平成28年9月末に厚生労働省が発表した、8月の有効求人倍率は1.37倍。新規求人倍率は2.02倍と前月に比べて0.01ポイント上昇し、企業の採用意欲が高い状況が続いています。
企業の採用意欲が高く求人が多い今は、転職には絶好のタイミングといえそうです。
その転職も今は転職エージェントを使った転職が一般的になりましたが、転職エージェントのメリットや付き合い方をきちんと理解していますか?
うまく活用できれば転職に大きなプラスになる転職エージェント。失敗しない転職のための付き合い方のコツをご紹介します。
転職エージェントのメリットって?
転職エージェントを利用した場合、担当するキャリアアドバイザーの個人差にもよりますが、一般的には以下のようなメリットが得られます。
【転職エージェントを利用するメリット】
1)非公開求人を紹介してくれる。
2)自分が思っていなかった求人や可能性を紹介してくれる
3)業界情報や求人市場の情報提供をしてくれる。
4)自分のキャリアに対して客観的な評価をしてくれる。
5)応募書類作成のアドバイスをしてくれる。
6)面接アドバイスや面接の模擬練習をしてくれる。
7)面接日程調整をしてくれる。
8)内定時に条件確認、交渉をしてくれる。
特に、応募書類や面接は、第三者にみてもらい、アドバイスをもらうことで内容をブラッシュアップできます。
応募書類や面接の対応については、自分1人で転職活動をしていてはなかなか気づかない視点もありますので、希望の企業に転職できる可能性を高められるでしょう。
転職エージェントの選び方のポイントはアドバイザー次第?
その転職エージェントの選び方のポイントですが、転職エージェントの評判や、おすすめランキングを紹介しているサイトはいくつもありますので、それらを参考に自分の肌に合いそうな転職エージェントにいくつか登録し、キャリアアドバイザーと面談してみましょう。
求人数は大手のエージェントが多いですが、重要なのは
・全体の求人数ではなく、自分が希望する分野の求人が多いか?
・担当するキャリアアドバイザーが自分に合うか?
の2点です。
今は業界に特化した転職エージェントもありますので、大手系の転職エージェントと特化型のエージェントの双方に足を運び、自分の希望に対してどれくらいの求人を案内し、どんなアドバイスをしてくれるか自分自身で比較してみるのがおすすめです。
特に担当するキャリアアドバイザーが自分に合うかどうか、信頼できそうか、的確なアドバイスや納得できる情報量を持っているかは、ネットの口コミではなく直接会って話してみないとわかりません。
同じ転職エージェントでも、キャリアアドバイザーによって全く印象は異なるので、ネットの口コミが必ずしも自分のケースに当てはまるとは限らないからです。
複数のエージェントと面談をし、その中でメインエージェントを決めて付き合っていきましょう。
転職エージェントの気になるデメリットはホント?
「興味のない求人に応募するすごく勧められるんじゃないの?」
「転職エージェントって、内定したらすごくクロージングかけてくるんでしょ?」
「企業は、転職エージェントを使うと高い手数料を払わないといけないから、自主応募したほうが採用されやすいんじゃないの?」
転職エージェントはこうした一面を取り上げられることもあります。しかし今は、応募者の意に沿わない強い求人紹介やクロージングを行えば、ネットですぐに悪い評判が口コミなってしまいます。皆無とはいいきれませんが、転職エージェントもこの点はかなり意識しているでしょう。
また、手数料についてもデメリットとしてよく言われますが、これが問題になるのは「採用するかどうか迷う」ボーダーラインにいるケースです。
例えば、転職歴が多い、ブランク(離職期間が長い)などの転職活動でのマイナス材料がある場合などは、「転職エージェントに手数料を支払ってまで採用すべきかどうか…」と採用を迷うこともあります。こんなケースでは多少はデメリットに働くこともあるかもしれません。
転職エージェントとうまく付き合うコツ
転職エージェントのメリットを引き出し、エージェントをいい意味で使いこなすには付き合い方にコツがあります。
まずは、転職に関する自分の希望や本音はできる限り正直に伝えましょう。初対面の相手に、本音を話すことに抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、本音をきちんと伝えたほうが自分の希望により合った求人を紹介してもらいやすくなります。
そして、キャリアアドバイザーからの連絡にはできる限り早く対応しましょう。返事の速さはそのまま「転職意欲の高さ」として伝わります。多忙なキャリアアドバイザーは、返信の早い人を「転職意欲が高い人」として優先的に対応しているからです。
キャリアアドバイザーも人間ですから、自分に対して正直に希望を話してくれて、返信なども早い「いい対応」をしてくれる人に対しては、「何とかこの人に、希望が叶うようないい転職をしてもらいたい」と思うのが人情です。
そしてついつい多くの情報提供をしたり、企業に対してもプラスαでアピールしたりすることがあります。
転職エージェントに対して同じ社会人として誠実な対応を心がけると、転職エージェントからより多くのメリットを得られます。その時に転職エージェントは、あなたにとって「失敗しない転職」のための力強いパートナーとなるでしょう。