転職の面接のコツというと、「志望動機や自己PRをいかにきちんと伝えられるか」が一番に頭に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。

もちろんその通りなのですが、その前に自分の第一印象への配慮も忘れてはいけません。

実際に「転職サイトDODAが中途採用担当者1000人に対して、「面接で重視している項目」を調査した2013年のアンケートでも、技術系(メディカル/化学/食品/化粧品)を除く、すべての職種で「最も重視するポイント」として回答されたのも、「経験」や「熱意」「受け答えの仕方」をおいて「第一印象」が1位でした。

採用担当者も重視するこの第一印象は、ちょっとした心がけ次第で簡単に改善することができます。

今回は、そのポイントを確認しておきましょう。

前日の夜は早めに眠る

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「何となく疲れている雰囲気」は、どんなにキャリアが魅力的でも、面接の印象としては大きなマイナスになります。

基本中の基本ですが、前日の夜はできる限り早めに寝て、すっきりとした体調で面接に臨みましょう。

社会人として前日(連日)の疲れを残さない体調管理、自己管理ができるかどうかは、人物評価にも影響を及ぼします。

飲み会の予定があったとしても、できる限りお酒は控えめにするようおすすめします。

スーツとシャツはしっかりアイロンをかけて

TPOに合わせた服装ができるかどうかは、大切なビジネスマナーです。面接という勝負の場では、服装はきちんとしていて当然のものなので、ここができていないと大きな減点となります。

スーツやシャツは、しっかりとアイロンをかけておきましょう。できればスーツは、クリーニングから卸たてのものがあればベストです。

それ以外にも服装では、うっかり下記に当てはまるようなもので面接に臨もうとしていないか、前日までに再点検しておきましょう。

☑目立つシワはないからといって、アイロンをかけていない何となくくたびれた印象のスーツ。

☑アイロンはかけたけれど、最後にクリーニングに出してから何度も着ているので少し臭いがするスーツ。

☑クリーニングには出したけど、襟や袖に年季が入っているのがにじみ出ているワイシャツ。

☑手垢で少し黒ずんでいたり、よく見ればシミがついていたりするようなネクタイ。

☑または、面接にふさわしくない柄やカラーのネクタイ。

☑年季が入ってすり減っているベルト(意外に目につきます)。

☑かかとのすり減った、またはつま先に汚れや傷がついたままのツヤのない靴やヒール。

☑カジュアルすぎるバッグや、面接中に足元に立てておくことのできないバッグ。

髪型のセットもこの日は面接モードで

「第一印象の7~8割は、髪型で決まる」という専門家もいるほど、髪型は第一印象を決める重要なポイントです。面接では、「面接官に不快感を与えず、信頼感を与える」ことを前提にセットしていきましょう。

まず男女共通の髪の色ですが、職種や企業によっては明るい茶髪でもOKな場合もありますが、ダークカラーにしておくのが無難です。

前髪も、男女ともに目に入るような長さはNGです。すっきり上げて、顏が見えるようにしましょう。額を出すと、明るく活発なイメージになります。

寝ぐせはもちろん論外ですが、男性の場合はツンツンに決め過ぎた髪型も業種によってはマイナスになる可能性もあります。

女性は、「お辞儀をした時に髪が顔にかからないようにする」のがどんな相手にも不快感を与えないポイントです。

ロングヘアの場合はバレッタやシンプルな飾りのついたゴムなどで、しっかりまとめるようにしましょう。黒いゴムだけでまとめるのはあまりにもシンプルすぎて、「あまりにもオシャレに気を遣わない人」という印象になってしまうこともあります。

かといって、凝ったヘアアレンジをする必要もありません。あまりに凝ったヘアアレンジやサイドでまとめるヘアスタイルは、カジュアルな印象になってしまうので、面接には不向きです。

まとめるほどではないミディアムヘアの場合には、きちんと耳にかけておきましょう。

好感度を意識したメイクで

相手への好感度を考えたメイクは、大切なビジネスマナーでもあります。

「普段はあまりメイクしない」という方も、面接のときはきちんとメイクしましょう。「きちんと、と言われても普段していないからどうしていいかわからない」という場合には、眉毛の手入れをして整え、ファンデーションを塗り、チークをいれて、口紅を塗るだけでも随分印象は変わります。

特にチークは、赤系のものをいれると血色がよく見えますので迷ったら赤系チークをほんのりいれましょう。

反対に、つけまつげにしっかりとしたアイライナーなどいつもメイクはバッチリするタイプの方は、面接の際は少し抑えめの「ナチュラルメイク」にしたほうが好感度はアップします。

ネイルはNGではありませんが、ローズ系やベージュ系などビジネスシーン向きのものを。もちろん、ネイルが剥げていないかもしっかりチェックしておきましょう。

会社に入る前から姿勢をよく

対応

服装も髪型も、メイクも完璧。それでも「姿勢」が悪いと、とたんに第一印象は悪くなり、せっかくの努力が台無しになってしまいます。

「姿勢は見た目の印象を大きく左右する」ことを念頭に、会社に入る前から姿勢を意識してください。

正しい立ち姿は、体を横から見た時に頭のてっぺん、耳、方、手、足、かかとが一直線になっていることです。一度、壁に背中を付けて立ってみて、感覚を身につけておきましょう。

立っている時も座っている時も、頭の後頭部を斜め上に糸で引っ張られているような感覚で背筋を伸ばすようにすると姿勢がよく見えます。

この時に肩が丸まっていると、途端に姿勢の悪い印象になるので、肩をまっすぐにするように意識します。そしてあごの位置を、床に対して並行にしましょう。あごの位置が引きすぎてしまうとネガティブに、あごの位置が高すぎてしまうと高圧的な印象になります。

姿勢がよいと、やる気と自信があるように見えて面接では大きなプラスとなります。反対に、猫背で姿勢が悪いと自信がなく、仕事もできなそうにみえてしまいます。

第一印象を大きく左右する「姿勢」もしっかり意識していきましょう。

笑顔で相手の目をみて挨拶を

会社に一歩入った時から面接です。

受付の方やアテンドの方など、エントランスの中に入って接する社員には、必ず相手の目をみて挨拶をしましょう。

面接という緊張する場ではありますが、できるだけ笑顔を心がけてください。明るい表情や笑顔は、相手にも好印象を与えます。

鏡を見ながら面接するわけにはいかないので、明るい表情ができているか自分でチェックするのは難しいように感じてしまうかもしれませんが、頬の筋肉が動いているのを実感できるくらい、口元を動かすように意識をすると明るい表情が作れます。

できて当然、できないとマイナス、の「第一印象」

多くの中途採用担当が重要視する「第一印象」ですが、第一印象への配慮は「できていて当然」と思われるところです。

そのため「第一印象」は、よほど好印象であれば面接でも加点材料になりますが、どちらかというと「できていないとマイナスになる」減点材料といえるでしょう。

しかしこの「マイナス」が、致命的なマイナスになる可能性は大いにあります。面接官は、「一緒に働きたいと思えるかどうか」という軸でも判断していますから、同じくらいのキャリアであれば、第一印象のよい応募者のほうが選ばれるからです。

イケメンでなくても美人でなくても、ちょっとした心がけで誰でも好感度の高い第一印象は作れます。

転職の面接では、ここで紹介したポイントを意識して、第一印象で損をしないようにしましょう。