「20代でキャリアに悩みを感じるのは早い?」

そのように考える方もいるのではないでしょうか?実際は、早いなんてことはありません。

20代は、これから長期的にキャリアを考えた際にとても大事な時期です。その大事な時期に悩みを感じられているあなたは、キャリアにしっかりと向き合っていると言えます。

しかし、20代であるからこそ、悩んだらすぐに転職して仕事を変えるという前に少し立ち止まってみてはいかがでしょうか。今回はキャリアに悩みを抱える20代のあなたに向けて、転職を決断する前にすべきことや考えるべきことをご紹介します。

20代が抱える悩みの種類

一括りに20代といっても、悩みの種類は多岐に渡ります。

特に在籍年数などによっても異なってくるので、段階ごとに違う悩みを抱えているはずです。ここでは、20代が抱える悩みの種類についてご紹介します。

新卒3年目までの悩み

新卒入社したのはいいけれど、思っていた仕事と違うと感じている方も多いのではないでしょうか。

営業に憧れて入社したけど、配属は経理であったり、自分が好きな商品を扱う会社に入社したけど、実際は違う商品の担当になったりと理想とは違う仕事に就くことがあります。

また労働環境の面でも、就職活動で聞いていたよりも残業がだいぶ多かったり、先輩社員が少なく仕事を教えてもらえなかったりする場合もあります。

もちろん全ての部署や職種で得られるものがありますが、学生から社会人への夢や想像を膨らませていた段階で、思っていた働き方と全然違うとなると少々ダメージが大きいですよね。

配属に対して意見を言うことは難しいので、そのような状況ではモチベーションの維持が困難になるでしょう。

昔から3年やってみないと何もわからないというような風潮がありますが、実際にそうとも言い切れません。たしかに3年で経験できることはたくさんありますが、それがあなたにとって本当に必要な経験かはわからないものです。

新人教育も任される中堅時代の悩み

入社して4~5年経ってくると、新人教育などを経験している方が多いのではないでしょうか。そうなってくると今度は自分自身の今後について、考えるようになります。

自分の担当業務は一通りできて、新人にも教えることができるとなると、次に想像が膨らむのは、今の会社で管理職などへの昇進を目指すのか、その業務のスペシャリストとしてメンバーとして関わり続けるか、他の選択肢を考えていくのかというところだと思います。

周りを見た時に、上司の方の働き方や同期のキャリアチェンジなど、あなたの悩みへ影響するものはたくさんありますよね。

このままの部署ではベテラン社員が多過ぎて、昇進を目指せるのはいつかわからなかったり、同期入社の社員がほとんど辞めてしまっていたりと不安材料が多いと悩みに繋がります。

中途入社で複数社経験してこその悩み

20代でも転職して、中途入社される方もたくさんいます。そのような方は、前職と今の環境を比べての悩みがあるのではないでしょうか。

前職ではやらなくてよかった事務作業が増えたり、思うように休憩時間を取れなかったり、転職活動の中で得ることのできなかった今の会社の現状にショックを受けることもしばしばあります。

「前職の方がよかったなぁ」と思ってしまうこともあるでしょう。

ただ20代で転職を経験すると、またすぐに転職というのは今後の経歴的にも気になってしまう方がほとんどです。そのような場合は、今の職場であまりモチベーションが上がらなくても続けないといけないのが悩みになりますね。

※転職して後悔してしまった時の対処法は、こちらのコラムをご覧ください。
転職して後悔…もとの職場に戻りたい気持ちの対処法

悩みの原因は会社にある?それとも自分?

多くの方がキャリアに悩みを感じると、「転職」を連想するはずです。たしかに仕事内容や職場環境を変えることによって、解決する悩みもたくさんあるでしょう。

しかし、転職することで本当に解決する悩みなのでしょうか。悩みの原因は一体どこにあるのか、まずは明確にする必要があります。

他の仕事を経験してみたい

業務内容に対しての悩みがある方は、他の仕事をしてみたいと考えますよね。

もし明確に他にしたい仕事があるのであれば、まず本当に今の会社でその仕事が出来ないのかを考えましょう。今の業務は一時的なもので、経験を積めば希望の部署に異動できる可能性もあります。

自分の悩みを先輩や人事に相談して、自分が求めている業務をできる可能性があるのか否かを知ることが大切です。

他に同じような状況で部署異動が叶った人がいたり、もしくは異動はとても難しい会社だということが判明する可能性があります。

今すぐできないからといって、自己判断で安易に転職して別の会社に入ったとしても、また同じような状況に陥ってしまうのは避けなくてはなりません。

収入や評価制度に不満を感じる

自分の評価や収入に悩みを感じている方は、どういう成果を残してどれくらいの収入が欲しいと自分は思っているのかを、まずは明確にしましょう

「手取りが少ないなぁ」と思っていても、実は福利厚生が充実していたり、業界内で残業時間がとても少ない会社であったりと、他の会社で働く人からすると待遇の良い場合があります。

もう1年頑張れば、グッと収入が上がるということもあるかもしれません。収入が上がれば他に悩みがないという方であれば、もう少し頑張ることもできますよね。

評価制度に関しても、相対評価で実は同僚が自分の2倍の成果を出しているということもあります。あなた自身の評価ではとても頑張っていても、周りはもっと上である可能性もあるのです。

自分に対しての評価に疑問を抱いているのであれば、まずは現在の部署で評価されないとおかしいくらいの結果を出してみるというのもいいかもしれません。

その頑張りは転職活動をすることになっても、きっと役立ちます。

スキルアップをしたい

今よりもスキルアップをしたいと、自己成長に関して悩むこともあります。今の部署、今の仕事をしていても、このままではスキルアップできない、成長できないと不安に感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。

とても前向きな悩みなのですが、新しいスキルを習得したいのか今のスキルを伸ばしていきたいのかどちらでしょうか。なんとなく成長を感じられないといった場合もあるはずです。

「なんとなく」をそのまま放置してしまうと、自分自身が本当はスキルアップしていることに気づかない可能性もあります。明確にスキルや資格として表現できなくても、始めた頃と比べてみると営業成績が横ばいに見えるけど、本当は予算が1.5倍になっていたなんてこともあります。

自己成長について悩みを感じるのであれば、まず自分は始めた頃とどれくらい変わっているのかを知ることも大事です。

実は自分は頑張っていたんだと感じることができれば、尚良いでしょう。

職場の人間関係が良くない

人間関係に関しての悩みを抱えている方は、もう職場を変えたくなりますよね。

しかしその人間関係に関しての悩みは、今の会社で解決するのは難しそうですか?もし自分が部署異動できたら?悩みの原因になっている人物が、違う支店や支社、部署に異動したら?と具体的な解決策を考えてみるのも大事です。

たしかにあなたが退職すれば、今の人間関係の悩みは解決するでしょう。しかし、その後他の会社に入社して、人間関係の悩みが起きないと断言できますか?

あなただけが我慢する必要はないのです。まずは人事に相談など、使える手段を使ってみましょう。

それでも難しい場合は転職もできます。人間関係のしがらみから抜け出す方法は残されているので、後悔しないように落ち着いた選択をするようにしましょう。

悩みを解決する方法は?

悩みを簡単に解決するのは難しいかもしれません。

だからこそさまざまな視点から、今の状況や長期的にみたキャリアを考えて最良の決断をしていくのがおすすめです。

仕事を続けながらスキルアップを目指す

自己成長について悩んでいる方は、今の仕事を続けながら身につけたいスキルを探すというのも一つの方法です。

会社で仕事を続けながら、自分で資格の勉強をしたり副業に挑戦することで、自分自身の選択肢も増えていくのではないでしょうか。

興味のあることに色々と手を出してみるというのもおすすめです。退職して挑戦するというところまでのやる気がなくても、少し興味のあることを勉強してみるのは良い気分転換にもなります。

営業職だけど実はマーケティングに興味があるから、オンラインスクールで学んでみるというような選択も可能です。

色々なことを学んでいるうちに、伸ばしたいスキルが明確になるかもしれません。本当に挑戦したいと感じることができるまで、仕事を続けつつ選択肢を増やすことに時間を使ってみるのはいかがでしょうか。

社内で部署異動を申し出る

やりたいことが実は社内でできそうだ、と判明した場合は部署異動を希望してみてはいかがでしょうか。

会社によって部署異動はさまざまな規定があるはずなので、まずは人事などの担当者に話を聞いてみることをおすすめします。

直属の上司にすぐに相談しても、入社して間もないのであれば今の仕事のやる気がないと思われてしまう可能性がありますし、意外と社内で人事配属権を持っていない方だったりするからです。

例えば「社内で3年続けていれば他の部署へ異動希望が出せる」など、具体的な方法がわかればその3年頑張るのか、そんなに待てないというのであれば他の選択をしていくのか自分でも判断がしやすくなるでしょう。

まず自分で判断できる材料集めに取り組んでみることは大切です。

少し休んでみる

激務ゆえに悩みを抱えているという方は、休暇に対してとてもハードルが高いと思います。しかし、2〜3日でいいので少しゆっくりと休む時間をとってみるのはいかがでしょうか。

仕事ばかりの生活になっていたのであれば、少し仕事と距離を置いてみてどう感じるのか自分の気持ちに向き合ってみる必要があります

休んでいる間も追われているような感覚があったり、ずっと不安なのであれば頑張り過ぎているのかもしれません。

少し気分転換をして「よし、また頑張ろう」と前向きになることができれば良いですが、余計不安になってしまったり心がしんどくなってしまっている場合は、休職も視野に入れてみてくださいね。

転職して職場環境を変える

もちろん20代で転職するのも可能です。

「まだ1年しか働いていない…」と転職を躊躇う方もいるかもしれませんが、転職したいと気持ちが決まっているのであれば、第2新卒枠など若手だからこそ採用される確率が上がることもあります。

すでに複数社経験していて、経歴的にすぐ辞めそうだと思われそうと心配な方は、しっかりと志望動機や転職理由を整理することで採用企業の理解も得られるでしょう。

転職すると決めたのであれば、採用企業があなたに対して何を懸念に感じるかをたくさん予想して、準備をすることが大切です。20代だからこそのできることや熱意をアピールできるようにしましょう。

自分らしいキャリアを見つけよう

20代はまだまだ挑戦ができる年代です。そしてこの先まだまだキャリアが続いていきます。

その中で自分は何をしたいのか、どうなっていきたいのかをしっかりと考えキャリを選択していく必要があります。

自分自身が悩みを感じない働き方

働くなかで自分がストレスを感じるのは、どういう状況でしょうか。

「通勤が辛い」「数値目標を追うのがしんどい」

何が一番辛いのかまずは考えてみましょう。その辛さを軽減する働き方を模索することが大切です。

あなたの悩みを全て解決するのは難しいかもしれませんが、何が一番あなたの悩みに影響を及ぼしているのか知ってみることから始めてみてください。

評価され収入が上がれば悩まず働いていけるのか、そもそも企業や組織に所属して働いていることがストレスなのか、根本的なところから解決できるといいですね。

長期的にみたメリットを考える

長期的に考えた際に目標があるのであれば、スキルや経験を活かした資格の取得などもおすすめできます。例えば、実務経験が数年必要な国家資格などは転職して職種が変わってしまうともう取得することが難しくなります。

今、悩みが明確でなかったり、ちょっとモチベーションが低下しているという方などであれば、今の会社で働いていることのメリットを探しましょう

将来独立を目指しているのであれば、企業での経験や実績は独立の際の肩書きとして強い力を発揮することもあります。

「あの時辞めていなかったら…」と後悔することは避けたいですね。

プロと二人三脚でキャリアプランを練ってみる

「なんとなく今後のキャリアが不安」「20代のうちにできることをしておきたい」という方は、キャリアコンサルタントとキャリアプランを練ってみるのもおすすめです。

「転職したいというわけじゃない…」と外部のサービスを使うことを躊躇う方が多いと思いますが、転職を希望していなくてもキャリアの相談をすることが可能です。

今何に悩んでいて、自分にはどういう選択肢があるのか、何がやりたいのかと他者に話してみるだけでも気持ちが楽になることもあります。

たくさんの人の悩みを聞いてきたプロのコンサルタントから、新しい気付きをもらえるかもしれません。

悩んでいると気付いた時に行動を起こしてみるのはいかがでしょうか。

転職を決断する前に考えることはたくさんある

20代が転職を決断する前に考えることやできることはたくさんあります。

転職は全く悪いことではありませんが、転職という選択肢しかないように感じる時には一度立ち止まって考えてみる必要があります。

キャリアは仕事だけではなく人生と密接に繋がっています。焦って決断したことが、これから続いていく20代のあなたのキャリアへ影響を及ぼしてしまう可能性もあるのです。

考え、行動を起こした上で、このまま頑張るというのも、転職・退職すると決めるのも後悔しないように選択することができればいいですね。