転職活動のときの職務経歴書で必要となるのが、自己PR欄。自己PRと言われてもたいしたことしていないし、何を書けばいいか困ってしまう・・・というのは転職活動でよくある悩みです。

「私はごく普通の事務職。PRできる業績や成果もなければ、資格もないし、自己PRなんて書くことがない…。」

と思っていませんか。しかし、あなたが毎日「当り前のこと」として取り組んでいた業務や勤務態度は、立派なアピール材料になります。

今回は、「この人に会ってみたい。」と思ってもらえる自己PRを作る秘訣を紹介しましょう。

そもそも企業が事務職に採用したいのはどんな人?

事務職に採用

自己PRを作成する前に、企業が事務職にどんな人を採用したいと考えているかを確認しておきましょう。

企業が中途採用で事務職に求める採用条件は、業界や企業規模が異なっても、基本とする部分は共通しています。それはどんな人だと思いますか?

パソコンスキルが高く、いろんな資格を持っている人?それともできれば、見た目のよい人?

そう思われがちな事務職ですが、企業が事務職に求めるのは「ちょっとした雑用にすぐに対応してくれる(雑用を頼みやすい)こと」と、「安定して仕事をこなしてくれること」。そして、「長く続けてくれること」です。

企業のニーズを踏まえた上で、自分がニーズにマッチする人材であることを具体的な事例を使って伝えるために、職務経歴書の自己PR欄を使います。仕事に対する姿勢や周囲との関わり方など、職務経歴では表現できない「あなたらしさ」を相手に伝える「補足説明欄」と心得て、しっかり活用していきましょう。

仕事で大事にしている心がけをエピソードで伝えよう

エピソード

今まで仕事をする時に、「これだけは大事にしてきた」「こだわってきた」ということはありませんか。

例えば、「言われた仕事はできるだけ早く対応するようにした。」「ミスなく正確にできるようにした」というものです。

このように仕事に取り組むうえで大切にしてきたことは、立派なアピール材料になります。その心がけを実践したことを示す具体的なエピソードを添えて、自己PRに記載しましょう。例えば、

・仕事の納期は、上司が確認する時間も考慮して、締め切りの3日前に仕上げることを意識した。
・毎朝始業30分前に出社して、仕事の準備をするようにした。
・仕事を正確に行うため、業務は自分でチェックシートを作成してミスや漏れを防ぐようにした。

というように、具体的な数字を入れて簡潔に記載してください。そして、このときの「こだわり」は、事務職として評価される能力に関連するものにしましょう。事務職として「評価される能力」には、以下のようなものがあります。

□周囲と快くコミュニケーションする能力
□臨機応変な対応力
□正確に仕事をこなす能力
□単純作業でも持続して行える能力
□人の話を素直に聞く能力
□優先順位をつけて必要な業務からスピーディに対応していく能力
□ちょっとした業務改善を提案できる能力

これらの能力について、「これなら私も気を付けてきた。」「ここは自信が持てる。」というものがあれば、それが相手にわかりやすく伝わるエピソードを添えてアピールしましょう。

周囲の人との関わりは「人から言われて嬉しかった」台詞を添えて

事務職は、職場全体のサポート役でもあります。職場の人とどのように関わってきたか、周囲への気遣いをどのように行っていたかというエピソードも必ず入れましょう。

その際に有効なのが、今までに「周囲の人から言われて嬉しかった言葉」を思い出し、その時のエピソードを簡潔に明記することです。例えばこのように記載します。

・常に「上司が次に必要なことは何か」を考えて行動するようにしていました。上司からは、「よく気が付いてくれて、本当に助かるよ。」と褒めていただけました。
・手が空いたときには、手伝える仕事はないか周囲の人に声をかけるようにしていたので、「○○さんのおかげで、仕事が早く終わるよ。」と言ってもらっていました。

ただし、もし今までの職場ではあまり人間関係が良くなく、周囲との関わりで書けるようなことが何もない場合は、何も言及しなくても大丈夫です。エピソードは大切ですが、偽りのエピソードを無理に作らないようにしましょう。

「コミュニケーション能力があります」とは自分からは言わない

コミュ力

自己PRでよくありがちなのが、「私の強みはコミュニケーション能力です。」「責任感には自信があります。」等と表現してしまうことです。

コミュニケーション能力や責任感などのように他者との関係性のなかで評価される能力は、自分ではなく他人が判断するものです。自分が「能力がある」と思うレベルと、他人が思うレベルが異なっていることもよくあります。そのため自分から「能力がある」と言った途端に、説得力がなくなってしまう表現なのです。

コミュニケーション能力や責任感などの長所は、今まで述べてきたように「その能力があることを示すエピソード」で表現しましょう。

コミュニケーション能力なら、「どんなに忙しい時でも笑顔で対応するように心がけた。」「一日気持ちよく仕事ができるよう、毎朝笑顔で挨拶することを心がけた。」等の心がけや、「○○さんは仕事が頼みやすいとよく言われました。」等の他人の台詞などで表現すると効果的です。

職務経歴書の自己PRで人柄を伝え「会ってみたい」と思わせる

会ってみたい

職務経歴書の自己PRを活用すれば、職務経歴からは見えないあなたの「人柄」を伝えることができます。そのために大切なのが、より具体的なエピソードです。

同じような経歴であれば、人柄が伝わってくる職務経歴書のほうが、より「この人に会ってみたいな。」と思ってもらえます。

真面目に一生懸命仕事に取り組んできた姿勢は、十分なアピール材料となります。あなたがどのように仕事に取組み、周囲とどのような関係を築けるかが伝わるエピソードを自己PRに盛り込み、「会ってみたい。」と思わせる職務経歴書に仕上げましょう。