「子どもが小さい今は時短勤務でいいけれど、その後はキャリアアップしていきたい。」
「本当は今もフルタイムで仕事をしたいのに、時短勤務をせざるを得ない・・・。」
「キャリアアップしていきたいのに、時短勤務で同期や後輩に追い抜かれるのが辛い。」
子どもが小さい間は…と自ら望んだ場合でも、育児を頼れる当てがなくやむを得なかった場合でも、時短勤務中はどこかやりきれない思いを感じることもあるでしょう。
確かに仕事量こそ以前のようにこなすことはできませんが、時短勤務中の今だからこそ、身に付くスキルや能力もあります。時短勤務でキャリアが中断されたような気がしてモヤモヤしたら、そこに目を向けてみませんか。
仕事を効率化・誰でも代わりにやりやすい環境を整える
時短勤務で高い成果を上げるためには、業務をできるだけ効率化し、短時間でできるようにする工夫が必要になります。一般的に以下のような工夫をすると、業務効率化につながります。
1)よく送る内容のメールはテンプレート化する。
2)業務フローを整理してマニュアル化し、誰もが見られるようにしておく。
3)机の上や資料は誰もが見やすいように整理しておく。
4)業務フローを整理して、余分な作業が入っていないか見直す。
5)会議や情報共有などのミーティングはランチの時間を活用する。
6)会議は事前に共有すべき情報をメール等で共有し、当日の会議の目的を明確にしておく。
今行っている業務を細分化してフロー化し、手順をマニュアル化、書類やメールの可能な限りのテンプレート化を進めておくと作業時間を短縮することができます。最初は手間がかかりますが、1度やっておくと時間短縮だけでなく、自分がいない時に誰かが代わりにやりやすくなります。
また業務を細分化することで、無駄な手間やより効率的な方法が明確になり、業務改善の提案ができるかもしれません
業績の悪化や経費削減など必要に迫られない限り、業務について見直すきっかけは意外に少なく、「何となく以前からのやり方で」と行ってしまっているものは意外にあります。
時短勤務という必要に迫られているからこそ、「業務を効率よく進めるにはどうしたらいいか。」「作業を短縮化するにはどうしたらいいか。」を真剣に考える力がつきます。今は「業務改善能力」を身に付ける、絶好のチャンスと捉えましょう。
優先順位を意識して仕事をする習慣を身につける
勤務時間が限られている今、短時間でクォリティの高い仕事をするためには、業務の優先順位や重要度を明確にして、優先順位・重要度の高い業務から取り組む必要があります。
そのためにも1日の仕事のスケジュールは早朝や通勤時間などに確認し、職場での仕事が始まる前に今日の仕事の優先順位や重要度を明確にしておきましょう。その際に、どの順番で仕事をすればよりスムーズにできるか1日の流れをイメージしておくとより効果的です。
優先順位が明確になっていれば、時短勤務でも重要度・緊急度の高い仕事から片づけていくことができます。
また、「自分でなければできない仕事」を見極め、その仕事で最大限力を発揮できるように専念しましょう。「自分でなくてもよい仕事」は思い切って、人にお願いすることも必要です。これができれば、「今日はあれができなかった・・・。」とモヤモヤすることがありません。
「自分がやらなければならない仕事」と「人に任せられる仕事」を見極め、人に任せていく能力は、後輩や部下をマネジメントする立場になった時に役に立つはずです。
周囲への気遣い力を磨く
時短勤務中は、早く帰らなければならない分の仕事を誰かに代わりにやってもらうことになります。さらにこの時期は、子どもの発熱など、急な遅刻・早退・欠勤も避けられません。
そんな時に「すみませんがお願いします。」と丁寧に頼むことや、代わりにやってもらった後に、「ありがとうございます。」というお礼が大切なのは言うまでもありません。しかし、何でもない普段から職場で周囲への気遣いができていると、いざという時により快くサポートをしてもらえます。その気遣い力を磨きましょう。
気遣いといっても難しいことはありません。毎日明るい挨拶をしたり、ちょっとした雑用を進んでやったり手伝ったり、後輩が困っていることがあれば助けたり。ある営業のワーキングマザーは、外回りの帰りにちょっとしたスイーツなどを職場への差し入れとしてお土産にしていました。
仕事で大きなチャンスを掴み、キャリアアップができる人は周囲への気遣いができる人です。「自分の仕事をできる限りきちんとこなす」ことが大前提ですが、周囲のサポートが必要な今こそ、できる範囲で周囲への気遣いを心がけてみましょう。
今後の希望や現状の課題など上司に「相談する習慣」をつける
時短勤務後のキャリアをどう考えているか、現状の課題をどのように捉えているかなど、今後や現状について、上司にきちんと伝える・相談する習慣をつけましょう。
「●●までにフルタイムに戻りたい。」
「その後はこんな仕事をしたいと思っている。」
などでもいいですし、今の業務でこんな課題を感じている、という相談でも構いません。今後の希望や現状の課題は、共有しておけばおくほど、上司もサポートしやすくなります。
コミュニケーションの量が多くなればなるほど、上司を味方にすることができます。どんな上司であれ、味方にできればキャリアアップの機会に繋がります。今まで上司とのコミュニケーションは、ちょっとした雑談以外はあまり意識したことがなかった方は、ぜひこの機会に今後の希望や現状の課題など、業務やキャリアプランに関する相談をする習慣をつけましょう。
今しか身につけられない「力」は後で必ず役に立つ
時短勤務中は、できることが限られています。「仕事の量」だけを見れば、独身時代や子どもがいなかった頃に比べたときに「できないもどかしさ」を感じることも多いでしょう。
しかし、時間が限られていなければ、「いかに効率よく仕事をこなすか」とは考えなかったかもしれません。子どもが理由で遅刻・早退・欠勤しなければならない等、周囲のサポートが必要な立場にならなければ、気遣いの必要性も感じなかったかもしれません。今までバリバリ仕事をしていて評価をされてきた場合は、「仕事ができない立場」を経験することで視野も広がるでしょう。
制限があるからこそ、今までは必要のなかった「工夫」や「知恵」が必要になり、新たな気づきが得られます。
限られた時間と制約条件のなかで、最大限の成果を発揮するために生まれた工夫や知恵、それを実現する周囲とのコミュニケーション能力は、今後のキャリア形成に必ず役に立ちます。
捉え方次第では、時短勤務は大きな成長のチャンスです。この期間を前向きに受け止めて、今しか得られない能力やスキルを身につけましょう。