子育てしながら働くワーキングマザーを支援するために、短時間勤務制度を整える企業も増え、利用者も増えてきました。しかし厚生労働省の調査によると、育児休暇後に復職する人のうち、短時間勤務制度の利用者は35%(「平成22年雇用均等基本調査」 2011年)。
短時間勤務制度の利用者は増えてきていますが、フルタイムで仕事復帰する人が多いのも事実です
育児と仕事を両立するために、フルタイムで仕事復帰するには、どんな準備や心構えが必要なのか。その3つの秘訣をまとめました。
1:フルタイム復帰に夫の協力は必須!家族の支援体制を万全に
フルタイムで復帰する時に、夫の協力は欠かせません。「2人で子育てをしていく」ことを確認し、保育園の送迎や家事や育児など可能な限り協力してもらいましょう。
完全な役割分担をしてしまうと、仕事の事情によって都合がつかない場合に苦しくなってしまいますので、週ごとにお互いのスケジュールを確認し、分担できればベストです。
夫が多忙で育児の協力が得られない場合には、実家や義両親に協力を依頼しましょう。実家や義両親が子育てに協力してもらえればもらえるほど、仕事との両立はしやすくなります。
実家や義両親に協力してもらえる場合には、身内として安心できるだけでなく、高額なシッター代がかからないので家計も楽になります。それでもお礼の気持ちとして、毎月いくらかをお渡しするとより気持ちよく子どもの面倒をみてくれるでしょう。
フルタイムで仕事復帰する場合には、まず夫や実家、義両親、時には姉妹など家族にどれくらい支援してもらえるかを確認します。その上で、必要な公的サービスや民間サービスをリサーチしていきましょう。
2:保育園、シッター、病後児保育など子どもの預け先を確保
次に子どもの預け先となる保育園を確保します。保育園によって預かってくれる時間が異なりますので、勤務時間や通勤時間に合わせた園を選びましょう。私立保育園だと、夕食も用意してくれる園もあります。保育園選びは、とても重要です。地域の保育園をリサーチし、必要に応じて引越しも視野にいれてください。
夫や家族の協力が期待できない場合には、シッターを確保します。シッターは困ったときだけ単発で利用するよりも、長期的にお願いしたほうが子どもも慣れて安心と言われています。
また、自分が留守の間に自宅に子どもと二人きりになるシッター選びでは、信頼できる人かどうかを見抜くことも重要です。可能であれば育児休暇中から少しずつお願いし、子どもに慣れてもらうと共に、人柄を見極め、安心して仕事復帰がスムーズにできるようにしましょう。仕事復帰後も金品盗品などのトラブルがないような配慮も必要です。
さらに、病後児保育サービスの確認をしましょう。乳幼児の間はインフルエンザや溶連菌感染症や胃腸炎などあらゆる病気にかかります。症状が回復しても、一定期間は登園禁止の病気もあります。そのときに利用できるのが、地域の病後児保育サービスです。利用に登録が必要な施設もありますので、登録も済ませておきましょう。
3:1日24時間の使い方をきちんとイメージしよう
フルタイムで仕事復帰すると、とにかく時間がなくなります。仕事も家事も時短できるよう、段取りをイメージしておきましょう。
帰宅する時間が19時を過ぎれば子供はお腹を空かせてしまいます。その後、食事を作り、ご飯を食べさせ、お風呂に入れて、どんなに遅くとも乳幼児なら9時には就寝させたいところです。帰宅後の怒涛のような時間を乗り切るためには、段取りや準備、家事の効率化などがとても大切です。工夫と試行錯誤を重ねながら、自分なりのやり方を見つけていってください。
家事の効率化では宅配サービスを使う、お掃除ロボットを使う、家事サービスを利用するなど、が有効です。
また、フルタイムでイキイキと働くワーキングマザーは、早起きして朝の時間を有効活用しています。朝4~5時に起きて、朝ごはんの下ごしらえをする、企画提案などの集中力が必要な仕事をこなす、メールなどをチェックするなどで時間をうまく活用しています。今まで朝方ではなかった人も、これを機に朝方に変更すると、時間をうまく活用できるかもしれません。
★ワーキングマザーの時間管理術のノウハウを紹介しています。
→仕事と子育ての両立のコツは賢い時間管理術にあった!
忙しい日々も重なる保育関連費用も、数年間の辛抱です
日本のワーキングマザーは家事に仕事にととても忙しく、睡眠時間は平均で7.3時間と先進国の中でも最も短いという調査結果もあります(総務省統計局 労働力人口統計室 2006年)。
それだけ時間がない上に、保育関連費用も多くかかります。一般的に乳幼児の保育料は高く、延長保育やシッター代などで、月によっては給与のほとんどが保育関連費用となることもあるでしょう。
しかしこれも、子どもが大きくなるまでの数年間です。この期間は、「給与は保育料のため」と割り切るしかありません。
また、平日は子どもとの時間がほとんど取れません。それがフルタイムで働くワーキングマザーの大きな悩みにもなります。
子どもとの関係は家庭によって状況が異なりますので、何がベストかは一概に言えませんが、時間がなくても愛情を伝えることはできます。「忙しくても、寝る前に必ず絵本を読む」「土日はしっかり子供と遊ぶ」などの時間を作って、フルタイム勤務を続けるワーキングマザーもいます。
片付かない部屋やうまくいかない育児に、時には「ここまでして働いて、何の意味があるのだろう。」と思い詰めてしまうこともあるかもしれません。それでも、今フルタイムで働いていることで子どもが成長した後のやりがいや生きがいにもなりますし、子どもがやりたいことを応援する教育資金や老後の年金の確保にも繋がります。
大変な思いもするかもしれませんが、フルタイム勤務を続けることは決して無駄にはなりません。時には息抜き、時には手抜きをしながら頑張りましょう。