上司が自分のことを全く理解・評価してくれない。
そもそも職場に全く会話がない。
仕事を全くやらない同僚や部下や上司の尻ぬぐいで大変。
もう職場の人間関係が、ホント最悪!!という時に、頭をよぎるのが「転職」の二文字です。実際に、本音ベースの転職理由では、職場の人間関係に関するものが多いと言われています。
しかし、人間関係が悪いからといって転職を踏み出すのはなかなか勇気がいるもの。さらに状況によっては、転職しないほうがいいこともあります。
かといって、ストレスフルな環境でいつまでも働いていては心身に悪い影響もたらす可能性もあります。
「職場の人間関係が最悪!もう転職したい!」と思ったら、こんな視点でもう一度現状を見つめ直し、転職のタイミングを見極めていきましょう。
「最悪な人間関係」の「違う見方」ができないか考えてみよう
今「本当に最悪!」と思っている職場の人間関係について、何がどううまくいっていないのか、一度状況を客観的に分析してみましょう。
・上司が自分の意見を全く聞いてくれない。
・上司が自分のことを決めつけて、評価してくれない。
・上司が仕事をしないのがイライラする。
・そもそも職場に会話がない。
・同僚が公私混同でおしゃべりしてばかりでイライラする。
様々な状況があるかと思います。こうした状況は、一度「嫌だな」という感情を抱いてしまうと、その嫌な感情が自分の頭に染みついて、「あの人は嫌だ」というバイアスがかかり、「嫌な気持ち」がどんどん増幅されてしまうことがよくあります。
「あの人は嫌だ」「こんな環境は嫌だ」というバイアスを一旦外して、今の状況を違う視点からみてみることは難しいでしょうか。たとえば、
・上司が自分の意見を全く聞いてくれない。
→上司が忙しい時に話しかけていたのではないか。言い方に改善の余地があったのではないか。
・上司が自分のことを決めつけて、評価してくれない。
→自分も上司のことを決めつけていないか。違うアプローチを試してみてはどうか。
・上司が仕事をしないのがイライラする。
→人は人、自分には関係ないと割り切れないか。
・そもそも職場に会話がない。
→集中できていいと思えないか。自分からまずは挨拶からしてみるのはどうか。
・どうしても腹が立つ同僚がいる。
→「イライラするだけ損」として、その場にいないものとしてスルーする。
など、違う視点からみてみれば、状況が全く変わって見えるかもしれません。
人間関係は鏡のようなもの。自分が変われば変わることもある
人間関係は鏡のようなものです。
相手があなたを嫌っている、あるいは相手が自分に対して悪い態度をとっているならば、それは自分が相手を嫌い、相手に対して悪い態度をとっているからだとも言われています。
だからこそ、今の人間関係も自分が相手との関わり方、コミュニケーションを変えれば今の「最悪!」と感じている人間関係も改善する可能性は大いにあります。
「自分のコミュニケーションには、全く問題がない」
「自分は悪くない」
とほとんどの方がそう思っているかと思いますが、自分では気づかないうちにコミュニケーションで地雷を踏んでいる可能性は誰にでもあります。
もしかしたら、今の人間関係が悪いと感じている要因は相手が一方的に悪いばかりではないかもしれないという視点も持って、相手との関わり方、コミュニケーションの仕方で自分が変われるところがないか、もう一度考えてみましょう。
自分が変われば、もしかしたら相手の接し方も変わってくるかもしれません。
自分が変わっても何も変わらなかったときが転職のタイミング
今の職場の人間関係でイヤだと思っていることの「見方」を変えてみる。
相手との関わり方やコミュニケーションを変えてみる。
人間関係に悩んで転職したくなったときでも、できればここまでは試してみてください。
なぜなら人間関係の問題はどんな職場でもついて回ります。人間関係が嫌だと思うたびに転職していたら、キリがないからです。
しかし、ここで嫌な人間関係も乗り越え克服できる力を身につけられれば、この先の人生を生き抜く大きな力になります。
もちろん、現実には自分が変わっても残念ながら何も変わらないことも十分にありえます。
自分の見方を変えても、コミュニケーションを変えても、それでも何も変わらなかったとき。
「自分はやりきった!もう打つ手なし」と自信をもって言えるそのときこそが、転職のタイミングです。
何も変わらなかったと思うかもしれませんが、ここで「自分が変わる努力をした」という貴重な経験をしています。
現状を変えるために「自分なりに努力をした」この経験は、面接官にもプラスの印象としてちゃんと伝わります。これが、次こそいい職場に出会うためにとても重要なのです。
反対に人間関係が原因で、逃げるように退職してしまった人の「逃げてきた感」も、中途採用の面接では意外に面接官に伝わっています。
そして「逃げてきた感」が感じられる人を、面接官は疑うのです。「実はこの人が、人間関係を悪くする元凶なのではないか?」と。そうなったら、本当に「いい環境」の職場にはなかなか採用してもらえなくなってしまいます。
転職がダメなわけではありません。
ただ、朝会社に行くのが憂鬱になるほどの人間関係でも、すぐに辞めてしまうのではなく、自分の見方を変えられるか、コミュニケーションを変えてみる余地がないか、もう一回だけ考えてみることが、結果的にいい転職につながることをぜひ知っておきましょう。