就職活動がスタートした後、各地で開催される合同説明会は、一度に多くの企業を見て回れるとても貴重な機会です。とはいっても、その「機会」の意味はなかなかピンとこない方も少なくないかもしれません。

しかし、だからといって合同説明会に全く行かないのはいろんな意味で「もったいない」ことです。

「合同説明会なんて、行く意味あるの?」「面倒くさいんだけど、行かなきゃダメ?」と思ったら、ここで合同説明会の意味をちょっと確認してみませんか?

「やりたいことがわからない」が解消できる!

やりたいことがわからない

合同説明会が最も「意味ある機会」になり得るのが、「就活といってもやりたいことがわからない…・。」というタイプです。

もしやりたいことがわからないなら、まずは合同説明会にできる限り行ってみましょう。

そして、参加した合同説明会では先入観を捨てて、様々な企業をみてください。自分の率直な印象や興味を大切にし、「おもしろそう」「やってみたい」と思える企業をピックアップしながら、自分の心はどんなことに動くのか意識していると、自分が興味を持つ仕事、業界、企業の傾向が見えてくるはずです。

それは仕事内容だけではなくて、

「ベンチャー企業など、若いうちから成長できる環境に魅力を感じる。」
「規模の小さい中小企業のほうが、いろいろできて面白そうだ。」

など企業特性かもしれません。こうした企業特性も、「やりたいこと」や「働きたい環境」を見つける重要な手がかりとなります。合同説明会はこのように「興味のきっかけ」を見つけて、「やりたいことがわからない」を解消する絶好の機会なのです。

「やりたくないこと」「合わないこと」が見つかる

参加する合同説明会によっては、「やりたいと思えることがなかった。」「自分とは合わなかった。」ということもあります。

しかし、「今日は無駄足だった。」なんてがっかりしないでください。実はそんな合同説明会でも、大きな収穫を得ています。それが「やりたくないこと」「自分に合わないこと」がはっきりした、ということです。

この経験を就職活動にプラスにするためにも、「やりたいと思うことがなかった。」「自分とは合わなかった。」という合同説明会では、何が面白くないと感じたのか、きちんと自分の中で整理しておきましょう。

特に業界や仕事内容だけでなく、社風などで「自分とは合わない」と感じた部分が見つかれば、それは重要です。それこそが、自分にとっての「こんな環境では働きたくない」要素だからです。

たとえば

・BtoBのサービスや商品には、あまり興味がもてない。
・事務的な対応をする企業ばかりで、つまらなかった。
・社員がサークルみたいなノリで、ついていけないと思った。
・前例重視みたいな社風で堅苦しそうだと思った。

などの要素は、自分が志望していた業界や企業でも「実はそうだった。」ということがあり得るので、志望業界や企業を見直すきっかけになります。

自分が働いて本当にハッピーになれる企業を選ぶためにも、「やりたくないこと」「合わないこと」がはっきりわかることはとても大切です。合同説明会は、その気づきを得られる機会でもあります。

自分が働いてみたいと思える「社風」が見つかる

合同説明会では、様々な企業の社員と接することができます。その中で、「こういう人たちと一緒に働いてみたい。」と思える社員に出会うこともあります。

「今まで全く興味もなかったし、考えたこともなかったけれど、こんな人たちと一緒に働いてみたい。やっている事業内容も、話を聞けば面白そう。」

合同説明会には、そんな思わぬ運命の企業との出会いの可能性もあります。

企業で働く人の雰囲気は、就職情報サイトや企業HPではなかなかわかりません。自分が働いてみたいと思える「社風」が見つかるのも、合同説明会ならではのメリットなのです。

実はこの「社風が自分に合う」のは、入社してハッピーになれる可能性が非常に高い条件でもあります。合同説明会でそれが見つかり、その企業に入社できれば、あなたが入社後にイキイキと働ける可能性はとても高いでしょう。

合同説明会を活用するために大切なこと

このように合同説明会には、「やりたいことを見つける」「やりたくないことを見つける」「自分に合う社風を見つける」という多くの意味があります。

あなた次第で1度で多くの収穫が得られる可能性がありますが、そのために受容なのが、「目的意識を持って、自分から情報を取りに行く姿勢で参加する」ことです。

「どうせ行っても意味がないし。」「皆行っているし、とりあえず行ってみるか。」という気持ちで行ったり、受け身で説明を聞いたりしているだけでは、せっかくの機会を活かしきれず、自分自身の気づきは得られません。

また、会場で多くの企業を回ればいいというわけでもありません。

時々、合同説明会で回った企業のブースの数で満足してしまう学生もいますが、大切なのは、その場で得た情報と自分自身の気づきの「内容」であり「質」です。たとえ限られた企業とのコミュニケーションであっても、そのなかに深く得るものがあればそれでよいのです。