転職活動で内定したはいいものの、他に行きたい会社や内定をもらっている会社があるわけでもないのに入社を迷う・・・。
納得いかない条件であれば断ってすみますから、今迷っているのは様々な条件が「受け入れてもいいかもしれない微妙なライン」だからこそではないかと思います。
前編では「他に希望する会社・業界がある時に内定を迷うときの考え方」についてご紹介しましたが、後編では、この「他に希望する会社・業界があるわけではない時に内定を迷う時の考え方」をご紹介します。
そんな悩ましい今の状況を、こんな視点から整理してみませんか。
内定を迷う時には不満をこんなポイントで再点検!

転職の内定を迷うときは、仕事内容や年収、社風など、何かが気になっている状態ではないでしょうか。
そんなときはこんなポイントで今の迷いに向き合ってみてください。
①仕事内容(その会社が扱うサービスや商品)がひっかかる
内定先の仕事内容や、その会社が扱うサービスや商品などが希望にぴったりではない場合は、もう一度その企業や業界について徹底的に調べてみましょう。
仕事内容、その会社が扱うサービスや商品などについて興味が持てなくても、新たな情報を知ることで、見方が変わる可能性は十分になります。
あまりネガティブに決めつけすぎず、「いいところもあるのではないか」というスタンスで情報収集してみてください。
②年収や福利厚生など待遇面が希望にあっていない
全ての希望が完璧に叶う転職は、そう簡単にはありません。
もし社風や仕事内容、勤務時間や勤務環境などで自分の希望が叶う企業であれば、年収や福利厚生が希望通りになることが、自分にとってどれくらい重要なのかを冷静に判断してみましょう。
たとえば、年収や福利厚生が希望通りだけれど仕事内容や社風などが自分には合わない企業と、今内定をもらっている年収や福利厚生などの待遇面が合わないけれど、その他の面では納得できる企業。
どちらに入社したほうが自分は幸せだとイメージできますか。
もし、今回の転職で叶えたいこと、変えたいことの第一条件が年収であり、福利厚生であるならば辞退したほうが後悔は少ないでしょう。
ただし、「どうしても年収100万円アップしたい」というような現状の年収から大幅アップを目指している場合には、その希望する年収アップの額が転職市場から考えて妥当なのかどうか、プロに確認したほうが良いと言えます。
もし「仕事内容や社風は希望通りで、年収や福利厚生制度だけが、唯一の難点」であるならば、まずは年収がどのように上がっていく可能性があるのかを内定先に確認しましょう。
特に年収は、初年度は低いけれどその後の業績次第で上がる可能性がある、会社全体の給与水準が低い、など様々な状況があります。そしてその情報を踏まえて、気持ちの「ひっかかり具合」に真剣に向き合ってみてください。
「やっぱりこの年収では続けられない」と思うか、それとも「この仕事とこの環境で働けるなら、この年収でもいいや」と思うか。素直に浮かび上がった思いに従うと、後悔が少ないかもしれません。
③面接官や会社の雰囲気があまり自分に合わなかった
仕事内容や待遇は希望通りだけれど、面接官や会社の雰囲気があまり自分に合わない。
内定を迷う理由がこの場合に限り、内定を辞退することをおすすめします。
面接官や会社の雰囲気は、入社後の人間関係を示唆しています。
面接官は多くの場合、入社後のあなたの上司や関係部署の管理職です。その人と相性が合わなそうであれば、入社後の仕事はやりにくく、ストレスフルになる可能性が極めて高いでしょう。
面接官や会社の雰囲気が自分に合うかどうか。
実はこれこそが、転職後に後悔しないためにも妥協してはいけないポイントなのです。
④会社の規模やブランド力が自分の希望するようなものではなかった
応募したときには、「まあいいか」と思っていたけれど、いざ入社が現実的になってみると、やはり会社の規模やブランド力が気になる。
そんなこともあると思います。
その時には、自分のやりたい仕事を実現するのに会社の規模やブランド力が本当に必要なのかをもう一度考えてみてください。
業務のなかには、確かに会社の規模やブランド力がなければできないことがあります。ただ、場合によっては、内定先の会社がそれをやろうとして資本を注入しようと思っているということもあります。
会社の規模やブランド力がないからこそできることや、業務の面白さもあります。もしそこに興味が持てず、魅力が感じられないのであれば、内定は辞退したほうが後悔がないかもしれません。
⑤自分は気に入っているけれど家族が反対する
結婚している場合は、夫や妻など配偶者が賛成してくれるかどうかは大きな問題です。
自分も迷うような会社なら、家族の反対があれば、「家族も反対することだし」と迷いがふっきれるかもしれませんが、自分は行きたいと思う企業で家族に反対されたら、迷ってしまうかもしれません。
そんな時はお互いに納得できるまで話し合いましょう。自分が行きたいと思っている理由を伝えながら、家族は何に対して反対しているのかしっかり話をきいてみてください。
あなたの思いを聞いたら、もしかしたら家族も賛成してくれるかもしれません。また、家族の反対の理由をきちんと聞いたら、あなたも納得できて迷いがなくなるかもしれません。
まずは面倒くさがらずに、しっかりコミュニケーションをとってみましょう。
友人、知人、転職エージェントを情報源としてうまく活用しよう
これらのことも、内定先に関する情報をいかにきちんと知っているかで変わってきます。
「迷い」は情報不足から生まれることも多いからです。
そのためにも、内定先の業界にいる友人や知人、さらにもし転職エージェント経由であれば転職エージェントを情報源としてうまく活用してください。
ただし、転職エージェントはそのエージェントからの内定であればいいことばかりを伝える可能性もありますし、友人知人もその人のバイアスがかかっています。
ポジティブな情報も、ネガティブな情報も、いずれにしても「あくまで1つの意見で、そう考えている人もいる」と、鵜呑みにし過ぎないようにしましょう。
最後は自分の直感を信じて
自分の人生を決めるのは、自分しかいません。最後は自分の直感を信じましょう。
今現職中で「今の仕事がどうしてもイヤでとにかく辞めたい」という状況であれば、多少気になるところがあっても、「今のところよりはマシ!」と内定に心が動かされるかもしれません。
離職中で転職活動が長引いている状況なら、「いい加減決めないと…」と焦ってしまう気持ちがあるかもしれません。
しかし、「~だから仕方ない」「~よりはマシ」で決めた決断よりも、「この会社に行きたい!」と迷いなく思える会社に転職したほうが確実に転職後の満足度は高くなります。
「そうはいっても他にないし」で決めないように、納得のいく決断ができるようしっかり情報収集し、自分の気持ちに向き合っていきましょう。