コミサイトなどネットの情報だけでなく、実際にその企業で働く人に会い、話を聞くことがより効果的です。直接話を聞くことで心が動かされることは多く、やりたいことがわからなくても、「この人と働きたい」「ここで働きたい」という、「企業に対する興味のきっかけ」が生まれます。興味のきっかけさえ生まれたら、その企業に向かって突き進んでみてください。

やりたいことがなくても、「まずはここで働いてみたいと思える企業」には出会えます。やりたいことがわからなかったら、体を動かして1つでも多くの生の情報を探しに行ってみましょう。