入社が現実的になってきたからこそ、「やはり内定先が合わないかも…」という思いが拭えなくなってしまうことは、よくあります。
「今さら…」ではなくて、「辞退するなら今」という思いがどこかにあるからこそ、「内定先が合わない」という気持ちは大きくなってしまうものです。
辞退すべきかどうするか、迷ってしまったらこう考えてみませんか。
「内定先が合わない」と感じる理由は何か、自分に向き合ってみよう

一言に「内定先が合わない」といっても、いろいろな「合わない」あります。
・仕事内容が合わない
・社風が合わない
・同期が合わない
・社員と合わない
今、「合わない」と感じているのは何に対してなのか、自分の気持ちにしっかり向き合ってみましょう。
このうち、「仕事内容が合わない」は、入社して実際に仕事を始めてみれば印象が変わる可能性は大いにあります。
また、「同期が合わない」「社員と合わない」という、「今接している内定先関連の人たちとの人間関係がうまくいきそうもない」とケースも、入社したらもっと気が合い、尊敬できる先輩や上司に出会える可能性があります。
従業員数が極めて少ない会社でもない限り、入社前によく接している人事や同期と、入社したら業務で関わることはほとんどなくなることが多いもの。
実際に、以前「同期と合わない、うまくやっていけそうもない」と入社を直前まで迷っていた学生にお会いしたことがありましたが、数か月後に気になって連絡をすると、「結局入社したけれど、同期とは部署も離れて、あまり会うこともなくなり、配属先の先輩はいい人なのでよかったです」と教えてくれました。
つまり、「仕事が合わない」「同期が合わない」「社員と合わない」は、入社後に新たな一面に気づいて「やっぱり合うかも」と思える余地があります。
しかし、「社風が合わない」はちょっと違います。
たとえば「面接や内定式などで何回か言っているけれど、会社の雰囲気やセンス、空気感がどうも合わない。気持ちよく働けそうにない」と直感的に感じている場合、そうした直感は結構当たっているもので、入社後に思いなおせるような新たな一面を見つけるのは少し難しいかもしれないからです。
だからといって、辞退してもいいものなのか。
どうしても迷ってしまうのは、そのリスクがよくわからないからではないでしょうか。ここで、入社前に内定先を辞退するリスク、しないリスクについて知っておきましょう。
今内定先を辞退するリスク、辞退しないリスクって?
今、内定先を辞退するリスクは、「既卒」として4月から就職活動をやり直さなければならないことです。
新卒一括採用が通例となっている日本では、「新卒」と「既卒」では就職活動のしやすさが全く違います。
「新卒の時と同じように就職活動をすればいいんでしょ?」なんて思っていたら大変なことになります。新卒の時には面接にすすめた企業も、既卒となっては書類選考もなかなか通過しないと思ってまず間違いありません。
また、面接に進めたとして必ず「既卒として活動している理由」は聞かれます。企業が納得できるような理由が答えられなければ、入社直前で辞退したあなたに対し、「内定だしても、また辞退されちゃうかも」と企業は思い、なかなか内定にたどり着けないかもしれません。
既卒専門の新卒紹介エージェントなどもありますが、「もう一度就職活動をやり直す」のこの2回目の就職活動は、去年の就職活動とは全く別物だと覚悟しておきましょう。
しかし、すでに「内定先が合わない」という気持ちでいっぱいになっている以上、辞退しないリスクもあります。
モチベーションの低いまま入社し、「合わない」という違和感を持ちながら研修を受け、仕事をする。「自分は一体何やっているんだろう?」「このままでいいのだろうか?」そんな思いを抱いたまま働くのは、精神的にも決していい状態とはいえないでしょう。
難易度が高くなった就職活動をやり直す。
迷いを抱いたまま入社する。
どちらのリスクも選びたくないですが、そこは考え方一つ。実はもう一つ、こんな考え方もあります。
まずは1年やってみて「第二新卒」として転職活動する手もある
それが、今の内定先の会社に1年と期限を決めてまずは入社し、1年後やはりどうしても合わないと思ったら「第二新卒」として転職活動をすることです。
実は「第二新卒」と「既卒」では、次の就職先の探しやすさがかなり違います。企業は、社会人経験がない「既卒」を採用するのであれば、同じなら「新卒」がいいと判断することが多いのですが、1年であっても社会人経験がある「第二新卒」であれば、社会人として1から教えなくてもいいというメリットを感じるからです。
今辞退してしまったり、入社して数か月で辞めてしまったりすると「我慢ができない人」「ストレス耐性のない人」という評価になりますが、これが1年後なら「とりあえず1年頑張れた人」に評価が変わります。
「人生、何があるかわからないから1年だって無駄にできない」と感じるかもしれませんが、この1年はその後の自分の評価を変える、決して無駄にはならない時間になるのです。
1年間真剣に業務に打ち込んで成長できれば、就職活動で不採用となった企業にリベンジ転職することだって可能になるでしょう。
もちろん、「1年だけ」と割り切って仕事に打ち込んでみたら、意外に楽しかった、職場も悪くなかったなんてこともあるでしょう。そのときは、「やっぱりこの会社でよかった」と思えるかもしれません。
それでも、「自分の気持ちに嘘はつけない」と今から辞退するのもよし。
「1年だけ」と決めてがんばってみるもよし。
後で後悔しない納得できる決断ができるよう、応援しています。