転職活動をしていて、無事に内定!
これで転職活動も無事終了のはずなのに、内定をもらったら「本当にこの会社でいいのか?」と転職を迷う気持ちが生まれて、どうしていいかわからない…そんな状態に陥ってしまっていませんか。
転職の内定を迷ってしまう、こんな時こそ、転職の意思決定をする際に重要な3つのことを知っておきましょう。
1)100%満足する転職は、ほぼない

転職活動を始めた時には、今の状況から「何か」あるいは「すべて」を変えたいと思っていたでしょう。
収入。
仕事内容。
将来のキャリアパス。
社風。
福利厚生などの待遇面。
オフィス環境。
残業や休日などのワークライフバランス。
通勤時間。
職場の上司との人間関係。
最初に変えたかったものは、何だったでしょうか。
いずれにしても、転職活動を続けるうちに「どうせ転職をするんだから、なるべくよい条件のところへ」という気持ちが強くなって、いつの間にかすべての面で満足できる「理想の転職先」を求めてしまっていませんか。
自分が求める条件を全て満たす、「理想の転職先」を見つける人もいないわけではありません。
しかし、自分の希望を全て満たす「理想の転職先」に出会うのはそう簡単ではありません。
仮に「理想の転職先」があったとしても、その企業から内定をもらえるとも限りません。
さて、あなたは今、転職予定先の企業のどんなところに迷いを感じていますか。
年収が思ったよりも少ないから?
残業が多そうだから?
通勤時間がかかりそうだから?
その「迷い」は、この転職で実現できる「その他のメリット」と比べても見過ごせない、妥協できないほどあなたにとって重要なものなのでしょうか。
100%自分の希望を満たす企業はそうそうない、という事実を踏まえた上で、今の「迷い」を感じるところが自分にとってどれほど重要で、優先順位が高いことなのか、もう一度考え直してみましょう。
ここで、たとえば「やっぱり自分にとっては、年収がどうしても妥協できなかった」「実は残業が少ないことが重要だった」と気づければ、今内定を辞退したとしても大きな収穫になります。
次の転職活動では、今自分にとって重要だと気づき、妥協できなかった条件を叶えてくれる転職先(そのために、他の条件を妥協する必要があるかもしれませんが…)を探せばいいのです。
2)悪い面に目を向ければ、どんな企業にも難がある
100%自分の希望を満たす企業がなかなかないように、100%文句のつけどころがない企業もありません。
安定している大企業だけど、人間関係がギスギスしている。
高収入だけど、ストレスも残業も多い。
社風もいいし、仕事内容もいいけれど、待遇面があまりよくない。
他の全ては満足できるのに、オフィスが遠く、通勤が大変。
その企業の悪い面に目を向け始めたら、その企業の悪いところがどんどん気になって止まらなくなってしまいます。
その状況になってしまったら、どんな企業でも難癖がつけられます。
転職先に限ったことではありませんが、物事の「良い面」に目を向けるか、「悪い面」に目を向けるかで「見える世界」は全く違うものになります。
将来の決断を迫られ、不安なあまり「悪い面に目を向けるモード」に入ってしまっていないでしょうか、客観的に自分を見直してみましょう。
3)「迷ったらやめておく」ではなく「迷ったら進んでみる」がいいこともある
「迷うくらいなら、やめておいたほうがいい」
内定先に迷っていることを相談したら、おそらくこんなアドバイスをくれる人が必ずいると思います。それも一理はあります。
しかし、それは「迷う原因」にもよります。
たとえば、
「収入や仕事内容は申し分ないけれど、社風がどうも合わなそう」
「仕事内容もいいし、社風も合うけれど、残業が多そうなのが気になる」
「自分では気に入っている転職先だけど、家族など周囲に反対されている」
など、転職のメリットとデメリットを自分でも認識していて、それがあまりにも拮抗しているから迷うような時。
「メリット」には非常に魅力を感じているけれども、「デメリット」が「どうしても受け入れられそうもない」から迷っている時には、確かにやめておいたほうがよいことも多いでしょう。
しかし、「迷う原因」には「何となく不安」という「モヤモヤしたもの」や、「もうちょっといい条件もあるのではないか」と、まだ出会っていない「理想の企業を求めてしまっているもの」もあります。
このように迷う原因が明確でない場合、「この企業も悪くないけれど、もっと他にないか」と思ってしまうような場合には、「迷ってみたら進んでみる」ほうがいいこともあります。
人間の脳は、良くも悪くもストレスを引き起こす「変化」を嫌うようにできています。
「転職」はライフスタイル、人間関係など多くの変化をもたらすライフイベントですから、無意識のうちに、条件そのものは特に問題はないか妥協できる範囲のはずなのに、脳が今から起きようとする「変化」を避けようとしているかもしれません。
なんとなく迷うからと辞退したら、「やっぱり辞退しなければよかった」と後悔する可能性だってあります。
「他にいい企業があるかも」と思って辞退して、転職活動を続けても、結局「いい企業」はみつからず、「あの内定先が一番よかった」ということだってありえます。
「迷うからやめておく」にしておけば「変化」は起こらず、一見安全のように思えますが、「迷うからやめておく」の先にも後悔のリスクはあります。
もちろん、迷って進んでも「こんなはずじゃなかった」と思うこともあるでしょう。
思うようにいかなかったら、結局どちらを選んでも多かれ少なかれ後悔してしまうのが人間です。
どの類の後悔なら自分は受け入れて前向きに進めるのか、そんな視点からも考えてみましょう。