就職活動が始まって、会社説明会とか面接とか行ってみたけれど、一次面接もなかなか通過しないし、なんだかどこにも受かる気がしない…。
3月から一気にスタートして、次々に直面する現実に、思わず気が滅入ってしまっていませんか。
学生時代のコミュニケーションや、インターンシップとはまた違う、面接でのコミュニケーションに慣れず、「これで面接に受かるんだろうか・・・」と不安に感じてしまう気持ち、よくわかります。
さらに、空前の売り手市場と言われるなか、どんどん選考が進み、早くも内々定をもらう友人知人がいれば、焦りも生まれてしまいますよね。
就職活動でどこにも受かりそうな気がしなくて、ずっしり落ち込んでしまいそうになったら、面接のこんな一面をぜひ知ってください。
「受かる気がしない」と思っていると
やっぱりうまくいかない
たとえば、テレビの通販番組をイメージしてみましょう。
ここに、「巻いているだけで、ウェストの贅肉が取れて細くなり、筋肉がつくダイエット商品」があり、視聴者に買ってもらうために、商品をアピールしなければならないとします。
「これ、本当にいい製品で、私も使ってみたんですけど、ほら!こんなにウェストが細くなったんですよ!!(私が使って効果があったんだから、他の人にも絶対いいはず!)」
とダイエット商品の魅力や良さを心から信じて、自信たっぷりで笑顔で商品の良さを伝えるのと
「使っていて、私のウェストは細くなったので、たぶんいいんじゃないかと思います(でもみんなに効果があるとは限らないし・・・)」
と、半信半疑で商品の良さを伝えるのでは、どちらがよりその商品が売れるでしょうか。まちがいなく、前者だと思いませんか?
見方によっては、後者のほうが正直な印象を受けますが、「商品を伝える本人が、その品質に自信ないもの」を、あえて購入したいとはなかなか思いません。
就職活動の面接も、「良さを伝えるべきもの」が「ダイエット商品」から「自分自身」に変わるだけで本質的には同じようなものです。
「これは売れないだろう」と思うような商品を他人に売ることが難しいように、「受からないだろう」と思っている自分で、面接に受かるのはまずよほどのことでもない限り(とにかく人数を採用したいという企業でもない限り)難しいものです。
「どこにも受かる気がしない」という気持ちを持っていても、何のプラスにもなりません。ここでリセットする方向にもっていきましょう。
「自信」は今までの経験ではなく
「今とこれから」に持とう
今「どこにも受かる気がしない」の元になっているのは、自信のなさではないでしょうか。
「今までの特筆すべき経験」や、「他人と比べて優れている能力」に自信の根拠を求めると、いつまでたっても「上には上がいる」「こんなのたいしたことない」と自信の根拠になりません。
だからぜひ、「今、真剣に就職活動をしている自分」や、「これから就職して、〇〇をやりたいと真剣に思っている気持ち」など、「今までの経験や能力」ではなく、「今とこれからの自分の真剣な気持ち」に自信を持ってください。
「そんなものが評価されるのだろうか?」と、不安に思ってしまうかもしれませんが、本気で「この会社で〇〇をやりたい」と思う気持ちが企業に伝われば、それはきちんと評価されますよ。
今足りないものがあるとすれば
それは能力や学生時代の経験ではない
そうはいっても、面接でもうまく話せないし、志望動機や自己PRを聞かれてもうまく答えられない。
自分には何か人にアピールできるようなことなんてない…。
そうなると、「だからやっぱり、受かる気がしない」に戻ってきてしまうかもしれません。
しかし、面接を突破できるようになるために、足りないものがあるとすれば、それは他人と比較して何か優れている能力や、学生時代の特筆すべき経験など「今さらあがいてもどうしようもない」ものではありません。
今足りないものは、「他人と比べて」ではなく、「自分のなかで」強みと思える部分を整理する「自己分析」と、それを他人にわかりやすく伝えられるように「話す練習」です。
企業の面接官は、「ゼミの幹事をやっていました」「サークルの代表をやっていました」など、何か特筆するような経験を全ての新入社員に求めているわけではありません。
知りたいのは、
・この学生はどんな人なのか。
・これから先に何をやりたいと思っているのか。
・それはなぜなのか。
・「経験」から学んで成長するポテンシャルを秘めているか。
というようなことです。
だから、「大した経験なんてない」「人に誇れるような能力もない」と落ち込む必要は全くなく、自分が持っている経験と能力を、相手にわかりやすく伝えるにはどうしたらいいか?をしっかり考えて練習をすれば大丈夫なのです。
ただし、一人でやっていると自己分析は堂々巡りになりがちですし、面接は何が正解かわからなくなってしまいます。一人で行き詰ってしまったら、早めに大学のキャリアセンターやプロのキャリアコンサルタントにサポートしてもらうようにしましょう。
面接は、練習すれば見違えるほど上達し、就職活動の結果も変わってきます。練習してはいけないものではないのですから、練習を重ねていけば面接への苦手意識も薄まり、いつの間にか「どこにも受かる気がしない」という気持ちもなくなっていると思いますよ。
※自己分析の仕方はこちらのコラムでも詳しくご紹介していますのでご参考になれば幸いです。
→就職活動の自己分析でやりがちな痛恨のミスとは?