転職活動をしていたら、無事に内定!
だけどどこか素直に喜べず、入社を迷う自分がいる・・・。

こんなときには、どうすればいいのか。誰に相談すべきか、悩ましいものです。しかし、その「迷い」の原因にしっかり向き合えば、自分の中に必ず答えがみつかります。

「決められない」「わからない、もうどうしよう」と行き詰ったら、こう考えてみませんか。

条件が悪い?他に行きたい企業がある?迷う原因を見つめよう

同じようなこと

内定に迷う場合、その迷う理由を紙に書き出してみましょう。

もちろん、パソコンのワードファイルでもいいので、自分が何を気にしているのか、きちんと文字にしてみてください。

・給与が低い。(希望額の年収500万より50万低い、など明確にしましょう)
・福利厚生制度がきちんとしていない。
(これも自分が必要だと思うのに、その会社にはない制度を明確にしましょう。リフレッシュ休暇やアニバーサリー休暇などがない、ワーキングマザーの支援制度が手薄いなど)
・退職金がない。
・仕事内容が自分のやりたいこととピッタリ合っているわけではない。
・人事や役員、面接官の印象があまりよくなかった。
・オフィスがあまりいい雰囲気ではなかった。
・希望していた××業界ではなく○○業界だ。
・規模が小さい。
・正社員ではなくて契約社員。
・第一志望ではない。
・今他の会社を受けていて、受かったらその企業にいきたい。
・他の企業(業界)が第一希望だけれど、その企業よりも条件がいい。

などいろいろあると思います。考えているだけでは、堂々巡りになってしまうこともよくありますので、必ず文字にしましょう

その一覧を眺めることで、何が一番気になっていることを冷静に見つけられると思います。

そしてその原因は、「他に希望する企業・業界がある」という比較で迷うケースと、特に比較する対象がないけれどその会社の条件や環境そのものに対して迷うケースに大きくわけられるのではないでしょうか。

ではそれぞれのケースについて、もう少し考えていきましょう。

「他に希望する企業・業界がある時」はこんな状況の想定を

まずは他に希望する企業や業界があるケースです。

今選考が進んでいたり、あるいはこれから応募したり、または具体的な社名がこうと決まっているわけではないけれど、希望する業界が他にある。

だけど、その希望する企業や業界で内定がもらえるかどうかわからない。それなら今、自分を評価し、内定をくれた企業に入社を決めたほうがいいのではないか。

これがその「迷い」の元ではないでしょうか。

これは難しい問題ですが、こんなポイントで整理してみてください。

①今までの経験は活かせるか?今の年齢で未経験でもチャレンジできるのか?

その行きたい業界や企業は、今までいた企業と同じ業界で、今までの経験が活かせそうな分野でしょうか。

それとも全く未経験から、「以前からやりたいと思っていた」分野でしょうか。

もし前者のように、今までの経験が活かされる業界・分野であれば、諦めずに転職活動を続けていれば希望の業界に転職できる可能性も高いといえます。

迷うくらいであれば内定を断り、自分が納得するまで活動をするのもありでしょう。

しかし全くの未経験であれば、年齢の問題を考慮する必要があります

業界未経験であっても、職種の経験が活かせる仕事であれば問題ありませんが、職種も未経験の分野を希望しているのであれば、それが叶いやすいのは20代半ばの「第二新卒」といわれる時期まで。

可能性を広げても20代後半までです。募集での年齢制限は厚生労働省により禁止されていますが、現実的に他の応募者との他者比較もあり、採用されるのは極めて狭き門となります。

もちろん可能性はゼロではありませんが、今までの経験と希望する業界や分野、そして年齢から、その希望を諦めずに活動を続けたいのか、それとも現実的になったほうがいいのか判断しましょう。

②現職ならば、内定辞退も視野に

仕事をしながら転職活動をしていると、「本当に今の会社を辞めて、第一希望ではない会社に転職していいのだろうか?」という思いもよぎるでしょう。

もし迷いの原因が、「第一希望ではないけれど、思っていたよりも条件(仕事内容、社風など)がよかった」というポジティブなものであれば、思い切って内定を受けてみるのも1つのご縁です。

この内定が新たなスタートとなる可能性も非常に高いでしょう。

しかし、「でもやっぱりあの会社が気になる」という気持ちが少しでもあるならば、思い切って内定を辞退し転職活動をリセットする方向で検討してみてはいかがでしょうか。現職中であれば、内定を断っても収入のリスクを抱えることにはなりません。

「内定を断ってもいいんだ」と思った時に、もし何かひっかかるものがあったならば、改めてその原因をみつめてみると、本当に迷っている原因がわかるでしょう。

③離職中なら、様々なリスクとバランスを考えてみる

次に離職中の場合です。

離職して間もないうちであれば、気の進まない内定はお断りし、次の企業に全力を尽くすのもありですが、転職活動が長引いているのであれば状況は変わります。

自分の離職期間、転職活動中の生活資金などを判断し、今後も納得いくまで転職活動を続けることが可能な環境があるのかどうかを判断しましょう。

「アルバイトしながら食いつないで転職活動を続ければいい」というのは、よほどでない限りおすすめできません。アルバイトであっても当面の仕事があるので危機感がなくなり、離職期間が長引いてしまい、正社員として転職しにくくなってしまうからです。

また、もし離職期間が長く続いていたり、失業保険の受給期間も過ぎて貯金を切り崩して転職活動をしていたりするのであれば、「面接官の印象が悪い」「条件がものすごく悪い」などではない限り、現実を見て内定のご縁を受け入れるという選択も視野に入れる必要があります。

この場合は内定への返事を待ってもらう期限内に、転職情報サイトなどで自分が希望する業界や企業を徹底的にチェックして、

・本当にその業界や分野に行きたいのか。
・希望する業界や分野と内定先を比べて、自分は何を気にしているのか。
・今回の内定先では自分の希望することがやれる可能性は全くないのか。
・自分が希望している業界や分野は、そもそも現実的なのか、そうでないのか。

を冷静に考えてみてください。

冷静に考えてみたら、第一希望ではなかったはずの内定先にも、意外にいいところが見つかるかもしれません。また、「やっぱり妥協できない」という自分の思いが見つかるかもしれません。

「妥協できない」という思いの先にある、「転職活動が長引くリスク」を受け入れられたら(もちろん長引かない可能性もあります)、内定を断るという選択肢もあるでしょう。

このように整理していくと、きっとどこかで直感的に感じるものがあると思います。その直感を大切にすることが、後悔のない意思決定につながります。

次回後編では、比較する他社があるわけではないのに迷ってしまう…という状況での考えの整理の仕方についてご紹介します。