新入社員で入社したばかりだけど、ここの会社で長く働くのはありえないなと気づいてしまった…。
それに気づいたときから、「いつ辞めるべきか?」と辞めるタイミングばかり考えてしまっている、なんてことはありませんか?
新入社員の1年目、辞めるタイミングの違いは数か月でも、いつ辞めたかで、その次の企業が選考であなたを判断する印象は結構変わってきます。
辞める決断をする前に、タイミング別のメリット・デメリットを知っておきましょう。
➀新入社員で入社1か月以内に辞める
新入研修が終わるか終わらないかのうちに、「やはり、この会社はもう無理!」と思ってしまい、1か月以内に辞める場合。
最大のメリットは、自分が精神的にすっきりすることではないでしょうか。
「もうダメ、やっぱりこの会社は合わない」と思っている環境で、がまんして働いても、そこから何かを学び、得るのは難しいと思います。
そこでモヤモヤしながらもなんとか現状に対処することで「忍耐力」「ストレス耐性」「持続力」をつける機会にはなるのですが、「今を乗り越えることで成長できる」と思えなかったら、きっぱり辞めてしまったほうが楽になれるかもしれません。
デメリットは、この後に大手企業や、「社員をじっくり育てたい」と思っているような企業に採用される可能性がほぼなくなることです。
正論がいつも正しいわけではないですが、やはり一般的には、よほど社会的に反するような実情が企業にあったわけでもなければ、「入社して1か月以内で辞めるような人」は、少し厳しいですが、社会人として無責任であり、非常識であり、信頼できない人と判断されます。
だから、ある程度の勤務経験やキャリアを持つ人が十分に応募してくる大手企業は、あえて1か月で辞めてきたような人を採用することはまずありません。さらに「社員をじっくり育てたい」と真摯に考える企業からすれば、簡単に辞めてしまうような人は「じっくり」育てられませんから採用基準から外されます。
結果的に、いわゆる「ホワイト企業」から縁が遠くなってしまうのです。
しかし、世の中には「数年働いてくれればいいから、そんな人でもいい」「本当に人が応募してくれないから、それでもいい」といってくれる企業があります。
転職活動は厳しくなるでしょうが、「なぜすぐに辞めたのか?」という現実に対して、「企業が悪かった」「環境が悪かった」と企業や環境のせいにするのではなく、1か月以内で辞めてしまうような企業を選んだ自分をきちんと受け入れ、自分にも非があったことを認められれば、その素直さを評価してくれる企業に出会えるでしょう。
➁新入社員で入社3か月経ってから辞める
入社して3ヶ月経ってから辞めたくなるのは、新入社員研修が終わり、現場に配属されて実際に仕事をやってみたら、「こんな仕事だと思っていなかった」「自分に向いてないとわかった」という状況が多いかもしれません。
あるいは、「新入社員研修のころから辞めたいと思ってきたけれど、ずるずると3ヶ月経ってしまった」ということもあるでしょう。
このタイミングで辞めるメリットは、1か月以内で辞めるメリットと同様に、「自分の気持ちがすっきりする」という点です。
「辞めるのはリスクがあると言われても、辞めるとわかっている職場に働き続けることに何のメリットも感じない」と思うのであれば、働き続けるよりは辞めてしまったほうが精神的にも健全でいられます。
入社から3ヶ月経てば、季節は夏。
新卒売り手市場の今、中小企業では新卒採用の目途が立たない状況が明らかになってきている企業もあります。辞める理由がきちんと言えれば、そうした企業で「新卒採用の代わり」に検討してもらえるかもしれません。
ただ、このタイミングで辞めたいと思うのは、毎日毎日覚えることや慣れないことが多い状況にストレスを感じているのが原因かもしれません。今は大変ですが、一通り覚えた後は状況が変わることもあります。
もしメリット・デメリットを考える心の余裕があるならば、このタイミングであれば少し様子をみてみるのはいかがでしょうか。
③新入社員で入社6か月経ってから辞める
入社から半年過ぎて、10月以降に辞める。
このタイミングまでくれば、1か月以内に辞める人、3ヶ月程度で辞める人に比べれば、「そこそこは頑張ってきたんだな」と思われます。
「入社1か月以内で辞める人」は、「社会人として無責任な人・信用できない人」と判断されるという話を紹介しましたが、その「無責任な人」という印象も半年間の勤務経験があれば、随分違うでしょう。
しかし、入社1年未満で辞めてしまった人に対しては「適応力が不安な人」「無責任な人」「我慢ができない、ストレス耐性の低い人」という印象を持たれがちになるので、それはこのタイミングでも同じです。
最初に入社した会社の在籍期間が数か月しかないのは、今後のキャリアに決してプラスには働きません。
今まで多くの方の履歴書を見てきましたが、最初の数か月で会社を辞めてしまった場合、「最初に入社した会社」が最も条件がよく、その後は少しずつ条件が悪くなってしまうという悪循環に入ってしまう人は本当に多いのです。
どうしても、もう辞めたい場合は仕方がありませんが、そうでなければ、このタイミングまで続け続けられたのなら、年明けまでがんばったほうが、キャリア形成的にみればメリットが多くなります。
※入社後半年で辞めたくなった時の対処法はこちらで詳しく紹介しています。悩ましいなら、ぜひご一読を。
→新入社員だけどもう辞めたい…半年で会社が嫌になった時の対処法
④新入社員で入社1年経ってから辞める
入社後1年経てば、状況は変わります。
1年以上働いて、社会人2年目になれば、このタイミングで辞めるデメリットはほぼなくなります。
どんな業務であれ年間を通じて経験しているため、社会人として基本的なマナーや仕事に対するスタンスがあるとみなされます。1年働いた経験があれば「適応力が不安な人」「無責任な人」という印象もほとんど持たれません。
入社1年未満の場合、書類選考の段階で「なんで1年も我慢できずに辞めちゃったの?」という疑問を持たれてしまい、書類選考を突破するのに一苦労しますが、1年経っていれば書類選考でも見る目が変わり、マイナスの印象からのスタートではなくなります。
志望理由や転職理由をきちんと言えれば、今よりも条件のよい企業に転職するのも全く難しいことではないでしょう。
このようにメリット・デメリットだけ考えれば、「辞めるタイミングは、できれば1年経ってから(少なくとも年が明けてから)」がベストなのですが、「メリット・デメリットはわかっているんだけど…」と、「頭ではわかっているけど、でもやっぱりダメ!」と思ってしまうのが人間です。
ここで紹介したのは、本当にあくまで一般的なメリット・デメリットです。決断の先にあるリスクをわかっていれば、デメリットの多いタイミングで辞めても、その後に「こんなに大変だと思わなかった」と後悔するリスクだけは減らせます。
「もう無理!」と思ったら、メリット・デメリットなど考えずにその場から逃げたほうがいいことも時にはあります。最終的には自分の気持ちを大切にして、決めてくださいね。