「転職しよう」と思った時、様々な転職手段がありますね。
主な活動方法としては転職情報サイト、企業のホームページ、求人情報誌、人材紹介会社、
ハローワーク、知人紹介、人材派遣会社がありますが、皆様はそれぞれの特徴をご存知ですか?
それぞれの方法には、実は向いている職種や地域などがあります。
転職活動の方法を選ぶときに、自分は何を主流にしたらよいのか。各手段のメリット、デメリットを理解して賢く活用できるようにしましょう。
やはり便利な転職情報サイトとその落とし穴
現在の主な転職活動方法として広く活用されている、転職情報サイト。転職情報サイトを活用することで、非常に多くの求人情報や転職に関する様々な情報が収集できることは大きなメリットです。
情報量も充実しており、検索性も高く、希望の勤務地域や職種、年収などに合わせて仕事を探すことができます。
また、登録しておいた職務経歴を元にスカウトしてもらえるサービスもあります。自分の想像していなかった企業を提案してもらえるので、選択肢が広がることもあるでしょう。
(但し、システムエンジニアなど売り手市場の職種では、大量のスカウトメールに悩まされることもありますし、スカウトメールが来たからと言って必ず面接に行けるわけではありません。)
一度登録しておけば、その情報を活かして各社に応募できるため、応募手続きが簡単なのも重要なメリットです。
一方で、応募フォーマット以外の情報が伝えられない、人気企業は競争率が高いなどの現実もあります。さらに企業の採用状況がわからないので、採用意欲があるのか、選考が進み採用が終了間近なのかわかりません。そのため、応募しても音沙汰がないということもあります。
企業HPもチェック!
社員インタビュー情報が充実している企業も増加中

企業のホームページも重要な転職方法の1つです。最近では採用のための特別サイトを作り、社員情報や経営者からのメッセージなどを積極的に発信する企業も増え、他の手段よりも多くの情報を得られるようになってきました。
また応募フォーマットが決まっていないことも多いので、応募書類に自己PR用の資料などを添付し、熱意をアピールすることもできます。さらに中小企業の場合はサイトで募集をしていなくても、問い合せれば「一度書類を送ってみてください」と、突破口が開けることもあります。
しかし、一方で企業によっては長い間情報が更新されていないこともあり、本当の採用意欲がわからない、実は採用していないということもあります。最近更新された履歴がある場合は別ですが、応募前に一度人事に確認してみるとよいでしょう。
転職エージェントはメリットも多いがデメリットも・・・

ある調査では転職をする人の約4人に1人が「使いたい」と答えた、人材紹介。人材紹介は、キ
ャリアアドバイザーが企業との間に介在して転職をサポートしてくれるので、非常に多くのメリットがあります。
例えば、企業担当を通じて人物面や応募意欲など、書類では伝えきれないPRポイントを企業にアピールしてくれますし、職務経歴書のアドバイスや模擬面接などのサービスも無料でしてもらえます。
また応募した企業から結果が来ない場合に確認してもらう、企業からの評価を教えてもらう等、他の方法ではできないことも人材紹介なら可能です。
面接日程調整もしてくれるので、在職中に転職活動をしたい人にとっては応募企業との間をうまく調整してくれる心強い味方になります。さらに非公開求人や専門職、高年収の求人など、他にはない求人情報もありますし、キャリアによっては希望の求人を開拓してきてくれることもあります。
このようにメリットも非常に多いですが、デメリットもあります。もしもあなたのキャリアで紹介できる求人がない場合、登録することもできませんし、登録できても案件がほとんど紹介されないこともあります。その際には職務経歴書のアドバイスや模擬面接などのサービスも、もちろん受けられません。
また採用企業としては、採用した場合に年収の20~30%を報酬として人材紹介会社に払わなければならないため、他媒体で同じレベルの候補者がいた場合にそちらを優先することもあります。さらに他の募集手段でも集まるような一般事務や営業事務、アシスタント職の求人は非常に少ないのが現実です。
在職中、または離職半年以内程度で正社員の仕事を探したい場合には非常に便利な人材紹介ですが、そうではない場合には、そのメリットを享受できない可能性もあることを理解しておきましょう。
地方への転職や中小企業には強いハローワーク
今はインターネットでも検索ができ、手軽に利用できるようになったハローワーク。さらに若年者(概ね45歳未満)向けやマザーズハローワークなどもあり、求職者向けのセミナーなども積極的に開催されています。
企業にとっては、ハローワークは無料で利用でき、ハローワークを通じて採用した場合に補助金がもらえる場合もあります(雇用助成金の対象になる場合のみ)。そのため、コストがかからず補助金がもらえる採用手段として、地方企業や中小企業には多く利用されています。
特に地方ではハローワークにしか求人情報を出していない企業も多く、地方での転職活動やUIターンには非常に有効な手段と言えます。
ハローワークは在職中でも利用できますが、「ハローワーク=離職者中心」であるのは間違いなく、「第一線で活躍している人を採用したい」という企業の求人(大手企業、人気企業、管理職、コア人材など)はあまりありません。
また、ハローワークの求人票は他手段に比べると、その内容を精査しチェックする第三者が介在しない分、情報量は少なく正誤性にも問題があります。情報が長い間更新されていない、記載事項の誤りが訂正されていないということもよくあるため、応募時には応募職種や年収など諸条件を確認することをお勧めします。
求人情報誌は地域密着の反面、職種が限定されることも・・・
求人情報誌も今は「フリーペーパー」として、書店やコンビニエンスストアにおいてあることが多くなりました。このような求人情報誌はエリア毎に発行されていることが多いので、地域密着の求人情報も多く、「地元で就職したい」という場合には、他の手段より多くの求人情報を得ることができるでしょう。また紙媒体なので、手軽に情報収集し、比較検討ができます。
しかしその媒体の特性上、掲載されている職種に偏りがあります。販売・サービス職、美容関連職種、店長職、介護関連職種、工場勤務の技術職の求人は恒常的に掲載されていますが、それ以外の職種はあまり多いとはいえません。
また、1社ごとに電話やメールで応募手続きを自分でする大変さもあります。加えて基本的には「求人広告」なので、誌面で掲載される情報量は限りがあるため、誌面だけで判断せず、必ず自社サイトなどで情報を確認するようにしましょう。
人脈を活かして知人紹介での転職で気を付けたいこととは?
人脈を活かして、友人や知り合い、家族や親戚の紹介を受ける知人紹介・縁故での転職方法もあります。
ある程度知っている人からの情報で信頼性もありますし、その会社で実際に働いている友人・知人からの紹介であれば、他では得られない「働く社員からの生情報」を得ることもできます。何より企業の社員や関係者からの紹介なので、他手段に比べ面接してもらえる可能性が格段に高いのが大きな利点です。
その意味で、第一志望の会社であれば非常に心強いのが「知人紹介」。しかし紹介を受けている分、内定後に辞退してしまうと紹介者の信用を傷つけてしまうことになります。さらに、紹介者とあなたとの人間関係にも影響することにもなりかねません。
そのような事態を避けるためにも、実際に紹介を受けた際には自分でも必ず情報収集して、「内定したら入社したい!」と思えたら面接をお願いするのがおすすめです。
一般事務職やアシスタント職にはおすすめの人材派遣会社
転職手段として、人材派遣会社を使う方法もあります。「正社員から派遣社員へ」という転職はもちろん、「紹介予定派遣」という制度を使って、正社員への転職手段として活用することもできます。
一般事務や営業事務、アシスタント職の求人は他手段に比べて多く、職種へのこだわりがある場合は派遣社員として働くのもよいでしょう。
また正社員を目指したい方には、「紹介予定派遣」として最長6か月間派遣社員として働いた後、企業に正社員として転職できる制度もあります。派遣社員として働いてからの転職となるため、社風や仕事内容に対するミスマッチを最小限に抑えることができます。
但し、紹介予定派遣を希望する場合には派遣会社の面接を通過しなければならず、通常の派遣社員の登録よりもハードルが上がるという現実があります。誰でも希望すれば紹介予定派遣のスタッフとして登録できるわけではありません。
また、紹介予定派遣の職種は事務職やアシスタント系職種が主流です。その職種特性から、正社員ではなく契約社員であることもあります。派遣社員の時給は正社員よりも高いため、提示された年収が派遣社員時代の年収を下回るという理由で企業からの採用の打診を断る人もいます。
とはいえ、そもそも派遣社員としての働きぶりが認められない限り、正社員への転職を希望していても企業に受け入れてもらえるとは限りません。実際に紹介予定派遣から正社員になる割合は、6~7割といわれています。
システムエンジニアや技術職の場合は別ですが、事務職の場合、一般的に「派遣社員=サポート的な仕事をする人」という見方のため、一度派遣社員となりその期間が長くなってしまうと、正社員への転職が難しくなってしまうという現実もあります。
「転職期間が長引きそうだから、とりあえず派遣社員で」という考えで働き方を選ぶと、返って正社員への転職の道が遠くなってしまうこともあります。
いかがでしたでしょうか。実際には複数の方法をうまく活用して、転職活動をすることになると思いますが、特性を知っておけばどの方法に注力すればいいのかがわかります。
状況に合わせて、自分にぴったりの転職方法を選び、悔いのない転職活動ができることを応援しています。