パート、アルバイト、派遣社員…と非正規雇用のまま、30代になってしまった。
将来を考えれば、やはり今のうちに正社員になりたい。

そんな思いがあるなら、企業の採用意欲の高い今が転職のタイミングかもしれません。

2月16日に発表された総務省統計局の「労働力調査」(2015年暦年)によると、正規の職員・従業員は前年から26万人増加し、非正規の職員・従業員の増加数(18万人)を上回りました。前年比で増加したのは8年ぶり、日本経済新聞によると正規の増加が非正規の増加を上回ったのは21年ぶりと、今は転職市場に追い風が吹いています。

「そうはいっても、経験不足と言われるし・・・。」と思うかもしれませんが、過去の経験不足は今から思い悩んでも修正できるものではありません。しかし仕事の経験不足を、面接での対応(=人間力)でカバーできることもあります。

このタイミングを逃さずに30代から正社員として採用されるために、面接の必勝ポイントを押えておきましょう。

1:まずは気持ちを「正社員」に

気持ちを正社員

面接には「正社員」の気持ちで臨みましょう。「精神論?」と思うかもしれませんが、実はこれが極めて大切なのです。ここがダメだと面接は突破できない、いわば「土台」の部分と言えます。

「正社員の気持ちで臨む」とは、他の正社員の応募者と同等かそれ以上の意欲と意識の高さで面接に臨むということです。そうすると、準備の全てが変わってきます。

当り前のことですが、正社員求人の面接では、正社員としての業務経験を積んできた応募者と比較検討されます。彼らが志望動機として語るのは、「自分の経験をどのように企業に活かすことができるのか。」「その企業でどんな仕事をしていきたいか。」という、「自分が企業に提供できる価値(=自分を採用するメリット)」です。

「安定したいから。」「腰を据えて働きたいから。」という、「自分の人生の都合」ではありません。

だから同じように、今の自分が企業に提供できる価値(自分を採用するメリット)を語らなければ、同じ土俵で戦えないのです。

もしどうしてもアピールできるような経験がない場合は、「仕事に対する姿勢」をアピールしましょう。

しかし、「どんな仕事でも真面目に一生懸命働きます」だけでは、もちろん不十分です。それを裏付けるようなエピソードを用意して、あなたが職場で働くイメージ、採用するメリットが企業に伝わりやすいようにしてください。

経験は急に補えるものではありませんが、将来への意欲と意識は今からいくらでも補えます。今の自分の経験のなかで応募企業に提供できる価値、応募企業でやりたい仕事をまとめましょう。

2:見た目の印象は極めて重要!「信頼感」と「好感度」を意識して

面接では、見た目の印象が極めて重要です。面接の第一印象で、「仕事が任せられるかどうか」が判断され、合否に影響するといっても過言ではないほどです。見た目で損をしないためにも、面接に行く前は鏡で入念にチェックしましょう。

髪型、メイクに清潔感はありますか。
スーツはシワだらけになっていませんか。
そのスーツは体にきちんと合っていますか。
ワイシャツやインナーシャツは、きちんと洗濯し清潔感がありますか。
バッグがカジュアルすぎませんか。
バッグや靴が汚れていませんか。

自分では「ちょっとぐらい大丈夫だろう。」と思ってしまう些細なことが、「身だしなみも整っていないし、仕事もきっとルーズな人」という印象を与えてしまう可能性もあります。

そして、姿勢も意識してください。背筋を伸ばし、肩をまっすぐにし、あごが床と並行になるようにまっすぐ前を見ましょう。よい姿勢でいると、それだけで「しっかりした人」という印象を与えます。

目指すのは「正社員の応募者よりも、きちんとしている人」です。「正社員になるためには、見た目も重要。」と認識し、信頼度と好感度が得られる「見た目」を心がけてください。

3:相手の顏をみて自信を持って話しましょう

正社員になるためには、面接での話し方も大切です。
面接では、面接官の顏をきちんとみて、姿勢よく自信を持って話しましょう。

「今まで派遣社員の経験しかないし…。」
「ずっとフリーターだったし…。」
「離職期間も長いし…。」
「何社も落ちているし…。」

不安は山ほどあるけど、自信を持てることなんてない・・・そう思うかもしれません。しかし、自分の経験を自分で不安に思っているあなたのことを、採用する企業はありません。

過去に不安を感じて自信を失うのではなく、そのなかで自分が積み重ねたこと、これからやりたいことを、自信を持って語ってください。そして、どんなに小さくてもいいので、その思いが本物であり、自分はそれができるのだと裏付けるエピソードを語りましょう。

4:お礼のお辞儀を丁寧にしっかりと

面接終了後は、きちんとお辞儀をしてお礼をいいましょう。

このお辞儀は、「きれいなお辞儀」であればあるほど効果的です。最敬礼をする必要はありませんが、首だけで行うお辞儀ではなく、背筋を伸ばして、前方30度にお辞儀ができるように何度も家で練習しておいてください。お辞儀の前と後に、相手の顏をきちんと見ることも忘れないようにしましょう。

特に、今までフリーターだった場合、または専業主婦だった期間が長い場合は、社会人としてのマナーがきちんとできているかどうか、が問われます。

この時、「正社員でも、なかなかそこまでする人はいないだろう。」というレベルのマナーができれば、かなり好印象を残せるはずです。その時に、「きれいなお辞儀」はとても強力な武器になります。練習すれば誰でも身に付くものなので、ぜひやってみてください。

面接の準備をしていくだけでも結果は変わります

面接は、準備をきちんとしていけば結果は必ず変わります。正社員としての意識で志望動機や自己PRを考え、服装、バッグや靴などの小物、姿勢、立ち居振る舞いなど、すべてに気を配って万全の体制で臨みましょう。

面接の準備では、民間企業で提供されている模擬面接サービスを利用して、プロの客観的なアドバイスをもらうのも有効です。第三者にチェックしてもらうことで、自分では気づかなかったことに気づき、面接が上手くいくようになるかもしれません。

30代で正社員を目指す道のりは、決して楽ではありません。しかし、本当に正社員になりたいのなら、行動を起こすのは早ければ早いほどよいのです。

結果がでるまで時間がかかるかもしれませんが、あきらめずに頑張っていきましょう。

30代で正社員を目指すなら、転職活動のコツも知っておきましょう。
正社員になりたい!30代でもあきらめたくない時の転職のコツ