連休が楽しみな一方で、連休明けの仕事を考えただけで憂鬱になってしまう。
…とここまではよくある話です。
しかし、憂鬱どころか、思わず「辞める」という選択肢を考えてしまった…となれば話は別。連休明けに「辞めたい」とまで思ってしまうのは、心の疲れが日ごろからよほどたくさん積み重なっているからかもしれません。
「辞める」という選択肢が目の前にちらついてきたら、それは積み重なった心の疲れやストレスが限界に近くなっているサインです。そんなときは、こう考えてみませんか。
「何で辞めたいのかな?」
自分の気持ちに向き合おう
ここで「でも、もう少し頑張ろう」と我慢したり、頑張ったりしてしまうこともできるでしょうが、今回は一体自分の中に何が積み重なってしまったのか、それにしっかり向き合ってみましょう。
今、辞めたいと思うのは何故でしょうか。たとえば、こんな状況が続いていませんでしたか?
・上司とうまくいかない、生理的に合わないなど、上司との人間関係がうまくいっていない。
・毎日残業が多くて体力的にきつい。
・職場に尊敬できるような先輩や上司もいなく、社内でのキャリアプランも描けず、閉塞感を感じている。
・仕事のプレッシャーが厳しすぎる。
・仕事ができないのが辛い。
・職場の人間関係がうまくいっていない、合わない。
・実は前々からやりたいと思っていた、他の仕事がある。
このように日頃モヤモヤしながらも、「忙しいから」とか「仕事なんてこんなもんだから」と思って目を向けないようにしていたものが、今「辞めたい」という気持ちになっていると思います。
連休明けに仕事に向かう電車のなか、昼休みなど、ちょっとした時間ができた時に、今まで目を瞑ってきたものにしっかり目を向けて、「辞めたい」と思う理由がなんなのかをはっきりさせておきましょう。
辞めたい理由がはっきりすれば、この気持ちのままに辞めるのがいいのか、もう少し今の仕事に残るほうがいいのかが見えてきます。これは頭で考えているだけだと、堂々巡りをしてしまいがちなので、ぜひスマホや手帳のメモに書き留めて、言語化しておきましょう。
「何で辞められないのかな?」
自分の心に問いかけよう
さて、「辞めたい理由」を言語化したら、それを見ながら、「でもなぜ自分は辞められないのか?」を考えてみましょう。
・希望通りの給与をもらっている。
・会社が近くて通勤が便利。
・上司は嫌だが尊敬できる先輩や同僚に助けられている。
・上司とはうまくいっていないが、仕事にはやりがいがある。
・福利厚生がいい。
・残業時間が少ないので、仕事が楽。
・今関わっている案件を途中で投げ出すわけにはいかない。
・辞めたら他の人に迷惑が掛かる。
・まだ転職して数か月しか経っていない。
などこれも、人それぞれに様々な理由があると思います。これも辞めたい理由と同様に、スマホや手帳のメモにきちんと言語化して残していきましょう。
この「辞められない理由」は、「責任」や「義務」から「辞められない」と思っていることと、自分自身が今の会社、仕事、職場で気に入っていて「辞められない」と思っていることの2つに大きく分類されます。
例えば、
「希望通りの給与をもらっている」
「福利厚生がいい」
「上司とはうまくいっていないが、仕事にはやりがいがある」
などは、自分が今の職場で気に入っていて、メリットを感じていること。そして、
「辞めたら他の人に迷惑が掛かる」
「今関わっている案件と途中で投げ出すわけにはいかない」
というのは、「義務」や「責任」から「辞められない」と思っているものです。
さて、今自分が挙げた「辞められない理由」は、どちらが多かったでしょうか。
辞められないのは「気に入っていることがあるから」か
それとも「義務」や「責任」からなのか
さて、「辞められない理由」のリストをみていかがでしょう?
そのリストを見た時の自分の第一印象はどんな気持ちだったでしょうか。
「あれ?結構いいとこあるんじゃん」でしたでしょうか。それとも、「うわ、なんか縛られてる…」でしたでしょうか。
「辞められない理由」が、自分が今の職場にメリットを感じていることが多かったら、「なんだ、今の職場も意外にいいとこあるのかも」なんて思えませんか?
反対に、メリットだと思っていたことに対しても、「でもこんなに辞めたい気持ちを我慢してまで、維持したいものではない」と冷静になれるかもしれません。
いずれにしても、自分の状況を客観的に見ることができると思います。
そして、もし「辞められない理由」が「義務」や「責任」ばかりだったら、もちろん社会人としての義務や責任はとても大切なのですが、果たしてそれは「辞めたい」と思うストレスを乗り越えて果たすべきものなのかどうなのかを考えてみましょう。もしかしたら、「義務」や「責任」にがんじがらめになって、自分の気持ちがないがしろになっている今の状況そのものが、一番「辞めたい」理由なのかもしれません。
いかがでしょうか。
「辞めたい」という気持ちを、ちょっとした気分転換方法で紛らわすのも重要ですが、時にはこうして真剣にとことん向き合ってみませんか?
気分転換で紛らわした辞めたい気持ちは、すぐにモヤモヤと復活してしまう可能性もありますが、真剣に考えれば、今の時点での気持ちの整理はできます。
また途中で、「なんだ、やっぱり辞めるなんて真剣に考えるほどでもなかった」と思えれば、連休明けの「辞めたい」という気持ちをリセットして、仕事に向き合えるかもしれません。
連休明けに仕事が辞めたくなった―その自分の心のサインをきちんと受け止めて、今の状況を見直すきっかけにしていきましょう。