育児休暇も、時短勤務も子育てしながら仕事をするための正当な権利です。

一方で「子育ては大事なのはわかっているけど、本音を言えば育休明けの女性社員が迷惑。」という声が、育休明けの女性社員を抱える職場から聞こえることがあるのも事実です。

それを「そんな考えだから、働く女性が子どもを産めないのだ。」「子育ての大変さをわかってない。」と一蹴するのは簡単です。しかしそれでは、いつまでも状況は改善しません。

職場で「育休明けの人って、本当に迷惑。」と言われてしまうのはどんな人か。それを理解することで行動を見直し、自分の周りから少しずつ、「子育てする女性を応援したくなる職場」にしていきませんか。

1:「子どもがいるから、仕方ないでしょ」「当然でしょ」な人

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乳幼児はよく病気になります。育児休暇が明けた後も、子どもの病気で「月に出社できたのが数日」という事態も発生します。これは、子どもに病気への抵抗力・免疫力がつく小学校入学頃まで約6年は続くでしょう。

その度にママは、遅刻・早退・欠勤をしなければなりません。ここで、「子どもがいるから、仕方ないでしょ。」という態度でいると、反感を買ってしまいます。

また、時短勤務は早く帰宅し、子育ての時間を確保できる制度ですが、繁忙期でも何の気遣いもなく、「時間なので、帰ります。」と当然のごとく帰宅されたら、いくら「子育ては大事」と思っていても穏やかな心境でいられないのが人間です。

あなたができない分の仕事は、周囲が分担してくれています。あなたの代わりの仕事を行うことで、深夜残業や土日出勤をしている人はいませんか。それさえも当然と思っていませんか。
笑顔で「いいよ。」といってくれても、業務負担に疲弊していないか、気遣いを忘れないようにしましょう。

2:業務の引継ぎをきちんとできない人

子どもが発熱して保育園から呼び出しがあって、早退しなければならない。
帰宅時間になったから、帰らなければいけない。

ワーキングマザーは、仕事を途中で切り上げてその業務を誰かに引き継ぐことが多くなります。その時に自分の業務をやりっぱなしで、「後はお願いします。」と帰宅されたら周囲は非常に困ります。

職場で応援してもらえるワーキングマザーは、業務の引継ぎがきちんとできる人です。業務を引き継ぐ人のことを考えて書類、手順、データなどを整理し、誰でもわかりやすいように整えています。

自分の代わりに業務をやってくれる同僚が少しでもやりやすいように、時短勤務中は空いた時間を見つけて書類を整理し、データを整え、担当する業務の手順をマニュアル化しておきましょう。よく使うメールをテンプレートにしておくのもおすすめです。

3:「こんな待遇不満です!」な人

子どもが小さいうちは、急に病気になって保育園から呼び出しされることも多くあります。ベビーシッターや実家に頼むなど万全の準備をしていても都合がつかない事態は発生し、遅刻・早退・欠勤をする可能性が今までと比べて格段に高くなります。
これを「業務を遂行できないリスク」として考える企業も少なくありません。そのため育児休暇後は、時短勤務の人はもちろん、フルタイムで復帰したにも関わらず、部署が異動したり、降格されたり、仕事内容に変更があったりします。

業務内容や勤務時間の変更に伴い、年収が減少することも多々あります。責任や負担の軽い業務になり、重要な会議や定期会議に呼ばれることもなくなり、疎外感も感じるかもしれません。

今までバリバリ働いてきた女性ほどこの処遇に不満を感じ、「今まで頑張ってきたのは、何だったの?」「しっかり働けるように頑張っているのに。準備をしてきたのに。」と悔しくなってしまいます。

気持ちはわかりますが、その待遇の不満や文句を上司や人事部に言ったり、見た目にも不満な態度を取ったりしてしまうと、あなたの扱いに困ってしまうのも現実です。なぜなら、「育児休暇明けの女性は、子どもの病気で遅刻・早退・欠勤せざるをえない」という確固たる経験則が企業にはあるからです。

状況改善のために主張をすることも大切ですが、待遇に不満があったら、まずは勤務態度や仕事で実績を出しましょう。あなたが数か月間、急な遅刻・欠勤・早退をすることなく以前と同様に仕事ができることがわかれば、待遇改善の交渉も説得力が全く違ってきます。
そして、あなたの後に育児休暇を取得する女性を見る目も、必ず変わってくるでしょう。

4:「私の都合が最優先」な人

育児休暇も、時短勤務も、従業員として守られた権利です。だからといって、自分の都合を最優先に考えて、周囲や職場のことを考えずに行動してしまうと、職場に大きな迷惑と負担をかけてしまいます。「自分の都合ばかり」と思われてしまうのは、例えばこんな行動です。

・トラブルや繁忙期で大変な職場を後に、時間だからさっと帰る。
・「子どもがいるから(時短勤務だから)、迷惑はかけられない」と面倒な仕事や難易度の高い仕事は全て断る。
・自分の業務が終わっていなくても、時間になれば帰る。
・手が空いても自分の仕事でなければ、手伝わない。

時短勤務は時間になれば帰宅してよい制度なのですが、業務の状況に関係なく当然のように帰宅されると、頭ではわかっていても、「残りの業務は自分たちにしわ寄せが…。」と感情的に思ってしまうのです。

また、育休明け直後に第二子を妊娠する人もいます。一般的に家族計画は夫婦間で行えばよいものですが、産休や育休など会社の制度を利用するのであれば、社会人として職場へのある程度の配慮も必要です。
多くの子どもを産み育てるのは本当に素晴らしいことです。一方で、産休と育休で何年も休んでしまうことに違和感を持つ人も少なくないことを知っておきましょう。

「何と言われようと、私は当然の権利を使っているだけだから気にしない。」というスタンスもあります。本人はそれでもいいのですが、その行動が次の育児休暇取得者への冷たい対応の原因になってしまうかもしれません。

上司や周囲の対応が冷たい、話を聞いてもらえないという場合は、自分の都合を最優先し、押し付けている可能性があります。自分の気持ちや都合は大切ですが、相手の立場を考えなければそれは理解されません。
「上司や職場に理解がない。」と嘆く前に、自分の行動に問題はないか、冷静に振り返ってみましょう。

5:感謝の言葉が言えない人

「育休明けで迷惑」と言われてしまう人の本質的な問題は、上記のように職場に迷惑や負担をかけてしまうことそのものではありません。その時に、「感謝の言葉が言えない」「感謝の気持ちが伝わらない」ことなのです。

「いつも感謝の気持ちを言うなんて、面倒。」
「少子化の時代に子どもを産んだんだから、それをサポートするのは当然でしょ。」

という気持ちが心のどこかにあるかもしれません。それでも、自分の仕事を誰かがやってくれていることには、きちんと感謝の気持ちを示しましょう。

言葉だけでなく、時にはお菓子などの差し入れをしたり、繁忙期には夫やベビーシッターやファミリーサポートなどの力を借りてなんとか時間を調整したり、終わらない仕事を土日に出社して片づけたり。
そうした行動を周囲は見ています。本人ができる限りのことをしているとわかれば、その職場が「ワーキングマザーを応援する温かい職場」に変わっていきます。

周囲に応援してもらえるワーキングマザーは、こうした努力をしている人なのです。

育休明けは人生最大の「気遣い」の時・人として成長しましょう

慣れない子育てと仕事の両立は、確かに大変です。だからこそ、周囲への気遣いを忘れずに多くの人の支援してもらえる環境を作り上げてください。

自分の時間もなく、子育てや家事の疲れでヘトヘトな上に、職場への気遣いも必要とは酷なことかもしれません。しかし周囲への気遣いと配慮は、周囲からの温かな支援としていつか自分に戻ってきます。その気遣い力や配慮が認められ、子どもが大きくなってフルタイムでしっかり働けるようになった時、次の仕事やチャンスにつながる可能性もあります。

今は思い通りにいかないこと、嫌な思いをすることを受け入れながら、周囲を巻き込み、周囲への気遣い力を磨く、人として大きく成長できるチャンスと捉えてみましょう。それは自分のためだけでなく、この先仕事をしながら子育てする女性を温かく支援する環境づくりに、大きく貢献できるはずです。

★応援してもらえるワーキングマザーがどんな配慮をしているのか、確認してみましょう。

「時短勤務って迷惑!」と言われない人がしている3つの気遣い