あなたの職場にもいませんか?「どうしても無理」な、苦手な人。
価値観がどうしても合わない、何かと文句をつけてくる、話しかけても無視される、そもそも生理的に無理…などなど。
職場に苦手な人が1人でもいると、「会社に行きたくない…」という思いがどんどん膨らみ、気持ちはどんよりと重くなってしまいます。
そんな重い心持ちが少しでも楽になるように、苦手な人との接し方はこんなことを意識してみませんか?
「苦手な人」に何かを期待するのをやめる
私たちは苦手な相手に限って、ついつい「もっとこうしてくれたらいいのに」と思ってしまいます。
こっちが挨拶をしているんだから、もっとちゃんと挨拶をしてくれてもいいのに。
こんなに頑張っているんだから、認めてくれてもいいのに。
話しかけているんだから、もっと感じよく対応してくれてもいいのに。
そんなに否定しなくてもいいのに。
私の話をもっときちんと聞いてくれてもいいのに。
自分の話ばかりしなくてもいいのに。
もっと柔軟な考え方をすればいいのに。
無駄話していないで、真面目に仕事をすればいいのに…などなど。
苦手な相手に対して、「自分に対してこういう対応をしてほしい」「こういうことはやめてほしい」と心のどこかで期待をしてしまっている。
そしてその期待が叶えられないから、「どうしてこの人は、こうなんだろう」ともっともっと苦手になる。
「相手に期待をする→期待通りにならない→苦手になる」こんな悪循環が始まると、「苦手な人」はどんどん苦手になり、感じるストレスはどんどん大きくなってしまいます。
他人の行動は、変えようと思って変えられるものではありません。相手にどれだけ期待したとしても、態度を変えて欲しいと願ったとしても、期待通りの反応が返ってくるわけでも、態度を変えてくれるわけでもありません。
苦手な人に、期待をするのはやめましょう。
「こうだったらいいのに」「どうしてこうしてくれないの?」「どうしてこんなことをするんだろう?」という思いを捨て、どんな反応でも「この人はこういう人なんだ」とありのままを受け流してみませんか。
「苦手な人」とは心理的な距離をおく
直属の上司や同僚など、「苦手な人」は職場でも身近にいることも多く、わりと頻繁にコミュニケーションをとらなければならない相手だからこそ、ますます気が重くなる…ということもよくあります(そもそも、あまり業務で関わらない人であれば、どれだけ苦手でも、そんなに心理的なダメージは大きくないでしょう)。
距離を置きたいと思っても、業務上、関わらなければならないのが「苦手な人」のやっかいなところではありませんか。
物理的距離を置くことはできなくても、自分の考え方一つで、「心理的な距離」をおくことはできます。心理的な距離をおいて、「苦手な人」の一挙一動に自分の心が影響されないように、反応しないように心がけましょう。
大ベストセラー「嫌われる勇気」(岸見 一郎,古賀 史健著 ダイヤモンド社)で注目されるようになった、アドラー心理学でも、
「自分が誰かを嫌いになるのは自分の問題」
「誰かが自分を嫌うのも、他人の問題」
「他人の問題には、自分は特に干渉する必要がない」
と、解いています。「苦手な人」があなたに対してどう評価するか、どう対応するかは、あなたが干渉してもどうにもならない、干渉する必要のないことなのです。なのにそれに時間を割き、心を煩わせるのはもったいないことだと思いませんか?
苦手な人に関するすべての問題は、自分とは関係がない問題だと、切り離して考えてみましょう。
「信頼できる人」「自分に良くしてくれる人」を大切にする
職場の人間関係のなかに、「苦手な人」が1人でもいると、その相手が自分の心理に与える負のインパクトは非常に大きくなってしまいます。
でもそんなときこそ、一度冷静になって「苦手な人」以外の人間関係を見つめてみてください。
職場に信頼できる人、あなたに良くしてくれる人、あなたを評価してくれる人はいませんか?
職場に思い当たらなければ、家族や友人でもかまいません。 「苦手な人」に頭を悩ませるよりも、そういう人たちと過ごす時間やコミュニケーションを大切にしたほうが、自分のなかの人間関係はより豊かになります。
苦手な人よりも、大切な人、尊敬できる人、一緒にいて気持ちのいい人のために自分の時間と労力を使いましょう。
余力があれば、懐に飛び込んでみる
職場の苦手な人に対しては、このように相手に期待をせずに、心理的な距離を置くのが基本的にはおすすめです。心穏やかに過ごしたいならこれがベストですが、もう1つ「あえて相手の懐に飛び込む」という方法もあります。
「人間関係は鏡のようなもの」と言われています。相手のことを苦手と感じているあなたの態度が、悪気はなくても、意図していなくても、相手を刺激しているかもしれません。
「苦手な人」だから、こちらからの挨拶も素っ気なくなっていたり、ぎこちなかったり、自分では「必要最小限」と思っているコミュニケーションが、相手からみたら全然足りなかったり…と思い当たることはありませんか。
「好意の返報性」と心理学でも言われるように、人は誰かから好意を受けると、そのお返しをしたくなると言われています。
あなたが好意的に挨拶をし、好意的にコミュニケーションを取り始めれば、この「好意の返報性」で「苦手な人」とのコミュニケーションが改善し、苦手ではなくなる日が来るかもしれません(実際に筆者も、これで過去に社内で最も苦手だった上司が、人生で最も尊敬する上司に変わりました!)。
もちろん無理をする必要はありませんし、話はそんなに簡単ではないかもしれませんが、「苦手意識」を超えたところにかけがえのない人間関係を見つけられる(かもしれない)こんな対処法もぜひ知っておいてください。