40代になると、社会人としてはベテランと言われることも多いでしょう。職業人生の中でも中盤に差し掛かる時期でもあります。

しかし、40代になってみても、意外に悩みの種は変わらなかったりするものです。たとえばキャリアに関して、こんな悩みはありませんか?

「収入を上げて、キャリアアップをしたい…」
「今の働き方では、この先続けていけないかも」
「ワークライフバランスを考え直したい…」
「今の人間関係・職場環境から抜け出したい…」
「やりたいことがあるのに、本当にこのままでいいのだろうか…」
「周りに相談できる人がいなくて、1人でなんだか孤独…」
「これからのキャリアに、漠然と不安を抱えている…」

人生100年時代と言われている現代、40代はまだまだ折り返し地点にも到達していません。40代は、これまでのキャリアや経験を活かしながら、さらなる成長を目指し、次の段階に進むために様々な取り組みをすることが求められます。今後の長い人生を考えると、キャリアに関する見つめ直しは、本当に重要なことです。

今回は、そんな40代女性のキャリアプランの考え方について、徹底解説していきます。

40代の働く女性は多い

働く40代女性は、日本でどのくらいいるのでしょうか?

令和2年度の厚生労働省の調査によると、雇用者総数(5,973 万人)のうち、雇用者総数に占める女性の割合は 45.3%(前年同)となっています。

そのうち、年齢階級別雇用者数については、男女とも「45~49 歳」の40代がが最も多いんです。

令和2年の女性雇用者数を年齢階級別にみると、「45~49 歳」が 361 万人(女性

雇用者総数に占める割合 13.4%)と最も多く、次いで「50~54 歳」312 万人(同

11.5%)、「40~44 歳」304 万人(同 11.2%)の順となっている。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/josei-jitsujo/dl/20-01.pdf

働いている人の中で、40代が一番多いということになります。人口の多い団塊ジュニア世代が40代ということもありますが、仲間は意外とたくさんいるんですね。

40代女性が抱える悩み

40代女性が抱える悩みは、人それぞれ違ってくるかと思いますが、代表的な悩みを10選、ご紹介します。

キャリアアップの遅れ

「自分のキャリアが、今後どうなるか…不安を感じている…」

40代になると、同年代で管理職になっていたり、大きなプロジェクトや重要な案件を任されている人も出てきます。また、「上司は年下」というケースもでてくるでしょう。そのような状況の中で、同年代や後輩とつい比べてしまい、「若い人に負けていると感じる…」などの悩みがあるかもしれません。

ステップアップの難しさ

40代になると、キャリアのステップアップが難しくなることがあります。

これは、40代になると経験も豊富になり、上司や同僚からの信頼も得られるようになる一方で、「社内の新しいことに挑戦する機会が少ない」「ステップアップするには、管理職になるしかない」などの背景が考えられます。

キャリアチェンジの難しさ

40代になると、業界や職種を変える転職が難しくなる場合があります。また、社内の異動でも、よほどのことがない限り全く新しい分野でキャリアチェンジできる可能性は低くなります。

これは、経験年数が長くなるほど、今までやってきたキャリアを評価される傾向にあるからです。

健康問題などの不安

年齢が上がるにつれ、健康問題や体力の低下、老化などによる不安を感じることがあります。

30代までは大丈夫だったことが、40代になると、体力的にきつく感じる…など、あるかもしれません。

子育て・介護の悩み

40代になると、家庭や子育て、介護の責任を持つことが多くなるため、ワークライフバランスを調整することが課題となります。特に、女性はまだまだ男性と比べて家庭や介護の負担が大きい傾向があります。

子育てや介護など家庭の責任と仕事を両立させることは、本当に永遠の課題ですよね。負担が多くなってしまい、ストレスを感じながら働いている女性は多いでしょう。

人間関係の悩み

年代に、人間関係の問題は関係なく仕事をする上では切っても切り離せないものです。どんな人でも職場でも、多かれ少なかれ気になることがあるのが現実でしょう。しかし特に、「職場が合わない」という状況にある方は、

「上司や同僚とのコミュニケーションがうまくいかない…」
「職場での人間関係に疲れを感じる…」
「なんだか孤独感を感じる…」

などが、ストレスの原因になってしまっているかもしれません。

若手とシニアの板挟み

人間関係と関連して、「板挟み問題」もあるのが40代ならではの悩みでしょう。

40代は、中間管理職の方も多いため、若手とシニア、経営層との板挟みになることもしばしばあります。どちらの気持ちもわかる分、悩んでしまうこともあるかもしれません…

直面する年齢制限

40代になると、年齢による区分によって、転職や昇進が難しくなることがあります。実際に社内のプログラムや制度に対する応募条件が「30代以下」など、年齢で区切られている場合もあります。中途採用でも、年齢制限を定めることは法律で禁止されていますが、実際問題として他に20代や30代の応募者がいれば、比較検討の結果、若手が採用されることも多くあります。

年齢で区切ることは、現代あまり良しとされませんが、それでも多く年齢で区切られてくるのが、現実です。

自分自身のアイデンティティの探求

中途採用や社内では、今までの経験を活かした仕事で成果を出すことが求められる40代ですが、一方で、これまでの経験とは違うことに挑戦したいと思っている人も多いのではないでしょうか。

「マンネリを打破したい」「心機一転してみたい」という気持ちはありつつも、それが自分にとって何なのか、なぜそれが自分にとって本当に大切なのかを整理して人に説明できなければ、それを転職であれ、社内の異動であれ、希望を叶えることはできません。

その点でも、「自分は何がしたいのか」と、改めて自分自身のアイデンティティを模索することが必要になることもあります。

次のキャリアに悩む

従来の職業に飽き足らず、新しい分野に興味を持ち、自分自身の能力を高め、キャリアアップを図りたいと考える人々が多いです。ただ、家族もいるし、安定したい気持ちが強い…などです。

このような、悩みが多い40代女性のキャリアを、いったいどのように考えていけばよいのでしょうか。

キャリアアップとは

解決策をご紹介する前に、キャリアアップの定義についてお話します。

キャリアアップとは、職場でより高いレベルの職務や責任、報酬、スキルや知識の向上を目指すことを指します。

「キャリアアップ」というと、昇格したり、年収が上がることかな?と思う人が多いかもしれませんが、必ずしも、そうではありません。自己実現や自己成長、社会貢献などの目的でのキャリアアップもあります。

年収が上がっても、激務で「幸せで充実した毎日を過ごしていると言い切れない…」というような場合は、キャリアアップできたとは言いません。

個人のライフスタイルやライフバランスも重要です。自己の理想や価値観を踏まえ、自己実現とライフバランスの調和を図ることが、持続的なキャリアアップに繋がると言えます。

40代からキャリアを築いた女性たち

40代からキャリアを築いた女性たちは、さまざまな背景や経験を持ちながら、キャリアアップを成功させています。ここで2人の事例を見てみましょう。

「このままでいいのかな?」から再出発したAさん(48歳、子ども2人)

「私は、40代に入った頃から自分のキャリアに不安を感じるようになりました。安定した企業に勤めて子育てとも両立できていたのですが、漠然と「私の人生このままでいいのかな…」と思っていたのです。

「このままじゃ時間がもったいない…!」と思い、キャリアチェンジを決意しました。まずは、自分自身が興味を持つ分野について調べ、短期間の講座や研修に参加しました。

そして、スタートラインからの出発となりましたが、自分自身の経験、意欲を伝えることで、転職を実現することができました。今は、自分自身がやりたいことを実現できるようになり、忙しいながらも充実感を感じる日々を送っています」

専門性を身につけて年収アップを叶えたBさん(49歳、親の介護)

「私は、80歳の母を介護しながら仕事をしています。

以前は、年収が低く体力的にもしんどい仕事をしていましたが、「このままではワークライフバランスを実現できない…!」と思い、専門的な事務職へ転職を図りました。

勉強に集中するために、様々なサービスを利用するなどしたので、当時は一時的に母の介護費用は上がりましたが、今ではあの時思い描いていた年収・両立が出来ています。

自分自身が目指す方向性を明確にし、勇気を出して、一歩踏み出すことが重要だと思いました」

これらの女性たちの経験から、40代女性でも新しいことに挑戦し、自分のキャリアアップに取り組むことはできるということがわかります。

人生はまだ続いているので、何歳になっても自分の可能性を信じ、勇気を持って、キャリアプランを見直してみましょう。

40代女性のキャリアプランの考え方・解決策

お待たせしました。ここからは、解決策のご紹介です。

40代のお悩みに対しては、自己分析やキャリアプランニング、コミュニケーション能力の向上、ワークライフバランスの調整、キャリア相談などが有効な対策となります。一つ一つ説明していきます。

自己分析をする

まず、自分自身の興味や関心がある分野を明確にすることが大切です。

そうでないと、「全く違う環境に身を置いて時間をむだにしてしまった…!」ということがあり得てしまうからです。

興味・関心がある分野を把握することで、自分に適した職種や業界、役割を見つけることができます。また、これらを整理することで、自分の強みや弱みを把握することができ、今後のキャリアプランの方向性を明確にすることができます。

目標を設定する

自己分析の結果をもとに、「今後のキャリアで、どのような目標を達成したいのか」を設定しましょう。

具体的な目標を設定することで、自分自身のモチベーションを高め、行動計画を立てやすくなります!

キャリアプランを作成する

目標を設定したら、そのために必要なスキルや知識、経験を身につけるためのキャリアパス(キャリアプラン)を考えましょう。

自分が今後どのような仕事をしたいのか。どのような働き方をしたいのか。
そのために必要なステップは何か。

などを洗い出し、具体的なキャリアプランを作成しましょう。

ネットワークを広げる

キャリアアップには、ネットワークを広げることが重要です。

もし可能であれば、目指す業界のイベントやセミナーに参加し、新しい人脈を作りましょう。また、自分が興味を持つ分野のコミュニティに参加することで、情報収集がしやすくなります。

継続的な学習を行う

どんな分野にしてもキャリアアップをするには、継続的な学習が欠かせません。今までの仕事を継続するにしても、新たなキャリアを目指すにしても、業界のトレンドや最新技術、スキルなどを常に学習しておくことで、自己成長を促すことができます。また、その学習のなかで、新たなチャンスに出会うこともあるかもしれません。

セルフブランディングを意識する

セルフブランディングとは、平たく言うと、「どのように自己アピールするか」ということです。

自分自身を他者にアピールすることで、自分自身のキャリアアップに直結します。自己アピールの強化には、自分自身の強みや経験、スキルなどを整理したうえで、「これから自分が進みたい方向性」に必要な経験やスキル、強みをアピールしていくことが重要です。

また、自己アピールを行う際には、自分自身の良いところを客観的に見て、自信を持って表現することが必要です。

スキルアップを図る

自分が専門的に取り組みたい分野を明確にし、その分野に必要なスキルを習得することが大切です。今の仕事を続けていきたい方も、その分野での新しい知識や情報、トレンドなどを学んでいくことがさらなるスキルアップにつながります。

また、自分自身が今まで手掛けてこなかった分野に挑戦することで、新しいスキルを習得することもできます。

ずっとやりたかったことをやる

「ずっとやりたいと思っているけれど、なかなか忙しくて出来てないな…」と感じていることはありませんか?

人生は長いようで短いです。あっという間です。今日は残りの人生の中で、一番若い日です。もし「ずっとやりたい」と思っていることがあるならば、ぜひちょっとしたことからでも初めてみましょう。それがこれからのキャリアにつながることもあるかもしれません。

プロのキャリアコンサルタントに相談する

これからの仕事や働き方を考えるときには、キャリアコンサルタントに相談するのもおすすめです。

「でも、どんないいことがあるか分からない…」
「専門家に頼むほどじゃないかも…」

と感じている方も多いでしょう。そこで、キャリアコンサルタントに相談するメリットをご紹介します!

経験豊富な専門家のアドバイスが得られる

キャリアコンサルタントは、キャリアに関する専門的な知識や経験を持っていますので、自分自身では気付きにくい視点やアドバイスを提供してくれます。自分では考えることができない問題や解決策を見つけられるかもしれません。

自分自身の強みや弱みが分かる

自己分析やアセスメントなどを通じて、自分の強みや弱み、興味や価値観を客観的に分析し、アドバイスを提供してくれます。自身の傾向やスキル、適性が明確になることで、目標設定やキャリアプランを立てるときの方向性決めになります。

キャリアアップの方向性が見える

キャリアコンサルタントは、自己分析やアセスメントの結果をもとに、自分自身に合ったキャリアアップの方向性や方法を提案してくれます。自分では見えにくかった新しいキャリアの可能性や、スキルアップの方法を教えてくれるため、視野を広げることができます。

自信を持ってキャリアを進めることができる

キャリアコンサルタントとの相談を通じて、自分自身の強みや適性を客観的に見つめ直すことができるため、自信を持ってキャリアを進めることができます。また、アドバイスをもとに行動を起こすことで、キャリアアップに向けた自信やモチベーションが高まり、新しいキャリアに挑戦するための勇気を持つことができます。

ぜひ、お気軽に相談してみましょう!