がむしゃらに働いていた20代から、少し落ち着く人も多い30代。
「職場ではある程度経験を積んだから、これから先もう少しキャリアアップしたい…」
そう考える人も多いのではないかと思います。
「みんなキャリアのこと、どう考えているんだろう?」
「そもそもキャリアアップってどういうこと?」
今回は、そんな疑問にお答えするために、30代女性がキャリアアップするために役立つ情報をお伝えしていきます!
30代の働く女性は増えている
30代で働く女性は増えています。少子高齢化が進み、働き手が不足する日本では、「一億総活躍プラン」を掲げて、女性や高齢者も社会進出ができる取り組みをしています。 出産や育児等で30代女性の労働人口が少なくなる「M字カーブ現象」は、近年では解消されつつあります。

参考:『内閣府男女共同参画局』女性の年齢階級別労働力率の推移
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h25/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-01.html
30代に求められるスキル

そんな30代は、どんなスキルが求められるのでしょうか?一般的に、求められることを3つにまとめてご紹介します。
即戦力になるスキルや経験
20代に比べて、30代は経験や能力も豊富と考えられるため、即戦力として求められるところが多いです。
今までの経験やスキルを活かして、どんなことが出来るか?を考えておきましょう。
課題解決力
課題を見つけて、それを解決する力も求められます。
20代の頃は上司や先輩が課題を見つけて、言われた通り解決する。といった方も、30代になると、自分から課題を定義して解決策を考えて実行する。というようなことが求められます。
変化に対応する力
現代はVUCA*と呼ばれ、社会・ビジネスの未来予測が難しいとされます。
(*VUCA:Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った造語)
そんな中、変化に対応する力は今までより強く求められます。
「20代の頃は容易に適応できたけれど、30代になると変化についていけない…」と思う人も多い中で、変化に適応できて、自ら変革を起こしていける人材が必要とされています。
その他、ポジションによっては「マネジメントスキル」が必要になってくる年代でもあります。
30代でキャリアアップを考える人は多い
厚生労働省のホームページ内の「年齢階級別転職入職率」によると、30代女性のうち、転職している人は、約10%となっています。しかし、実際にはこの数以上に、キャリアアップを考えている人は多いでしょう。
仕事に対する考えの変化や、働き方へのこだわり、結婚・出産などのライフイベントがある人も多い30代。
キャリアをある程度経験したので、自分の実力を試したい…。
もっと自分を評価してくれるところに、キャリアアップしたい…。
20代の働き方を変えたいので、転職したい…。
福利厚生が整った会社で働きたい…。
なんだかマンネリ感…停滞感…何とかしたいけど、失敗したくない…。
そんな思いが渦巻いています。
そもそもキャリアアップとは?

そもそもキャリアアップとは、何を指すのでしょうか?ここでは、必ずしも「年収を上げること=キャリアアップ」ではありません。
・年収を上げること
・なりたい職種に就くこと
・福利厚生の良い会社で働くこと
・時短やフレックスで働けること
・人間関係が良い職場で働くこと
などなど… 人の数だけ、キャリアアップの方向があります。もしかしたら、転職をしなくても、社内異動でかなうことかもしれません。
また、独立してフリーランスになることがキャリアアップにつながる人もいます。
自分自身の叶えたい部分を明確にして、「これが実現すると、自分にとってキャリアアップだ」と自分でもわかる状態にしておくとよいでしょう。
30代でキャリアアップした女性の例

ここでは、実際30代でキャリアアップを実現した人の3つの例を見ていきましょう。
Aさん(32歳/会社員/独身)
前職で自分のスキルや能力をあまり評価してもらえなかったのが不満で、転職でキャリアアップしました。
違う業界で、同じ職種です。今は前より忙しい毎日ですが、年収を上げることが出来て、評価もしてもらえる今の会社に満足しています。
Bさん(35歳/フリーランス/2児の母)
会社員として働いていた時は、身も心もボロボロでした。毎日残業後、満員電車に揺られ、自分が何のために働いているかも分からなくなっていました。
そんな自分は嫌だと、子どもが生まれる前にスキルを磨きフリーランスになりました。収入は会社員の頃よりダウンしていますが、今は子どもとの時間もたいせつにできる働き方で、とても幸せです。
Cさん(39歳/会社員/1児の母)
福利厚生が整っている会社へ転職しました。年収はあまり変わらないですが、家賃補助や諸手当を含めるとだいぶ豊かになれたと思っています。子育てで悩みも多くありますが、夫と話し合う時間も取ることが出来ていて、前向きに考えられています。
キャリアアップするときの注意点
Aさん、Bさん、Cさん、皆さんそれぞれの方向性でのキャリアアップをされていました。
その中でも30代ならではの注意点があります。それはなんでしょうか?
未経験で倍率の高い職種は難しい
企業は30代女性に「即戦力」を求めている場合が多いため、20代の頃に比べると未経験職種への転職は難しくなります。
未経験で人気の職種の転職は難しくなる場合があると覚えておきましょう。
面接で過度に条件のことを言いすぎない
30代は子育てや出産の時期と重なっている人も多いので、休日や労働時間、年収など気になる部分が出てくると思います。
ただ、面接の場であまりにも条件面のことを話しすぎると、「権利ばかり主張する人」というようなイメージを持たれてしまうかもしれません。
気になる部分はあとでエージェントを通してや、人事部と書面で確認をする際など、適した場面で主張するようにするのがおすすめです。
キャリアアップができる人の特徴

では、キャリアアップができる人にはどのような共通点があるのでしょうか?それは、以下のような特徴が考えられます。
・物事をポジティブにとらえられる
・自己啓発など自己投資をしている
・没頭できるような何かがある
・対人関係が良好
・自分の経験やスキルを客観的に把握できる
キャリアアップができない人の特徴
一方、キャリアアップができない人の特徴は、下のようなことが考えられます。
・「私にはできない」など自己肯定感が低い
・受け身の仕事になっている
・自分の求められている役割がわからない
・自分には何ができるかあまり把握していない
キャリアアップできる女性になるためには

30代女性が、キャリアアップができるようになるコツをここから一気にご紹介していきます!
自分の強みである、経験・スキルを把握する
過去、現状、未来の時間軸で整理すると良いでしょう。
過去、自分はどんな経験をして、どんなスキルを手に入れたのか。
現在、自分にはどんな役割があって、どんなことが出来るのか。
将来、どんな成長が期待されているか、どんな自分になっていたいか。
などなど、キャリアアップできる女性になるためには、まずは自分のことを知る「自己理解」を深めましょう。
自分の今までの経験・専門性を明確にして転職先を絞る
即戦力が求められている30代は、今までの経験や知識、専門性を軸に転職先を絞っていくと、成功しやすくなります。
考えるときには下の3つに分けて整理すると良いでしょう。
①専門領域・スキル…今までの職種で存分に培ってきたもの
②職種が変わっても行かせるスキル…ポータブルスキルとも言われるもの
③実績、結果…これまでの仕事ぶりを数字で表せるもの
5年後のキャリアプランを描いておく
結婚や出産、子育てなども集中する30代のキャリアには、予想外のことも起こると思います。
ただ、30代後半~40代前半くらいでどうなっていたいか、キャリアプランの方向性を考えたうえで、働き方や業界、職種を選ぶと良いでしょう。
どんな経験にもオープンになる
「私にはできない…!」と思うのではなく、少し自信がなかったとしても、やりたい仕事・興味のある仕事であれば、「とりあえず、やってみる」の精神で取り組んでみることをおすすめします。
「もう30代」ではなく、「まだ30代」です。
人生100年時代と言われていますので、何にでもなれますし、どんなこともできます。「失敗したくない…」という思いを捨てて、どんとチャレンジしちゃいましょう。
社内でやりたい仕事があれば手を挙げる
キャリアアップは、転職だけがすべてではありません。
社内におもしろそうな仕事、やってみたい業務があれば、思い切って手を挙げて経験値を上げましょう。その経験は、きっとあなたの財産になるはずです。
現状維持は後退であることを知る
仕事や人間関係、同じ状態がずっと続くとマンネリ化…。人生がしんどくて退屈…、という状態になります。
少し厳しい現実かもしれませんが、現状維持は後退しているのと同じです。ぜひ、前向きに変化を続けましょう。
やりがいの感じられる仕事・楽しい仕事をする
今の仕事は楽しいですか?
人生の多くの時間を費やす仕事です。ストレスが多すぎたり、残業が多すぎたりして、身体を壊すようなことをしていては、人生の貴重な時間がもったいないです。
ある程度ワークライフバランスを保って、日々メリハリをつけてやりがいを感じられる仕事に就くことが出来れば、長続きするのではないでしょうか。
ロールモデルやメンターを作る
キャリアのことを1人で考えていると、どうしても煮詰まってきたり、視野が狭くなったりする傾向があります。視野を広く自身のキャリアを考えるために、尊敬できる人、お手本となるようなロールモデル、少し年上のメンターのような存在の人を作って、相談してみるのも良いと思います。
メンターとは、上司や先輩などとは別に、少し離れた先輩社員などがアドバイスを行うことを指します。ぜひ相談できるような相手を何人か作りましょう。
業界研究・企業研究をする
まずは、その業界や会社で、同じような30代女性が活躍している環境かどうか?を見ましょう。すでに同年代の女性が活躍している環境であれば、同じように活躍することが出来る可能性が高いと言えます。
また、その業界・会社に将来性があるか?も大切なポイントです。
長く働き続けることを考えて、今後もつぶれそうにない会社か、斜陽業界ではないか? などは押さえておくようにしましょう。
自分が絶対譲れないことを整理する
自分が転職でこだわりたい条件は何か、明確にしておきましょう。給料、休日、福利厚生、職種、勤務地、社風など、条件にはたくさんの種類があります。一つ一つ、自己分析をするうえで、目安を決めておくとよいでしょう。
転職サイトに登録して自分の市場価値を知る
今すぐ転職する気がなくても、ご自身の市場価値を把握するために転職サイトに登録しておくのもおすすめです。今のご自身の現状を客観的に把握するための、良い材料となります。
副業、ボランティアでチャレンジする
「やりたいことをしたい…」とキャリアアップを図っている方で、今すぐフルで飛び込む勇気がない方は、副業やボランティアで小さく始めてみるのがおすすめです。副業はローリスクで仕事の感覚をつかめる最適な手段だと思います。
経験やスキルの活用方法を調べる
せっかく自己分析を進めて、ご自身の経験・スキルがわかっても、それを活用できる場を見つけないと意味がありません。
ストレートに活用できる場所以外でも、関連して活かせるスキルもあります。例えば、営業職でのヒアリングスキル、ネゴシエーションスキルなどは、企画、広報などへ活かすことが出来る可能性があります。
自分の経験・スキルを棚卸した後は、それをどのように生かす方法があるのか?という部分を探っていきましょう。
社外のセミナーなどへ参加する
社外の人の意見を聞くことで、社内の「あたりまえ」から離れて、視野を広くすることが出来ます。境界を越えると書いて「越境体験」ともいいます。そのことで、様々な角度から物事をとらえられるようになります。
キャリアコンサルタントに相談する
プロのキャリアコンサルタントに相談するのもおすすめです。ご自身の過去の経験・スキルの棚卸しや、理想の姿・ビジョン、目標を考える手助けをしてくれるでしょう。