TOP はたらくコラム

はたらくコラム

キャリアや働き方に関する様々な悩みや、解決方法をご紹介。

人間関係・仕事に対する不安
楽しくない仕事を辞めたい…辞めるか現状維持か迷ったら

楽しくない仕事を辞めたい…辞めるか現状維持か迷ったら

「仕事が楽しくない…」というと、「仕事は楽しくなくて当たり前」なんて返しをされることもあるかもしれませんが、仕事はつまらないよりは面白いに越したことはありません。 ただ、仕事が楽しくなくても気にならない生き方があったり、状況は変わらなくても考え方を変えたり…と辞める前にもできることはいろいろあります。辞めることはいつでもできます。仕事が楽しくない状況をなんとかしたいと思ったら、こう考えてみませんか。 仕事が楽しくない理由を分析する 「仕事が楽しくない」と一言にいっても、「楽しくない」理由はいろいろあります。仕事が楽しくない現状を改善するには、自分がなぜ仕事を楽しくないと思っているのか、気持ちを整理することが大切です。楽しくない理由がわかれば、対処法も見えてくるからです。 「仕事が楽しくない」と感じるには、一般的に以下のような原因が考えられます。今の自分はどれに当てはまるのか、自分の気持ちを客観的に見つめてみましょう。 1. 人間関係がストレスになっている 仕事が楽しくない、つまらないと感じる理由の1つが人間関係です。なかでも、大きく影響するのが、仕事の指示を出し、自分の仕事の評価者でもある上司との人間関係でしょう。 「上司との人間関係が良好で何の問題もない」「上司は尊敬できる相手」と思えるのは、よほど運が良い方で、多くの会社員は多かれ少なかれ上司には何らかのストレスを抱えています。パワハラやモラハラとまではいかなくても、上司に対してストレスを感じてしまう要素はいくらでもあるからです。 たとえば、上司が次のようなタイプだったら、一緒に働く部下はちょっと大変ではないでしょうか。 ・自分のことしか考えていない。・「自分の意見や経験が絶対」というタイプで部下の意見を全く聞かない。・部下を理解・評価しようとしない。・部下の業績を自分のものにしてしまう。・部下をえこひいきする。・経営層にばかりいい顔をして、部下への態度が横柄。・マイクロマネジメントで細かく関与してくる。・部下にあまり関心がない。・仕事が全然できない。あるいは仕事をしない。 上司とはいえ人間ですから、多少の欠点は誰でもあるものですが、それでも許容範囲を超えてしまうと仕事へのモチベーションに大きくしてしまうでしょう。 2. 職場に「いいな」と思える人がいない 「人間関係がストレス」というほど、トラブルはないけれど、尊敬できる上司や先輩もいない。一緒に仕事をしていて刺激し合ったり、気が合うような同僚もいない。 そんな「可もなく不可もなく」の状況は、トラブルを抱えている状況と比べれば恵まれてはいますが、どこか物足りなさを感じてしまうのも無理はありません。 すぐに退職を決意するほど切羽詰まっていないからこそ、何か物足りない、不完全燃焼のような状況がズルズルと続いてしまう可能性もあります。 3. 仕事が簡単・単調すぎて成長を感じない 仕事が簡単すぎる、毎日同じことの繰り返しで変化がなく、単調で刺激がないという方もいらっしゃるでしょう。 「同じ給与なら、簡単で単調な方が楽でいい」という考え方もありますが、仕事に変化や成長を求めるタイプの方がこのような仕事についてしまうと、物足りなくなってしまうのも無理はありません。 4. 仕事にやりがいを感じられない 事業は、誰かがその商品やサービスに対価を支払うことで成り立っています。対価を支払うということはそれだけ必要とされていることであり、仕事はそうした事業に関連して発生しているので、あなたの仕事は必ずどこかで誰かに必要とされ、役に立っているはずです。 しかし、「誰のための仕事なのか?」という相手が見えにくかったり、無駄な業務が多かったり、成果がなかなか感じられなかったり、上司の納得できない指示に仕方なく従わなければならない仕事だったりすると、「この仕事は何のために、誰のためにやっているのだろう?」とやりがいを感じられなくなってしまいます。 仕事の意義や価値を見失ってしまうと、仕事もつまらないと感じてしまうようになってしまうでしょう。 5. 仕事内容が合わない 仕事内容が、自分の適性に合っていない方もなかにはいらっしゃるでしょう。 たとえば、人と話すことが好きなのに、事務作業ばかりで誰とも会話することがなく1日が終わってしまったり、数字が苦手なのにデータ集計の業務が多かったり、人と話すのが苦手なのに営業職だったり…。あるいは、自分の適性が何かはわからないけれど、「なんとなく今の仕事内容はどこかつまらない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。 自分が「好きなこと」と「できること」と、会社が「あなたに任せたいこと」が、できる限り一致していると仕事は楽しくなりますが、その重なりが小さくなればなるほど、仕事に楽しさを見出すのは難しくなってしまうでしょう。 6. 評価や報酬が見合わない 「仕事が楽しくない」という感情のなかには、「こんなに頑張っているのに、評価や報酬が満足できないから、面白くない」という種類の感情もあります。 その原因としては、 ・上司が部下のことをちゃんと見ていなかった。・上司(会社)が評価するポイントと、あなたが力を入れていたポイントが異なっていた。・上司がえこひいきするタイプで不当に低い評価をされてしまっている。 などが考えられます。 報酬が見合わないのは、上司による査定評価が影響する賞与が低いのが納得できない場合と、そもそも会社の報酬体系全体の年収が低い場合と2つのパターンがあります。前者は自分か上司かどちらかが異動すれば、解決できる可能性がありますが、後者は会社全体の問題なので、転職しない限り改善するのは難しいといえます。 辞めるか現状維持か?仕事が楽しくないときの対処法 さて、今自分が「仕事が楽しくない」と思っているのは何が理由なのか、なんとなく見えてきましたでしょうか。 仕事が楽しくない理由がわかったら、これから紹介する改善する対処法に目を通し、「やってみようかな」と思えるものがあったら、ぜひ試してみてください。試してみるときには、「試しにやってみようかな」くらいの軽い気持ちでトライし、自分には合わなそうだったり、無理そうだったりしたら、すぐにやめて他の方法を試してみましょう。 楽しくない仕事は辞めたくなるでしょうし、「仕事が面白くないなら、辞めればいい」という誘惑もあると思います。 しかし、仕事を辞めて「この仕事なら楽しいはず」と思って転職した仕事が、入社してみたら実は楽しくなかった、ということは十分にあります。また、転職して最初はよかったけど、いつの間にかまた「仕事が楽しくない」状況に直面することも考えられます。 仕事はつまらないよりも楽しいに越したことはありませんが、この先何十年も働き続ける人生で、環境要因に恵まれ続けて「楽しい仕事を続けられる」ことはまずありえません。だからこそ、ここで ・どんな仕事や環境でも、楽しさを見いだせる力・仕事が楽しくなくても特に気にならない力・自分の環境を「仕事が楽しい状況」にできる力のいずれか1つを身につけておくと、この後の人生で非常に役に立ちます。辞めるのはいつでもできます。まずは現状維持をしながら、自分が今ここで身につけられるのはどの「力」か、模索してみるのはいかがでしょうか。 1. 自分の考え方や捉え方を変えてみる 自分の考え方や捉え方を変えることができると、「どんな仕事や環境でも楽しさを見いだせる力」が身についてきます。 たとえば、嫌な上司も「むかつく」ではなく、「上司もいろいろあるんだな」と思えれば見方も変わります。仕事ができない上司も「なんでこんなに仕事ができないのに、自分よりも給与をもらっているんだ」と思うと、不条理を感じずにはいられませんが、「そんな人にムカついていても、何の特にもならない」と自分の関心の外にその上司を追いやることができれば、心が乱されることも少なくなります。 大ベストセラーになった「嫌われる勇気」(岸見一郎著 ダイヤモンド社)でも、 人は主観的な意味付けの世界で生きている。つまりその人特有のメガネで世の中を眺めており、全て個人の解釈が介在しているから、あなたのかけているメガネ=解釈は、自分で今すぐに変えられる。 と紹介されています。自分の解釈、つまり考え方や捉え方を変えるだけでも、状況を変えることはできるのです。 ただ、今まで自分の一部であった考え方や捉え方を変えるには、何かの「きっかけ」が必要なこともあります。そのためにも誰かと話してみたり、本を読んでみたり、何か新しい情報に触れるきっかけをつくっていくとよいでしょう。 2. 同僚や先輩に相談する もし、相談できる同僚や先輩がいれば、楽しくない今の状況について話をしてみるのもおすすめです。 「誰かに話す」ことで自分の気持ちを整理できますし、声に出して話すことで「ああ、自分はこう考えていたんだ」と気づくこともあります。ただ話を聞いてもらうだけでも考えや気持ちがすっきりするでしょう。 また、もしかしたら同僚や先輩のアドバイスや視点が、今の状況に対する考え方や捉え方を変える「きっかけ」になるかもしれません。あるいは、あなたが知らない社内の情報を教えてくれて、それが状況そのものを改善する突破口になる可能性もあります。 時には思い切って周囲の人に頼ってみましょう。 3. プライベートで楽しめることを始める 仕事は楽しいに越したことはないですが、仕事に「楽しさ」を求めない生き方もあります。「仕事は生活費を得る手段」と割り切って、プライベートを充実させていくと、仕事が楽しくないことも気にならなくなります。つまり、「仕事が楽しくなくても特に気にならない力」が身に付くのです。 趣味の時間を充実させたり、初めてみたかった習い事を始めたり、ジムやヨガ、ジョギングやウォーキングなど運動を始めたり、料理に凝ったりするのもいいでしょう。 プライベートの時間を充実させることで、自分の世界も広がりますし、仕事以外で気の合う友人を見つけたり、将来退職してからも続けられるような趣味や仕事につながったりと、得るものは意外に多くあります。 もし今、仕事や職場が楽しくなくても、待遇には不満がなく、特にこれといってやりたいことや目指したいキャリアも思い付かないのであれば、現状維持のまま仕事以外で楽しいものを見つけるというのは、現実的に考えて最もリスクが少なく、得られるものが多いおすすめの方法です。 4. 副業やプロボノ活動をしてみる 最近は副業OKの会社も増えています。もし今の会社が副業OKならば、仕事以外の時間で副業を始めるのもよいでしょう。 「副業に生かせるようなスキルや資格もないし…」という方は、趣味や自分の興味のある分野でブログを書いて広告収入を得ることを目指したり、あるいはNGOやNPOでボランティアやプロボノ活動をしてみるのもおすすめです。 副業にしてもプロボノにしても、本業以外のこうした活動をすることで、自分の世界が広がります。「会社の仕事」だけがメインの生活をしていると、それがつまらないのが気になってしまいますが、他に自分が何か打ち込むフィールドがあれば、自分の世界は「会社の仕事」だけではなくなります。 他に興味関心があり、自分が活躍できるフィールドがあれば、「会社の仕事」がつまらないのは大きな問題ではなくなってくるはずです。 5. 配置換えや担当替えを上司に相談する もし、上司との人間関係には問題なく、かつ上司が部下思いであれば、部署内での配置換えや担当替えを相談し、現状を改善できないか試みるという方法もあります。これが「自分の環境を『仕事が楽しい状況』にできる力」です。 ただこれが実現するには、 ・上司の物分かりがよく、部下のキャリア形成を真剣に考えている。・配置換えや担当替えが適切な対応である、前向きな理由を訴える。(つまらないからとかではなく、「自分はこちらの方が得意」「こういうことにチャレンジしてみたい」などあくまで前向きな理由で相談することが重要です)・配置や担当を替える余地がある。 という3つの条件が満たされている必要があるので、難易度は高いのですが、ものは試し。一度相談しておくと、今は配置や担当替えの余地がなくても、そのような機会ができたときに考慮してもらえる可能性につながりますので、相談できそうな上司であれば、試してみてはいかがでしょうか。 6. 異動希望を出す もし社内に異動希望を申請する制度があるならば、異動願いを出す。そうした行動を起こすのも「自分の環境を『仕事が楽しい状況』にできる力」です。 異動希望を申請する制度がないならば、人事や異動希望先の部署の課長や部長に直接訴えるという手段もあります。 かなりの勇気も必要だと思いますが、「なぜその部署に異動したいのか?」「自分はその部署で、今までの経験を活かしてどんな貢献ができるのか?」を前向きに、具体的に訴えることができれば、異動の実現可能性は高くなるでしょう。 7. 転職活動をする 最後の対処法が「転職活動をする」です。他の対処法を試してみたけど、なんとなく状況は変わらないと思ったら、実際に転職活動を始めてみましょう。本当に転職するかどうかは、活動を始める時点では決めていなくても構いません。 実際に転職サイトに登録し、転職エージェントに相談して、具体的な求人を探し、面接に行き…と転職活動をしていると、他社の情報と比較して、今の環境や自社を客観的に捉えることができます。 その時に「やっぱり今の環境は無理だな」と思えれば、そのまま転職活動を続けて転職すればいいですし、「改めてみると、実は悪くないかも」と思えれば現状維持でもまた新たな気持ちで仕事に向かうことができます。 転職活動も視野を広げる機会の1つです。実際に転職するかどうかはさておいても、ここで転職活動をして視野を広げることは決して無駄にはならないでしょう。 答えが見つからない時はキャリアコンサルタントに相談を 「仕事が楽しくない」という状況を変えるには、その状況に対する自分の考え方や捉え方を変えるか、環境そのものを変えるかどちらかです。しかし、自分がどうしたいのか、自分の気持ちがわからない、あるいは相談できるような同僚や先輩、上司がいないということもあるでしょう。 そんな答えが見つからない時には、ぜひキャリアコンサルタントを活用してみませんか。お話を丁寧にお伺いしながら、「本当は何がネックになっているのか?」「自分にとってはどうするのがいいのか?」を見つけるサポートをさせていただきます。

2021/06/30
今後のキャリアプランやセカンドキャリアについて
女性のキャリアプラン|結婚や出産も諦めないキャリアの考え方

女性のキャリアプラン|結婚や出産も諦めないキャリアの考え方

女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントに大きく影響されることが多いのが現状です。男性のキャリアがこのようなライフイベントの影響を受けることは少ないことを考えると、残念ながらキャリア形成の面での男女格差は、令和になってもまだ発展途上にあるのが現実です。 それでも、結婚や出産とキャリアを両立する女性や、しなやかなキャリアプランで子育てしながらイキイキと働く女性も増えています。結婚や出産などのライフイベントとこれからのキャリアプランについて不安になったら、このように考えを整理してみませんか。 結婚も出産もキャリアも諦めないために、整えておきたい3つのこと 「キャリア」と聞くと、多くの方がイメージするのは、「バリキャリ」という言葉に表れているように「バリバリと仕事をすること」や「組織のなかで出世すること」、もしくは「仕事の成果として得た実績、経験」ではないでしょうか。 実は本来の意味での「キャリア」は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものを指しています。専業主婦も労働対価こそありませんが、家族のための家事労働をしていますから、その意味では「専業主婦という生き方を選ぶこと」も「キャリア」と解釈できるでしょう。 しかしここでは、まずは一般的なイメージの「キャリア」、つまり「主に組織の一員として仕事をし、成果を出して、周囲から評価を得、相応の経験・実績を積んでいくこと」にフォーカスして話をしたいと思います。 結婚や出産を経ても、この意味でのキャリアを諦めたくない場合、次の3つの環境を整えることが必要不可欠になります。 働く環境を選ぶ 1つ目は、「働く環境をきちんと選ぶこと」です。組織に女性が結婚し、出産しても働きやすい制度や風土があってこそ、結婚や出産しても諦めることなくキャリアを築くことができます。制度だけでなく、風土として以下の点が今の組織にあるか、確認してみましょう。 ・妊娠期間に仕事をすることに対する理解はあるか。妊婦がハラスメントを受けることなく、必要な業務を続け、体調不良で休むときにも協力的な雰囲気があるか。・育児休暇はきちんと利用されているか。・ワーキングマザーがちゃんと仕事復帰して活躍しているか。・職場全体がワーキングマザーを受け入れて、子どもの急な発熱などで早退や遅刻をしなければならないときも応援する社風があるか。・在宅勤務など、柔軟な働き方ができるか。・ワーキングマザーが仕事を任され、責任ある仕事についているか。 もしも当てはまらない場合には、早めにできる限り上記の条件に当てはまる企業への転職を検討したほうがよいかもしれません。 また、働く環境は自分だけではなくパートナーの環境も同様に重要です。男性の育児休暇が取りやすかったり、保育園への送り迎えがしやすい環境であれば、育児は格段に分担しやすくなります。自分だけでなく、パートナーにも職場の環境を一緒に見直してもらうとよいでしょう。 夫の理解を得る 2つめに大切なのは、「パートナーから仕事を続けることへの理解と協力を得ること」です。 育児と仕事を両立するためには、夫と家事や育児の分担が避けては通れません。しかし、本当に分担する気があるのかを確かめるのは難しく、男性の中には、表面的には女性の社会進出を応援するようなことを言っていても、いざ結婚して自分の家庭の話となると、「妻には家にいてほしい」「妻の家事や育児を分担する気はあまりない」という人もいます。 好きになった人と結婚するのが望ましいですが、パートナーが「妻がキャリアを築くことを理解し、協力してくれる夫」でない場合には、自分の考えを理解してもらえるように根気強くコミュニケーションを続けるか、自分のキャリアを諦めるか、または自分の考えを理解してくれる別のパートナーを探すことを考えたほうがよいでしょう。 「子育て支援」をできる限り活用する 3つめが、「周囲の子育て支援を整え、活用できるものはどんどん活用すること」です。 どんなに職場や夫のサポートがあっても、待機児童が多い地域だったり、行政や民間の子育て支援環境が整っていない地域であれば、仕事と子育てを両立することは困難となります。 反対に、行政や民間の子育て支援サービスが得やすい地域に住めば、子育てと仕事の両立のしやすさは全く変わってきます。 保育園だけでなく、民間の子育て支援サービス、または自分の両親や義両親のサポートが得られるかどうかなど、結婚や引越しを考えるときには、その点を考えて「住む場所」を選ぶとよいでしょう。 結婚も出産もキャリアも諦めないための3つの心構え そして環境を整えるだけではなく、心も整えておく必要があります。独身時代とは、少し心構えも変わってきますので、気持ちの準備をしておきましょう。 思い通りにいかなくても焦らない 3つの環境が必要と分かっていても、あるいはその環境を整えたつもりでも、現実にはなかなか思うようにいかないこともあります。 ワーキングマザーを支援するような企業となかなかご縁がなかったり、理解あるパートナーなのに、転勤することになって単身赴任か仕事を辞めてついていくか決断を迫られたり…。一緒になりたいと思うパートナーが家事や育児に協力的ではなかったり、「専業主婦になってほしい」と言われたり…。そのような事情から、キャリアを諦めたくなかったのに、泣く泣くキャリアを諦めている女性も数多くいらっしゃいます。 さらには、会社に制度はあっても現場では妊婦やワーキングマザーへの風当りが強かったり、直属の上司からマタハラを受けたりすることもあるでしょう。 ハラスメントはなくても、育児休暇を経て復職したら、「子どもがいるから大変でしょ」という気配り(?)から今までよりも責任の軽い仕事や簡単な仕事を任されたりして、 「育休で、キャリアダウンしている…」「同期に後れを取っている」 とショックを受けることもあるかもしれません。 キャリアプランを描くことはとても大切ですが、描いたキャリアプラン通りに順調に進むことは非常に稀です。だからこそ、思い描いたキャリアプランへの思いが強すぎると、「こんなはずではなかったのに」と思い通りに進まない現状がとても苦しくなってしまいます。 結婚し、出産した後は子どもの病気や行事など自分の思い取りに物事が進まないことが山のようにでてきます。それは仕事にも多かれ少なかれ影響しますが、子育てをしながら仕事をしていると、思い通りにいかないのが当たり前。そして、思い通りにいかない道を歩くことが、振り返ってみると人間として大きく成長できる経験になっていることもあります。 思い描いた通りにならなくても焦らず、肩の力を抜いて状況を受け止めるように心がけましょう。 キャリアを長い視野で考える 「思い通りにいかなくても焦らない」ことをお勧めするのはなぜかというと、出産と育児で独身時代のように仕事に取り組むことができない期間が数年あったとしても、定年まではまだまだ数十年あるからです。 「育休でキャリアダウンをした、同期に後れを取った」と感じることがあっても、子どもが大きくなれば、以前のように時間を使えるようになる日が必ずやってきます。それを何らかのかたちで取り戻せるチャンスは、きっとやってくるでしょう。 また、この期間にこれからの仕事に大きく影響する人やモノやコトに出会える可能性もあります。 「どうして私だけ…」「何でこうなるのか」「本当はこんなはずじゃなかったのに…」など、気持ちがネガティブになると、そのようなチャンスも見逃してしまいます。少しペースダウンする期間も楽しめるよう、キャリアは長い視野で考えてみましょう。 家事も育児も仕事も完璧を目指しすぎない 結婚し子どもが生まれると、生活も仕事も、自分だけでなく家族や子どもの都合も考えなければならなくなります。 思い通りにならないことが増える上に、やることもたくさんあって時間の余裕がなくなってくるので、世の中に溢れる「~したほうがいい」「~ねばならない」という常識や、自分のなかの「これくらいはしないと…」という思いに囚われすぎると、行き詰り、苦しくなったり強いストレスを抱えたりしてしまうかもしれません。 家事も育児も仕事も、「自分としてもここまではやりたい」と思うものがあり、それができないと落ち込んでしまったり、自己嫌悪してしまったりすることもあるかもしれませんが、キャリアを諦めないためには完璧を目指し過ぎずないことも大切です。 完璧を目指し過ぎて、辛くなってしまい、何もかもが嫌になってしまうよりは、「そこそこ」で大変な時期を「乗り切る」ことを目標にしていきましょう。 「正社員として働く」以外のキャリアも考えてみる 「キャリア」の本来の意味は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものだと紹介させていただいたように、本来の「キャリア」は「正社員として経験と実績を積み上げ、組織の中で相応の地位を得る」ことだけではありません。 正社員として企業に勤める働き方は、確かに経済的には安定しており、生涯年収も高くなります。しかし、「どう生きたいか?」という意味でのキャリアを考えるときには、年収だけが重要なわけではなく、やりがいや自分のライフスタイルに合っているか、好きなことができているかなども重要な要素になります。 結婚や出産を経験して視野が広がり、新たなキャリアや選択肢に興味が湧いたり、道が拓けたりする可能性もあります。「こんなはずじゃなかった」と過去のキャリアプランに固執をしているとその可能性を見落としてしまいますが、「こういうのもありかもしれない」と思えれば、結婚・出産後に見つかる新たなキャリアが、今後の人生のやりがいになるかもしれません。 正社員として働く以外のキャリアの可能性も知っておきましょう。 パートや派遣社員として働く 今まで、女性の労働力率を年齢階級別のグラフにすると、結婚と出産を経験する30代でへこみ、子育てがひと段落した40代で働き始めるため、「M字カーブ」と言われてきました。 総務省が2019年に発表した労働力調査では、35~39際の労働力率は76.7%と過去最高に近い水準となり、この年代で働く女性が増えていることがわかります。しかしそのうちパートや派遣社員などの非正規労働者は55%と、多くの女性が正社員ではない働き方をしています。 その理由は、「家事や育児と両立するため」「夫の扶養に入るため」「夫が転勤族なので、転勤した土地で少し家計の足しにするため」「親の介護のため」など、様々な事情があるでしょう。 自分から希望してパートや派遣社員になった方もいらっしゃれば、仕方なくそうせざるを得なかった方もいらっしゃるかと思います。 自分にとって大切なものが家族との時間であれば、それを第一にできるのが自分らしいキャリアですし、もし今「仕方なく」そうしていたとしても、目の前の仕事にきちんと向き合っていけば、パートから正社員に登用され、新たなキャリアを築くチャンスもあります。 生涯年収は確かに正社員で働き続けることに比べれば下がりますが、その代わりに「子どもの行事のために休みがとりやすい」「家族のために自分がしたいと思うことができる」など、手に入れられるものもあります。 自分が大切にしたいこと、やらなければならないことに向き合ってキャリアを柔軟に考える視点も忘れずにいましょう。 得意分野を生かしてフリーランス・自営業になる 結婚後のキャリアとして、組織に属さず、得意なことを活かしてフリーランスとして仕事をする、自営業として独立するという選択肢もあります。 デザインやマーケティング、WEB制作やプログラミングなどの専門スキルがあれば、今までの人脈を生かしてフリーランスになるのもよいでしょう。人脈がなくても、今はクラウドソーシングサイトもいろいろあるので、顧客開拓は比較的簡単にすることができます。 また、特別なスキルがなくても「記事作成」等で誰にでもできる仕事で自宅にいながら収入を得られる業務も増えていますし、自宅にいながらリモートワークで経理などの事務ができる案件もあります。 何か作ることが得意ならば、自営業として開業し、「creema」などのサイトで販売するのもよいでしょう。 今は、フリーランスや自営業として仕事をしやすい環境が整っています。結婚や出産を機に、自分が本当にやりたかったこと、興味があったことを始めてみるのもよいかもしれません。 専業主婦として家族や地域のために働く 「専業主婦」をキャリアとして考える方は少ないかもしれません。特に、共働きが主流になってきた今のご時世では、専業主婦であることに引け目を感じてしまう方もいるようです。 確かに報酬は得られないですが、専業主婦として家族のために働くことも立派な働き方の1つです。家事も育児も奥が深く、やろうと思えば際限ないですし、子育てしていると避けては通れない地域やPTAの活動もあります。そうした活動にも報酬が発生することは少ないですが、社会に必要とされている仕事であることには変わりません。 たとえ、意図せずに専業主婦にならざるを得ない状況になってしまったとしても、専業主婦だからこそできることにぜひチャレンジしてみてください。そこから、自分では思ってもみなかった何かが広がるかもしれません。 キャリアを柔軟に考えると、結婚も出産も諦めない道が見えてくる 結婚する前は、「結婚しても出産しても、キャリアは諦めたくない」と思う気持ちがあっても、実際に結婚して出産すると、その思いとは裏腹に、独身時代に思い描いていた順風満帆なキャリアをなかなか思うようには進めないことも出てきます。 「独身だったら、自由にできるのに」と未婚の同僚や、子どもが生まれても独身時代と変わらずに働ける男性の同僚に切ない思いをすることもあるでしょう。 しかしそこで、過去のキャリアプランに縛られ過ぎず、かといって自分のやりたいことを諦めずに、「今できること」「今大切なこと」に目を向けてそれに集中することで、結果として結婚と出産を楽しみ、自分自身が納得できる働き方・キャリアを手に入れることができます。 スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ​教授が20世紀末に提案したキャリア理論では、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」としています。 つまり、個人のキャリアは計画通りに進むのではなく、8割は自分でも思ってもみなかった偶然の出来事が、キャリアを決めていくのです。だからこそ、「思い通りにいかない」と嘆くのではなく、その予期せぬ偶然の出来事、目の前のことにベストを尽くしていくことが大切ではないかと、私たちキャリアコンサルタントは考えています。 「結婚と出産でキャリアを諦めないといけないのかな…」と思ったときこそ、自分にとっての「キャリア」とは何なのか、自分は本当はどんな状態が幸せなのか、ぜひ立ち止まって長い視点で「キャリア」を考え直してみませんか。私たちも、お手伝いさせていただきます。

2021/06/24
今後のキャリアプランやセカンドキャリアについて
結婚して仕事を辞めたい時にこれだけは知っておきたいこと

結婚して仕事を辞めたい時にこれだけは知っておきたいこと

「結婚を機に、仕事を辞めたい」「そもそも働くのが好きじゃないから、早く結婚して仕事を辞めたい」「結婚したら家のことに専念したい」 など、様々な理由から結婚して仕事を辞めたいと考えていらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。やりがいも感じられなければ、向いているとも思えない仕事を続けることは、確かにストレスですよね。そんな時に、結婚はスムーズに辞めやすい絶好の口実となってくれるのは事実です。 結婚を機に退職するにしても、今の仕事を続けたり転職したりするにしても、結婚は自分の人生での「働き方」を考えるとてもいい機会でもあります。そこで今回は、キャリアコンサルタントの視点から、結婚して仕事を辞めたいときこそ、今後の働き方やキャリアについて知っておきたいことをご紹介したいと思います。 結婚で実際に仕事を辞める人はどれくらい? 1980年代は1000万世帯以上あり、日本では当たり前だった専業主婦世帯も、今は571万世帯に。代わりに共働き世帯が1240万世帯と、3世帯中2世帯は共働きの時代になりました。 厚生労働省が発表した「2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況」によると、結婚を理由で退職した女性は、女性の退職者のうちの0.3%。しかし、25-29才の正社員(一般労働者)では、2.3%と突出して高くなっています。それでも最も高いこの年代でも、「結婚して退職する人」は100人中2~3人です。 女性の求人・転職情報サイトを運営する「はたらこねっと」が、女性ユーザーに「専業主婦になりたいか」と行った調査では、「専業主婦になりたい」と回答した割合が29%だったことから、専業主婦になりたいという希望はあっても、実際に結婚を機に退職する人は極めて少ないということが伺えます。 結婚で仕事を辞めるメリット では、結婚で仕事を辞めるとどのようなメリットがあるのか、整理してみましょう。 仕事のストレスや職場の煩わしい人間関係から解放される 退職することで、仕事のストレスや職場の人間関係から解放されます。会社で働くことに誰もが適性があるわけではなく、また「働くこと」は会社で仕事をするだけでもありません。 独身であれば、生活費のために次の仕事を探さなければなりませんし、その転職先で新たなストレスに悩まされる可能性もありますが、専業主婦になればその心配がなくなるというのは大きなメリットでしょう。 自分の時間ができる そして仕事を辞めて得られるもう一つの大きなメリットは、なんといっても「時間」です。 1日7~8時間、往復の通勤時間を含めると人によっては10時間以上費やしていたものがなくなるので、自分の時間がたっぷりできます。ゆっくり休んでもいいし、今までやりたいと思っていたけれどできなかったことにチャレンジしてみるのもよいでしょう。 また今は、この時間を妊活に使うために退職する方もいらっしゃいます。生活リズムを整え、忙しいとついついおざなりになりがちな食生活も、時間があるからこそ丁寧に向き合うこともできますし、体調も整えやすくなるでしょう。 家事や育児に専念できる 仕事に費やしていた時間を大切な家族のために使うこともできます。 家の中をいつもきれいにしておくことや、バランスのよいメニューを考えて食事を用意することなど、家族が気持ちよく生活するための家事はそれぞれに奥が深く、きちんとやりたいと思えば思うほどキリがない仕事です。 さらに子どもが生まれて、その家事に育児が加わると、1日があっという間に過ぎるほどの仕事量です。 働きながら家事や育児をこなす方もいらっしゃいますが、家事や育児にどのように向き合っていきたいかは、人それぞれ。自分が望む関わり方ができるのが理想です。自分の時間をかけたい場合や、仕事のストレスを抱えながら家事や育児をこなすのはとても無理そうな場合は、結婚を機に仕事を辞めることで自分にとって気持ちよく過ごせる環境を手に入れることができるでしょう。 結婚で仕事を辞めるデメリット 一方で、結婚で仕事を辞めるデメリットとして考えられていることもあります。ただ、これらは一般的な価値観では「デメリット」として言われているものであり、人によっては、「それは私は気にしない」という方もいらっしゃるかと思いますが、参考までにご紹介しておきます。 自由に使えるお金が少なくなる 専業主婦も立派な仕事ではありますが、それに対する給与はないため、収入がありません。家計はすべて夫の収入に頼ることになり、独身時代や仕事を続けている共働き世帯に比べると、自分が自由に使えるお金はかなり少なくなります。 株式会社ビズヒッツが2019年に全国の既婚女性に対して行った調査によると、専業主婦のお小遣いの平均額は7,876円。一方、共働きのお小遣いの平均額は24,671円とその差は約3倍以上です。 パートや正社員で働いていれば、その分、仕事に行くための被服費や交際費など出費も増えますが、それでもよほど高い年収のパートナーでない限り、「独身時代のようにはお金を自由に使えない」ということはある程度覚悟しておいたほうがよいでしょう。 また、日々のお小遣いだけでなく、生涯年収にも大きな差が生まれます。 2017年に「専業主婦は2億円損をする」(橘玲著 マガジンハウス)という本が出版され、大きな話題になりましたが、同著によると、大卒・大学院卒の女性が正社員で定年まで働いた場合の生涯年収は約2億円以上。生涯年収は学歴によって異なりますが、「高専・短大卒」で1億7630万、「高校卒」で1億4830万となっており、専業主婦になるということは、少なくとも1億円以上を放棄することになります。 一度結婚で退職して、夫の扶養の範囲内でパートとして再就職される方も多いですが、ニッセイ基礎研究所の試算では、第1子出産後に退職し、第2子の子育てが落ち着いてからパートで再就職した場合の生涯所得は6000万円にとどまります。つまり、正社員で仕事を続けたときに比べて、大卒・大学院卒の場合、1億4000万以上も生涯年収が低くなります。 もちろんお金がすべてではありませんが、教育費や老後の備えなど、備えがあれば軽くなる不安も多く、また選択肢が広がることもあります。雑誌「PRESIDENT(プレジデント)」(2020.9.4号)に、50才以上の男女に「老後の後悔は何?」というアンケートが掲載されていましたが、その第一位は「もっと貯金しておくべきだった」でした。 夫が高収入でない限り、専業主婦になることで貯金に回すお金も厳しい現実に直面することを理解しておきましょう。 正社員としての再就職が難しくなることもある 「この先働くつもりはないから大丈夫」という方もいらっしゃるかとは思いますが、人生何が起こるかわかりません。離婚や夫の病気、リストラなどで夫の収入に頼れなくなる可能性は誰にでもあります。また、子育てにひと段落ついたら、あるいは子どもの教育費のために再就職を考えるようになることもあるかもしれません。 そのときに、一旦仕事を離れてしまうと、今までのキャリアや希望する仕事、さらに仕事を離れる「ブランク期間」の長さによっては正社員として再就職が難しくなることも考えられます。 日本は少子高齢化が進み、労働人口が減り続けているので、仕事や雇用形態を選ばなければ再就職するのはそれほど難しくはないでしょう。しかし一度正社員から離れることで、正社員に戻りにくくなることも知っておきましょう。 結婚で仕事を辞めた後の女性のキャリアの可能性 再就職が難しくなるとはいえ、結婚で仕事を辞めることを機に広がる可能性もあります。そこで、結婚で仕事を辞めた後に、どんなキャリアが考えられるのか、確認しておきましょう。 専業主婦として家族のために働く 仕事に向き不向きがあるように、専業主婦にも向き不向きがあります。仕事をするよりも、家族のために快適な生活環境を整える専業主婦に高い適性がある方も多くいらっしゃるでしょう。 家の中がいつも気持ちよく、食事は栄養のバランスがとれていて、夫や子供が仕事や勉強、スポーツ、趣味などに打ち込める環境をつくることは、一番身近で大切な人を幸せにする仕事であり、キャリアです。収入は確かに得られませんが、収入がなくても大事な仕事です。自信を持って選択してください。 扶養範囲内のパートとして働く 子どもが大きくなったタイミングで家計を助けるために、夫の扶養範囲内でパートを始める方は多くいらっしゃいます。 扶養範囲内といっても、「税法上の扶養範囲内」と「社会保険上の扶養範囲内」は条件が異なり、よく言われる「103万円の壁」は、所得税と住民税に関わる税法上の扶養範囲内になります。 これは、給与収入が103万円以下であれば夫は配偶者控除が受けられ、所得税や住民税の納付額を少なくすることができるというものです。 社会保険上の扶養範囲は、厚生年金や健康保険に関わるもので、これは年収が130万円未満ならば、保険料を払わなくても、年金は国民年金の第3号として年金がもらえ、健康保険も配偶者の健康保険に加入できるというものです。 まとめると、扶養範囲内のパートで働くことには、以下のようなメリットがあり、空いた時間を使いながら家計の足しを得ることができます。 ・所得税を負担する必要がない・配偶者の税負担が抑えられ、手取りが増える・保険料を納めることなく、国民年金がもらえる・保険料を納めることなく、医療費が3割負担になる・配偶者の勤務先から扶養手当をもらえることもある パートから正社員に登用されることも多いため、子どもが高校や大学に入学し、子育てに時間がかからなくなったら正社員を目指すという働き方もあるでしょう。 派遣社員として働く 結婚を機に、派遣社員として働くという選択肢もあります。派遣社員としての働き方は、派遣会社の社員として働く「常用型派遣」と、派遣会社に登録しておき、派遣先が決まったら派遣会社と有期雇用契約を結ぶ「登録型派遣」があります。 女性に多いのは登録型派遣で、この場合は働く時間帯や休日、働く期間など働き方が細かく選べ、残業も断りやすいので、ライフスタイルを優先して働くことができます。登録型派遣の場合は、雇用期間は基本的に最長3年と期限があり、正社員に比べれば収入は低めになることが多いですが、パートやアルバイトよりは時給が高めに設定されているので、より家計の足しにできるでしょう。 正社員に比べると仕事の範囲も限られているため、「限られた範囲内で、責任の重くない、ストレスの少ない仕事がしたい」という方にもマッチしています。 好きなことや得意なことを活かしてフリーランスとして働く 結婚を機に、会社にとらわれず、好きなことや得意なことを活かして、フリーランスとして働く、個人事業主になるという道もあります。 今は在宅でも好きなことや得意なことを活かして、収入を得やすい環境が整っています。 たとえば、インターネット上で、企業が不特定多数に対して業務の募集を行うクラウドソーシングも発展し、クラウドソーシングサイトも多数あります。記事を書くという簡単なことから、デザインや経理など専門性を活かせる仕事まで幅広くありますので、フリーランスとしての仕事も見つけやすいでしょう。 ランサーズ株式会社が行った「フリーランス実態調査2021」では、副業を含む広義のフリーランス人口は1670万人と過去最高になり、フリーランス市場規模も28兆円と前年から10兆円も拡大しています。 また、フリーランス以外にも、SNSやyoutube、ブログなどを活用し、好きな分野で個人事業主として仕事をするという可能性もあります。 結婚を機に自分らしい働き方、自分のやりたいことや好きなことを活かす働き方を模索してみるのもよいでしょう。 正社員として働く また、少し休んで、もう一度正社員として働きたいと思ったときも、もちろん働き始めることはできます。 「少し休んで」の期間がどれくらいかにもよりますが、「結婚を機に辞めたけど、数ヶ月ゆっくりやすんで自由に過ごしたら、また働きたくなった」というような場合には問題なく転職することができます。 出産・育児を経て、子どもが少し大きくなってから復帰したい場合、「正社員としての再就職が難しくなる可能性がある」とは前述しましたが、企業が一般的に専業主婦に対して抱く懸念を払拭できるように準備しておくことで、正社員復帰する方もいらっしゃいます。 専業主婦期間が長くなり、パソコンや事務作業に不安な方は、派遣会社に登録してパソコンをブラッシュアップしたり、パートから始めてみるなど、計画的に進めてみるとよいでしょう。また、ハローワークには、子育てしながら働きたい女性を支援する「マザーズコーナー」を設置しているハローワークもあります。 ハローワークには地元の企業の求人も多いので、子育てや家事をしながらでも働きやすい、自宅から近くの求人を探すことができます。パソコン講習などのスキルアップだけでなく、応募書類の作成セミナーや面接対策セミナーも行っていますので、正社員を希望する場合には活用してみましょう。 結婚で仕事を辞めたいと思ったら さて、ここまで結婚で仕事を辞めるメリットやデメリット、そして結婚で仕事を辞めた後に考えられるキャリアについてご紹介してきました。最後に、後悔しない決断をするために大切な2つのことに触れておきたいと思います。 仕事と収入に対する考えを整理する 結婚すれば家族が増え、ライフスタイルも変わります。その時に、自分がどのようなライフスタイルを実現したいのか、どのような働き方をしたいのか、考えを整理してみましょう。 「仕事を辞めたい」と思うような今の業務、職場は楽しくもなければ、やりがいもないかもしれませんが、仕事はそれだけではありません。楽しく思える仕事や、やりがいが感じられる仕事、ストレスが少ない働き方の選択肢は他にもあります。 「仕事を辞めたい」だけでなく、「その先に何がしたいのか」「どんなライフスタイルを送りたいのか」まで思いを巡らせて考えてみましょう。 パートナーと話し合う 結婚は2人の問題ですので、自分が仕事を辞めて専業主婦になることはパートナーである夫にも大きく影響します。夫が「専業主婦になってほしい」と希望しているケースもあれば、「できれば働いてほしい」「仕事は続けてほしい」と仕事を続けることを希望するケースもあるでしょう。 意見が一致していれば問題ないのですが、もし夫が「できれば働いてほしい」と思っている場合にはパートナーとしっかり話し合うことが大切です。ここで「でも私は仕事は辞めたいから」ときちんと話し合わずに決めてしまうと、それがわだかまりになってしまい、後々何かのきっかけで言い争いのもとになる可能性もあります。 住宅購入や子どもの教育費など、家族のマネープランも視野にいれながら、お互いに納得できる選択を見つけていきましょう。 結婚で仕事を辞めたいと思った時は、働き方の可能性が広がるチャンスかもしれません。気持ちや考えを整理して、選択肢を見つけたい方は、ぜひキャリア・コンサルティング・ラボまでお気軽にご相談ください。

2021/06/03
人間関係・仕事に対する不安
仕事を辞めたい!ストレス限界なのに、辞める決心がつかない方へ

仕事を辞めたい!ストレス限界なのに、辞める決心がつかない方へ

どんな職場でも、どんな仕事でも、多少のストレスはあるものですが、ストレスが溜まっていくと次第に仕事を辞めたいという考えが大きくなっていきます。しかし本当に辞めたいし、ストレスも限界なのに、いざ辞めて転職するとなるとなかなか踏ん切りがつかない、辞める決心がつかないという方も多いのではないでしょうか。 仕事を辞めたい。でも「辞める」という決断がなかなかできない。そんなストレスフルな状況のときにはどうすればいいのか、キャリアコンサルタントの視点からまとめました。 見逃していませんか?ストレス限界のサイン ストレスが限界になると、心身ともに今までとは違う様々なサインが現れます。特に、次のような症状がある場合、うつの初期症状の可能性もありますので、転職よりもまずは休息を取り、心身の健康を回復することが先決となります。 ☑よく眠れない(なかなか寝付けない、早朝に目が覚めてしまう)☑食欲不振になる、または過食になる☑アルコールの量が増えた☑体重が大幅に増えた、または減った☑頭痛や吐き気がする☑疲れがとれない☑何をするにもやる気がおきない☑最近感情の起伏がなくなったと思う これらのうち、当てはまる項目が少ない場合、多くの項目に当てはまっても「どちらかと言えばそう思う」と症状が軽い場合は、まずは心身の健康を整えるためにストレス解消のために適度な運動を生活に取り入れたり、食生活を見直したりしてみましょう。キャリアのことを考えるのは、それからでも遅くはありません。 厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動基準2013」では、身体活動や運動が生活習慣病の罹患率や死亡率を低下させるとともに、気分転換やストレス解消につながり、メンタルヘルスの改善にも効果があるとしています。 軽い運動でも、ストレスを解消させるホルモンのセロトニンやエンドルフィンが分泌されますので、ウォーキングやストレッチなど手軽に始められそうなものから始めてみてはいかがでしょうか。 当てはまる項目が多い場合、もしくは当てはまる項目が少なくてもその症状がひどい場合には、有給休暇をとって休むことから考えてみましょう。また、症状が気になる場合は、心療内科などを受診することも検討しましょう。 有給休暇では回復しないような場合、もしくは有給休暇が取りにくくこのままでは休息をとることが難しい場合には、会社を辞めてゆっくり休み、リフレッシュすることも選択肢として考えてみてください。 辞めたいほど溜まってしまったストレスの原因は? ストレスは溜まっているけれども、まだ心身に影響が出るほどではないという方は、心身に影響が出る前に今の状況を改善することが望ましいといえます。 そのためにも今の状況を客観的に見直し「仕事を辞めたい」と思うほどに溜まってしまったストレスの原因はどこにあったのか、考えてみましょう。ストレスの原因によっては、転職をした方がいいケースもありますし、転職がベストな選択ではないケースもあります。どちらに当てはまるのか、確認してみましょう。 仕事の量が多く、残業が多い 繁忙期だけ忙しいのではなく、常に仕事の量が多く、慢性的に残業している…そのような状況が続くと、心身ともに疲れもストレスも溜まってしまいます。 問題が「仕事の量の多さ」だけであり、仕事内容や職場の人間関係などにはそれほど問題がないのであれば、思い切って上司に仕事の量が多いことを伝え、業務量を調整できないか、あるいは職場の人員を増やしてもらえないか確認してみましょう。 あなたが仕事の量に対してストレスを抱えていることを、上司が認識していないこともよくあります。状況が改善されないと、仕事を長く続けることは難しいと思っていることも伝えれば、真剣に受け止めてくれるはずです。たとえすぐにではなかったとしても、事態を改善する方向に向かっていくでしょう。 もしそのように訴えても真剣に受け止めず、対策を取らないような上司や職場、あるいはそもそもそのような訴えもできないような職場ならば、心身の健康を壊す前に転職したほうがよいかもしれません。 また、仕事の量が多いだけでなく他にも問題があったり、恒常的に仕事の量が多いことを問題視しないような社風(定時に仕事を終えることをよしとしないような社風)だったりする場合は、このまま会社に残っても状況が良くなる可能性は低いと言えます。この場合もやはり、早めに転職を真剣に考えたほうがよいでしょう。 給与が低い 給与に対する不満があっても、仕事内容や職場の人間関係に大きな不満がなければ、「まあ、なんとかなるし…」と最初は受け止めることができるでしょう。 しかしいつまでも低いままだと、将来への備えに対する不安も生まれてきます。また、異動などで仕事内容や職場が変わり、仕事内容や職場の人間関係への不満を持つような環境に変わると、「このストレスにこの給与じゃ、やってられない」と思うようになることもあるかもしれません。 給与が低いことに対してずっと不満だったのか、それとも社内での環境が変わって給与に対する考え方も変わったのか、いずれにしても、給与体系は組織として決まっているので個人で働きかけて改善できるようなものではありません。 厚生労働省の調査によると、転職して年収が上がった人は全体の4割だそうです。転職で確実に年収アップするとはいえませんが、年収アップを実現するのはそう難しくありません。給与への不満がストレスの原因ならば、給与に不満を転職の可能性が広がりやすい20代、30代前半のうちに転職したほうがよいでしょう。 職場の人間関係がうまくいっていない 一般的に、ストレスの原因の第一位が人間関係によるものだといわれています。少し前の調査になりますが、総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社が2016年に行った勤務先で感じるストレスについて行った調査では、職場でのストレスを感じている原因の第一位が、男女ともに「上司との人間関係」でした。 「同僚との人間関係」や「部下との人間関係」という回答も多く、職場の人間関係がストレスに大きく影響していることがわかります。 しかし、人間関係は自分が変わることで今の職場の人間関係を改善できる可能性も高く、また転職したとしてもその転職先での人間関係が今よりもよくなるとは限りません。さらに、人間関係はどのような職場でも避けられないことから、ある程度の対処法を身につけていくことも必要です。 もちろんストレスで耐えきれない時には、心身の健康を損ねる前に退職し、転職したほうがいいのですが、その前にできることがないかもう一度考えてみてはいかがでしょうか。 こちらのコラムでは、特に上司のとの人間関係がストレスで辞めたいと思う時の対処法をご紹介しています。よろしければぜひご覧ください。 https://career-lab.biz/column/yametai_201226/ 仕事がうまくいかない、評価されない 仕事がうまくいかない、または自分ではがんばっているのに評価されないのも職場でのストレスの原因となります。仕事がうまくいかないといっても、その原因は状況によって異なり、 ・仕事が合わない。・そもそも仕事が「無茶ぶり」で、前提条件に無理がある。・仕事に必要な情報を周囲が伝えていない。・関係者と必要なコミュニケーションが取れていない。・やり方が間違っている。・ミスが多い。・経験が不足している。 などが考えられます。このうち、「仕事が合わない」のであれば、適性のある業務に異動希望をだすか、転職することを考えたほうがよいかもしれません。 また、仕事の無茶ぶりが常態化していたり、仕事に必要な情報を上司や周囲が伝えない・教えないような環境であり、それを改善するのは難しいようであれば、これも転職を考えたほうが賢明でしょう。 しかし、それ以外の原因であれば今の職場でまだできることがあり、それを試して身につけることが、自分のスキルを磨くことにも繋がります。 「仕事がうまくいかない」からといって転職しても、転職先での仕事がうまくいくとは限りません。むしろ、同じような仕事内容への転職であっても、新しい会社のルールや仕事の進め方を1から覚えることから始まりますので、環境に慣れて成果を出せるようになるまで少し時間も必要です。 なぜ今の仕事がうまくいかないのか、どうすれば状況を改善できるのか、考えがまとまらない場合はぜひ、キャリア・コンサルティング・ラボにご相談ください。キャリアコンサルタントが、現状を整理し、改善策を自分で見つけるためのサポートをさせていただきます。 会社を辞めたいのに迷ってしまう原因は? さて、ストレスの原因別に転職を考えたほうがいいのか、今の職場で状況を改善することを模索したほうがいいのかをご紹介させていただきましたが、転職を検討したほうがいいケースであったり、本当に辞めたいと思っていても、いざ辞めるとなると躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。 仕事は辞めたいけれど、転職にも踏み切れない…そんなときはその「辞めたいのに迷ってしまう原因」を整理してみましょう。 次にやりたいことがわからない 転職活動では、面接で必ず「志望動機」を聞かれます。何がやりたくてこの求人に応募したのか、自分の「やりたいこと」を前向きに語らなけれ[ばなりません。 それは転職活動では避けては通れない道だからこそ、「次にやりたいことがわからない」(面接でどう答えていいかわからない)という理由から、転職に踏み切れない方も多くいらっしゃいます。「自分は本当は何がやりたいのか?」という問いに答えを見つけるのは、実はとても難しいのです。 「やりたいこと」は自分で興味を持てること、これをやってみたいと思う情報に出会わないとなかなか見つからないものなので、その情報を探すためにもまずは転職情報サイトに登録し、自分のキャリアや希望条件に合う具体的な求人を検索してみてはいかがでしょうか。1つ1つの求人やその企業情報を見ながら、興味を持てる求人があればその内容を調べ、それを自分の「やりたいこと」としてまとめてみましょう。 また、転職が前提であれば転職エージェントに登録して相談してみることで、「これをやってみたい」と思える求人に出会える可能性もあります。 さらに、「やりたいこと」ではなく「こういう環境で働きたい」という働く環境を優先して求人検索を行い、その希望にマッチする求人に合う志望動機を後付けで考えていくのもアリです。 「次にやりたいことがわからない」のは、今自分が持っている情報が足りないせいかもしれません。そんなときこそ、行動を起こして情報を取りにいってみましょう。 転職がうまくいくか不安 これといって特別なスキルや業績があるわけではないから、転職がうまくいくか不安という方も多くいらっしゃいます。しかし転職に成功しているのは、優秀な人や業績を上げている人だけではありません。企業も、「優秀な人」ではなく普通に仕事をちゃんと真面目にやってくれる人を求めていることも、とても多いのです。 また、転職先でうまくやれるかどうかという不安もあるかと思いますが、これは事前の情報収集をきちんと行い、転職先を選ぶことでそのリスクを少なくすることはできます。 それでもなかなか不安は消えないかと思いますが、そんな時は転職エージェントをうまく活用しましょう。転職エージェントでは今の経験でどんな選択肢があるか、そしてその企業はどんな企業か、情報を提供してくれます。上手に活用すれば、ネットでは検索しきれない情報収集を効率的に行うことできるでしょう。 ただ、転職エージェントによっては「あなたの気持ちや希望に合う企業」ではなく、「あなたが転職できる企業」を勧めるケースもありますので、その点は賢く距離をとってエージェントと付き合うことが大切です。 ストレスはあるが、手放しがたいものもある 転職への迷いの原因が、転職に対する不安ではなく、「そうはいっても、今の環境を手放すのは惜しい」という方もいらっしゃいます。 ・ストレスは多いけれど、給与や福利厚生などの待遇はよい。・人間関係はよくないが、仕事内容は希望通りでやりがいがある。・仕事内容には不満があるが、職場の人間関係もよく、待遇にも不満はない。・転職はしたいが、求人を検索してみると今の条件よりもよいものが見つからない。 といった具合です。 このような場合は、「自分にとって仕事を続ける上で、本当に一番大事なものは何か?」を落ち着いて考えてみるとよいかもしれません。仕事や働く環境に対する自分の価値観を改めて整理してみることで、今「手放しがたい」と思っているものに対して、実は「それほど重要ではないかも」と執着する気持ちがなくなって転職に前向きになれたり、自分自身で納得して「やっぱり転職しないほうがいい」という結論にたどり着いたりできます。 キャリア・コンサルティング・ラボを活用して、その答えを見つけた方もいらっしゃいます。もし考えがうまくまとまらない場合は、ぜひキャリア・コンサルティング・ラボをご活用ください。 家族に反対される 家族に反対されて転職を踏みとどまる方は多くいらっしゃいます。なかには、転職先から内定がでた段階で家族に話し、猛反対されて泣く泣く内定を断るというケースも。 特に、今の会社が大企業であったり、報酬がよかったりする場合、家族も今ある環境を変えたくないという思いからこの傾向が強くなり、奥様から転職を反対されることを「嫁ブロック」という言葉さえあるほどです。 家族の性格を熟知しているからこそ、理解してもらうことの難しさもわかってしまい、それが転職を躊躇う理由になっているかもしれません。「家族に反対されるから、今の会社でがんばろう」と気持ちが切り替えられるならそれもいいのですが、「本当は辞めたいのに…」と辞めたい気持ちが強いならば、その状態でこの後何十年も今の会社で働くことは心身の健康にとってもあまりよいことではないでしょう。 家族に反対されるのはわかっているけれど、でもどうしても辞めたいならば、きちんとコミュニケーションをとっていくことで、家族の理解を得られる可能性はあります。 こちらのコラムでは、転職したい気持ちを理解してもらうためのコミュニケーションのポイントをまとめていますので、よかったら参考にしてみてください。 https://career-lab.biz/column/%e5%ab%81%e3%83%96%e3%83%ad%e3%83%83%e3%82%af%e2%81%89%e8%bb%a2%e8%81%b7%e3%81%ab%e5%8f%8d%e5%af%be%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84%e5%a6%bb%e3%81%a8%e3%81%ae%e5%90%91%e3%81%8d%e5%90%88%e3%81%84/ 辞めたいのになかなか踏ん切りがつかない、その状況は人によって様々な要因があるかと思いますが、「そもそも辞めたい原因は何なのか?」「踏み切れない理由は何なのか?」を冷静に整理することで、自分の本心が本当に求めているものが見えてきます。 ストレスにイライラしたり、モヤモヤしたりするときこそ、落ち着いてその根っこににある原因に目を向けてみましょう。

2021/05/29
人間関係・仕事に対する不安
仕事ができない…将来への不安で落ち込むときの乗り切り方

仕事ができない…将来への不安で落ち込むときの乗り切り方

仕事のミスや上司から叱られることが続いたとき、仕事がよくできる同僚や後輩と比べたときに、「仕事ができない…」「うまくいかない…」と気持ちがふさぎ込んでしまうことは誰にでもあります。しかしそれが何度か続くと、「この先、自分はやっていけるのだろうか」と将来への不安でいっぱいになってしまうことも。 落ち込んだ気持ちのままでは、あなたの良さや強みまで発揮されなくなってしまいます。仕事に対する不安は、このように考えて乗り切ってみませんか。 なぜ仕事ができないのか?その理由を考えてみる まずは、自分は仕事がなぜできないのか、あるいはできないと思ってしまうのか、その理由や今の状況を客観的に捉えてみましょう。その理由がわかれば、対処法や改善策も見えてきます。 以下に、一般的に仕事がうまくいかない原因とその対策法をご紹介します。自分の場合は何が当てはまるのか、考えてみましょう。 段取りを考えるのが苦手 仕事は段取り8割といわれています。仕事での「段取り」とは、仕事がうまく進むように手順や流れを事前に考えておくことで、どんな業務でも必要とされます。 「段取り」とは大まかにいえば ・業務の目的にそって、必要な業務を洗い出す・必要な納期までのスケジュールを立てる ことにつきます。 仕事に取り組む前に必要な業務を洗い出し、納期までのスケジュールを立て、「次に必要な業務は何か?」「業務の漏れや抜けはないか?」「この後の業務に必要な準備は何か?」をチェックし、それを上司に確認しながら進めれば、仕事はスムーズになります。 そのため、段取りが苦手だと、必要なことができていなかったり、業務の漏れや抜けがあったりして、「仕事ができない」という評価になってしまうのです。 この段取りが苦手な理由としては ・必要な業務がわからない・スケジュールが立てられない・必要な業務の抜けや漏れがある ということが多いように見受けられます。 しかし、このような場合はいずれも、上司や先輩社員に必要な業務やスケジュール、業務の抜けや漏れがないかを確認してもらう習慣をつけることで、段取りを考える力が磨かれていきます。 また定型業務などは、チェックリストを作成したり、マニュアル化したりすることでもカバーできるので、段取りを考えることに苦手意識がある場合はぜひ試してみてください。 同じミスを繰り返してしまう 得意な業務だけできればよいのですが、仕事ではそうもいきません。人によっては、「どうしても苦手な業務」も担当することになり、それで何度も同じようなミスを繰り返してしまうということもあります。 この場合は、ミスを繰り返してしまう業務について「なぜミスが発生してしまうのか」「どこでミスが発生してしまうのか」という視点から分析してみましょう。その結果から、 ・そもそもミスが発生しやすい複雑な業務フローであれば、業務フローそのものの見直す。・ミスが発生しやすいポイントをチェック項目にして、毎回チェックできるようにする。 などの対策をとっていきましょう。 何をすればいいのかわからず、指示待ちになってしまう 仕事では、必要な業務を自分で考えて進めていくことが求められます。会社や上司は、言われたことだけでなく、業務改善や新たなことを自分で考え、提案し、取り組んでほしいと期待しているでしょう。 しかし、そのようなことが得意な方ばかりではありません。次のような理由から、なかなか自分から動けない方もいらっしゃいます。 ・「どうするのがいいのか?」を考えるのが苦手。・優柔不断でどうしていいか、自分では決められない。・自分に自信がないので、意見を言えない。・知識不足で次に何をしていいかわからない。・上司や先輩など周囲に対して気を使ってしまい、質問ができない。・仕事にやりがいを感じていないので、「これをやったほうがいい」とか思い付かない。・仕事を増やしたくないから、余計なことをやりたくない。・自分の役割がよくわからない。・臨機応変に対応するのが得意ではない。 いずれにしても、もし「指示待ちな自分を変えたい」という思いがあるならば、自分の仕事のやり方や考え方、周りの状況を整理して、必要なアクションをとることで改善していくことができます。キャリア・コンサルティング・ラボでは、そのような仕事の質を改善するための相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。 また、なかにはそれが自分の性質なので、なかなか根本から変えることが難しいという方もいらっしゃるでしょう。指示通りにきちんとミスなく業務ができるならば、それもとても大事なスキルです。「言われたことはきちんとできる」ことに自信を持ち、できることを増やしていきましょう。 やる気がでない、モチベーションが低い 「やる気がない」「モチベーションが低い」には様々な原因があります。 ・仕事の成果がでない。・上司との人間関係が良くない。上司と合わない。・仕事が向いていない。・仕事の業務量が多く、休みが少ない。・同僚や職場の人とうまくいかない。・クライアントや外注先など、社外関係者とのコミュニケーションが難しい、トラブルが多い。 など、原因によって対処法が変わってきますので、やる気がでないときには、「なぜ自分はそんなにやる気がでないのか」を客観的に分析してみましょう。 やる気がでない仕事でも成果が出せる人は、そう多くありません。しかし、やる気が満タンにならなくても、少なくともマイナスな状態から抜け出せれば、状況は改善していきます。やる気が満タンで、モチベーションが高い状態ではなく、まずはマイナスではないニュートラルな状態を目指し、気持ちのあり方を整えていきましょう。 キャリア・コンサルティング・ラボでは、キャリアに関する全般の相談を承っていますので、このような「なんとなくやる気がでない」という現状を整理し、仕事に対してどのように向き合っていけばいいかを考えるサポートもしています。 もし、自分だけではなかなか考えがまとまらない場合には、ぜひプロのサポートを活用してみてください。 上司への報連相が苦手、報連相をあまりしない 会社という組織で働いている以上、今のあなたの仕事の評価をするのは、良くも悪くも会社であり上司です。そのため、適切なタイミングで上司に確認や報告をしなければ、仕事の成果が上司や会社が求めているものではないものになってしまいかねません。 「仕事では、報連相(報告・連絡・相談)が大切」といわれる理由はそこにあるのですが、仕事ができない方はこの「報連相」が苦手だったり、「自分が報連相をすればいいと思っているタイミング」と「上司が必要だと思っているタイミング」がズレていたりすることが多くあります。 もし、自分のアウトプットに対し、上司からの修正やネガティブなフィードバックが多い場合は、報連相が適切なタイミングで行われていない可能性が高いです。 上司と一度話し合い、プロセスのどの段階で何を確認するのが望ましいのか、仕事の成果をあげるために必要な報連相のタイミングについて確認してみてはいかがでしょうか。 他責傾向が強すぎる、または自責傾向が強すぎる どんな仕事でもうまくいかなかったり、誰でもミスをしてしまったりすることがあります。その時に、いつも他人や環境のせいにしてしまってはいませんか? または、どんなときも「自分が悪かった」「これは全て私のせい」と自分のせいにしてしまってはいませんか? 仕事がうまくいかないときには、「環境が悪かった」「上司の伝え方がよくなかった」など、自分ではどうにもならないケースと、自分が行動を改善することでうまくケースがあります。 他人や環境のせいにする他責傾向が強すぎると、「自分が行動を改善する必要があったケース」を見逃してしまい、仕事の質を高め、成長するチャンスを失ってしまいます。そして自分のせいにする自責傾向が強すぎると、「何でも私が悪い」と自己肯定感が低くなってしまい、これも仕事の質を高め、成長するチャンスを失うことになります。 仕事がうまくいかない、ミスが発生するときには、それぞれの原因があります。いつも他人や環境のせいにしたり、なんでも「自分が悪かった」と考えるのではなく、「これはなぜ発生してしまったのか?」と冷静に、客観的に状況を捉える視点を持つよう心がけましょう。 うまくいかない原因を適切に理解できるようになると、それが次に発生しないように改善をすることができます。それが「仕事ができない」状況を改善していくことにもつながるでしょう。 つい自分に甘くなってしまい、決めたことができない 中には、段取りを考えたり業務を整理したりすることはできるけれども、ついつい自分に甘くなってしまい、「決めたことがなかなかできない」「締切が守れない」という方もいらっしゃいます。 仕事の出来が悪かったり、ミスがあったりするわけではないけれど、「ついつい…」と自分に甘くなってしまうがゆえに、成果がでない、周囲に迷惑がかかっているタイプです。 「決めたことをきちんとやる」と、意識さえ変われば改善できるのがこのタイプなのですが、つい自分に甘くなってしまう意識を変えるというのはもしかしたら一番難しいかもしれません。 「仕事ができない」と思い込んでしまっている 自己肯定感が低かったり、思考がネガティブになりがちな傾向があったりすると、客観的にみれば仕事ができないわけでは決してないにも関わらず、「自分は仕事ができない」と思い込んでしまっていることもあります。 上司や周囲のちょっとした一言を、その言葉を発した本人が全く意図していない意味で受け止めてしまって落ち込んでしまったり、ものすごく優秀な同僚や後輩と比べて「仕事ができない」と思ってしまったり…といった具合です。 ただ、このケースに当てはまるのかどうなのか、自分では判断するのは極めて難しいです。もし上司が相談できるような相手ならば、「仕事ができない」と思う状況を共有し、どうしたら仕事がうまくいくか相談してみてはいかがでしょうか。あなたが思っているほど、仕事ができないわけではないならば、上司はそのようなフィードバックをするでしょう。 キャリア・コンサルティング・ラボでも、お話を丁寧にお伺いし、仕事がうまくいかない理由がこれまでに挙げた理由のどれに当てはまるのかを分析したうえで、現状を変えるためにそうすればいいのか、アクションプランを立てるサポートをしています。上司にこのような内容を相談するのが難しい場合には、ぜひ活用してみてください。 「仕事ができない不安」を解消する方法 仕事ができない…と思ってしまうと、この先自分はやっていけるのか、仕事や収入に対する不安が尽きなくなってしまうかもしれません。そのように将来に対し、恐怖や緊張、不安を感じて脳内からノルアドレナリンが分泌されると、意欲や集中力が低下するといわれています。 意欲や集中力が低下した状態で仕事に取り組んでも、成果を上げることは難しいですから、不安を感じることでますます「仕事ができない」状態に陥ってしまう、悪循環になってしまいます。 不安の原因である「仕事ができないと思う理由」がわかり、対処法がみえて、行動を起こすことができれば、自分も状況も変わっていきます。 そこで、ここまで紹介させていただいた「仕事ができないと思う理由別の対処法」の他に、どんな状況でも共通する「行動の起こし方」も紹介させていただきます。 苦手なこと、得意なことを整理する 誰にでも苦手なことがあり、得意なこと(好きなこと)があります。まずはそれを整理し、得意なこと(好きなこと、苦にならないこと)に磨きをかけていくようにしましょう。 例えば、「定型業務をミスなくこなすことならスムーズにできる」「接客は好き」など、自分のなかでなにか「これなら…」という業務はありませんか。もし1つでも「これなら…」というものがあれば、そのスキルを高めるにはどうすればいいのか、考えてみましょう。 この苦手なこと、得意なこと(好きなこと、苦にならないこと)は、「他人と比べて、人よりできるかどうか」ではなく、自分のなかで「他の業務より好きで、よくできるかどうか」で整理してください。 「自分には得意なことなんてない」と思う方は、他人と比べてしまっている方が多くいらっしゃいます。しかし、ここで大切なのは「他人よりもうまくできること、評価を得ること」ではなく、「自分はこれができる」「これなら得意」というものを1つでも持って、自分に自信をつけることです。 どんなに小さなことでも1つでも自信が持てることがあれば、それを1つ1つ増やしていくことで、できることが増え、仕事への自信がでて、それが他の業務にもいい影響をもたらしていきます。 この「自分の得意なことを見つけ、それを磨いていくにはどうしたらいいか」を考えることも「キャリアプラン」です。キャリア・コンサルティング・ラボではそれを見つけていくサポートもしていますので、自分の苦手なことはわかっても、得意なことが何かわからない方、得意なことを磨くために何をどうすればいいのかわからない方は、ぜひお気軽にご相談ください。 、 仕事に対する自分の考えを整理する 今は変化が激しく、先が見えにくい「VUCAな時代」といわれています。そのうえ、自分がどう生きたくて、何がしたいのか自分の行き先がわからないと、将来に対する不安はますます大きくなります。「この先、やっていけるのだろうか」という将来への不安は、このように自分自身、仕事に対しての考え方があまりはっきりしていないことにも一因があります。 自分はどんな生き方をしたいのか。そしてそのために、どんな仕事をして、どんな働き方をして、いくらぐらいの収入が必要なのか。自分の人生で大切にしたいものを軸にしながら、どんな生き方、働き方、仕事をしたいのか、考えを整理してみましょう。 こうした「どんな生き方、働き方、仕事をしたいのか」を考えることも、キャリアプランです。キャリアプランというと、「どうやってキャリアアップしていくか?」を考えるものとイメージされがちですが、キャリアプランは「どんな生き方、働き方、仕事をしたいか?」を考えるもの。自分らしく生き、働くのはどういう状態かを考えて、それを実現するための行動計画を立てるのもキャリアプランなのです。 本来の意味でのキャリアプランを考えることで、「将来の不安」は、「自分が目指したい生き方や働き方を実現するために、今何をしたらよいのか」という「行動計画」に変わっていきます。不安になった時こそ、しっかり立ち止まって、仕事に対する考えを整理してみましょう。 健康的な食事と適度な運動、睡眠をとる 最後に、仕事ができない…と気分が落ち込んでしまう時、将来に対する不安がいっぱいな時にとても大切なことを。 そんなときこそ、健康的な食生活を心がけ、適度な運動と睡眠を取ることにまずは意識を集中してみましょう。 いろんな不安で頭がいっぱいになると、「それどころではなくなってしまう」のが食事であり、運動であり、睡眠です。しかし、栄養不足、運動不足、睡眠不足はさらに精神的・肉体的な悪影響をもたらします。もしできるならば、将来が不安なときこそ、目の前の夕食をきちんとバランスよく食べることや、練る前に数分ストレッチをすることに意識を向けてみてください。 不安やストレスは脳で感じるものですが、脳は栄養でコントロールされているので、日々の食生活や栄養を改善することで不安やストレスも改善するといわれています。また、運動により脳の血流がよくなり、脳が活性化され、心に安らぎをもたらすセロトニンなどの神経伝達物質が脳内に増えることも分かっています。 将来が不安でふさぎ込んでしまうときこそ、生活を見直し、より気持ちが整った状態で仕事ができるようにしていくことも考えていきましょう。 不安が少しずつでも解消し、仕事に対してネガティブな気持ちがなくなっていけば、周囲の人とのコミュニケーションや仕事での成果が変わっていきます。まずは小さなことでも自分のなかでできることを1つずつ増やしていくことを目指して、仕事に向き合ってみましょう。

2021/05/26
人間関係・仕事に対する不安
新卒入社した会社に後悔が止まらない時の対処法

新卒入社した会社に後悔が止まらない時の対処法

新卒で入社しだけど、こんなはずじゃなかったと後悔している…。そう思う方は少なくないようです。2018年に株式会社レバレジーズが発表した、新卒で入社した就職先に関する意識調査によると、「入社を後悔している」と回答が59.8%でした。この調査ではなんと6割もの方が、入社を後悔していることが明らかになったのです。 インターンを経験してから就職する方も増えてはきましたが、多くの場合、新卒採用情報が公開されてから、入社の意思決定をするまでは数ヶ月しかありません。企業との接点も説明会と面接の数回だけという時間のなかで、企業のことを十分に知るのは難しいため、「思っていたのと違っていた」というのはわりとよくある話です。 また、企業が説明会や面接のときにはいいことばかり言っていたけれど、入社してみたら内情は違っている、という状況もあるでしょう。 もし今、「こんな会社、入社するんじゃなかった…」と後悔しているのなら、これからに向けて、こう考えてみませんか。 772

2021/05/17
人間関係・仕事に対する不安
ミスが多いから仕事を辞めたい…逃げ出したくなった時の対処法

ミスが多いから仕事を辞めたい…逃げ出したくなった時の対処法

仕事でミスが重なり、落ち込んでしまうことは誰にでもあります。しかし、それが続いたり、多くなったりするうちに、周囲からの評価や視線が気になって、仕事のモチベーションも下がり、「仕事を辞めたい」と思うようになってしまうこともあるでしょう。 現状から逃げ出したい…そんな「今」を改善するための対処法を、キャリアコンサルタントの視点からお伝えしたいと思います。 仕事でミスが多い人によくある原因 仕事でミスが多いことを改善するには、「なぜミスが多くなってしまうのか」、その原因を自分で認識する必要があります。 ここに一般的に、「仕事でミスが多い人によくある原因」を7つリストアップしました。自分はどれに当てはまるのか、まずは現状を客観的に捉えてみましょう。 1. 仕事内容が理解できてない 今の業務についてまだ年数が浅い、経験が少ないことがミスの原因になっていることはよくあります。 社会人歴がまだ浅い方、異動してまだ業務経験が少ない方、転職して新しい会社のやり方になれていない方が該当します。 よく職場では「わからないことがあったら聞いて」と言われますが、仕事内容の全容や、「なぜこの仕事をするのか?」という業務の目的や背景がよくわからないので、 「何がわかっていないのか、わからない」「わかっていないことに、気づかない」 ために、ミスが発生してしまいます。わからないことを「わからない」と聞ければミスは減らせますが、多くの場合は「どこで質問すればよかったのかさえも、わからない」状況でしょう。 新しい業務や経験が少ない業務について誰もが多かれ少なかれ直面する問題ですが、一般的にはこの状況は業務経験が長くなれば、一般的には徐々に改善していきますので、それほど苦にしなくても大丈夫です。 もし業務経験は1年以上あるのに、仕事内容が理解できていないということであれば、なぜ理解ができていないのか、まずはその原因から真剣に考えたほうがよいでしょう。 2. 仕事に集中できる環境が整ってない 仕事に集中できないと、ミスは発生しやすくなりますが、「仕事でミスが発生しやすい、集中できない環境」があります。 ・書類が多くて机の上が乱雑している。・パソコンのファイルの整理がされていなくて、必要なファイルが見つけにくい。・会議が多くて集中して自分の業務に取り組む時間がとれない。 このような、集中力に悪影響がある状況に思い当たることはありませんか。その場合、集中できる環境が整えば、ミスが減る可能性があります。自分の環境を見直して整えてみましょう。 3. 会社や上司、先輩社員の教育体制に問題がある また、ミスが多い原因が会社や上司、先輩社員などにあることもあります。それが以下のようなケースです。 ・上司や先輩社員の指示が曖昧でわかりにくい。・そもそも業務に必要なことをきちんと教えていない。・わからないことを聞いても、「今忙しい」「見て覚えて」などで教えてくれない。・質問をしたときの対応が威圧的なので、質問がしにくい。・いつも忙しそうで質問したくても質問できない。・マニュアルやチェックリストがないので、ミスが発生しやすい体制になっている。 こうしたなかには、「質問したいけど、質問できない」ならば、上司とのコミュニケーションの取り方を工夫する、「マニュアルやチェックリストがない」ならば、自分で作成するなど対応できるものもあります。 しかし、ミスを他人のせいにすることは好ましくはないとはいえ、会社や上司、先輩社員など職場の教育体制に問題があると、なかなか個人で状況を改善をするのが難しくなります。 4. スケジュール管理やタスク管理ができていない スケジュール管理やタスク管理が苦手な場合、それがミスの原因になっていることもあります。 特に、業務が多い状況で、スケジュール管理とタスク管理がうまくできないと、マルチタスクで「言われたことからやる」「気が付いたことからやる」ような状態になってしまうことも多くなります。そうなると、1つの業務に集中できず、業務を体系的に捉える視点が薄れてしまうので、業務の漏れが発生し、ミスにつながりやすくなってしまいます。 5. 疑問点をそのままにしている 仕事の疑問点をそのままにしてしまうことも、ミスの原因になります。 「あれ?これでよかったんだっけ?よくわからないけど、今上司は忙しそうだし、これでいいや」「何でこうなっているんだろう?ちょっと気になるけど、このままでいいか」 など、なんとなく業務を流してしまっていることはありませんか? 仕事に関する疑問点をそのままにしておくと、仕事に対する理解がいつまでも深まりません。そうなると、表面的な業務理解で仕事を進めることになり、それがミスの原因になってしまうのです。 6. 仕事が合わない ミスが多い原因には、「仕事が合わない(適性がない)」という原因もあります。例えば、「数字を扱うのが苦手なのに、営業管理や経理関連の仕事をしている」「対人折衝が得意ではないのに、営業している」というケースです。 合わない仕事をするのは、なかなか気が進まず、モチベーションもあがらないのは致し方ないことです。しかし、ネガティブな気持ちで仕事に取り組むと、集中力も下がり、それが結果的にミスの原因となってしまいます。 この場合は、自分に合う仕事への転職を検討したほうがよいかもしれません。 7. 心配事がある、疲れている 仕事やプライベートで何か心配事があり、それで頭がいっぱいになっていたり、心身ともに疲れているときには、集中力は大きく下がりますので、ミスも発生しやすくなります。 仕事上で心配事があるときには、その原因を解消できるように動いてみましょう。その心配事を解消するために何をすればよいのかわからないときには、周囲に思い切って相談してみてください。 また、プライベートでの心配事があるときには、気になるものではありますが、業務時間中はその心配事を解消するためのアクションができるわけではありません。できる限り、目の前のことに集中するよう心がけましょう。 そして心身共に疲れているときには、休息が必要です。定時で帰ってゆっくり休むようにするだけではなく、状況によってはもう少し長い期間休む必要があることもありますので、自分の不調をおろそかにしないようにしてください。 仕事のミスを減らすための対処法 ミスが多い原因がどこにあるのか見当がついたら、ミスを減らすための対処法も見えてきます。「仕事を辞めたい」と思うくらい、現状が嫌になってしまっているかもしれませんが、ミスが多いことが原因であるならば、「転職すること」はベストな解決策ではありません。 ミスを減らし、自分自身の仕事の質が高められるように、以下の対処法を試してみましょう。 メモを取る まだ業務について経験が浅いがゆえに、ミスが多くなってしまう場合には、仕事内容を理解することがミスを減らすことにつながります。 「仕事内容への理解が足りていない」という認識がないこともあるかもしれませんが、業務経験が浅いうちでのミスの多さは、「作業手順をメモする」「業務のポイントをメモする」ことで減らすことができます。 最近は、メモもデジタル化し、「紙に書く」ことに馴染みがない方も多いかもしれませんが、ミスを減らすことが目的であれば、「メモ帳にメモを取る」ことをおすすめします。 手書きする間に自分なりにその内容を理解したり要約する作業が発生するため、手書きのほうが脳を刺激することは専門家からも指摘されており、アメリカのプリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の共同研究では、「講義のときに手書きでノートをとる生徒は、パソコンでノートをとる生徒よりも記憶が定着しやすく成績もよい」ということが判明しています。 「仕事内容が理解できていない」ケースは、メモを取ることで理解が進み、状況の改善が期待できますので、ぜひ試してみてください。 気になったら先輩社員や上司に聞く 「わからないことがあったら、先輩社員や上司に確認を」ということは、よく言われていることではありますが、一方でよく聞くのも「仕事で『わからないこと』がわからない」という声です。 ミスを防ぐには、「あれ?これでよかったんだっけ?」と何かが気になった時点で確認することがとても重要です。業務で気になることがあったら、遠慮なく先輩社員や上司に確認するようにしましょう。 その際は、何度も同じことを確認しなくても済むように、しっかりメモを取ることも忘れないようにしてください。 先輩社員や上司が忙しくしていると、声をかけにくいと感じてしまう方も少なくないようですが、確認せずに業務を進めてミスをするよりも、確認をしてミスなく業務を遂行するほうが周囲にとっても望ましいことなので、遠慮なく確認しましょう。 ただ、細々と何度も確認をするのは、その都度仕事が中断してしまいお互いに非効率的なので、確認事項が多くなりそうなときにはまとめて確認するようにするのがおすすめです。 ミスをしやすい業務のマニュアルやチェックリストをつくる 「仕事内容が理解できていない」「マニュアルやチェックリストがない」ときには、ミスをしやすい業務のマニュアルやチェックリストを作成するのも効果的な方法です。 自分で作成し、それを先輩社員や上司にチェックしてもらい、「そのマニュアルやチェックリストを確認して業務を行えば、ミスは発生しない」ものをつくりましょう。 そのマニュアルやチェックリストを作るプロセスでも、業務理解を深めることができるので、一石二鳥です。 マニュアルやチェックリストをみなくても、ミスなく業務ができるようになるまではそれを活用することで、ミスもなくなり、自分自身のスキルアップにも繋がるはずです。 集中力の高い午前中を活用する 今まで、1日の時間のなんとなく過ごしてはいませんか。ミスが多い状況が続いたら、ぜひ時間の使い方から見直してみましょう。 よく言われるように、午前中はドーパミンやアドレナリンなどの神経伝達物質が多く分泌されるので、集中力が向上します。 大事な仕事や、集中力が必要な仕事、そしてミスが多くなってしまうような業務は、午前中に取り組むようにスケジュール管理・タスク管理を行いましょう。 休息をとる 心身ともに疲労がたまり、それがミスの原因になっている場合には、何よりもまず休息を取ることが大切です。バランスのよい食事、適度な運動、適切な睡眠を取るようにしましょう。 「業務が多くて最近疲れが抜けない」という一時的に疲労が溜まっている方も、「なんとなくいつもだるい」という慢性疲労の方も、食事を変えることで疲れがとれやすくなります。たんぱく質、ビタミンB1、ビタミンD、カルシウム、アスパラギン酸、亜鉛を含む食材を取るように心がけてみてください。気軽に摂取できるものでは、豆腐や納豆などの大豆製品、もやし、肉、玄米などがおすすめです。 またストレッチやヨガなど、家の中でできる簡単な運動でも、疲労回復には効果が期待できます。きちんと食べて、軽く体を動かし、しっかり睡眠をとる生活を心がけると、疲労も回復でき、集中力も高まってきます。 食事管理や適度な運動が難しい場合には、瞑想を試してみましょう。瞑想は、どこでも簡単にでき、5分行うだけでも脳の疲れをとり集中力を高める効果があります。瞑想のやり方については関連書籍も多く、ネットでも多くの情報を検索できますので、興味がある方は調べてみてください。 疲れがたまると集中力が減少するだけでなく、思考もネガティブになりがちで、それが心配事につながることもあります。「疲れているな」「最近、気持ちに余裕がないな」と感じたら、無理せずしっかり休みましょう。 「ミスが多い」で転職を検討したほうがいいケース 一方、なかには転職を検討したほうがいいケースもあります。ミスを環境や他人のせいにすることは好ましいことではありませんが、「これはどうしようもない」というケースです。 以下のような状況に当てはまる場合には、転職も視野にいれたほうがよいかもしれません。 教育体制が整っていない 会社や職場の社風として、「そもそも業務に必要なことをきちんと教えない」「人を育てるという意識や余裕がない」という環境もあります。 そのような職場でミスを改善し、業務を身につけていくには、かなりの自立性が求められ、それは人によって向き不向きがあります。ミスが多いだけが原因ではなく、「この会社ではやっていけない」と感じたら、転職を考えたほうがよいでしょう。 仕事が合わない 思うような成果が出せなかったり、先輩社員や上司に叱られてばかりだったり、そもそもやりがいも成長も感じられなかったり…と、「この仕事は、自分に向いていない」と思う原因はいくつか考えられます。 「思うような成果がだせない」「周囲に叱られることが多い」ということならば、ミスを減らす対処法を実践し、少しずつ結果がではじめることで、状況は改善していくでしょう。しかし、「そもそもやりがいも成長も感じられない」ということであれば、自分の適性に合い、前向きに取り組める環境へ転職することを検討してもよいかもしれません。 但し、転職の際には「では、どのような仕事が自分に向いているのか?」「自分はどんな仕事がやりたいのか?」というキャリアプランをしっかり考える必要があります。ここでこのキャリアプランをきちんと考えておかなければ、転職先でもまた「仕事が合わない」と思ってしまいかねません。 「仕事が合わない」は自分にとってもよい状況ではありません。それを今回で終わりにするためにも、転職はキャリアについてきちんと考えてからにしましょう。 「ミスが多いから」で仕事を辞めてしまうリスク 転職したほうがいいケースもありますが、「ミスが多いし、もう仕事辞めたい」という思いから転職するリスクもあります。多くの方が見落としがちな、2つのリスクについてもぜひ知っておいてください。 転職先でミスがなくなるとは限らない 当たり前のことではありますが、転職したからといって、ミスがなくなるわけではありません。 「ミスが多い」という自分の仕事の癖は、限られたケースを除けば、環境を変えることで改善できるものではなく、自分自身で業務の質を高める努力をしていかなければ改善することはできません。ただ、その努力がしやすい環境としにくい環境があるだけで、根本的な解決は自分自身の意識とスキルアップにかかっています。 転職すれば、また新しい業務を覚え、新しい環境に適応していく必要もあります。新しいことをまた1から覚えるということは、覚えきるまでは今まで慣れた環境よりもミスが発生しやすいともいえます。 それでも、心機一転には一定の効果もあります。今度こそミスなく仕事ができるように、仕事の質を高めていこうという思いを忘れないようにしましょう。 「辞め癖」がついてしまうかもしれない 「仕事でミスが多いからやめる」「うまくいかないから辞める」「成果が出せないからやめる」 一度、「現状がうまくいかないから、辞めて他の場所を探す」ことを体験してしまうと、次に何かうまくいかないことがあったときに、「また辞めて別の場所を探せばいいや」と今の会社を辞めて転職することに抵抗がなくなりがちです。 それを1~2回繰り返して、「これだ!」と思うような仕事や会社に出会えればよいのですが、そうはならずに転職を繰り返してしまう方もいらっしゃいます。 20代のうちはそれでもまだ求人はあり、転職もできるので、何も問題は感じないでしょう。しかしそれが回数が重なったり、30代になってしまうと、状況は一転します。 「うまくいかないから、辞める」「気に入らないから辞める」といった、「辞め癖」がついてしまうと、「転職するたびに年収が下がる」「転職するたびに、勤務条件が悪くなる」といった事態にもなりかねません(実際に、そのような方にもお会いしてきました)。 「辞め癖」の末路についてはこちらのコラムで詳しく紹介していますので、ぜひそのリスクについても知っておいてください。 https://career-lab.biz/column/%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%AE%E8%BE%9E%E3%82%81%E7%99%96%E3%81%A8%E9%80%83%E3%81%92%E7%99%96%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%AE%E6%9C%AB%E8%B7%AF%E3%81%AB%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%EF%BC%9F/ キャリア・コンサルティング・ラボでは、キャリアプランに関することだけでなく、みなさまの仕事がよりよくなるような相談全般にも対応しております。 「ミスが多いのをどうしたらよいのか?」といった状況につきましても、現状を整理し、最適な対処法を見つけるサポートをしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

2021/05/12
人間関係・仕事に対する不安
入社5年目、仕事を辞めたい!と壁にぶつかった時の対処法

入社5年目、仕事を辞めたい!と壁にぶつかった時の対処法

入社5年目といえば、社内では中堅社員。成長企業やベンチャー企業に勤めている方でしたら、早い人ではマネージャーになる人も出てくるなど、現場のリーダー職として仕事を任されている年代です。 しかし、大卒入社では27歳前後になる入社5年目のこの時期は、30歳を目前に仕事でいろんな壁に直面する時期でもあります。様々な理由から辞めたいと思うようなこともあるでしょう。そんな時にはどうすればいいのか、キャリアコンサルタントの視点から対処法をまとめました。 入社5年目の時期によくある、「辞めたくなる理由」 入社5年目では、どんな理由から「仕事を辞めたい」と思うような壁に直面するのか、入社5年目によくある「辞めたくなる理由」をみてみましょう。 仕事に慣れてマンネリ化、モチベーションが保てない なかには入社3~4年目のタイミングで異動する方もいますが、新卒時の配属から異動もなく同じ仕事を続けている、あるいは部署を異動しても顧客が変わっただけで、基本的に業務は変わらない、など仕事に大きな変化がなく5年目を迎えている方も多いでしょう。 同じ仕事をずっと続けて5年経つと、マンネリを感じてしまうのも無理はありません。仕事には慣れて業務をこなせるようになっても、同じことの繰り返しでなかなかモチベーションが保てない。そんなときに、「新しいことにチャレンジしたい」「このまま終わりたくない」といった理由から「仕事を辞めたい」と感じてしまう方も少なくないようです。 同期や後輩が昇進 入社5年目は、「仕事のできる同期」が頭角を現すころでもあります。社内でも需要なプロジェクトや案件、顧客を任されていたり、早い人だと管理職になったりする人もでてきます。また、同期ではなく、できる後輩が自分よりも業績を上げることもあるでしょう。 「人は人、自分は自分」とは思っていても、組織で働いているとどうしても他人の評価と比べてしまうものです。「自分はこの会社ではやっていけないのではないか」「がんばっているけれど、結果が出せない」「評価されない」など様々な思いが複雑に絡み、この会社での自分の将来が見えなくなってしまうこともあるようです。 マネジメントを任されるようになる 反対に、社内で評価されているからこそマネジメントを任されるようになったことがきっかけで、「自分がやりたいのはマネジメントではない」と、会社を辞めたいと感じるようになる方もいらっしゃいます。 マネジメントを任され、チームの業績や後輩の指導もする立場になると、自分の業務ばかりに専念するわけにはいかなくなります。「自分の業務の専門性を高めたい」「後輩やチームのマネジメントにはあまり興味がない」というスペシャリスト志向の強い方は、望まないマネジメント業務を任されたことをきっかけに評価してくれている会社も辞めたくなってしまうようです。 30歳を前に自分の働き方を真剣に考える 「30代になると、専門性やマネジメント経験がないと転職は難しい」などの情報はどこでも目にします。だからこそ、20代後半のこのタイミングで「この先、自分がやりたいことを考えたらこの会社の今の仕事ではないのではないか」「今のうちに転職しておいたほうがいいのではないか」と、改めて自分自身に向き合う方も少なくありません。 残業や給与、休日など待遇に不満 ・残業が多い・給与が少ない・年間休日が少ない など、待遇への不満はどの年代でも「仕事を辞めたい理由」の上位にランクインしています。 特に入社5年目で27歳前後のこの時期は、友人知人からの結婚の知らせも相次ぐ時期です。新卒時からなんとなく感じていた待遇への不満も、将来を考えたときに、「このままの働き方では続けられない」「結婚もしたいし、もう少し年収を上げたい」と会社を辞めて環境を変えることを選択する方も多くいます。 周囲に転職して成功している人が出てくる 厚生労働省が発表している「新規学卒就職者の離職状況」によると、大卒の新卒入社者の約30%が入社3年以内に離職し、この割合はここ数十年変わっていません。もちろん入社4年目で転職する人もいますので、入社5年目ともなると周囲で転職した友人知人の1人や2人は必ずいるようになります。 業界や業種を変えるキャリアチェンジの転職や、年収アップや待遇アップを実現する転職、中小・中堅企業から安定した大手企業や有名企業への転職も実現しやすい20代中盤の転職では、「転職してよかった」「正解だった」「年収が大幅にアップした」「やりたい仕事に就けた」という成功談を耳にすることも珍しくありません。また、ネットでもそのような転職体験談はいくらでもあります。 周囲で、あるいは同じ年代で「転職して、自分の望む仕事に就いた」「希望する環境や待遇を手に入れた」という話をきくと、「自分も考えたほうがいいのではないか」と思ってしまうことが「辞めたい」と考えるきっかけになることもあるでしょう。 仕事ができない、周囲からの評価が辛い 5年目だけど仕事が合わない、仕事ができないと感じている方もいらっしゃいます。新入社員や入社2~3年目までは、周囲からの評価も「まだ新入社員だし」「まだ若いから」と入社年次の浅いことが加味されますが、入社5年目となると、周囲からの評価もそうはいかなくなります。 「入社5年目だから、これくらいはできて当然ではないか」という見方をされることもあるでしょうし、また「入社5年目なのに、こんなこともできないのか」と心無い評価を受けることが辛くストレスになり、退職へと気持ちが向かってしまうのです。 会社を辞めずに乗り切る方法 「仕事を辞めたい」と思っても、多くの方は実際に会社を辞めるよりもまずは会社を辞めないで乗り切る方法を考えるのではないでしょうか。 転職は、働く会社も一緒に仕事をする人間関係も、仕事内容も、待遇も働き方も、ライフスタイルも、一気に変えることができる手段です。転職により今抱えている悩みをリセットし、再スタートを切ることができるでしょう。 しかし、自分を取り巻く環境が大きく変わってしまうからこそ、「転職」そのもののストレスも大きいものです。また、転職するとなると、職務経歴書や履歴書などの準備から始まる転職活動も、大きな負担となります。 さらに言えば、転職したとしても、転職ですべてが思い通りに変わるとは限りません。周囲には、もしかしたら何もかもが希望通りの運のよい転職を実現できた方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしも、自分も同じように「何もかも希望通りの転職」が実現できる保証もないのが現実です。 そこで、「仕事を辞めたい」と思ったときには、まずは以下のような「会社を辞めずに乗り切る方法」を検討してみることをおすすめします。 キャリアプランを考え直す 「仕事を辞めたい」と思ったときは、今の自分の環境や働き方、仕事内容やこれからのキャリアプランを考える、いい機会でもあります。これを機に、今後のキャリアプランを考えてみましょう。 「キャリアプラン」といっても、「そんなに先のことはわからない」「具体的にどのように考えていいのかわからない」という場合は、こちらにキャリアプランの考え方を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。 https://career-lab.biz/column/%e8%87%aa%e5%88%86%e3%81%ae%e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%81%8c%e3%82%8f%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%a8%e3%81%8d%e3%81%ae%e8%80%83%e3%81%88%e6%96%b9/ 「自分ができることは何か?」「これから何をやりたいのか?」「どんな働き方をしたいのか?」「どんなライフスタイルを実現したいのか?」 などを考えていくと、仕事を辞めずに今の会社での仕事を見直すことが自分にとってよい選択ということも十分にありえます。「辞めたい」という気持ちも、キャリアプランを考えることで現状の捉え方が変わり、気持ちも変わっていくこともあります。 また、転職するにしても、キャリアプランを明確にしておいたほうが、面接での受け答えも変わり評価を得やすくなりますし、より自分のやりたいこと、実現したいライフスタイルに合った転職先を見つけることができるでしょう。 キャリア・コンサルティング・ラボでは、キャリアプランを考え直し、キャリアプランを立てるサポートも行っています。キャリアプランをどのように整理していけばよいかわからない、またはキャリアの棚卸の仕方がよくわからないという方は、ぜひお気軽にご相談ください。 新しいスキルや知識を身につける 仕事にマンネリを感じていたり、評価に不満を感じていたりする場合には、今の会社に勤めながら積極的に新しいスキルや知識を身につけることを検討してみてはいかがでしょうか。 企業によっては、中堅社員がキャリアップできるような研修制度や人材育成制度を用意しています。社内にそのような制度がない場合も、社外に多くのビジネススクールや研修、講座などがありますので、自分の磨きたいスキル、広げたい視野に合うものがないかぜひ探してみましょう。 仕事に対するマンネリ感、「将来が見えない」という不安、同期や後輩が評価され昇進していることへの焦りは、自分自身の視野を広げスキルを磨くことで、新たな自信が生まれて解消できることも少なくありません。 いつもの毎日に、「新しいことを学ぶ」という変化を加えることで、いつもの仕事に対する気持ちや考え方も変わってくるでしょう。 ボランティアやプロボノ活動をしてみる 仕事を辞めて転職することの一つのメリットは、新しい環境に身を置き、新しい知識や新しい人との出会いを得ることですが、今の仕事を続けながら新しい環境に触れ、視野を広げ、新しい人と出会う機会を得る手段の1つが、ボランティアやプロボノ活動です。 ボランティアというと地域の清掃活動や募金活動、災害復旧活動などのイメージが強い方もいらっしゃるかもしれませんが、今は様々なNPOや社会的企業が、様々なボランティアをオンラインで募集し、オンライン上だけで参加できるものも多くあります。 プロボノは、ボランティア活動のなかでも「職業上のスキルや専門知識を活かした活動」を指し、より自分の仕事のスキルや経験が活かせる活動です。プロボノも、多くのNPOやNGO、社会的企業がプロボノを募集しているサイトがあります。 今の仕事とは全く違う世界に、ボランティアやプロボノ活動を通じて触れることで今の仕事を捉える視点も変わり、今感じている「壁」を乗り越えるきっかけやヒントがみつかるかもしれません。 生活リズムを整え、休息をしっかりとる 仕事で「壁」を感じたり、ストレスを感じたりするときは、心身共に疲れがたまっている状態です。 キャリアプランも考える気がしない。新たな知識を学びに行くのも面倒。ボランティアやプロボノなんて、全く興味ないしもってのほか。そんな状況でしたら、もしかしたら、今一番必要なのは、休息をしっかりとることかもしれません。 もしそんな状況に当てはまるのならば、できる限り仕事を定時で切り上げ、好きなことをする自分の時間をゆっくり過ごし、ストレッチや筋トレなど家でできる簡単なものでもいいので適度に体を動かし、野菜などをしっかりとって、お風呂にゆっくり入り、睡眠をたっぷりとりましょう。 人間の脳は、疲れているときにはネガティブになりやすいといわれています。これからのことを考えたり決断したりするのは、まずはゆっくり疲れをとってからでも遅くはないでしょう。 転職して乗り切る方法 転職は準備も必要ですし、転職ですべてが解決するとは限りませんが、それでも「待遇に不満」など、「仕事を辞めたい」と思う理由によっては、転職をしなければ解決できないものもあります。またキャリアプランを考えた結果、やはり転職するのがベストという結論になることもあるでしょう。 たしかに転職ですべてが思い通りになるわけではないものの、入社5年目のこのタイミングは、他の年代に比べて比較的希望通りの転職がしやすい時期でもあります。転職を成功させるためにも、入社5年目の転職活動を取り巻く環境と、転職活動を成功させるためのポイントを確認しておきましょう。 入社5年目の転職活動を取り巻く環境 大卒入社の場合、入社5年目は27歳前後となります。社会人としてのビジネスマナーについては問題なく、実務経験を備えながらも、まだ20代で入社後の成長性、新しい企業に馴染む柔軟性が期待できるこの年代に対しては、企業の採用意欲も高いです。 厚生労働省が発表する「雇用動向調査結果」をみても、年代別の転職入職率は26-30歳を過ぎて30代になるとぐっと下がっていきます。 【年齢階級別転職入職率】 画像引用元:厚生労働省「2019 年(令和元年)雇用動向調査結果」 転職を考えているならば、このタイミングを逃さずに、20代のうちに行動を起こしたほうが可能性は広がりやすいでしょう。 入社5年目の転職活動を成功させるには 入社3年目未満の転職であれば、企業も「第二新卒」として可能性を重視しますので、意欲の高さ、前向きさをアピールすることが重要です。 しかし入社5年目となると、企業はこれまでの実績も求めるようになります。そのため、転職活動では、今までの実績を企業にわかりやすくアピールすることが重要です。数字が出せる部分は可能な限り実績を数字で伝えるようにし、どんな強みや実績があるのかを職務経歴書にわかりやすく記載していきましょう。 また、入社5年目はこれまでの実績が求められる年代ではありますが、一方で20代後半は未経験職種にキャリアチェンジできる最後のチャンスでもあります。 未経験職種へのチャレンジは、企業がより成長性やポテンシャルを重視することから20代前半が成功しやすく、より即戦力として活躍することが求められる30代になると、未経験職種への転職は格段に難易度が上がり、チャンスも減ってしまいます。今までの仕事が合わず、他の仕事にチャレンジしたい方は、ぜひ万全の準備をして臨んでください。 その際も「職種としては未経験だが、今までの業務で身につけたこのスキルや経験が、このようにこれからの仕事に活かせると思う」など、今までの経験を生かした上での成長性や意欲のアピールが重要になります。未経験職種へのチャレンジを希望する場合には、転職エージェントやキャリアコンサルタントなどプロの力を上手く活用するようにしましょう。 入社5年目で仕事を辞めたくなるような「壁」を感じることは、よくあります。これを成長の機会とし、自分にとって良い選択ができるように、キャリアコンサルタントが必要な時にはぜひお気軽にお問合せください。

2021/04/30
人間関係・仕事に対する不安
仕事を辞めたい40代が辞める前に絶対知っておきたいこと

仕事を辞めたい40代が辞める前に絶対知っておきたいこと

新卒入社から20年近い年月が過ぎ、でも定年まではあと20年近くある、「折り返し地点」ともいえる40代。このタイミングで、「このままでいいのか?」「この後残りの人生どんな生き方・働き方をしたいのか?」と改めて真剣に、キャリアを見つめ直す方も多いのではないのでしょうか。 しかし、その先の老後や家族のことを考えると、その選択で失敗したくない、リスクを極力抑えたいと思うのもこの年代ならではの本音ではないかと思います。そこで今回は、40代からのキャリアの選択で後悔しないために、ぜひ知っておきたいことをキャリアコンサルタントの視点でまとめました。 1. 40代が仕事を辞めたいと思う理由 会社を辞めたい理由を大別すると、どの年代も共通して以下のような理由が一般的です。 【仕事を辞めたい理由】 ・新たなチャレンジをしたい(仕事がつまらない)・評価に納得がいかない(自分の業績が評価されない)・人間関係(特に上司)に問題がある・会社の業績や、この会社での自分の将来に不安がある・働き方を変えたい 20代や30代では、待遇(給与、残業時間)への不満も本音の転職理由の上位に入りますが、待遇に不満があれば40代になる前に転職して状況を変えていることがほとんどですので、40代になって「仕事を辞めたい」と思う理由には、待遇以外の要因が大きくなってくるようです。 また、「働き方を変えたい」という理由も40代になると 「30代まではがむしゃらに働き、残業が多い仕事も厭わなかったけれど、もう少し仕事をペースを落としてプライベートの時間も大切にしたい」「自分の専門分野で独立をしたい」など、仕事人生の後半戦で自分が望む働き方をするために、一歩踏み出す方も多くいらっしゃいます。 いずれにしても、20代のころとは異なり、今の仕事を辞めるリスクも十分に理解している40代。だからこそ、本当に辞めたいと思うときには、上記のいくつかの理由が重なっていることが多いようです。 2. 転職を決める前に確認しておきたいこと ではその「仕事を辞めたい」と思う気持ちを大切に、新たなチャレンジを選んだほうがいいのか。それとも今の会社で、状況を改善する可能性を探ったほうがいいのか。その選択は難しいものですが、この先に後悔しないためにも「仕事を辞めたい」と思ったときには、次のような視点からもう一度客観的に状況を見直してみましょう。 辞めたい理由は、退職しないと本当に解決できないのか? 20代や30代とは違い、経験がある40代だからこそ、「辞めたい」と思った今の時点ですでにあらゆる状況改善の可能性を探り、改善が見込めないと思うからこそ「辞めたい」と考えていらっしゃるのではないかとは思います。しかしもう一度だけ、「辞めたい理由は、会社を辞めないと本当に解決できないのか?」と考えてみませんか。 たとえば、「評価に納得がいかない」という理由の場合、転職して自分の業績を評価してくれる環境に変わることもありますが、それが実現しないこともありえます。 また、「仕事がつまらない、マンネリ化している」という理由も、次の仕事は外から見たら面白そうだったけれど、実際にやってみたらそうでもない可能性もありますし、数年経てばまた「マンネリ」を感じてしまう可能性もあります。 「働き方を変えたい」など、会社を辞めなければ解決できない理由もありますが、なかにはこのように、転職だけで解決するとは限らない、根本的な解決は他にあるかもしれないケースもあります。 キャリア・コンサルティング・ラボに相談される方のお話を伺うと、「辞めたい本当の理由」は表面的な「辞めたい理由」と別のところにあることも実は多いです。また、「その辞めたい本当の理由は、辞めなくても解決できる」と気づき、転職することを辞める方もいらっしゃいます。 「辞めたい本当の理由」は、自分で考えているだけでは気づかず、他人に話をするうちに自分の考えが整理されて、本当の気持ちに気づくこともよくあります。このように「誰かに話す」ことの効果は大きいので、友人で話せる方がいらっしゃったら、ぜひ一度話をしてみてはいかがでしょうか。 この決断で経済的な問題が発生しないか?  40代になると、経済面も重要な判断材料になります。扶養対象となるご家族がいらっしゃる場合は、家族への経済的影響も考慮する必要があるでしょう。 そのため、「仕事を辞める」という決断で経済的な問題が発生しないか、もし発生するならばそれが対応できる範囲かどうかについては、あらゆるリスクを考えて検証しておく必要があります。 その意味でも、転職をするとしても、収入が途絶える期間がないように在職中から転職活動を始め、退職は転職が決まってからにするのがおすすめです。 40代の転職でも、転職により年収アップを実現する方もいらっしゃいますが、現状維持も難しい方も多くいらっしゃいます。もし自分の希望を叶えるために年収が下がってしまうとしたら、いくらまでなら収入ダウンを許容できるのか、自分だけでなく家族のライフイベントも考慮しながら、中長期的な視野で検討しておきましょう。 家族の理解は得られるか? 結婚をしている方の場合、この年代で今の会社を辞めることは、家族にも大きく影響します。収入はもちろん、働き方が変われば、生活パターンへの影響もあるからです。また、それまで有名企業や大手企業に勤めていた場合は、パートナーも福利厚生を始め、様々な恩恵を受けています。会社を辞めて、その恩恵も失うことにもなれば、それに対する抵抗感もあるでしょう。 このように40代で結婚をしている方の場合、「会社を辞める」ことがもたらす家族への影響が大きいからこそ、辞めることに対し家族の理解が得られないケースがよくあります。内定をもらってからご家族に相談する方もいますが、その時点で大反対されて泣く泣く内定を断る…という方も少なくありません。 そのような事態を避けるためにも、様々なご家族の事情もあるかとは思いますが、辞めたいという気持ちが固まった時点でご家族に伝え、理解を得ておくことをおすすめします。 もし反対された場合、それに自分が納得できればよいのですが、自分の思いを我慢してしまうと、その影響はこれから先20年前後も続く仕事人生に影響してしまいます。それを考えれば、ここで自分の気持ちを我慢するのは良い選択とは言い難いでしょう。 実際にはご家族からの反対があったために、転職を諦める方も多いのが事実ですが、相手の気持ちも想像しながら、転職したいという思いに反対されないようにコミュニケーションをしていけばスムーズに進むこともあります。相手の気持ちを理解し、相手に転職への思いを理解してしまうコミュニケーションのポイントは、こちらのコラムで紹介しています。適切なコミュニケーションで、「辞めたい」気持ちへの家族の理解を早めに得ておきましょう。 https://career-lab.biz/column/%e5%ab%81%e3%83%96%e3%83%ad%e3%83%83%e3%82%af%e2%81%89%e8%bb%a2%e8%81%b7%e3%81%ab%e5%8f%8d%e5%af%be%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84%e5%a6%bb%e3%81%a8%e3%81%ae%e5%90%91%e3%81%8d%e5%90%88%e3%81%84/ 3.転職活動をする前に知っておきたいこと 転職を決める前にもう一度考え直した結果、やはり仕事を辞めたい理由が転職をしなければ解決できないものであるならば、転職活動はできるだけ早くスタートしましょう。厚生労働省が、平成19年に求人の募集・採用時に年齢制限を設けることや年齢を理由に採否を決めることを禁止したとはいえ、実際には年齢が上がるほど、転職の難易度は高くなってしまうからです。 転職活動を成功させるためにも、転職活動を始める前に40代の人材に対して企業からどのようなニーズがあるのかを確認しておきましょう。 40代の転職で企業から求められるもの 20代や30代は、その成長性を見込んだポテンシャル採用や、次期マネージャー候補としての採用を検討しますが、40代を採用したい場合には、専門性と経験を兼ね備えたマネージャーや管理職、経営幹部としての採用ニーズがほとんどです。ただし、慢性的な人手不足で、20代や30代だけでは必要な人材が採用できない業界・企業では、メンバークラスでも40代を採用するケースもあるでしょう。 いずれにしても、40代の転職で企業が求めるのものは即戦力です。それには、企画力や提案力、プレゼンテーション力、そしてリーダーシップやマネジメント力などを期待されます。すべてを兼ね備える必要はないですが、自分の強みは何なのかをより明確にし、それを必要としている企業を見極めていく必要があります。 また、40代の転職では新しい企業文化に対応できる柔軟性やコミュニケーション能力も求められます。40代を採用する場合、企業は「それまでの経験や知識から、新しい企業、社風に馴染めないのではないか」ということを懸念しますので、新たな環境への意欲や柔軟性が面接で伝わるようにすることも、転職成功のポイントになります。 40代の転職の現実 企業は40代の人材に即戦力を求めているので、高い専門性、実績などがあれば求人はあり、年収アップを実現される方もいらっしゃいます。 しかし、そうでない場合は20代、30代に比べると求人数は少なく、転職活動は長期化する傾向があります。それは、 ・年功序列型の賃金体系が残る企業では、職務能力やスキルなどが同じならば、より労働コストを押さえられること・採用後に自社で長く活躍してくれることを期待していること・新しい企業文化を受け入れる柔軟性を持っていそうなこと などの理由から、同じ職務能力やスキルならば、より若い人材を採用したいと考えるからです。 転職活動は限られた求人から選択することになるため、自分の希望条件にこだわり続けると転職活動が長期化してしまいます。人はどうしても「待っていたら、そのうち自分の希望に合う求人が出てくるのではないか」と期待してしまうのですが、その「自分に合う求人」が見つかる可能性は、20代や30代の頃に比べると格段に低く、出てこない可能性も極めて高いと認識しておきましょう。 また、退職後に転職活動が長期化してしまうと、何もしていない「ブランク期間」が長くなってしまいます。ブランク期間が長いと 「転職活動を計画性がない(=仕事能力にも問題がある)のではないか」「理想が高すぎるのではないか」「何か問題がある人だから、他の企業でも採用されなかったのではないか」 と懸念され、40代の転職活動では非常に不利になってしまいますのでので、よほどの事情がない限り、転職活動は仕事を続けながら行うことがおすすめです。 4.40代の転職活動を成功させるために 40代の転職を取り巻く環境は、厳しいものではありますが、転職を成功させている方はいらっしゃいます。これからいい転職をするために、そのような方が実践されている「40代の転職を成功させるために大切な3つのこと」をご紹介します。 経験を活かし、できることを明確にする 専門性や経験が求められる40代の転職では、自分の経験や専門性を、実績をベースにできるかぎり明確にすることが転職成功のカギとなります。 それがわかりやすく企業に伝われば伝わるほど、自分にとっても、自分の強みを活かすことができ、それを高く評価してくれる企業と出会いやすくなります。 20代や30代と異なり、経験が長い分だけ職務経歴書に記載することが多くなるので、転職活動では企業研究を入念に行い、自分の今までの経験を全部伝えようとするのではなく、「応募企業の強みや業界でのポジションなどを理解し、企業のニーズに沿った強み」をわかりやすくアピールする職務経歴書を作成するようにしましょう。 志望動機を具体的に、現実的に 40代の転職をスムーズに進めるためには、志望動機もより重要です。もちろん志望動機はどの年代でも重要なものですが、特に40代の志望動機では、 ・なぜその応募企業を選んだのか。・その企業で今までの経験をどのように活かし、何を実現したいのか。・今までの経験を活かし、会社に対し、どんな貢献ができるのか。 について、これまでの経験やスキルをもとにより具体的に、そして現実的に記載することが必要です。20代のころは「どの企業にも転用できるような志望動機」で書類選考を通過することができても、40代では通用しません。 1社1社、しっかり企業研究を行い、その企業に合わせ、「このような考えを持っているならば、うちで働くのが一番だし、活躍してくれそうだ」と企業が思うような、各社毎にオリジナルの志望動機をまとめましょう。 「転職で実現したいこと」の優先順位を明確にする 40代になると、自分の今までの経験、実績、報酬に対する自信から、転職条件へのこだわりも無意識のうちに強くなってしまいます。また、家庭などの事情から「これは譲れない」という条件もいつの間にか多くなりがちです。 全てを叶えることができれば理想的ですが、求人数が少ない40代の転職では、こだわりの条件が多ければ多いほど、転職実現度は低くなります。そのため、今の状況を変えたいのであれば、「これだけは譲れない条件」を1~2つ程度明確にし、それ以外は柔軟に検討する姿勢が極めて重要です。 たとえば、「年収だけは維持したい」という場合には、年収が維持できるならば、業界や企業規模、知名度、仕事内容などにはこだわらずに求人を探し、その会社、その求人の良いところを見つけるようにして、自分の選択肢を広げていきましょう。 応募する求人の仕事を具体的にイメージし、面接で確認する また、転職活動では「応募する求人の仕事内容を遂行している自分」をできる限り具体的にイメージし、面接で気になることを積極的に質問して確認しましょう。 このことには2つのメリットがあります。1つめは、きちんと仕事内容を確認しておくことで、業務への理解が深まり、入社後に「こんなはずではなかった」とギャップを感じるリスクを小さくできることです。40代の転職は、多くの方にとっておそらく最後の転職になります。ここでの失敗を避けるためにも、面接でイメージと現実のギャップを埋めておくことはとても重要です。 2つめは、その積極的な姿勢が企業から評価対象になることです。適切な質問は、前向きな意欲の表れとして好印象につながります。また、質問次第では、それが仕事能力の裏付けとなり、高評価にもつながるでしょう。 5.40代からのキャリアの選択にプロのアドバイスを このように40代からのキャリアの選択は、20代や30代のころの転職よりもより計画的に、より深く今後のキャリアを考える必要があります。 経験も積み重なり、20代や30代のころに比べれば考慮すべきことも増えるからこそ、どのように情報を整理し、情報の取捨選択をしていけばよいか、一人ではなかなか難しいこともあるでしょう。 40代からのキャリア選択にこそ、プロのキャリアコンサルタントのサポートは効果的です。プロの力をうまく活用しながら、もうあと20年、気持ちよく仕事ができる選択を見つけていきましょう。

2021/04/23
人間関係・仕事に対する不安
入社3年目で仕事を辞めたい…転職するか迷った時の考え方

入社3年目で仕事を辞めたい…転職するか迷った時の考え方

大学を卒業して新卒入社し、3年以内に離職する割合は約3割。 3人に1人が3年以内に転職するこの割合は、30年くらい前からずっと変わりません。新卒入社する会社を決めたのは、まだ社会をよく知らない学生時代。その当時から、様々な経験を経て価値観も変わるなか、このタイミングで「仕事を辞めたい」「キャリアを見直したい」と思うのは自然なことかもしれません。 入社3年目、転職するか、このまま会社に残るか迷ったら、このように考えてみませんか。 1.「入社3年目の転職」について知っておきたいこと 「転職するか、会社に残るか」を判断する材料の1つとして、ぜひ知っていただきたいのが、「入社3年目の今、転職するというのはどういうことなのか?」ということです。 「転職」はいつでも自分が同じように評価されるわけではなく、またチャンスも同じようにあるわけではありません。その意味で、「入社3年目」は次の3つの点から、転職するには、キャリアチェンジもしやすい絶好のタイミングといえるのです。 第二新卒としての採用ニーズが高く、「未経験」でも転職OK! 明確な定義はありませんが、卒業後約3年以内の人材は中途採用では「第二新卒」として考えられています。そして、 ・新卒採用時に計画通りの採用ができなかった・早期離職者が出た・事業計画で新たな若手人材が必要になった・最初から新卒よりも第二新卒を採用する採用計画を立てている などの理由から、中途採用したいと考える企業は多くあります。 第二新卒の採用で企業が応募者に求めるのは、「やる気」や「ポテンシャル」、これから成長していく「将来性」や、自社の企業文化や風土に早く馴染んでいく「柔軟性」です。 つまり、中途採用といっても経験が問われるわけではなく、社会人としての基本スキルやビジネスマナーが備わっていれば、「この先どれだけ成長してくれそうか」という点で評価してもらえるのが、第二新卒としての転職の特徴。そのため、未経験の職種や業界への転職も実現しやすいのです。 これがあと1~2年もすると、ポテンシャルを評価されて転職する第二新卒として転職することは難しくなり、専門的な経験やスキルが求められるようになります。企業によっては、30歳未満を第二新卒枠として考えているケースもありますが、数は少なくなります。 迷っているうちに、タイミングを逃してしまうとは、まさにこのことです。キャリアチェンジをしたいならば、第二新卒として転職できるうちに転職しておいたほうが、希望を叶える可能性は高いといえるでしょう。 「入社3年目」ということが評価される 企業は、第二新卒を採用することに対し、次のように多くのメリットを感じています 【企業にとって第二新卒を採用するメリット】 ①基本的なビジネスマナーを備えているため、新人研修などの教育コストを省ける。②他社の経験がそれほど長くないので、自社の社風による教育が比較的容易(年次が高い社員の中途採用だと、他社でのやり方、社風が染みついていて、それが弊害となることもある)。③新卒採用のように、知名度やイメージだけで企業を選ぶことがないので、入社前後のギャップ問題が発生しにくい。④最初の会社を辞めているため、「次は頑張りたい」と前向きなことが多い。 このうち、①に関しては、入社1年目ではビジネスマナーに不安があることもありますが、入社3年目であれば、2年以上の社会人経験があることから、「基本的なビジネスマナーはできているだろう」と企業も評価します。 また、いくら新卒入社後約3年以内とはいえ、入社1年前後で退職してしまった人に対しては、「採用してもまた辞めてしまうのではないか?」ということが懸念されます。さらに、同じ「入社3年目」でも、今回が初めての転職ではなく2回目以降の転職の場合も、「この短期間に転職を繰り返しているのだから、採用してもまた辞めてしまうのではないか?」と躊躇してしまいます。 つまり「新卒入社した会社で、入社3年目」であることそのものが、「これから育成できる将来性があり、ビジネスマナーも問題なく、すぐに辞める心配もなさそう」という一定の評価対象になります。「まだ3年目だし、まだ何も実績やスキルがない」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その不安は全く必要ないでしょう。 2.転職を考えるほうがおすすめなケース このように「入社3年目」は、転職するには可能性が広がりやすいタイミングです。だからこそ、以下のような理由から「仕事を辞めたい」と考えている場合には、前向きに転職を検討するのもよいでしょう。 社風があわない 「仕事内容や待遇に不満があるわけではないけれど…」「特に嫌いな人や苦手な人がいるわけではないけれど…」なんとなく社風があわないという方もいらっしゃるでしょう。 この場合、転職を検討することを強くおすすめします。 社風は、どんなに頑張っても自分では変えられません。また入社当初からずっと感じている「社風がなんとなく合わない」という社風に対し、この先「まあ仕方ないか」と諦めることはあっても、「社風が合ってきた」と思う可能性はそれほど高くないでしょう。 一緒に働く人や、勤める会社の社風が自分に合うかどうかで、仕事に対する満足度は大きく変わります。一日のうちの長い時間を過ごし、これからもずっとそれが続く「会社」という環境が自分に合わないのはストレスになるばかりでなく、その環境では自分の能力を完全に発揮することも難しいでしょう。 環境を変えやすいうちに、自分が気持ちよく働ける環境に変えたほうがキャリア形成という点からも賢明です。 仕事が合わない、向いていない 入社したときからなんとなく思っていて、でも仕事を慣れたら変わるだろうと思っていたけれど、やっぱり3年たっても今の仕事が合わない、向いていない。 それでも「もう少しやってみれば…」と思う気持ちもあったからこそ、今まで頑張ってこられたのだと思います。 もし、異動の可能性があり、異動すれば問題が解消するならば異動希望を上司に相談するのがおすすめですが、「この会社では、どこに異動しても仕事が合わなそう、向いてなさそう」と思うならば、キャリアチェンジしやすいこのタイミングで転職を考えてもよいかもしれません。 入社3年目ともなれば、それなりの業務経験を重ねているはずです。そのなかでも、「やはり合わない、向いていない」と思うならば、思い切って興味のある違う業務、業界へ転職することで自分の新たな可能性が広がるでしょう。 今の会社ではできない「やりたいこと」がある 社会人経験を重ね、視野が広がり、「今の会社ではできない、他にやりたいことができた」「もっと興味のある会社・業界が出てきた」という方もいらっしゃると思います。 その場合は、本当に何もためらうことはありません。可能性を広げやすいこのタイミングを活かし、ぜひチャレンジしてみましょう。 待遇に不満がある 年収や残業時間、休日などもし待遇に不満がある場合も、このタイミングで転職を検討することをおすすめします。 人間関係や仕事内容に関する問題は、個人の努力で改善する可能性もありますが、会社全体の規定である待遇面は、個人の努力で改善できる余地は残念ながらありません。 もちろん、面接で「待遇を改善したいから転職したい」ということはできませんが、本音の転職理由では待遇面への不満は非常に多く、多くの人が待遇を改善するために転職しています。 いつか転職するつもりならば、可能性が広がりやすいタイミングを活かして転職するのが賢明といえるでしょう。 3.転職を踏みとどまるほうがおすすめなケース 「入社3年目」は可能性が広がりやすいことから、転職にはおすすめのタイミングではありますが、どんな状況でも転職したほうがよいわけではありません。 次のようなケースでは、転職は一旦踏みとどまったほうがいいかもしれません。 明確なキャリアプランは特にない 前述しましたが、企業が第二新卒に求めるのは「やる気」と「ポテンシャル」です。特に、この前向きな「やる気」を期待しています。その「やる気」とは、言い換えると「こういうことをやっていきたい」という明確なキャリアプランです。 そのため、「仕事を辞めたい」という不満はあっても、まだ次にやりたいことがわからない場合は、一旦転職は踏みとどまることをおすすめします。そしてまずは、「自分はどんな働き方をしたいのか?」「何がやりたいのか?」とこれからのキャリアプランを考えることから始めてみましょう。 やりたいことがわからない時に、どのようにキャリアプランを考えていけばよいのかについては、こちらのコラムで詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。 https://career-lab.biz/column/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9/ 異動することができれば、「辞めたい理由」が解消できる 企業も、採用した新卒入社社員には様々な経験を積んで成長してほしいと考えています。そのため、「2~3年経ったし、次の仕事を覚えてもらい、仕事の幅を広げてもらおう」「今の配属先よりも、もっと適性がある部署があるかもしれないから、チャレンジしてもらう」と、入社3~4年目は、新卒採用で配属された部署から人事異動が行われることもよくあるタイミングです。 異動も叶いやすいタイミングだからこそ、もし「仕事内容が合わない」「上司と合わない」という理由から「仕事を辞めたい」と思っていても、待遇面や社風に不満がないのであれば、まずは異動希望を出してみるのはいかがでしょうか。 もし上司との関係が良好であれば、正直に異動希望を伝えてみましょう。社内にやってみたい仕事があれば、その仕事がやりたい前向きな理由があれば、意外に叶えてもらえるかもしれません。上司に相談できるような状況ではない場合は、人事部に相談してみてください。もし社内に、異動希望を申請できる制度があれば利用してみましょう。 転職先の待遇面は、転職活動前に確認することはできますが、社風の確認はできないため、転職した後に「社風が合わない」「仕事のやり方が合わない」という状況も十分にありえます。今の会社の待遇面や社風に問題がないのであれば、転職でそれを手放してしまうのは少しもったいないかもしれません。 4.転職するかしないか、迷った時の対処法 「入社3年目」は転職するにはチャンスが広がるタイミングではありますが、自分は本当に転職したほうがいいのか、このまま続けたほうがいいのか、悩ましいこともあります。最後にそんなときの対処法をご紹介します。 友人に話してみる もし話せる友人がいるならば、ぜひ今の思いを聞いてもらいましょう。 このとき、友人に話をする目的は、アドバイスをもらうためではなく、「ただ話を聞いてもらうため」です。 社会人3年目の同年代の友人に聞いても、その人がキャリアに対して適切な情報を持っているとは限りませんが、自分の話を聞いてもらううちに、気持ちが整理され、すっきりし、自分で答えに気づくことができるでしょう。 これのように、自分で話した内容や自分の言葉をきいて、「自分はこう考えていたんだ」「こうやりたいんだ」と自分への理解が深まり、納得したりすることを、コーチング用語でオートクラインといいます。 誰かに話す、話を聞いてもらうことで、自分の中に気づきが起こります。それにより、今まで見えなかった自分のやりたいことや、キャリアプランも見えてくるのではないでしょうか。 転職エージェントに登録してみる 「誰かに話す」だけでも効果がありますので、それを友人ではなく、プロに聞いてもらうという方法もあります。その1つが、転職エージェントです。 転職エージェントに登録すれば、プロのエージェントが話を聞き、具体的な転職先を紹介してくれます。転職エージェントは転職を紹介するのが仕事なので、「転職ありき」ですべての話が進みますが、求人を紹介されても「転職するかどうかは、具体的な求人を見てから決める」くらいの気持ちでうまくつきあっていきましょう。 やりたいことがわからない場合、今、選択できる具体的な求人からキャリアプランを考えてみるというのも一つのやり方です。サービスは無料となりますので、「転職するかどうか迷っているけれども、どちらかというと転職には前向き」という場合には、賢く活用するとよいでしょう。 キャリアコンサルタントに相談してみる キャリアのプロという点では、転職エージェント以外にも、私たちのようなキャリアコンサルタントもいます。 キャリアコンサルタントと転職エージェントの最も大きな違いは、「転職前提かどうか」という点です。キャリアコンサルタントは、「本当に実現したいことは、どんな状態か?解決したいのはどんな問題か?本当は何がやりたいのか?」と、キャリアに対する自分の考えを整理するサポートを提供しています。 転職ありきではないので、具体的な求人を紹介することはありませんが、転職ありきではないからこそ、本当に自分自身にとってよい選択を見つけるサポートができるのが特徴です。 また、キャリアコンサルタントは、コーチングスキルを身につけたプロフェッショナルでもありますので、オートクラインもより効果的に進めることができます。だからこそ、話を整理していくうちに「考えてみたら、やっぱり今の会社で頑張ったほうがよさそうだ」とご自身で気づかれる方も多くいらっしゃいます。 「転職したほうがいいのか、今の会社を続けたほうがいいのか、本当にどっちにすべきかわからない」という場合には、まずはキャリアコンサルタントを活用して、自分の考えをすっきり整理してみてはいかがでしょうか。 「入社3年目」は選択の幅が広い時期だからこそ、どんな選択をするかが今後のキャリアに大きく影響します。あなたが納得した選択ができるよう、応援しています。

2021/04/15
人気の記事
人間関係・仕事に対する不安
やってられない!職場に嫌気がさしたときにおすすめの3つの行動

やってられない!職場に嫌気がさしたときにおすすめの3つの行動

大学を卒業して新卒入社し、3年以内に離職する割合は約3割。 3人に1人が3年以内に転職するこの割合は、30年くらい前からずっと変わりません。新卒入社する会社を決めたのは、まだ社会をよく知らない学生時代。その当時から、様々な経験を経て価値観も変わるなか、このタイミングで「仕事を辞めたい」「キャリアを見直したい」と思うのは自然なことかもしれません。 入社3年目、転職するか、このまま会社に残るか迷ったら、このように考えてみませんか。 1.「入社3年目の転職」について知っておきたいこと 「転職するか、会社に残るか」を判断する材料の1つとして、ぜひ知っていただきたいのが、「入社3年目の今、転職するというのはどういうことなのか?」ということです。 「転職」はいつでも自分が同じように評価されるわけではなく、またチャンスも同じようにあるわけではありません。その意味で、「入社3年目」は次の3つの点から、転職するには、キャリアチェンジもしやすい絶好のタイミングといえるのです。 第二新卒としての採用ニーズが高く、「未経験」でも転職OK! 明確な定義はありませんが、卒業後約3年以内の人材は中途採用では「第二新卒」として考えられています。そして、 ・新卒採用時に計画通りの採用ができなかった・早期離職者が出た・事業計画で新たな若手人材が必要になった・最初から新卒よりも第二新卒を採用する採用計画を立てている などの理由から、中途採用したいと考える企業は多くあります。 第二新卒の採用で企業が応募者に求めるのは、「やる気」や「ポテンシャル」、これから成長していく「将来性」や、自社の企業文化や風土に早く馴染んでいく「柔軟性」です。 つまり、中途採用といっても経験が問われるわけではなく、社会人としての基本スキルやビジネスマナーが備わっていれば、「この先どれだけ成長してくれそうか」という点で評価してもらえるのが、第二新卒としての転職の特徴。そのため、未経験の職種や業界への転職も実現しやすいのです。 これがあと1~2年もすると、ポテンシャルを評価されて転職する第二新卒として転職することは難しくなり、専門的な経験やスキルが求められるようになります。企業によっては、30歳未満を第二新卒枠として考えているケースもありますが、数は少なくなります。 迷っているうちに、タイミングを逃してしまうとは、まさにこのことです。キャリアチェンジをしたいならば、第二新卒として転職できるうちに転職しておいたほうが、希望を叶える可能性は高いといえるでしょう。 「入社3年目」ということが評価される 企業は、第二新卒を採用することに対し、次のように多くのメリットを感じています 【企業にとって第二新卒を採用するメリット】 ①基本的なビジネスマナーを備えているため、新人研修などの教育コストを省ける。②他社の経験がそれほど長くないので、自社の社風による教育が比較的容易(年次が高い社員の中途採用だと、他社でのやり方、社風が染みついていて、それが弊害となることもある)。③新卒採用のように、知名度やイメージだけで企業を選ぶことがないので、入社前後のギャップ問題が発生しにくい。④最初の会社を辞めているため、「次は頑張りたい」と前向きなことが多い。 このうち、①に関しては、入社1年目ではビジネスマナーに不安があることもありますが、入社3年目であれば、2年以上の社会人経験があることから、「基本的なビジネスマナーはできているだろう」と企業も評価します。 また、いくら新卒入社後約3年以内とはいえ、入社1年前後で退職してしまった人に対しては、「採用してもまた辞めてしまうのではないか?」ということが懸念されます。さらに、同じ「入社3年目」でも、今回が初めての転職ではなく2回目以降の転職の場合も、「この短期間に転職を繰り返しているのだから、採用してもまた辞めてしまうのではないか?」と躊躇してしまいます。 つまり「新卒入社した会社で、入社3年目」であることそのものが、「これから育成できる将来性があり、ビジネスマナーも問題なく、すぐに辞める心配もなさそう」という一定の評価対象になります。「まだ3年目だし、まだ何も実績やスキルがない」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その不安は全く必要ないでしょう。 2.転職を考えるほうがおすすめなケース このように「入社3年目」は、転職するには可能性が広がりやすいタイミングです。だからこそ、以下のような理由から「仕事を辞めたい」と考えている場合には、前向きに転職を検討するのもよいでしょう。 社風があわない 「仕事内容や待遇に不満があるわけではないけれど…」「特に嫌いな人や苦手な人がいるわけではないけれど…」なんとなく社風があわないという方もいらっしゃるでしょう。 この場合、転職を検討することを強くおすすめします。 社風は、どんなに頑張っても自分では変えられません。また入社当初からずっと感じている「社風がなんとなく合わない」という社風に対し、この先「まあ仕方ないか」と諦めることはあっても、「社風が合ってきた」と思う可能性はそれほど高くないでしょう。 一緒に働く人や、勤める会社の社風が自分に合うかどうかで、仕事に対する満足度は大きく変わります。一日のうちの長い時間を過ごし、これからもずっとそれが続く「会社」という環境が自分に合わないのはストレスになるばかりでなく、その環境では自分の能力を完全に発揮することも難しいでしょう。 環境を変えやすいうちに、自分が気持ちよく働ける環境に変えたほうがキャリア形成という点からも賢明です。 仕事が合わない、向いていない 入社したときからなんとなく思っていて、でも仕事を慣れたら変わるだろうと思っていたけれど、やっぱり3年たっても今の仕事が合わない、向いていない。 それでも「もう少しやってみれば…」と思う気持ちもあったからこそ、今まで頑張ってこられたのだと思います。 もし、異動の可能性があり、異動すれば問題が解消するならば異動希望を上司に相談するのがおすすめですが、「この会社では、どこに異動しても仕事が合わなそう、向いてなさそう」と思うならば、キャリアチェンジしやすいこのタイミングで転職を考えてもよいかもしれません。 入社3年目ともなれば、それなりの業務経験を重ねているはずです。そのなかでも、「やはり合わない、向いていない」と思うならば、思い切って興味のある違う業務、業界へ転職することで自分の新たな可能性が広がるでしょう。 今の会社ではできない「やりたいこと」がある 社会人経験を重ね、視野が広がり、「今の会社ではできない、他にやりたいことができた」「もっと興味のある会社・業界が出てきた」という方もいらっしゃると思います。 その場合は、本当に何もためらうことはありません。可能性を広げやすいこのタイミングを活かし、ぜひチャレンジしてみましょう。 待遇に不満がある 年収や残業時間、休日などもし待遇に不満がある場合も、このタイミングで転職を検討することをおすすめします。 人間関係や仕事内容に関する問題は、個人の努力で改善する可能性もありますが、会社全体の規定である待遇面は、個人の努力で改善できる余地は残念ながらありません。 もちろん、面接で「待遇を改善したいから転職したい」ということはできませんが、本音の転職理由では待遇面への不満は非常に多く、多くの人が待遇を改善するために転職しています。 いつか転職するつもりならば、可能性が広がりやすいタイミングを活かして転職するのが賢明といえるでしょう。 3.転職を踏みとどまるほうがおすすめなケース 「入社3年目」は可能性が広がりやすいことから、転職にはおすすめのタイミングではありますが、どんな状況でも転職したほうがよいわけではありません。 次のようなケースでは、転職は一旦踏みとどまったほうがいいかもしれません。 明確なキャリアプランは特にない 前述しましたが、企業が第二新卒に求めるのは「やる気」と「ポテンシャル」です。特に、この前向きな「やる気」を期待しています。その「やる気」とは、言い換えると「こういうことをやっていきたい」という明確なキャリアプランです。 そのため、「仕事を辞めたい」という不満はあっても、まだ次にやりたいことがわからない場合は、一旦転職は踏みとどまることをおすすめします。そしてまずは、「自分はどんな働き方をしたいのか?」「何がやりたいのか?」とこれからのキャリアプランを考えることから始めてみましょう。 やりたいことがわからない時に、どのようにキャリアプランを考えていけばよいのかについては、こちらのコラムで詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。 https://career-lab.biz/column/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9/ 異動することができれば、「辞めたい理由」が解消できる 企業も、採用した新卒入社社員には様々な経験を積んで成長してほしいと考えています。そのため、「2~3年経ったし、次の仕事を覚えてもらい、仕事の幅を広げてもらおう」「今の配属先よりも、もっと適性がある部署があるかもしれないから、チャレンジしてもらう」と、入社3~4年目は、新卒採用で配属された部署から人事異動が行われることもよくあるタイミングです。 異動も叶いやすいタイミングだからこそ、もし「仕事内容が合わない」「上司と合わない」という理由から「仕事を辞めたい」と思っていても、待遇面や社風に不満がないのであれば、まずは異動希望を出してみるのはいかがでしょうか。 もし上司との関係が良好であれば、正直に異動希望を伝えてみましょう。社内にやってみたい仕事があれば、その仕事がやりたい前向きな理由があれば、意外に叶えてもらえるかもしれません。上司に相談できるような状況ではない場合は、人事部に相談してみてください。もし社内に、異動希望を申請できる制度があれば利用してみましょう。 転職先の待遇面は、転職活動前に確認することはできますが、社風の確認はできないため、転職した後に「社風が合わない」「仕事のやり方が合わない」という状況も十分にありえます。今の会社の待遇面や社風に問題がないのであれば、転職でそれを手放してしまうのは少しもったいないかもしれません。 4.転職するかしないか、迷った時の対処法 「入社3年目」は転職するにはチャンスが広がるタイミングではありますが、自分は本当に転職したほうがいいのか、このまま続けたほうがいいのか、悩ましいこともあります。最後にそんなときの対処法をご紹介します。 友人に話してみる もし話せる友人がいるならば、ぜひ今の思いを聞いてもらいましょう。 このとき、友人に話をする目的は、アドバイスをもらうためではなく、「ただ話を聞いてもらうため」です。 社会人3年目の同年代の友人に聞いても、その人がキャリアに対して適切な情報を持っているとは限りませんが、自分の話を聞いてもらううちに、気持ちが整理され、すっきりし、自分で答えに気づくことができるでしょう。 これのように、自分で話した内容や自分の言葉をきいて、「自分はこう考えていたんだ」「こうやりたいんだ」と自分への理解が深まり、納得したりすることを、コーチング用語でオートクラインといいます。 誰かに話す、話を聞いてもらうことで、自分の中に気づきが起こります。それにより、今まで見えなかった自分のやりたいことや、キャリアプランも見えてくるのではないでしょうか。 転職エージェントに登録してみる 「誰かに話す」だけでも効果がありますので、それを友人ではなく、プロに聞いてもらうという方法もあります。その1つが、転職エージェントです。 転職エージェントに登録すれば、プロのエージェントが話を聞き、具体的な転職先を紹介してくれます。転職エージェントは転職を紹介するのが仕事なので、「転職ありき」ですべての話が進みますが、求人を紹介されても「転職するかどうかは、具体的な求人を見てから決める」くらいの気持ちでうまくつきあっていきましょう。 やりたいことがわからない場合、今、選択できる具体的な求人からキャリアプランを考えてみるというのも一つのやり方です。サービスは無料となりますので、「転職するかどうか迷っているけれども、どちらかというと転職には前向き」という場合には、賢く活用するとよいでしょう。 キャリアコンサルタントに相談してみる キャリアのプロという点では、転職エージェント以外にも、私たちのようなキャリアコンサルタントもいます。 キャリアコンサルタントと転職エージェントの最も大きな違いは、「転職前提かどうか」という点です。キャリアコンサルタントは、「本当に実現したいことは、どんな状態か?解決したいのはどんな問題か?本当は何がやりたいのか?」と、キャリアに対する自分の考えを整理するサポートを提供しています。 転職ありきではないので、具体的な求人を紹介することはありませんが、転職ありきではないからこそ、本当に自分自身にとってよい選択を見つけるサポートができるのが特徴です。 また、キャリアコンサルタントは、コーチングスキルを身につけたプロフェッショナルでもありますので、オートクラインもより効果的に進めることができます。だからこそ、話を整理していくうちに「考えてみたら、やっぱり今の会社で頑張ったほうがよさそうだ」とご自身で気づかれる方も多くいらっしゃいます。 「転職したほうがいいのか、今の会社を続けたほうがいいのか、本当にどっちにすべきかわからない」という場合には、まずはキャリアコンサルタントを活用して、自分の考えをすっきり整理してみてはいかがでしょうか。 「入社3年目」は選択の幅が広い時期だからこそ、どんな選択をするかが今後のキャリアに大きく影響します。あなたが納得した選択ができるよう、応援しています。

2017/05/30
転職について
仕事の辞め癖と逃げ癖、その末路には何がある?

仕事の辞め癖と逃げ癖、その末路には何がある?

大学を卒業して新卒入社し、3年以内に離職する割合は約3割。 3人に1人が3年以内に転職するこの割合は、30年くらい前からずっと変わりません。新卒入社する会社を決めたのは、まだ社会をよく知らない学生時代。その当時から、様々な経験を経て価値観も変わるなか、このタイミングで「仕事を辞めたい」「キャリアを見直したい」と思うのは自然なことかもしれません。 入社3年目、転職するか、このまま会社に残るか迷ったら、このように考えてみませんか。 1.「入社3年目の転職」について知っておきたいこと 「転職するか、会社に残るか」を判断する材料の1つとして、ぜひ知っていただきたいのが、「入社3年目の今、転職するというのはどういうことなのか?」ということです。 「転職」はいつでも自分が同じように評価されるわけではなく、またチャンスも同じようにあるわけではありません。その意味で、「入社3年目」は次の3つの点から、転職するには、キャリアチェンジもしやすい絶好のタイミングといえるのです。 第二新卒としての採用ニーズが高く、「未経験」でも転職OK! 明確な定義はありませんが、卒業後約3年以内の人材は中途採用では「第二新卒」として考えられています。そして、 ・新卒採用時に計画通りの採用ができなかった・早期離職者が出た・事業計画で新たな若手人材が必要になった・最初から新卒よりも第二新卒を採用する採用計画を立てている などの理由から、中途採用したいと考える企業は多くあります。 第二新卒の採用で企業が応募者に求めるのは、「やる気」や「ポテンシャル」、これから成長していく「将来性」や、自社の企業文化や風土に早く馴染んでいく「柔軟性」です。 つまり、中途採用といっても経験が問われるわけではなく、社会人としての基本スキルやビジネスマナーが備わっていれば、「この先どれだけ成長してくれそうか」という点で評価してもらえるのが、第二新卒としての転職の特徴。そのため、未経験の職種や業界への転職も実現しやすいのです。 これがあと1~2年もすると、ポテンシャルを評価されて転職する第二新卒として転職することは難しくなり、専門的な経験やスキルが求められるようになります。企業によっては、30歳未満を第二新卒枠として考えているケースもありますが、数は少なくなります。 迷っているうちに、タイミングを逃してしまうとは、まさにこのことです。キャリアチェンジをしたいならば、第二新卒として転職できるうちに転職しておいたほうが、希望を叶える可能性は高いといえるでしょう。 「入社3年目」ということが評価される 企業は、第二新卒を採用することに対し、次のように多くのメリットを感じています 【企業にとって第二新卒を採用するメリット】 ①基本的なビジネスマナーを備えているため、新人研修などの教育コストを省ける。②他社の経験がそれほど長くないので、自社の社風による教育が比較的容易(年次が高い社員の中途採用だと、他社でのやり方、社風が染みついていて、それが弊害となることもある)。③新卒採用のように、知名度やイメージだけで企業を選ぶことがないので、入社前後のギャップ問題が発生しにくい。④最初の会社を辞めているため、「次は頑張りたい」と前向きなことが多い。 このうち、①に関しては、入社1年目ではビジネスマナーに不安があることもありますが、入社3年目であれば、2年以上の社会人経験があることから、「基本的なビジネスマナーはできているだろう」と企業も評価します。 また、いくら新卒入社後約3年以内とはいえ、入社1年前後で退職してしまった人に対しては、「採用してもまた辞めてしまうのではないか?」ということが懸念されます。さらに、同じ「入社3年目」でも、今回が初めての転職ではなく2回目以降の転職の場合も、「この短期間に転職を繰り返しているのだから、採用してもまた辞めてしまうのではないか?」と躊躇してしまいます。 つまり「新卒入社した会社で、入社3年目」であることそのものが、「これから育成できる将来性があり、ビジネスマナーも問題なく、すぐに辞める心配もなさそう」という一定の評価対象になります。「まだ3年目だし、まだ何も実績やスキルがない」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その不安は全く必要ないでしょう。 2.転職を考えるほうがおすすめなケース このように「入社3年目」は、転職するには可能性が広がりやすいタイミングです。だからこそ、以下のような理由から「仕事を辞めたい」と考えている場合には、前向きに転職を検討するのもよいでしょう。 社風があわない 「仕事内容や待遇に不満があるわけではないけれど…」「特に嫌いな人や苦手な人がいるわけではないけれど…」なんとなく社風があわないという方もいらっしゃるでしょう。 この場合、転職を検討することを強くおすすめします。 社風は、どんなに頑張っても自分では変えられません。また入社当初からずっと感じている「社風がなんとなく合わない」という社風に対し、この先「まあ仕方ないか」と諦めることはあっても、「社風が合ってきた」と思う可能性はそれほど高くないでしょう。 一緒に働く人や、勤める会社の社風が自分に合うかどうかで、仕事に対する満足度は大きく変わります。一日のうちの長い時間を過ごし、これからもずっとそれが続く「会社」という環境が自分に合わないのはストレスになるばかりでなく、その環境では自分の能力を完全に発揮することも難しいでしょう。 環境を変えやすいうちに、自分が気持ちよく働ける環境に変えたほうがキャリア形成という点からも賢明です。 仕事が合わない、向いていない 入社したときからなんとなく思っていて、でも仕事を慣れたら変わるだろうと思っていたけれど、やっぱり3年たっても今の仕事が合わない、向いていない。 それでも「もう少しやってみれば…」と思う気持ちもあったからこそ、今まで頑張ってこられたのだと思います。 もし、異動の可能性があり、異動すれば問題が解消するならば異動希望を上司に相談するのがおすすめですが、「この会社では、どこに異動しても仕事が合わなそう、向いてなさそう」と思うならば、キャリアチェンジしやすいこのタイミングで転職を考えてもよいかもしれません。 入社3年目ともなれば、それなりの業務経験を重ねているはずです。そのなかでも、「やはり合わない、向いていない」と思うならば、思い切って興味のある違う業務、業界へ転職することで自分の新たな可能性が広がるでしょう。 今の会社ではできない「やりたいこと」がある 社会人経験を重ね、視野が広がり、「今の会社ではできない、他にやりたいことができた」「もっと興味のある会社・業界が出てきた」という方もいらっしゃると思います。 その場合は、本当に何もためらうことはありません。可能性を広げやすいこのタイミングを活かし、ぜひチャレンジしてみましょう。 待遇に不満がある 年収や残業時間、休日などもし待遇に不満がある場合も、このタイミングで転職を検討することをおすすめします。 人間関係や仕事内容に関する問題は、個人の努力で改善する可能性もありますが、会社全体の規定である待遇面は、個人の努力で改善できる余地は残念ながらありません。 もちろん、面接で「待遇を改善したいから転職したい」ということはできませんが、本音の転職理由では待遇面への不満は非常に多く、多くの人が待遇を改善するために転職しています。 いつか転職するつもりならば、可能性が広がりやすいタイミングを活かして転職するのが賢明といえるでしょう。 3.転職を踏みとどまるほうがおすすめなケース 「入社3年目」は可能性が広がりやすいことから、転職にはおすすめのタイミングではありますが、どんな状況でも転職したほうがよいわけではありません。 次のようなケースでは、転職は一旦踏みとどまったほうがいいかもしれません。 明確なキャリアプランは特にない 前述しましたが、企業が第二新卒に求めるのは「やる気」と「ポテンシャル」です。特に、この前向きな「やる気」を期待しています。その「やる気」とは、言い換えると「こういうことをやっていきたい」という明確なキャリアプランです。 そのため、「仕事を辞めたい」という不満はあっても、まだ次にやりたいことがわからない場合は、一旦転職は踏みとどまることをおすすめします。そしてまずは、「自分はどんな働き方をしたいのか?」「何がやりたいのか?」とこれからのキャリアプランを考えることから始めてみましょう。 やりたいことがわからない時に、どのようにキャリアプランを考えていけばよいのかについては、こちらのコラムで詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。 https://career-lab.biz/column/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9/ 異動することができれば、「辞めたい理由」が解消できる 企業も、採用した新卒入社社員には様々な経験を積んで成長してほしいと考えています。そのため、「2~3年経ったし、次の仕事を覚えてもらい、仕事の幅を広げてもらおう」「今の配属先よりも、もっと適性がある部署があるかもしれないから、チャレンジしてもらう」と、入社3~4年目は、新卒採用で配属された部署から人事異動が行われることもよくあるタイミングです。 異動も叶いやすいタイミングだからこそ、もし「仕事内容が合わない」「上司と合わない」という理由から「仕事を辞めたい」と思っていても、待遇面や社風に不満がないのであれば、まずは異動希望を出してみるのはいかがでしょうか。 もし上司との関係が良好であれば、正直に異動希望を伝えてみましょう。社内にやってみたい仕事があれば、その仕事がやりたい前向きな理由があれば、意外に叶えてもらえるかもしれません。上司に相談できるような状況ではない場合は、人事部に相談してみてください。もし社内に、異動希望を申請できる制度があれば利用してみましょう。 転職先の待遇面は、転職活動前に確認することはできますが、社風の確認はできないため、転職した後に「社風が合わない」「仕事のやり方が合わない」という状況も十分にありえます。今の会社の待遇面や社風に問題がないのであれば、転職でそれを手放してしまうのは少しもったいないかもしれません。 4.転職するかしないか、迷った時の対処法 「入社3年目」は転職するにはチャンスが広がるタイミングではありますが、自分は本当に転職したほうがいいのか、このまま続けたほうがいいのか、悩ましいこともあります。最後にそんなときの対処法をご紹介します。 友人に話してみる もし話せる友人がいるならば、ぜひ今の思いを聞いてもらいましょう。 このとき、友人に話をする目的は、アドバイスをもらうためではなく、「ただ話を聞いてもらうため」です。 社会人3年目の同年代の友人に聞いても、その人がキャリアに対して適切な情報を持っているとは限りませんが、自分の話を聞いてもらううちに、気持ちが整理され、すっきりし、自分で答えに気づくことができるでしょう。 これのように、自分で話した内容や自分の言葉をきいて、「自分はこう考えていたんだ」「こうやりたいんだ」と自分への理解が深まり、納得したりすることを、コーチング用語でオートクラインといいます。 誰かに話す、話を聞いてもらうことで、自分の中に気づきが起こります。それにより、今まで見えなかった自分のやりたいことや、キャリアプランも見えてくるのではないでしょうか。 転職エージェントに登録してみる 「誰かに話す」だけでも効果がありますので、それを友人ではなく、プロに聞いてもらうという方法もあります。その1つが、転職エージェントです。 転職エージェントに登録すれば、プロのエージェントが話を聞き、具体的な転職先を紹介してくれます。転職エージェントは転職を紹介するのが仕事なので、「転職ありき」ですべての話が進みますが、求人を紹介されても「転職するかどうかは、具体的な求人を見てから決める」くらいの気持ちでうまくつきあっていきましょう。 やりたいことがわからない場合、今、選択できる具体的な求人からキャリアプランを考えてみるというのも一つのやり方です。サービスは無料となりますので、「転職するかどうか迷っているけれども、どちらかというと転職には前向き」という場合には、賢く活用するとよいでしょう。 キャリアコンサルタントに相談してみる キャリアのプロという点では、転職エージェント以外にも、私たちのようなキャリアコンサルタントもいます。 キャリアコンサルタントと転職エージェントの最も大きな違いは、「転職前提かどうか」という点です。キャリアコンサルタントは、「本当に実現したいことは、どんな状態か?解決したいのはどんな問題か?本当は何がやりたいのか?」と、キャリアに対する自分の考えを整理するサポートを提供しています。 転職ありきではないので、具体的な求人を紹介することはありませんが、転職ありきではないからこそ、本当に自分自身にとってよい選択を見つけるサポートができるのが特徴です。 また、キャリアコンサルタントは、コーチングスキルを身につけたプロフェッショナルでもありますので、オートクラインもより効果的に進めることができます。だからこそ、話を整理していくうちに「考えてみたら、やっぱり今の会社で頑張ったほうがよさそうだ」とご自身で気づかれる方も多くいらっしゃいます。 「転職したほうがいいのか、今の会社を続けたほうがいいのか、本当にどっちにすべきかわからない」という場合には、まずはキャリアコンサルタントを活用して、自分の考えをすっきり整理してみてはいかがでしょうか。 「入社3年目」は選択の幅が広い時期だからこそ、どんな選択をするかが今後のキャリアに大きく影響します。あなたが納得した選択ができるよう、応援しています。

2019/09/26
人間関係・仕事に対する不安
仕事がわからない時の聞き方・暗黙のルールを確認しよう

仕事がわからない時の聞き方・暗黙のルールを確認しよう

大学を卒業して新卒入社し、3年以内に離職する割合は約3割。 3人に1人が3年以内に転職するこの割合は、30年くらい前からずっと変わりません。新卒入社する会社を決めたのは、まだ社会をよく知らない学生時代。その当時から、様々な経験を経て価値観も変わるなか、このタイミングで「仕事を辞めたい」「キャリアを見直したい」と思うのは自然なことかもしれません。 入社3年目、転職するか、このまま会社に残るか迷ったら、このように考えてみませんか。 1.「入社3年目の転職」について知っておきたいこと 「転職するか、会社に残るか」を判断する材料の1つとして、ぜひ知っていただきたいのが、「入社3年目の今、転職するというのはどういうことなのか?」ということです。 「転職」はいつでも自分が同じように評価されるわけではなく、またチャンスも同じようにあるわけではありません。その意味で、「入社3年目」は次の3つの点から、転職するには、キャリアチェンジもしやすい絶好のタイミングといえるのです。 第二新卒としての採用ニーズが高く、「未経験」でも転職OK! 明確な定義はありませんが、卒業後約3年以内の人材は中途採用では「第二新卒」として考えられています。そして、 ・新卒採用時に計画通りの採用ができなかった・早期離職者が出た・事業計画で新たな若手人材が必要になった・最初から新卒よりも第二新卒を採用する採用計画を立てている などの理由から、中途採用したいと考える企業は多くあります。 第二新卒の採用で企業が応募者に求めるのは、「やる気」や「ポテンシャル」、これから成長していく「将来性」や、自社の企業文化や風土に早く馴染んでいく「柔軟性」です。 つまり、中途採用といっても経験が問われるわけではなく、社会人としての基本スキルやビジネスマナーが備わっていれば、「この先どれだけ成長してくれそうか」という点で評価してもらえるのが、第二新卒としての転職の特徴。そのため、未経験の職種や業界への転職も実現しやすいのです。 これがあと1~2年もすると、ポテンシャルを評価されて転職する第二新卒として転職することは難しくなり、専門的な経験やスキルが求められるようになります。企業によっては、30歳未満を第二新卒枠として考えているケースもありますが、数は少なくなります。 迷っているうちに、タイミングを逃してしまうとは、まさにこのことです。キャリアチェンジをしたいならば、第二新卒として転職できるうちに転職しておいたほうが、希望を叶える可能性は高いといえるでしょう。 「入社3年目」ということが評価される 企業は、第二新卒を採用することに対し、次のように多くのメリットを感じています 【企業にとって第二新卒を採用するメリット】 ①基本的なビジネスマナーを備えているため、新人研修などの教育コストを省ける。②他社の経験がそれほど長くないので、自社の社風による教育が比較的容易(年次が高い社員の中途採用だと、他社でのやり方、社風が染みついていて、それが弊害となることもある)。③新卒採用のように、知名度やイメージだけで企業を選ぶことがないので、入社前後のギャップ問題が発生しにくい。④最初の会社を辞めているため、「次は頑張りたい」と前向きなことが多い。 このうち、①に関しては、入社1年目ではビジネスマナーに不安があることもありますが、入社3年目であれば、2年以上の社会人経験があることから、「基本的なビジネスマナーはできているだろう」と企業も評価します。 また、いくら新卒入社後約3年以内とはいえ、入社1年前後で退職してしまった人に対しては、「採用してもまた辞めてしまうのではないか?」ということが懸念されます。さらに、同じ「入社3年目」でも、今回が初めての転職ではなく2回目以降の転職の場合も、「この短期間に転職を繰り返しているのだから、採用してもまた辞めてしまうのではないか?」と躊躇してしまいます。 つまり「新卒入社した会社で、入社3年目」であることそのものが、「これから育成できる将来性があり、ビジネスマナーも問題なく、すぐに辞める心配もなさそう」という一定の評価対象になります。「まだ3年目だし、まだ何も実績やスキルがない」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その不安は全く必要ないでしょう。 2.転職を考えるほうがおすすめなケース このように「入社3年目」は、転職するには可能性が広がりやすいタイミングです。だからこそ、以下のような理由から「仕事を辞めたい」と考えている場合には、前向きに転職を検討するのもよいでしょう。 社風があわない 「仕事内容や待遇に不満があるわけではないけれど…」「特に嫌いな人や苦手な人がいるわけではないけれど…」なんとなく社風があわないという方もいらっしゃるでしょう。 この場合、転職を検討することを強くおすすめします。 社風は、どんなに頑張っても自分では変えられません。また入社当初からずっと感じている「社風がなんとなく合わない」という社風に対し、この先「まあ仕方ないか」と諦めることはあっても、「社風が合ってきた」と思う可能性はそれほど高くないでしょう。 一緒に働く人や、勤める会社の社風が自分に合うかどうかで、仕事に対する満足度は大きく変わります。一日のうちの長い時間を過ごし、これからもずっとそれが続く「会社」という環境が自分に合わないのはストレスになるばかりでなく、その環境では自分の能力を完全に発揮することも難しいでしょう。 環境を変えやすいうちに、自分が気持ちよく働ける環境に変えたほうがキャリア形成という点からも賢明です。 仕事が合わない、向いていない 入社したときからなんとなく思っていて、でも仕事を慣れたら変わるだろうと思っていたけれど、やっぱり3年たっても今の仕事が合わない、向いていない。 それでも「もう少しやってみれば…」と思う気持ちもあったからこそ、今まで頑張ってこられたのだと思います。 もし、異動の可能性があり、異動すれば問題が解消するならば異動希望を上司に相談するのがおすすめですが、「この会社では、どこに異動しても仕事が合わなそう、向いてなさそう」と思うならば、キャリアチェンジしやすいこのタイミングで転職を考えてもよいかもしれません。 入社3年目ともなれば、それなりの業務経験を重ねているはずです。そのなかでも、「やはり合わない、向いていない」と思うならば、思い切って興味のある違う業務、業界へ転職することで自分の新たな可能性が広がるでしょう。 今の会社ではできない「やりたいこと」がある 社会人経験を重ね、視野が広がり、「今の会社ではできない、他にやりたいことができた」「もっと興味のある会社・業界が出てきた」という方もいらっしゃると思います。 その場合は、本当に何もためらうことはありません。可能性を広げやすいこのタイミングを活かし、ぜひチャレンジしてみましょう。 待遇に不満がある 年収や残業時間、休日などもし待遇に不満がある場合も、このタイミングで転職を検討することをおすすめします。 人間関係や仕事内容に関する問題は、個人の努力で改善する可能性もありますが、会社全体の規定である待遇面は、個人の努力で改善できる余地は残念ながらありません。 もちろん、面接で「待遇を改善したいから転職したい」ということはできませんが、本音の転職理由では待遇面への不満は非常に多く、多くの人が待遇を改善するために転職しています。 いつか転職するつもりならば、可能性が広がりやすいタイミングを活かして転職するのが賢明といえるでしょう。 3.転職を踏みとどまるほうがおすすめなケース 「入社3年目」は可能性が広がりやすいことから、転職にはおすすめのタイミングではありますが、どんな状況でも転職したほうがよいわけではありません。 次のようなケースでは、転職は一旦踏みとどまったほうがいいかもしれません。 明確なキャリアプランは特にない 前述しましたが、企業が第二新卒に求めるのは「やる気」と「ポテンシャル」です。特に、この前向きな「やる気」を期待しています。その「やる気」とは、言い換えると「こういうことをやっていきたい」という明確なキャリアプランです。 そのため、「仕事を辞めたい」という不満はあっても、まだ次にやりたいことがわからない場合は、一旦転職は踏みとどまることをおすすめします。そしてまずは、「自分はどんな働き方をしたいのか?」「何がやりたいのか?」とこれからのキャリアプランを考えることから始めてみましょう。 やりたいことがわからない時に、どのようにキャリアプランを考えていけばよいのかについては、こちらのコラムで詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。 https://career-lab.biz/column/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9/ 異動することができれば、「辞めたい理由」が解消できる 企業も、採用した新卒入社社員には様々な経験を積んで成長してほしいと考えています。そのため、「2~3年経ったし、次の仕事を覚えてもらい、仕事の幅を広げてもらおう」「今の配属先よりも、もっと適性がある部署があるかもしれないから、チャレンジしてもらう」と、入社3~4年目は、新卒採用で配属された部署から人事異動が行われることもよくあるタイミングです。 異動も叶いやすいタイミングだからこそ、もし「仕事内容が合わない」「上司と合わない」という理由から「仕事を辞めたい」と思っていても、待遇面や社風に不満がないのであれば、まずは異動希望を出してみるのはいかがでしょうか。 もし上司との関係が良好であれば、正直に異動希望を伝えてみましょう。社内にやってみたい仕事があれば、その仕事がやりたい前向きな理由があれば、意外に叶えてもらえるかもしれません。上司に相談できるような状況ではない場合は、人事部に相談してみてください。もし社内に、異動希望を申請できる制度があれば利用してみましょう。 転職先の待遇面は、転職活動前に確認することはできますが、社風の確認はできないため、転職した後に「社風が合わない」「仕事のやり方が合わない」という状況も十分にありえます。今の会社の待遇面や社風に問題がないのであれば、転職でそれを手放してしまうのは少しもったいないかもしれません。 4.転職するかしないか、迷った時の対処法 「入社3年目」は転職するにはチャンスが広がるタイミングではありますが、自分は本当に転職したほうがいいのか、このまま続けたほうがいいのか、悩ましいこともあります。最後にそんなときの対処法をご紹介します。 友人に話してみる もし話せる友人がいるならば、ぜひ今の思いを聞いてもらいましょう。 このとき、友人に話をする目的は、アドバイスをもらうためではなく、「ただ話を聞いてもらうため」です。 社会人3年目の同年代の友人に聞いても、その人がキャリアに対して適切な情報を持っているとは限りませんが、自分の話を聞いてもらううちに、気持ちが整理され、すっきりし、自分で答えに気づくことができるでしょう。 これのように、自分で話した内容や自分の言葉をきいて、「自分はこう考えていたんだ」「こうやりたいんだ」と自分への理解が深まり、納得したりすることを、コーチング用語でオートクラインといいます。 誰かに話す、話を聞いてもらうことで、自分の中に気づきが起こります。それにより、今まで見えなかった自分のやりたいことや、キャリアプランも見えてくるのではないでしょうか。 転職エージェントに登録してみる 「誰かに話す」だけでも効果がありますので、それを友人ではなく、プロに聞いてもらうという方法もあります。その1つが、転職エージェントです。 転職エージェントに登録すれば、プロのエージェントが話を聞き、具体的な転職先を紹介してくれます。転職エージェントは転職を紹介するのが仕事なので、「転職ありき」ですべての話が進みますが、求人を紹介されても「転職するかどうかは、具体的な求人を見てから決める」くらいの気持ちでうまくつきあっていきましょう。 やりたいことがわからない場合、今、選択できる具体的な求人からキャリアプランを考えてみるというのも一つのやり方です。サービスは無料となりますので、「転職するかどうか迷っているけれども、どちらかというと転職には前向き」という場合には、賢く活用するとよいでしょう。 キャリアコンサルタントに相談してみる キャリアのプロという点では、転職エージェント以外にも、私たちのようなキャリアコンサルタントもいます。 キャリアコンサルタントと転職エージェントの最も大きな違いは、「転職前提かどうか」という点です。キャリアコンサルタントは、「本当に実現したいことは、どんな状態か?解決したいのはどんな問題か?本当は何がやりたいのか?」と、キャリアに対する自分の考えを整理するサポートを提供しています。 転職ありきではないので、具体的な求人を紹介することはありませんが、転職ありきではないからこそ、本当に自分自身にとってよい選択を見つけるサポートができるのが特徴です。 また、キャリアコンサルタントは、コーチングスキルを身につけたプロフェッショナルでもありますので、オートクラインもより効果的に進めることができます。だからこそ、話を整理していくうちに「考えてみたら、やっぱり今の会社で頑張ったほうがよさそうだ」とご自身で気づかれる方も多くいらっしゃいます。 「転職したほうがいいのか、今の会社を続けたほうがいいのか、本当にどっちにすべきかわからない」という場合には、まずはキャリアコンサルタントを活用して、自分の考えをすっきり整理してみてはいかがでしょうか。 「入社3年目」は選択の幅が広い時期だからこそ、どんな選択をするかが今後のキャリアに大きく影響します。あなたが納得した選択ができるよう、応援しています。

2015/12/23
人間関係・仕事に対する不安
入社10年目でもう仕事を辞めたいと思ったら…知っておきたい対処法

入社10年目でもう仕事を辞めたいと思ったら…知っておきたい対処法

大学を卒業して新卒入社し、3年以内に離職する割合は約3割。 3人に1人が3年以内に転職するこの割合は、30年くらい前からずっと変わりません。新卒入社する会社を決めたのは、まだ社会をよく知らない学生時代。その当時から、様々な経験を経て価値観も変わるなか、このタイミングで「仕事を辞めたい」「キャリアを見直したい」と思うのは自然なことかもしれません。 入社3年目、転職するか、このまま会社に残るか迷ったら、このように考えてみませんか。 1.「入社3年目の転職」について知っておきたいこと 「転職するか、会社に残るか」を判断する材料の1つとして、ぜひ知っていただきたいのが、「入社3年目の今、転職するというのはどういうことなのか?」ということです。 「転職」はいつでも自分が同じように評価されるわけではなく、またチャンスも同じようにあるわけではありません。その意味で、「入社3年目」は次の3つの点から、転職するには、キャリアチェンジもしやすい絶好のタイミングといえるのです。 第二新卒としての採用ニーズが高く、「未経験」でも転職OK! 明確な定義はありませんが、卒業後約3年以内の人材は中途採用では「第二新卒」として考えられています。そして、 ・新卒採用時に計画通りの採用ができなかった・早期離職者が出た・事業計画で新たな若手人材が必要になった・最初から新卒よりも第二新卒を採用する採用計画を立てている などの理由から、中途採用したいと考える企業は多くあります。 第二新卒の採用で企業が応募者に求めるのは、「やる気」や「ポテンシャル」、これから成長していく「将来性」や、自社の企業文化や風土に早く馴染んでいく「柔軟性」です。 つまり、中途採用といっても経験が問われるわけではなく、社会人としての基本スキルやビジネスマナーが備わっていれば、「この先どれだけ成長してくれそうか」という点で評価してもらえるのが、第二新卒としての転職の特徴。そのため、未経験の職種や業界への転職も実現しやすいのです。 これがあと1~2年もすると、ポテンシャルを評価されて転職する第二新卒として転職することは難しくなり、専門的な経験やスキルが求められるようになります。企業によっては、30歳未満を第二新卒枠として考えているケースもありますが、数は少なくなります。 迷っているうちに、タイミングを逃してしまうとは、まさにこのことです。キャリアチェンジをしたいならば、第二新卒として転職できるうちに転職しておいたほうが、希望を叶える可能性は高いといえるでしょう。 「入社3年目」ということが評価される 企業は、第二新卒を採用することに対し、次のように多くのメリットを感じています 【企業にとって第二新卒を採用するメリット】 ①基本的なビジネスマナーを備えているため、新人研修などの教育コストを省ける。②他社の経験がそれほど長くないので、自社の社風による教育が比較的容易(年次が高い社員の中途採用だと、他社でのやり方、社風が染みついていて、それが弊害となることもある)。③新卒採用のように、知名度やイメージだけで企業を選ぶことがないので、入社前後のギャップ問題が発生しにくい。④最初の会社を辞めているため、「次は頑張りたい」と前向きなことが多い。 このうち、①に関しては、入社1年目ではビジネスマナーに不安があることもありますが、入社3年目であれば、2年以上の社会人経験があることから、「基本的なビジネスマナーはできているだろう」と企業も評価します。 また、いくら新卒入社後約3年以内とはいえ、入社1年前後で退職してしまった人に対しては、「採用してもまた辞めてしまうのではないか?」ということが懸念されます。さらに、同じ「入社3年目」でも、今回が初めての転職ではなく2回目以降の転職の場合も、「この短期間に転職を繰り返しているのだから、採用してもまた辞めてしまうのではないか?」と躊躇してしまいます。 つまり「新卒入社した会社で、入社3年目」であることそのものが、「これから育成できる将来性があり、ビジネスマナーも問題なく、すぐに辞める心配もなさそう」という一定の評価対象になります。「まだ3年目だし、まだ何も実績やスキルがない」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その不安は全く必要ないでしょう。 2.転職を考えるほうがおすすめなケース このように「入社3年目」は、転職するには可能性が広がりやすいタイミングです。だからこそ、以下のような理由から「仕事を辞めたい」と考えている場合には、前向きに転職を検討するのもよいでしょう。 社風があわない 「仕事内容や待遇に不満があるわけではないけれど…」「特に嫌いな人や苦手な人がいるわけではないけれど…」なんとなく社風があわないという方もいらっしゃるでしょう。 この場合、転職を検討することを強くおすすめします。 社風は、どんなに頑張っても自分では変えられません。また入社当初からずっと感じている「社風がなんとなく合わない」という社風に対し、この先「まあ仕方ないか」と諦めることはあっても、「社風が合ってきた」と思う可能性はそれほど高くないでしょう。 一緒に働く人や、勤める会社の社風が自分に合うかどうかで、仕事に対する満足度は大きく変わります。一日のうちの長い時間を過ごし、これからもずっとそれが続く「会社」という環境が自分に合わないのはストレスになるばかりでなく、その環境では自分の能力を完全に発揮することも難しいでしょう。 環境を変えやすいうちに、自分が気持ちよく働ける環境に変えたほうがキャリア形成という点からも賢明です。 仕事が合わない、向いていない 入社したときからなんとなく思っていて、でも仕事を慣れたら変わるだろうと思っていたけれど、やっぱり3年たっても今の仕事が合わない、向いていない。 それでも「もう少しやってみれば…」と思う気持ちもあったからこそ、今まで頑張ってこられたのだと思います。 もし、異動の可能性があり、異動すれば問題が解消するならば異動希望を上司に相談するのがおすすめですが、「この会社では、どこに異動しても仕事が合わなそう、向いてなさそう」と思うならば、キャリアチェンジしやすいこのタイミングで転職を考えてもよいかもしれません。 入社3年目ともなれば、それなりの業務経験を重ねているはずです。そのなかでも、「やはり合わない、向いていない」と思うならば、思い切って興味のある違う業務、業界へ転職することで自分の新たな可能性が広がるでしょう。 今の会社ではできない「やりたいこと」がある 社会人経験を重ね、視野が広がり、「今の会社ではできない、他にやりたいことができた」「もっと興味のある会社・業界が出てきた」という方もいらっしゃると思います。 その場合は、本当に何もためらうことはありません。可能性を広げやすいこのタイミングを活かし、ぜひチャレンジしてみましょう。 待遇に不満がある 年収や残業時間、休日などもし待遇に不満がある場合も、このタイミングで転職を検討することをおすすめします。 人間関係や仕事内容に関する問題は、個人の努力で改善する可能性もありますが、会社全体の規定である待遇面は、個人の努力で改善できる余地は残念ながらありません。 もちろん、面接で「待遇を改善したいから転職したい」ということはできませんが、本音の転職理由では待遇面への不満は非常に多く、多くの人が待遇を改善するために転職しています。 いつか転職するつもりならば、可能性が広がりやすいタイミングを活かして転職するのが賢明といえるでしょう。 3.転職を踏みとどまるほうがおすすめなケース 「入社3年目」は可能性が広がりやすいことから、転職にはおすすめのタイミングではありますが、どんな状況でも転職したほうがよいわけではありません。 次のようなケースでは、転職は一旦踏みとどまったほうがいいかもしれません。 明確なキャリアプランは特にない 前述しましたが、企業が第二新卒に求めるのは「やる気」と「ポテンシャル」です。特に、この前向きな「やる気」を期待しています。その「やる気」とは、言い換えると「こういうことをやっていきたい」という明確なキャリアプランです。 そのため、「仕事を辞めたい」という不満はあっても、まだ次にやりたいことがわからない場合は、一旦転職は踏みとどまることをおすすめします。そしてまずは、「自分はどんな働き方をしたいのか?」「何がやりたいのか?」とこれからのキャリアプランを考えることから始めてみましょう。 やりたいことがわからない時に、どのようにキャリアプランを考えていけばよいのかについては、こちらのコラムで詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。 https://career-lab.biz/column/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9/ 異動することができれば、「辞めたい理由」が解消できる 企業も、採用した新卒入社社員には様々な経験を積んで成長してほしいと考えています。そのため、「2~3年経ったし、次の仕事を覚えてもらい、仕事の幅を広げてもらおう」「今の配属先よりも、もっと適性がある部署があるかもしれないから、チャレンジしてもらう」と、入社3~4年目は、新卒採用で配属された部署から人事異動が行われることもよくあるタイミングです。 異動も叶いやすいタイミングだからこそ、もし「仕事内容が合わない」「上司と合わない」という理由から「仕事を辞めたい」と思っていても、待遇面や社風に不満がないのであれば、まずは異動希望を出してみるのはいかがでしょうか。 もし上司との関係が良好であれば、正直に異動希望を伝えてみましょう。社内にやってみたい仕事があれば、その仕事がやりたい前向きな理由があれば、意外に叶えてもらえるかもしれません。上司に相談できるような状況ではない場合は、人事部に相談してみてください。もし社内に、異動希望を申請できる制度があれば利用してみましょう。 転職先の待遇面は、転職活動前に確認することはできますが、社風の確認はできないため、転職した後に「社風が合わない」「仕事のやり方が合わない」という状況も十分にありえます。今の会社の待遇面や社風に問題がないのであれば、転職でそれを手放してしまうのは少しもったいないかもしれません。 4.転職するかしないか、迷った時の対処法 「入社3年目」は転職するにはチャンスが広がるタイミングではありますが、自分は本当に転職したほうがいいのか、このまま続けたほうがいいのか、悩ましいこともあります。最後にそんなときの対処法をご紹介します。 友人に話してみる もし話せる友人がいるならば、ぜひ今の思いを聞いてもらいましょう。 このとき、友人に話をする目的は、アドバイスをもらうためではなく、「ただ話を聞いてもらうため」です。 社会人3年目の同年代の友人に聞いても、その人がキャリアに対して適切な情報を持っているとは限りませんが、自分の話を聞いてもらううちに、気持ちが整理され、すっきりし、自分で答えに気づくことができるでしょう。 これのように、自分で話した内容や自分の言葉をきいて、「自分はこう考えていたんだ」「こうやりたいんだ」と自分への理解が深まり、納得したりすることを、コーチング用語でオートクラインといいます。 誰かに話す、話を聞いてもらうことで、自分の中に気づきが起こります。それにより、今まで見えなかった自分のやりたいことや、キャリアプランも見えてくるのではないでしょうか。 転職エージェントに登録してみる 「誰かに話す」だけでも効果がありますので、それを友人ではなく、プロに聞いてもらうという方法もあります。その1つが、転職エージェントです。 転職エージェントに登録すれば、プロのエージェントが話を聞き、具体的な転職先を紹介してくれます。転職エージェントは転職を紹介するのが仕事なので、「転職ありき」ですべての話が進みますが、求人を紹介されても「転職するかどうかは、具体的な求人を見てから決める」くらいの気持ちでうまくつきあっていきましょう。 やりたいことがわからない場合、今、選択できる具体的な求人からキャリアプランを考えてみるというのも一つのやり方です。サービスは無料となりますので、「転職するかどうか迷っているけれども、どちらかというと転職には前向き」という場合には、賢く活用するとよいでしょう。 キャリアコンサルタントに相談してみる キャリアのプロという点では、転職エージェント以外にも、私たちのようなキャリアコンサルタントもいます。 キャリアコンサルタントと転職エージェントの最も大きな違いは、「転職前提かどうか」という点です。キャリアコンサルタントは、「本当に実現したいことは、どんな状態か?解決したいのはどんな問題か?本当は何がやりたいのか?」と、キャリアに対する自分の考えを整理するサポートを提供しています。 転職ありきではないので、具体的な求人を紹介することはありませんが、転職ありきではないからこそ、本当に自分自身にとってよい選択を見つけるサポートができるのが特徴です。 また、キャリアコンサルタントは、コーチングスキルを身につけたプロフェッショナルでもありますので、オートクラインもより効果的に進めることができます。だからこそ、話を整理していくうちに「考えてみたら、やっぱり今の会社で頑張ったほうがよさそうだ」とご自身で気づかれる方も多くいらっしゃいます。 「転職したほうがいいのか、今の会社を続けたほうがいいのか、本当にどっちにすべきかわからない」という場合には、まずはキャリアコンサルタントを活用して、自分の考えをすっきり整理してみてはいかがでしょうか。 「入社3年目」は選択の幅が広い時期だからこそ、どんな選択をするかが今後のキャリアに大きく影響します。あなたが納得した選択ができるよう、応援しています。

2021/03/23
人間関係・仕事に対する不安
仕事が不安でたまらない…モヤモヤをすっきりさせるための6つの方法

仕事が不安でたまらない…モヤモヤをすっきりさせるための6つの方法

大学を卒業して新卒入社し、3年以内に離職する割合は約3割。 3人に1人が3年以内に転職するこの割合は、30年くらい前からずっと変わりません。新卒入社する会社を決めたのは、まだ社会をよく知らない学生時代。その当時から、様々な経験を経て価値観も変わるなか、このタイミングで「仕事を辞めたい」「キャリアを見直したい」と思うのは自然なことかもしれません。 入社3年目、転職するか、このまま会社に残るか迷ったら、このように考えてみませんか。 1.「入社3年目の転職」について知っておきたいこと 「転職するか、会社に残るか」を判断する材料の1つとして、ぜひ知っていただきたいのが、「入社3年目の今、転職するというのはどういうことなのか?」ということです。 「転職」はいつでも自分が同じように評価されるわけではなく、またチャンスも同じようにあるわけではありません。その意味で、「入社3年目」は次の3つの点から、転職するには、キャリアチェンジもしやすい絶好のタイミングといえるのです。 第二新卒としての採用ニーズが高く、「未経験」でも転職OK! 明確な定義はありませんが、卒業後約3年以内の人材は中途採用では「第二新卒」として考えられています。そして、 ・新卒採用時に計画通りの採用ができなかった・早期離職者が出た・事業計画で新たな若手人材が必要になった・最初から新卒よりも第二新卒を採用する採用計画を立てている などの理由から、中途採用したいと考える企業は多くあります。 第二新卒の採用で企業が応募者に求めるのは、「やる気」や「ポテンシャル」、これから成長していく「将来性」や、自社の企業文化や風土に早く馴染んでいく「柔軟性」です。 つまり、中途採用といっても経験が問われるわけではなく、社会人としての基本スキルやビジネスマナーが備わっていれば、「この先どれだけ成長してくれそうか」という点で評価してもらえるのが、第二新卒としての転職の特徴。そのため、未経験の職種や業界への転職も実現しやすいのです。 これがあと1~2年もすると、ポテンシャルを評価されて転職する第二新卒として転職することは難しくなり、専門的な経験やスキルが求められるようになります。企業によっては、30歳未満を第二新卒枠として考えているケースもありますが、数は少なくなります。 迷っているうちに、タイミングを逃してしまうとは、まさにこのことです。キャリアチェンジをしたいならば、第二新卒として転職できるうちに転職しておいたほうが、希望を叶える可能性は高いといえるでしょう。 「入社3年目」ということが評価される 企業は、第二新卒を採用することに対し、次のように多くのメリットを感じています 【企業にとって第二新卒を採用するメリット】 ①基本的なビジネスマナーを備えているため、新人研修などの教育コストを省ける。②他社の経験がそれほど長くないので、自社の社風による教育が比較的容易(年次が高い社員の中途採用だと、他社でのやり方、社風が染みついていて、それが弊害となることもある)。③新卒採用のように、知名度やイメージだけで企業を選ぶことがないので、入社前後のギャップ問題が発生しにくい。④最初の会社を辞めているため、「次は頑張りたい」と前向きなことが多い。 このうち、①に関しては、入社1年目ではビジネスマナーに不安があることもありますが、入社3年目であれば、2年以上の社会人経験があることから、「基本的なビジネスマナーはできているだろう」と企業も評価します。 また、いくら新卒入社後約3年以内とはいえ、入社1年前後で退職してしまった人に対しては、「採用してもまた辞めてしまうのではないか?」ということが懸念されます。さらに、同じ「入社3年目」でも、今回が初めての転職ではなく2回目以降の転職の場合も、「この短期間に転職を繰り返しているのだから、採用してもまた辞めてしまうのではないか?」と躊躇してしまいます。 つまり「新卒入社した会社で、入社3年目」であることそのものが、「これから育成できる将来性があり、ビジネスマナーも問題なく、すぐに辞める心配もなさそう」という一定の評価対象になります。「まだ3年目だし、まだ何も実績やスキルがない」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その不安は全く必要ないでしょう。 2.転職を考えるほうがおすすめなケース このように「入社3年目」は、転職するには可能性が広がりやすいタイミングです。だからこそ、以下のような理由から「仕事を辞めたい」と考えている場合には、前向きに転職を検討するのもよいでしょう。 社風があわない 「仕事内容や待遇に不満があるわけではないけれど…」「特に嫌いな人や苦手な人がいるわけではないけれど…」なんとなく社風があわないという方もいらっしゃるでしょう。 この場合、転職を検討することを強くおすすめします。 社風は、どんなに頑張っても自分では変えられません。また入社当初からずっと感じている「社風がなんとなく合わない」という社風に対し、この先「まあ仕方ないか」と諦めることはあっても、「社風が合ってきた」と思う可能性はそれほど高くないでしょう。 一緒に働く人や、勤める会社の社風が自分に合うかどうかで、仕事に対する満足度は大きく変わります。一日のうちの長い時間を過ごし、これからもずっとそれが続く「会社」という環境が自分に合わないのはストレスになるばかりでなく、その環境では自分の能力を完全に発揮することも難しいでしょう。 環境を変えやすいうちに、自分が気持ちよく働ける環境に変えたほうがキャリア形成という点からも賢明です。 仕事が合わない、向いていない 入社したときからなんとなく思っていて、でも仕事を慣れたら変わるだろうと思っていたけれど、やっぱり3年たっても今の仕事が合わない、向いていない。 それでも「もう少しやってみれば…」と思う気持ちもあったからこそ、今まで頑張ってこられたのだと思います。 もし、異動の可能性があり、異動すれば問題が解消するならば異動希望を上司に相談するのがおすすめですが、「この会社では、どこに異動しても仕事が合わなそう、向いてなさそう」と思うならば、キャリアチェンジしやすいこのタイミングで転職を考えてもよいかもしれません。 入社3年目ともなれば、それなりの業務経験を重ねているはずです。そのなかでも、「やはり合わない、向いていない」と思うならば、思い切って興味のある違う業務、業界へ転職することで自分の新たな可能性が広がるでしょう。 今の会社ではできない「やりたいこと」がある 社会人経験を重ね、視野が広がり、「今の会社ではできない、他にやりたいことができた」「もっと興味のある会社・業界が出てきた」という方もいらっしゃると思います。 その場合は、本当に何もためらうことはありません。可能性を広げやすいこのタイミングを活かし、ぜひチャレンジしてみましょう。 待遇に不満がある 年収や残業時間、休日などもし待遇に不満がある場合も、このタイミングで転職を検討することをおすすめします。 人間関係や仕事内容に関する問題は、個人の努力で改善する可能性もありますが、会社全体の規定である待遇面は、個人の努力で改善できる余地は残念ながらありません。 もちろん、面接で「待遇を改善したいから転職したい」ということはできませんが、本音の転職理由では待遇面への不満は非常に多く、多くの人が待遇を改善するために転職しています。 いつか転職するつもりならば、可能性が広がりやすいタイミングを活かして転職するのが賢明といえるでしょう。 3.転職を踏みとどまるほうがおすすめなケース 「入社3年目」は可能性が広がりやすいことから、転職にはおすすめのタイミングではありますが、どんな状況でも転職したほうがよいわけではありません。 次のようなケースでは、転職は一旦踏みとどまったほうがいいかもしれません。 明確なキャリアプランは特にない 前述しましたが、企業が第二新卒に求めるのは「やる気」と「ポテンシャル」です。特に、この前向きな「やる気」を期待しています。その「やる気」とは、言い換えると「こういうことをやっていきたい」という明確なキャリアプランです。 そのため、「仕事を辞めたい」という不満はあっても、まだ次にやりたいことがわからない場合は、一旦転職は踏みとどまることをおすすめします。そしてまずは、「自分はどんな働き方をしたいのか?」「何がやりたいのか?」とこれからのキャリアプランを考えることから始めてみましょう。 やりたいことがわからない時に、どのようにキャリアプランを考えていけばよいのかについては、こちらのコラムで詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。 https://career-lab.biz/column/%E8%87%AA%E5%88%86%E3%81%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%8C%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%8D%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9/ 異動することができれば、「辞めたい理由」が解消できる 企業も、採用した新卒入社社員には様々な経験を積んで成長してほしいと考えています。そのため、「2~3年経ったし、次の仕事を覚えてもらい、仕事の幅を広げてもらおう」「今の配属先よりも、もっと適性がある部署があるかもしれないから、チャレンジしてもらう」と、入社3~4年目は、新卒採用で配属された部署から人事異動が行われることもよくあるタイミングです。 異動も叶いやすいタイミングだからこそ、もし「仕事内容が合わない」「上司と合わない」という理由から「仕事を辞めたい」と思っていても、待遇面や社風に不満がないのであれば、まずは異動希望を出してみるのはいかがでしょうか。 もし上司との関係が良好であれば、正直に異動希望を伝えてみましょう。社内にやってみたい仕事があれば、その仕事がやりたい前向きな理由があれば、意外に叶えてもらえるかもしれません。上司に相談できるような状況ではない場合は、人事部に相談してみてください。もし社内に、異動希望を申請できる制度があれば利用してみましょう。 転職先の待遇面は、転職活動前に確認することはできますが、社風の確認はできないため、転職した後に「社風が合わない」「仕事のやり方が合わない」という状況も十分にありえます。今の会社の待遇面や社風に問題がないのであれば、転職でそれを手放してしまうのは少しもったいないかもしれません。 4.転職するかしないか、迷った時の対処法 「入社3年目」は転職するにはチャンスが広がるタイミングではありますが、自分は本当に転職したほうがいいのか、このまま続けたほうがいいのか、悩ましいこともあります。最後にそんなときの対処法をご紹介します。 友人に話してみる もし話せる友人がいるならば、ぜひ今の思いを聞いてもらいましょう。 このとき、友人に話をする目的は、アドバイスをもらうためではなく、「ただ話を聞いてもらうため」です。 社会人3年目の同年代の友人に聞いても、その人がキャリアに対して適切な情報を持っているとは限りませんが、自分の話を聞いてもらううちに、気持ちが整理され、すっきりし、自分で答えに気づくことができるでしょう。 これのように、自分で話した内容や自分の言葉をきいて、「自分はこう考えていたんだ」「こうやりたいんだ」と自分への理解が深まり、納得したりすることを、コーチング用語でオートクラインといいます。 誰かに話す、話を聞いてもらうことで、自分の中に気づきが起こります。それにより、今まで見えなかった自分のやりたいことや、キャリアプランも見えてくるのではないでしょうか。 転職エージェントに登録してみる 「誰かに話す」だけでも効果がありますので、それを友人ではなく、プロに聞いてもらうという方法もあります。その1つが、転職エージェントです。 転職エージェントに登録すれば、プロのエージェントが話を聞き、具体的な転職先を紹介してくれます。転職エージェントは転職を紹介するのが仕事なので、「転職ありき」ですべての話が進みますが、求人を紹介されても「転職するかどうかは、具体的な求人を見てから決める」くらいの気持ちでうまくつきあっていきましょう。 やりたいことがわからない場合、今、選択できる具体的な求人からキャリアプランを考えてみるというのも一つのやり方です。サービスは無料となりますので、「転職するかどうか迷っているけれども、どちらかというと転職には前向き」という場合には、賢く活用するとよいでしょう。 キャリアコンサルタントに相談してみる キャリアのプロという点では、転職エージェント以外にも、私たちのようなキャリアコンサルタントもいます。 キャリアコンサルタントと転職エージェントの最も大きな違いは、「転職前提かどうか」という点です。キャリアコンサルタントは、「本当に実現したいことは、どんな状態か?解決したいのはどんな問題か?本当は何がやりたいのか?」と、キャリアに対する自分の考えを整理するサポートを提供しています。 転職ありきではないので、具体的な求人を紹介することはありませんが、転職ありきではないからこそ、本当に自分自身にとってよい選択を見つけるサポートができるのが特徴です。 また、キャリアコンサルタントは、コーチングスキルを身につけたプロフェッショナルでもありますので、オートクラインもより効果的に進めることができます。だからこそ、話を整理していくうちに「考えてみたら、やっぱり今の会社で頑張ったほうがよさそうだ」とご自身で気づかれる方も多くいらっしゃいます。 「転職したほうがいいのか、今の会社を続けたほうがいいのか、本当にどっちにすべきかわからない」という場合には、まずはキャリアコンサルタントを活用して、自分の考えをすっきり整理してみてはいかがでしょうか。 「入社3年目」は選択の幅が広い時期だからこそ、どんな選択をするかが今後のキャリアに大きく影響します。あなたが納得した選択ができるよう、応援しています。

2023/11/09
Avator
ご利用者の声
Voice
お悩みの内容
キャリアコンサルティングの利用法その他人間関係・仕事に対する不安今後のキャリアプランやセカンドキャリアについて仕事と家庭との両立について働き方就職活動履歴書・職務経歴書等、書類添削独立について転職について適職診断・自己分析・自分探し面接対策
新着記事
人間関係・仕事に対する不安
30代の仕事の悩みはどう解決する?意識すべきことと乗り越え方

30代の仕事の悩みはどう解決する?意識すべきことと乗り越え方

30代は、仕事において新人ともベテランとも言いにくい微妙なタイミング。加えて、結婚・出産・育児・マイホーム購入・親の介護といった私生活の変化も起こりやすく、仕事や働き方について悩んでしまう人が少なくありません。 30代の仕事の悩みは何が原因で、どう乗り越えていけばいいのでしょうか? 本記事では、仕事の悩みの原因になりやすい要素や、仕事に悩む30代に意識してほしいこと、悩みを早期解決に導く方法について解説します。  30代は仕事の悩みが多い 30代が仕事で悩みがちなのは、データでも証明されています。厚生労働省が実施した「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」によると、30代の86%が「仕事に対して強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄がある」と回答しているのです。 働く30代の実に8割以上が仕事の悩みを抱えており、もはや悩んでいる人が多数派・悩んでいない人が少数派という図式になっています。 なお、不安、悩み、ストレスの原因として最も多く挙げられていたのは「仕事の失敗、責任の発生等」でした。これは、重要な仕事を任されたり新しいポジションに就いたりしやすい30代の苦悩が色濃く反映されているものと思われます。  将来性や転職についての悩みも 30代は「会社の将来性」に関して悩んでいる人の割合が、全年代の中で最も多いのも注目すべき点といえます。30代はキャリアの中間地点に立っている上、結婚・出産・子育てといったライフイベントが起こりやすいため、必然的に将来について考える人が増えるのでしょう。 他にも「海外に比べると年齢を気にしすぎる」という日本特有の傾向も、30代の悩みを加速させていると考えられます。年齢を重視する日本の転職市場には、「若いうちが有利」という風潮が今なお存在するため、30代は「ギリギリ若手と呼ばれる今のうちに転職したほうが良いのでは?」と悩みやすいです。   30代が仕事で悩む原因 ここでは、30代の仕事の悩みにつながりやすい5つの要因について解説しましょう。自分の悩みに近いものはないか探し、悩みの原因特定に役立ててください。   毎日に変化がなくマンネリ化する 大学を卒業してから社会に出たと仮定しても、30代は社会人歴が10年前後あります。大抵の人は社会人としての振る舞いが身に付き、日々の業務にもすっかり慣れているでしょう。慌てることや焦ることが減って効率よく仕事を進められるようになりますが、一方で新しい発見や驚きが少なくなり「毎日が同じ作業の繰り返し」のように感じやすいです。 マンネリ化すると毎日の仕事に飽きを感じるほか、「この生活がこれから何十年も続くのか」という不安も募ります。 キャリアの行き詰まりを感じたりやりがいを見出せずモチベーションが下がったりするため、仕事の悩みに直結しやすいです。   多忙すぎて余裕がない 働き盛りの30代はこれまで以上に多くの仕事を任され、業務量が一気に増えることも珍しくありません。また、出産・育児といった私生活の変化によって自由に使える時間が減り、今まで以上に忙しいと感じる人も多いです。 そして、この「忙しさ」が仕事の悩みの引き金になるケースもあります。 忙しいと心身ともに余裕がなくなり、ストレスの増加やミスの誘発、人間関係の悪化を招きやすくなるためです。 慌ただしい日々をうまくこなしたとしても、「疲れた」「休みたい」という感情を長く持ち続けたストレスは確実に蓄積するため、いつか心身に重大な問題を引き起こす可能性も…。   将来への不安 30代はまだまだキャリアの中堅どころであり、定年を迎えるまでとなると今後約20~30年は働かなくてはいけません。だからこそ将来に対する閉塞感や不安が生まれ、「今の会社に居続けて大丈夫だろうか」という悩みが増えやすいです。 また、年功序列制度が定着しているまたはポストに空きがない会社で働いている場合、昇進の望みが薄いためより将来への不安が募りやすくなります。 30代は20代のときよりも自分の出世ルートが正確に見えるため、今後の展望を予測して「正当な評価が得られない可能性がある」と感じると一気にやる気を失うでしょう。   部下との関係構築が難しい 職場の人間関係は働く多くの人にとって悩みの種ですが、その中でも30代は部下との関係に悩みやすいです。 30代になると、直属の部下ができたり後輩の指導育成を任されたりする機会が増えます。しかし30代は、仕事の経験や知識はそれなりに豊富でも、上司・先輩としての経験はあまり多くありません。 相性の良い部下なら指導もスムーズにいきやすいですが、異なる時代を生きて価値観の違う部下の指導は一筋縄ではいかない場合も多々あります。 「どのように指導すればいいのかわからない」という悩みはもちろん、場合によっては「そもそも接し方がわからない」と悩むケースもあり、うまく関係構築できずにストレスを抱えやすいです。   プライベートとの両立 20代のうちはがむしゃらに働いたという人も、気力・体力をフル活用するような働き方をずっと継続し続けるのは難しいです。 特に30代は結婚・出産・育児などで生活スタイルが変わりやすく、これまで以上にプライベートの時間を確保したいと考える人が増えます。 しかし、現代におけるライフワークバランスへの各企業の取り組みはまだまだ十分とはいえず、制度が整っていなかったり制度を利用しにくかったりするのが実情です。仕事とプライベートをうまく両立できないと、2つを天秤にかけて悩みが生まれてしまいます。   仕事に悩む30代が意識すべきポイント 悩みがあると、モヤモヤしてあらゆることに集中できず、普段とは違う行動に出やすくなります。しかし、ある程度自分をコントロールしないと、周囲の人に迷惑をかけてしまったり悩みをさらに深刻にしたりする可能性が! ここでは、仕事に悩む30代に意識してほしい3つのポイントを解説します。   仕事に手を抜かない たとえば1日8時間働くとして、8時間常に集中力や緊張感を保つのは不可能です。そのため、仕事中もこまめに休憩を取るなどして、ところどころで手や頭を休める必要があります。 しかしだからといって、仕事の手を抜いてはいけません。 業務に慣れているからこそ30代は仕事に本気になりにくいですが、本気にならなければ新たなスキルは身に付かず、マンネリや飽きを感じやすくなります。 仕事に対する姿勢を変えるだけで悩みの原因が解消される場合も多いので、悩みがあっても仕事には誠実に取り組みましょう。   コミュニケーションに消極的にならない 悩んだときほど、人と話す気分になれず塞ぎこんでしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、暗い雰囲気のままでいると職場の空気も悪くなりやすいですし、周囲の人に気を遣わせてしまいます。 無理して愛想良くする必要はないものの、できる範囲でこちらからも積極的にコミュニケーションを取るのを意識しましょう。 周囲の人と良好な関係が築けると、仕事の悩み相談にも乗ってもらいやすくなるほか、プライベートと仕事を両立したい場面でも理解を示してもらいやすくなります。   オンオフのメリハリをつける 公私ともに忙しい30代は、起きてから寝るまでずっとやることに追われてバタバタ過ごしがち。しかし、これでは心が常に緊張状態にあるため実際の忙しさ以上の多忙感があり、疲労や悩みの深刻化を招きやすいです。 そのため忙しい日々の中でも、自分の中で「オンオフ」を決めてメリハリをつけるよう意識してみてください。 なかなかうまくいかないときは、「仕事中に飲み物を飲んでいる間はオフ」「帰宅して入浴を済ませたらオフ」のように、行動と結びつけて気持ちを切り替えるのがおすすめです。   30代が仕事に悩んだときの対処法 ここからは、30代の仕事の悩みに対する具体的な解決策を紹介します。   つらい気持ちが大きいときはとにかく休む! 悩みが大きくなりすぎると「疲れた」「つらい」「辞めたい」など、ネガティブな気持ちばかり頭に浮かんでしまいます。そんなときは、一度しっかりと休むのが大切です。休暇を取っていつもよりものんびりとした時間を過ごし、思いきりリフレッシュしましょう。 「悩み解決に向けた行動をしなくていいの?」と思うかもしれませんが、疲れすぎているときに無理に行動しても頭がうまく働かず、良い解決策は浮かびません。 忙しすぎることにストレスを溜めて悩んでいる場合は、数日ゆっくり過ごすだけでイライラが解消されて悩みが晴れる場合もあります。    キャリアコンサルティングを受ける 「少しでも早く悩みから解放されたい!」という場合には、専門知識を豊富に持ったプロのキャリアコンサルタントに相談するのがおすすめです。キャリアコンサルティングを受けると、自分の悩みの根本的原因が明確になり、原因に応じた的確なサポートが受けられます。 「単なる一般論」ではなく「自分の悩みに応じた解決策」をアドバイスしてもらえるので、悩みに効果的にアプローチでき最速スピードでの問題解決を目指せるでしょう。 なお、キャリア・コンサルティング・ラボであれば、オンライン面談で全国どこからでも気軽に相談できます。忙しい30代も利用しやすいサービスなので、ぜひご活用ください。   ライフプランを考える 将来に対する見通しが立っていないと、仕事に対する不安も膨らみ悩み解決が遠のきます。そのため、自分の将来をイメージして人生の計画を立てるのも大切です。 やりたいことや大切にしているもの、反対に避けたい働き方などを最初に挙げ、そこから転職や結婚、子育て、住宅購入などのライフイベントを考えていくと、具体的なライフプランが立てられます。 また、今後必要となるお金を計算し、今の自分に必要な行動や身に付けるべきスキルなどを洗い出していきましょう。ライフプランを立てておくと、仕事の悩みを抱えても突発的な退職・転職を避けることができ、自分の選択に後悔しにくくなります。   物事に優先順位をつける 20代のときは全てのことに全力投球して、自分の求める結果が出せたかもしれません。しかし、30代はやるべきタスクや必要となるお金が一気に増える時期なので、頑張りだけでは望む結果を得られない場合も多いです。 このような出来事が重なると「結果を出せない自分はダメだ」という自信喪失から不安や悩みにつながりやすいので、一度に全ての物事に取り組むのではなく優先順位をつけて対応しましょう。 優先順位をつけるのが習慣になれば、仕事がスムーズに進むだけでなく、常に思考が整理されて悩んでも混乱しにくくなります。仕事の悩みがあっても、悩みごとに優先順位をつけられるので、効果的な解決策が取れるはずです。   スキルを増やす これからも戦力として働き続けるために、スキルの獲得はマストです。既にスキル・資格を持っている人も、新しいスキル獲得に向けて努力や挑戦をしてみてください。スキルや資格があれば転職の選択肢が広がるほか、今の会社でのキャリアアップも実現しやすくなります。 また、何より「自身の頑張りによって得たスキル」は、今後さまざまな場面で自分の力になるでしょう。スキル獲得のために頑張った経験は自信になりますし、努力の末に得たスキルは未来への安心材料になります。 スキルを増やそうと奮闘する日々は刺激的なので、モヤモヤと悩む時間を減らしてくれるのもメリットです。   仕事・キャリアに悩む30代は、一人で抱えず相談を! 30代は、まだ「若手」と呼ばれることもある年代でありながら、人生における大事なライフイベントが起こりやすく、仕事の悩みが一気に増える時期です。 ちなみに、20代から定年を迎えるまで働くとなると、ざっくり計算で約40年あります。長い社会人人生において30代はまだまだ折り返しに差し掛かるかどうかという地点にあるというのも、一度悩みを抱えると「このモヤモヤが長く続くのでは」という不安に駆られ悩みから抜け出しにくくなる理由でしょう。 深刻になりやすい30代の仕事の悩みを一人きりで抱えるのは、ストレスやプレッシャーで心身の不調を招く可能性があります。 身近な人に相談するのもありですが、迅速な悩み解決を目指すなら、ぜひ一度キャリアコンサルティングを受けてみてください。 今抱えている悩みから一日でも早く抜け出し、生き生きとした30代を過ごしましょう!

2025/03/31
人間関係・仕事に対する不安
キャリアのよくある悩みとは?解決するための対処法と考え方

キャリアのよくある悩みとは?解決するための対処法と考え方

「今のままキャリアを積んで良いのか悩んでいる」「将来のキャリアについて考えると不安」 キャリアの悩みは、置かれている状況や年代によっても内容が変わり、なかなか尽きることがありません。 このような悩みを抱えている人に向けて今回は、よくあるキャリアの悩みや、悩んだときの解決法、苦しいときこそ意識してほしい考え方を解説します。 働く人が抱えがちなキャリアの悩みの原因を参考に、自分のモヤモヤを解消するヒントを見つけてください。   仕事・キャリアに関するよくある悩み 自分が何に悩んでいるかを明確にしないと漠然とした不安が広がり、さらに悩みがエスカレートしやすくなります。ここでは、仕事やキャリアに関するよくある悩みを解説するので、ぜひ自分の悩みの原因特定に役立ててください。   評価に不満がある 働く上で避けられないのが「評価」です。昇給や昇進できるか、重要な仕事を任せてもらえるかなどは、社内での評価が大きなカギを握っています。 そのため、会社からの評価に納得できないと「給料が増えない」「キャリアアップできない」「仕事にやりがいがない」など、派生の悩みも生まれやすいです。 評価制度や基準に疑問を持ち、会社に対する不信感も強くなりやすいので「このまま今の会社でキャリアを積んで良いのか?」とキャリアチェンジの悩みへとつながるケースもあります。   向いてる仕事がわからない 自分に向いてる仕事がわからないと、今の仕事を続けるべきなのか、転職するべきなのかの判断がつきにくく、やりたいことが見えない「キャリア迷子」になってしまいます。他にも、自分の好きなことや、やりがいを過剰に求めた場合も、向いてる仕事がわからなくなりやすいです。 仕事において好きなことを追及したりやりがいを求めたりするのは当然ですが、それらが必ずしも自分に合っているとは限りません。好きなこと=得意なことではないですし、やりがいが大きい仕事はその分プレッシャーや責任が伴います。 能力や適性を客観的に把握し、自分に合う仕事について考えるのが、悩み解決の第一歩です。   今の仕事がつまらない 20代・30代に多いのが「仕事がつまらない」「働く面白みがなくモチベーションが上がらない」という悩み。一通りの業務を覚えて新鮮味が薄れた頃によくある悩みで、刺激不足やマンネリ感による飽きが原因であるケースが多いです。 しかし中には、「スキルが身に付かないからつまらない」「仕事ができないからつまらない」など、別の問題が隠れている場合も! 仕事がつまらなくて悩んだときは、まず「なぜつまらないのか」を考え、隠れた問題や自分の本心を探ってください。   転職すべきか迷っている 今後のキャリアに漠然とした不安があったり、今すぐ辞めるほどではないものの会社に不満を感じていたりすると、転職に迷いやすくなります。 他にも、転職したい気持ちはありつつも「転職して失敗したらどうしよう」「新しい職場で活躍できるだろうか」という心配で、転職に踏み切れないケースも多いです。 転職すべきかどうかで悩むと、気持ちが定まっていないため今の仕事にも転職活動にも集中できず、悪循環に陥る可能性が高くなります。後悔しない選択をするためには「これからどんなキャリアを歩んでいきたいか」を明確にし、そこから転職の必要性を考えてみると良いでしょう。   理想のキャリアがない 「そもそも理想とするキャリアビジョンがない」というのも、悩みの原因になりやすい要因の一つです。 理想のキャリアがなければ、当然キャリアプランも立てられません。これからどのようなキャリアを歩みたくて、そのために今何をすべきかがわからないので、何をしていても「これで正解なのだろうか?」という疑問が拭えず自信が持てないでしょう。 また、理想がなければ、仕事や働き方を選ぶ際の軸が定まらず、自分に合わない会社を選んで悩みを増幅させてしまう危険性があります。   キャリアに行き詰まりを感じる ミドル層のビジネスパーソンによくある悩みが、「進むべきキャリアがない」「自分はここまでだ」のように感じるキャリアの行き詰まりです。キャリアの行き詰まりに悩むと、停滞感から働くモチベーションの低下につながり、本当はまだ成長やキャリアアップのチャンスがあったとしても機会損失を招いてしまいます。 「これ以上、物事は良くならない」と悲観的な考え方になりやすく、自己肯定感が下がってなかなか悩みから抜け出しにくいです。 キャリアに行き詰まりを感じたときは、今までとは違う視点で物事を考えるのを意識してみてください。こうすることで、新たな気付きや可能性が見つかり悩みから脱却できる可能性があります。   キャリアとプライベートを両立できない 年齢を重ねれば重ねるほど、結婚や子育て、親の介護など、重大なライフイベントが起こって仕事とプライベートの両立に悩みやすくなります。現状では仕事とプライベートを両立するのが難しく、ライフワークバランスを見直そうとした結果、キャリアに悩む人も多いです。 また、激務の仕事に就いている人の場合は、年齢を重ねて気力や体力の衰えを感じ、キャリアに悩むケースもあります。 キャリアとプライベートの両立に悩んだときは、両者の「理想のバランス」を明確にすると、進むべき方向性が定まりやすいです。   管理職に就くか、就かないか 40代以降になると、「管理職」というポジションが現実味を帯びてきます。しかし、管理職への昇進は全てのビジネスパーソンにとって魅力的というわけではありません。中には、ずっと現場でプレイヤーとして活躍したいのに、管理職を打診されて困ってしまうというケースもあります。 管理職の打診は断ることもできますが、断れば社内評価が下がる恐れがあり、管理職に就くか・就かないかはその後のキャリアにも大きく影響する深刻な悩みです。 一度管理職に就いてしまうとなかなか降格はできないので、自分の適性や管理職のメリット・デメリットを把握した上でじっくり判断しましょう。   時代や環境の変化に追い付けない 40代・50代は、時代や環境の変化にうまく対応できないのが、キャリアの悩みにつながる場合も多いです。 たとえば、現在40代・50代の人にとっての「20代のときに当たり前だった仕事の進め方や常識」が、変化した現代においては求められないというケースも多々あります。今までの仕事のスタイルが通用しにくくなるので、今後のキャリアに不安を感じたり、モチベーションが下がったりしやすいです。 これまでに培った経験やスキルは決して無駄になりませんが、これからも会社の戦力であり続けるためには、時代のニーズに合ったスタイルや新たな取り組みにも挑戦していきましょう。   仕事やキャリアに悩んだらするべきこと ここからは、仕事やキャリアの悩みから抜け出すための対処法を解説します。   悩みの原因の特定 「キャリアについて悩んでいる」といっても、原因は人それぞれです。まずは、自分の悩みの原因をじっくり考えてみましょう。 不安や不満、モヤモヤすることなどを紙に書き出すと、頭の中が整理されて原因が見つかりやすくなります。また、いくら考えてもはっきりとした原因が特定できない場合は「漠然とした将来への不安」や「自分はダメだという思い込み」が原因になっているかもしれません。 原因によって、今後取るべきアプローチ方法も変わるので、まずは一度落ち着いて悩みを整理してみてください。   自己分析 考え方やスキルは時間の経過とともに変わっていくものなので「就職・転職時にしっかり自己分析した」という人も、悩んだときは自己分析が欠かせません。 これまでのキャリアを振り返り、自分の軸や強み、働く上で大切にしたいことなどを洗い出してみましょう。他にも、人から褒められたこと、自分が興味・関心のあることにも注目です。 自己理解を深めると、自分に合う仕事や働き方が見つかりやすくなり、悩みの早期解決につながります。   理想からキャリアプランを立てる 「今後どうなっていきたいか」という将来の理想についても考えていきます。そして、理想像をもとに具体的な行動計画、いわゆる「キャリアプラン」を立てていきましょう。 また、キャリアプランを立てる際は、ライフプランも併せて考えるのがおすすめです。仕事と人生の将来設計を同時にすることで、ライフワークバランスの取れたプランになり、実現性も高くなります。 「キャリアの方向性がわからない」と悩んでいる人であれば、明確なプランを立てて今後の道筋を明らかにするだけで悩みが軽減するはずです。   スキルアップやキャリアチェンジ スキルアップして新しい学びを得れば、自信になり迷いから脱却できる可能性があります。今後のキャリアの選択肢も広がるため、新しいスキルや価値観を積極的に身に付けていきましょう。 また、悩みの内容によっては、部署や職場を変えるという選択肢も解決策になり得ます。 ただし、部署異動・転職はその後のキャリアを大きく左右するため、実行する前によく検討してください。   キャリアコンサルティングを受ける キャリアに関する悩みは、一人ひとり異なっており非常に複雑です。そのため、ここまで紹介してきた一般的な悩み解決方法では、うまく悩みを解決できない場合もあります。 「自分にとって最適な悩み解決方法が知りたい」という人は、キャリアコンサルティングを利用してみましょう。 キャリアコンサルティングでは、あなたの悩みの根本的原因を明らかにして、問題解決に向けたアドバイス、キャリアプランを立てるサポートなどをしてもらえます。客観的視点やプロの情報・助言を得ることで、悩み解決の糸口が見つかるはずです。   キャリアに悩んだときの考え方 キャリアに悩むと、思考がネガティブになり、つい物事を悪い方向に考えがち。ここでは、悩みを深刻化させないための考え方を紹介します!   キャリアに正解や優劣はない キャリアに悩むと「こんなキャリアではいけない」と自分にダメ出しをしたり、誰かと自分を比べて落ち込んだりします。 しかし、キャリアは一人ひとり違って当然のものであり、正解や優劣はありません。キャリアにおいて大切なのは「正しいか・人より優れているか」ではなく「自分が納得できているか」です。 悩んでいるときほど他人の意見や一般論が気になりやすいですが、自分の軸をしっかり持ってキャリアを考えてください。   「やりたくない」から理想を見つけるのもあり 自己分析中や将来の理想像を考える際に「やりたいことなんてない」と感じた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。そんなとき、やりたいことを無理やり探すと苦痛に感じやすく、自己分析やキャリアプランの立案がうまくいきにくいです。 やりたいことが見つからないときは、反対に「やりたくない」「嫌だ」と思うことからヒントを得てみましょう。 やりたくないことが明確になれば、その裏を返してやりたいことが見つかりやすくなります。苦手分野の把握・回避は、自分らしく働くためにも必須です。   キャリアはゆくゆく見直すものとして考える 悩むのは精神的に消耗する行為であるため、「もう二度と悩まないで良いように、完璧なキャリアプランを立てよう」と考える人は少なくありません。 しかし、明確なプランを目指すのは良いことではあるものの、過剰に完璧を目指すとなかなかプランが完成せず、悩み解決に向けた具体的な行動も遅れやすくなります。人の心や働き方の理想は今後変わる可能性も十分あるため、キャリアプランは「ゆくゆく見直すもの」として、適度に柔軟性を持たせるのがおすすめです。 見直すことを前提にすると「完璧でなくても良い」と思えるので、キャリアプランを立てるハードルそのものも下がります。   仕事の悩みはキャリアのプロに相談するのがおすすめ 仕事はお金を稼ぐ手段でもありますが、自己表現をしたり達成感や充実感を得たりする場でもあります。自分や人生を形作るのに重要な役割を占めているものだからこそ、キャリアの悩みは複雑かつ深刻になりがちです。 そのようなキャリアに関する悩みは、一人で抱えずプロのキャリアコンサルタントに相談してみましょう。キャリアコンサルティングでは、あなたの悩みや価値観を理解した上で、適切なアドバイスを授けてもらえます。 仕事やキャリアに悩んでいる人、モヤモヤしているけど原因がわからない人は、ぜひキャリア・コンサルティング・ラボをご利用ください。

2025/03/24
人間関係・仕事に対する不安
20代後半が抱えやすい仕事の悩み8選!解決のコツ&NG行動も

20代後半が抱えやすい仕事の悩み8選!解決のコツ&NG行動も

数年の社会人経験はあるものの、まだまだ慣れない業務や覚えることも多い20代後半は、仕事の悩みが増える時期です。 20代後半の人はどのようなことに悩み、どうやって解決していくのが得策なのでしょうか。 本記事では、20代後半によくある悩みや解決のコツ、悩んだときに取りがちなNG行動について解説します。悩みを相談するのに適した相手も紹介するので、ぜひ参考にしてください。 20代後半が抱えやすい仕事の悩み8選 まずは、20代後半が抱えやすい仕事の悩みを8つ解説します。悩みの原因が明確になると解決の糸口も見つかりやすいので、自分に当てはまる悩みはないかチェックしてみましょう。 職場の人間関係がうまくいかない 20代後半にもなると、新人のときよりもできる仕事が増えて上司との距離が近くなったり、場合によっては後輩指導を任されたりします。自分の仕事だけに集中していればよかった新人時代とは異なり、さまざまな人とコミュニケーションを取りながら仕事を進めなくてはいけないため、人間関係の悩みが生じやすいです。 また、先輩や上司とスムーズな関係が築けないと、厳しい指導を超えたパワハラやいじめ、嫌がらせを受けるケースもあり、より悩みが深刻化します。   仕事のやる気が出ない 「仕事に新鮮味を感じなくなった」「数年働いても仕事のやりがいや面白みがわからない」などの理由で、やる気をなくしてしまう20代後半も多いです。 モチベーションがない中で毎日同じ仕事を続けるのはストレスが溜まり、大きな悩みとなるでしょう。 ただし、やる気のアップダウンには、別の悩みが関係している場合もあります。たとえば「やる気が出ないと悩んでいたが、実は人間関係の悩みがやる気に悪影響を及ぼしていた」のようなケースは珍しくありません。 仕事のやる気が出なくて悩んだら、まず「なぜ仕事のやる気がなくなったのか」という原因を突き止めるのが大切です。   給料が上がらない 30代・40代に比べると収入が低くなりやすい20代後半は、給料面の不満が悩みに発展するケースも多いです。20代後半は任される仕事も増えていくため、「会社に貢献しているのに見合った給料が得られない」と感じることがあります。 給料は「会社から評価されているか」の一つのバロメーターでもあるため、思うような収入が得られないと評価制度や会社そのものにも不満を持ちやすくなるでしょう。   スキルが身に付いている実感がない 20代は「後の人生を左右する大事な時期」ともいわれており、今のうちに仕事を通してしっかりスキルを身に付けておきたいと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、スキルは目に見えにくいため身に付いている実感がなかなか持てず、焦りや不安から悩みの種になることがあります。 また、自分なりには成長しているものの、さらに優れたスキルを持つ同僚や同世代の人を見て、自信を失くしてしまうケースも少なくありません。   仕事ができない 20代後半は「新人」ではないものの「ベテラン」でもなく、まだ不慣れなことや苦手な作業もあります。 そのため「思うようにうまく仕事ができない」という悩みもよくある一つです。 自分と同僚とで仕事の出来に差が出る場合も珍しくなく、自信喪失や自己嫌悪から悩みが深刻になる場合があります。存在価値を見失って「仕事ができない自分が会社にいて良いのか」のようにも考えやすくなるため、毎日仕事に行くことさえつらく感じてしまうかもしれません。   仕事のプレッシャーが大きい 中には、20代後半で大きな仕事や責任のある立場を任される人もいます。これまでの努力が認められた結果であり喜ばしいことですが、本人にとってはプレッシャーが大きすぎてしんどいと感じるかもしれません。 また、いきなり大きな仕事や役職は任されなくても、20代後半になると会社から求められることは増える傾向です。 これまで以上の成果を望まれたり、キャリアアップに向けてマネジメント能力を要求されたりして、心的負担は大きくなるでしょう。   キャリアとプライベートの両立が難しい 20代後半から30代にかけて、多くの人がキャリアとプライベートの両立に悩みます。この時期は、結婚・出産・子育てなどが現実味を帯びてきて、ワークライフバランスを意識するきっかけが多いタイミングです。 理想の働き方やキャリア、今後のライフプランなどについて一度立ち止まって考える人が増えるため、仕事とプライベートを両立したいという悩みも深刻になりやすいでしょう。 また、20代前半ではこなせたハードワークを20代後半ではきついと感じ、しっかり休める働き方について考え始める人もいます。   転職するべきか迷っている 20代後半は「今の働き方を続けるべきなのか」「転職したほうが良いのではないか」という悩みにもよく直面します。 一般的に「転職は若いほうが有利」だといわれており、20代後半は30歳という一つの節目を迎える直前の時期だからこそ、焦りを感じてより転職に悩みやすいです。 しかし、企業側は30歳という年齢をそこまで特別視しておらず、焦って行う転職活動はマイナスになる可能性が高いので注意しましょう。   20代後半の仕事の悩みを解決するコツ 20代後半の仕事の悩みを解決に導くためのポイントを紹介します。できることから取り組んで、納得のいく答えを見つけましょう。   キャリアプランを立てる これから実現したいビジョンを明確にして、キャリアプランを立てましょう。 「将来的にどうなりたいのか」がわからなければ、悩みへの適切なアプローチ方法も見つかりません。まずはこれまでのキャリアを洗い出し、次に自分にとって理想的な仕事や働き方の将来像を考えます。現状から将来像を実現するためにはどのようなスキル・経験が必要か、それらを得るためには今何をすべきかなどを具体的にすれば、キャリアプランが明確になるでしょう。 軸となるキャリアプランがしっかりしていると「今やるべきこと」がわかり、仕事の悩みから解放されやすいです。   自己流のルーティンを作る 悩みがあると日々の仕事に集中しにくく、モチベーションも下がってしまいます。しかし、集中力やモチベーションが低下すると仕事のミスが増え、会社からの評価が下がってさらに悩みが深刻化する可能性も! これ以上悩みを増やさない・深刻化させないために、自分なりのルーティンを作りましょう。ルーティンは「出社したらまずコーヒーを飲む」「〇〇のファイルから作業を始める」など、自分にとってやる気スイッチとなるならどのような行動でも構いません。 ルーティンがあると、悩みに左右されずに仕事のパフォーマンスが安定します。落ち込んだり自分を責めたりしにくくなるので、気持ちも前向きになりやすいです。   他人ではなく過去の自分と比較する 「同僚より仕事ができない」「同世代より給料が低い」のように、20代後半が抱える仕事の悩みは他人との比較が原因で起こる場合もよくあります。他人の情報は参考にするだけなら有益なものの、優劣を決めるための比較対象とすると悩みにつながりやすいです。 他人と比較しても自分の現状や能力が変化するわけではないので、他人ではなく過去の自分と比較する考え方を身に付けましょう。過去の自分と比較するのが習慣になると、自身の成長を総合的に実感できて自信になり、悩みにくくなります。   転職を視野に入れて行動してみる 今の働き方に疑問があったり、転職すべきか悩んでいたりする場合は、今とは異なる職場環境に目を向けてみても良いでしょう。転職サイトに登録して求人を見てみる、興味のある職業に就いている人から話を聞かせてもらうなどすれば「本当に転職すべきか」を考える良い判断材料になります。 いきなり会社を辞めて転職するのはリスクが大きすぎますが、今の会社で働きながら情報収集するだけならリスクはありません。 さまざまな会社や働き方を知るきっかけにもなり、それをヒントに理想の将来像が固まる場合も多いです。   仕事に悩む20代後半が取りがちなNG行動 仕事のことで悩んでいるとき、いくつかやってはいけない行動があります。ここからは、仕事に悩む20代後半がつい取りがちなNG行動を解説しましょう。   悩みを一人で抱え込む 「誰に相談すべきかわからない」「迷惑をかけたくない」などの理由で、仕事の悩みを一人で抱え込む20代後半の人は多いです。しかし、一人きりで悩むと思考が堂々巡りになりやすく、悩みや落ち込みがより深くなるので注意しましょう。 自分の思いを誰かに聞いてもらうだけでもストレス発散効果があり、悩みの早期解決につながります。後ほど、仕事の悩みを相談するのにおすすめの相手も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。   ネガティブな情報に没頭する 20代後半は生まれたときからインターネット環境がある「デジタルネイティブ世代」です。そのため仕事で悩むと、ネットやSNSを使って情報収集しようとする人が多いでしょう。 しかし、ネット・SNSには不確定かつネガティブな情報が多く、悩んでいるときほどこのような情報を集めてしまいます。 不安を煽る情報に惑わされてさらに悩みから抜け出しにくくなる可能性があるので、時にはネット・SNSから距離を置くのも大切です。   不健康な方法でリフレッシュする 仕事について悩んでいるとき、ひと時でも楽しい時間やストレス発散になる時間を過ごしてリフレッシュするのは良案です。 しかし、気晴らしになるからといって、どこかにしわ寄せがいく不健康な方法を実践してはいけません。たとえば、食べ過ぎや飲みすぎ、ギャンブル、過剰な買い物などは、不健康な方法です。 このような方法は身体的・金銭的な負担が大きく、仕事の悩みとは別の新たな悩みを生む可能性があります。   勢いで仕事を辞める 膨らみすぎた仕事の悩みから一刻でも早く解放されたくて、勢いだけで仕事を辞めてしまうケースは少なくありません。しかし、突発的な退職はキャリアプランに悪影響を及ぼしやすく、その後の人生まで左右する可能性があるのでやめましょう。 20代後半は転職適齢期といわれていることから「辞めてもすぐ次の就職先が見つかるだろう」と考える人もいますが、楽観的な考えでは転職活動はうまくいきにくいです。 転職や退職も一つの悩み解決方法ではあるものの、大きな決断のためよく考えてください。   20代後半の仕事の悩みにおすすめの相談相手 20代後半の仕事の悩みは、誰に相談するのが良いのでしょうか。ここでは、おすすめの相談相手を紹介します。   職場の上司 職場の上司は、過去にあなたと同じ悩みを経験した可能性があり、相談すると具体的なアドバイスが期待できる存在です。あなたの意見を汲んで仕事の進め方や職場のルールを見直してくれる可能性もあり、悩み解決につながりやすいでしょう。 悩みを打ち明けることで上司との距離が縮まる場合も多く、職場内に信頼できる人が増えて働きやすさも向上するかもしれません。   身近な人 家族や友達、同僚、恋人など、身近な人に仕事の悩みを相談するのもおすすめです。身近な人であれば上司ほどかしこまって伝える必要がなく、リラックスして本音を話せます。 また、家族や友達、恋人などは職場外の人間だからこそ、客観的かつフラットな視点を持っており、新たな気付きを授けてくれる可能性が高いです。   キャリアコンサルタント 顔見知りには相談しにくい内容や、より専門的なアドバイスを求める場合には、キャリアコンサルタントに相談するのが適しています。 キャリアコンサルティングを受ければ、現状抱える仕事の悩みだけでなく、これからのベストなキャリアについてもアドバイスが得られます。 悩みや疑問を徹底的に深掘りして向き合ってくれるため、問題を根本から解決できるでしょう。   仕事に悩みやすい20代後半をうまく乗り越えよう 20代後半はさまざまな仕事を任されやすい上に考え方や気持ちが揺らぎやすく、仕事について悩みがちです。悩みを一人で抱え込むと、不安や落ち込みによってさらに悩みが大きくなってしまいます。悩んだときはできるだけ早く、上司や身近な人、キャリアコンサルタントなどに相談してください。 今の悩みは「現状をより良くしたい」「理想の将来を手にしたい」などの前向きな感情から発生していることがほとんどです。 悩んでいる今この瞬間はつらいかもしれませんが、何とか悩みを乗り越えた先には、きっとより良い未来が待っているでしょう。

2025/02/26
人間関係・仕事に対する不安
仕事の悩みを相談できない…つらいときの対処法と相談上手になるコツ

仕事の悩みを相談できない…つらいときの対処法と相談上手になるコツ

職場の人間関係や今後のキャリア、働くモチベーションについてなど、なかなか尽きない仕事の悩み。このような仕事の悩みを誰にも相談できず、一人でモヤモヤし続けている人も多いのではないでしょうか。 しかし、悩みを早く解決しストレスから自分を守るためには、誰かに悩みを打ち明けるのが大切です。 今回は、仕事の悩みを相談しやすくなるポイントやどうしても相談できないときの対処法、おすすめの相談先などを解説します。 仕事の悩みを相談するメリット まずは、仕事の悩みを相談して得られる効果から見ていきましょう。メリットを知ることで、改めて「相談したほうが自分のためになる」と思えて行動できる場合があります。 客観的視点で状況を分析できる 一人で悩んでいると、どうしても視野が狭くなって考え方も偏ってしまいます。しかし誰かに相談する場合は、置かれている状況や自分の気持ちを整理して言語化する必要があるため、客観的視点を取り戻すきっかけになるでしょう。 また、相手から「〇〇ってこと?」「あなたはどう思ったの?」など相槌を入れてもらえるのも、状況分析のヒントになります。 最初はぼんやりしていた仕事の悩みも、誰かに相談すると輪郭がはっきりしてきて、自分一人では気づけなかったことにも気づけるはずです。 早く問題解決できる 悩みを誰かと共有することは、シンプルに知恵が増えるということです。相談すれば自分以外の発想力や着眼点が得られるので、問題に対する効果的なアプローチが見つかりやすくなり、悩みを早く解決できるでしょう。 もちろん、相談相手から毎回必ずしも的確なアドバイスがもらえるとは限りません。 しかし、ためになる体験談を聞かせてもらったり相手の意見を参考にしたりすることで、新しい視点・価値観が生まれて悩み解決の糸口が見つかる可能性が高いです。 相談してうまくいった経験は次に活かせる 相談によって仕事の悩みが解決すると、次に何か困ったことがあったときにもすぐに人に助けを求められます。「報連相」が身に付いて問題を先送りにしたり一人で抱えたりしなくなるので、今後のトラブル軽減にもつながるでしょう。 また、自身が助けられた経験から「相談する大切さ」がわかるため、他人から相談された際には親身に対応できます。 周囲と良い人間関係を構築して業務効率も上がりやすいので、仕事の悩みそのものが減る傾向です。   言葉にするだけで悩みが晴れることも 「仕事の悩みを相談しても、状況が良くなるわけじゃないから意味がない」 このように考えて、悩みを誰にも相談しない人も多いです。 しかし、いきなり状況は変わらなくても、話すことで状況改善の糸口が見えやすくなりますし、何より心境が変わります。悩みや問題を誰かと共有すればストレス・孤独感が和らぎ、気持ちが前向きになるでしょう。 相談してポジティブさを取り戻すだけで、場合によっては「悩むほどのことではなかった」と吹っ切れるケースもあります。   仕事の悩みを相談できない理由 「すべきだとわかっているけど仕事の相談をするのが苦手」という人もいるでしょう。ここでは、相談が苦手な人が抱える課題を解説します。   相談することに罪悪感がある 相談すれば相手の時間を奪ってしまったり、心配をかけたりするのは避けられません。そのため相談相手に申し訳なさを感じて、仕事の悩みを打ち明けられないという人も多いです。 しかし、相談が迷惑がられるかは相手次第であり、相手が迷惑に思わないのであれば感謝する必要はあっても申し訳なさを感じる必要はないでしょう。 相手は迷惑に思うどころか「頼りにされて嬉しい」「相談してくれてありがとう」と思ってくれる場合も多く、相談することでよりコミュニケーションが深まる場合もあります。   誰に相談すればいいのかわからない 仕事の悩みは簡単に解決できる問題ばかりではなく、複雑になりがちだからこそ相談相手を選びます。相手選びに慎重になり過ぎた結果、あれこれ考えてしまって誰に相談すればいいのかわからなくなるという場合もあるでしょう。 相談相手は厳選する必要がありますが、そこに時間をかけ過ぎると悩みがさらに大きくなる恐れがあります。 また、相手から「どうしてもっと早く相談しないの」と責められる恐怖で余計に相談しづらくなる可能性もあるので、悩んだ時点でできるだけ早く相談するのが大切です。   相談相手にどう思われるのかが気になる 「相談して相手から問題解決力のない人間だと思われたらどうしよう」「悩みを打ち明けて弱い人だと思われたらどうしよう」 このように人からの見られ方が気になって、悩みを打ち明けられない人も少なくありません。実際、仕事の悩みを抱えるのは問題解決力が低いからでも人として弱いからでもなく、真剣に仕事に向き合っているためです。 ただし、相談の仕方を間違えて愚痴っぽくなると相手から悪い印象を持たれやすいので、伝え方には気をつけましょう。   「相談しなければよかった」と後悔した経験がある 過去に「相談しなければよかった」と思った経験が、仕事の悩みをスムーズに相談できない現状を引き起こしている場合も多いです。相談しても話を流されたり考えを否定されたりした経験があると「相談しても無駄」という感情が強くなり、以降は人に悩みを話そうという気が起こりにくくなります。 このような場合は、いきなり無理に悩みの全てを他人に話す必要はありません。 また、きちんと話を聞いてもらえるか不安が大きいはずなので、確実に話を聞いてくれる外部の相談窓口やキャリアコンサルティングを利用するのもおすすめです。   仕事の悩みを上手に相談するコツ 仕事の悩みをうまく相談するために、4つのポイントを押さえましょう。「相談上手になるコツ」を知っておくと、誰かに相談するハードルが下がり、求めるアドバイスも得やすくなります。   普段から困っている人を積極的にサポートする 相談するのが苦手な人は、日ごろから「相談しやすい環境」を整えておくのがおすすめです。職場・プライベート問わず、周囲の人が困っていたら積極的に助け、信頼関係を構築しておきましょう。 相手に頼ってばかりだと罪悪感がありますが、自分も過去に相手を助けていれば罪悪感が薄れて頼りやすくなります。 また、普段から周囲と良好な関係を築いておくことで、うまく相談できないあなたを気にかけて相手のほうから「何かあった?」と声をかけてくれるかもしれません。   事前に相談内容をまとめておく 内容をまとめずに相談すると、状況説明がわかりにくかったり、私的な感情にフォーカスして愚痴っぽくなったりしやすいです。それでは相談された相手もどうアドバイスしていいのかわからず困ってしまうので、相談する前には必ず内容をまとめておきましょう。 ただし「うまくまとめないと」と思うと余計なプレッシャーになるため、相談内容は伝えないといけない点や必ず伝えたい点だけを箇条書きするような形でOKです。内容をまとめる際は事実のみに焦点を当て、自分はどうしたいのか・どうなりたいのかまで明確にしておいてください。   相談相手は丁寧に選ぶ 業務内容を理解している職場の人に相談できればベストですが、相手の人柄によっては相談しないほうがいいケースもあります。 たとえば、以下のようなタイプの人は相談相手には向きません。 人の話を最後まで聞かない人 ネガティブ・否定的な意見が多い人 人の悩みを軽視する人 話を他人に漏らす可能性がある人 自分の話にすり替える人 職場外の人でも、他人の気持ちに寄り添える人であればしっかり相談に乗ってくれるので、相談相手はよく選びましょう。   場合によっては段階的に相談する 相談するのが苦手な人や、相手の迷惑になっていないか不安なときは、一度の相談で全ての悩みを話す必要はありません。悩みの要点を軽めに話すだけでも「相談できた!」という成功体験になるので、次回相談するハードルが下がります。また、少し話して相手の反応を見てみるという手も有効でしょう。 いくつかの段階に分けて相談すると、深刻な相談をいきなり持ちかけるより相手にとっても負担が軽くなりやすいです。   仕事の悩みをどうしても相談できないときの対処法 ここまで読んで相談する大切さは分かったものの「やっぱり相談できない」という人もいるのではないでしょうか。ここではそんなときに使える、相談できなくてつらい気持ちの対処法を紹介します。   いつもより多めに休息を取る 仕事の悩みがあると、いつもよりも気が休まらなかったり寝つきが悪くなったりして休息が取りにくいでしょう。しかし、休息不足だとさらに脳や体にストレスがかかってしまうので、悩んでいるときこそたっぷりの休息が必要です。 眠れるのであればいつもよりも多めに睡眠時間を確保し、眠れなくてもゆっくり湯船につかる、趣味を楽しむなどしてリフレッシュする時間を設けてください。 十分に休息が取れると思考もポジティブになり、進むべき方向性も見えやすくなります。   悩みを紙やスマホに書き出す 誰にも相談できない仕事の悩みは、紙やスマホに書き出して言語化しましょう。自分の気持ちを全て吐き出せば少しは心が軽くなりますし、言語化するために状況を整理することで悩み解決のヒントが見つかる場合があります。 俯瞰的な視点も得られるので、悩んでいる最中に起こりやすい焦りが和らいで、つらい気持ちも少しずつ落ち着いていくはずです。 また、もしも良い相談相手が見つかった際には、このとき書いたメモが役に立ちます。   悩むのではなく考える 今の悩みから解放されるためには、「悩む」から「考える」にシフトする必要があります。 悶々とするのではなく自らあらゆる可能性を探り、「どうすれば状況が改善するのか」を考えてみましょう。 このときのポイントは、自分の感情は抜きにして事実だけに注目することです。その上で、自分一人でコントロールできる問題かを考え、コントロール可能なら必要な行動を、難しい場合は他者のサポートを検討してください。   相談窓口を探してみる 誰にも相談できないと思うのは、適切な相談相手が見つかっていないからという可能性もあります。 身近な人に相談するのが難しいのなら、外部の相談窓口やサービスをチェックしてみましょう。 今は、厚生労働省が管轄している公的な相談窓口から非対面で相談できるオンラインサービスまで、相談内容やニーズに合わせて仕事の悩み相談を受け付けている機関がたくさんあります。近しい人には相談しにくいことも、全く関係のない第三者になら気軽に話せるかもしれません。   仕事の悩みはキャリアコンサルティングで相談するのもおすすめ 仕事の悩みを抱えているなら、キャリアコンサルティングで相談するのもおすすめです。キャリア・コンサルティング・ラボでは、キャリア形成や働き方、職場の人間関係など、仕事にまつわるさまざまな悩みを相談できます。   オンライン面談で場所を気にせず相談できる オンライン面談で場所や時間の制約がないのは、キャリア・コンサルティング・ラボの特徴の一つです。「相談に行く時間がない」「人と対面で話すのは緊張する」という人でも、インターネット環境さえあれば全国どこからでも気軽に相談できます。 自宅や好きな場所でリラックスしながら相談できるので、緊張が和らいで不安や悩みを素直に打ち明けられるでしょう。   秘密は守られる 相談によって自分の本心をさらけ出すのは、不安も大きいでしょう。相談内容が広まって噂になってしまったり、相手との関係が変わったりするリスクもゼロではなく、それらが心配で誰にも仕事の悩みを打ち明けられない人もいます。 しかし、キャリアコンサルタントには守秘義務があるので、相談内容や個人情報が漏れる心配はありません。相手は相談を受けるプロであるため、内容によって関係性が変わることもなく、安心して本音を話せます。   仕事の悩みを一人で抱えない!相談先はたくさんある 20代から定年退職を迎えるまで働くと仮定すると、おおよそ40年あります。40年間一度も仕事の悩みを抱えないのは難しく、長く働いていれば時に迷ったり悩んだりすることもあるでしょう。 仕事の悩みは、放置すると心身をむしばむ原因にもなり得るため、悩みを抱えたら早い段階で誰かに相談するのが大切です。 今は相談窓口や相談サービスも豊富で、身近な人以外にも相談できる相手がいます。必要に応じてこのような機関を利用し、一日でも早く今の悩みから抜け出してください。

2025/02/16
人間関係・仕事に対する不安
職場の人間関係がもう限界!ストレスを感じやすい人の特徴と対処法

職場の人間関係がもう限界!ストレスを感じやすい人の特徴と対処法

働く人の悩みの種になりやすい職場の人間関係。 「職場の人間関係がつらい…」「人間関係のストレスがもう限界!」 このように感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、職場の人間関係に限界を感じやすい人の特徴や限界な人に見られるサイン、ストレスを限界突破させない方法などを解説します。どうしても精神的に限界なときの対処法についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。 職場の人間関係に限界を感じる基準は人それぞれ 「他の人はまだ平気みたいだし、自分も我慢しないと」のように考える人は少なくありません。しかし、このような考え方は自分を追い詰めて簡単に限界突破し、心身の調子を崩す原因になりやすいため控えましょう。 人間はそれぞれ異なる価値観を持つので、嫌だなと思うポイントやどれくらい強くストレスを感じるかは人によって違います。 限界の基準を他人に合わせると、自分の限界を超えて疲れ果ててしまうことがあるので、「職場の人間関係が限界」だと思ったならその気持ちをありのまま受け止めるのが大切です。   職場の人間関係に限界を感じやすい人の特徴 職場の人間関係に限界を感じやすい人には、いくつか共通する特徴があります。どのような特徴があるのか、自分に当てはまる特徴はないか、見ていきましょう。   周囲に気を遣いすぎる人 周囲に気を遣いすぎる人は、自分よりも他人を尊重する傾向が強く、相手のために自発的な行動や発言を我慢することが多いです。他人を気遣って強くNOと言えないので、職場では業務を押し付けられたり悪口を聞かされたりと、面倒ごとに巻き込まれるケースもしばしば。 本当にやりたいことや自分の意見を飲み込む場面が多いためストレスが溜まり、最終的に人間関係そのものが嫌になったり、ある日急に限界だと感じたりするでしょう。 また、気を遣いすぎる人はよく気が回るからこそ、他人の感情や反応に敏感で相手の言葉の裏を探りがち。「優しい言葉をかけてくれたけど、本音は違うのかも…」のように悪い方向に考え、自ら人間関係に疲れやすい状況を生み出してしまう場合もあります。   感受性・共感力が高い人 感受性が高く他人に共感しやすい人は、周囲の状況や人の様子・言動などを正確に察知します。誰かが怒られたり悪口を言われたりしていると、まるで自分が怒られたり悪口を言われたりしているような気持ちになって、ただその場にいるだけでも精神的に疲弊してしまうのです。 このような人は、人間関係が良好な職場で働けばポジティブな感情に共感して明るく過ごせますが、人間関係に問題がある職場で働くとネガティブな感情を大量にキャッチして精神的につらくなります。 また、本当はすでに限界を迎えていても、他人に共感して「自分もまだ大丈夫」と無理をしやすいです。   思い込みが激しい人 思い込みが激しい人は、「あの人はきっとこんな人だろう」と自分の頭の中だけで他者の印象を決めがちです。そして、自分のイメージから少しでもずれた行動を相手がとると「そんな人だとは思わなかった」と失望し、精神を擦り減らせてしまいます。 他にも「誰かがきっと助けてくれる」「たぶんあの人がやってくれる」など、他人への期待を込めた思い込みをして、仕事で失敗することもあるでしょう。 本人としてはやってもらえるものだと信じて疑わないため、失敗すると「あの人がやってくれなかったせいだ」と逆恨みに繋がり、嫌いな人が増えてさらに職場の人間関係が悪くなるという場合も多いです。   コミュニケーションが苦手な人 コミュニケーションが苦手な人は、職場の人から声をかけられるだけで緊張したり、うまく話せなくて後々自己嫌悪に陥ったりしやすいです。誰かと雑談をするだけで気を張ってストレスを感じるため、職場の人間関係に大きな問題がなくても精神的に限界を迎えてしまうことがあります。 このような人は、無理に他者とコミュニケーションを取ろうとするとさらに疲れてしまうので、職場では礼儀を押さえた必要最低限のコミュニケーションだけを取るのもありです。 人間には誰しも得手不得手があり「コミュニケーションが苦手」も一つの個性なので、それを受け入れて自分に合った人付き合いの方法を見つける必要があります。   陰口や悪口でしかストレスを発散できない人 陰口や悪口を言うと、幸せホルモンの一つ「ドーパミン」が分泌されますが、一方でストレスホルモン「コルチゾール」も放出されるといわれています。 つまり、陰口や悪口は言うと楽しいようで、実は自分にストレスをかける行為なのです。ストレスを発散したくて陰口や悪口を言ったとしても、同時に新たなストレスを積み重ねてしまうため、気持ちは一向に楽になりません。 それどころか、陰口や悪口を言うと「自分も誰かから悪く言われているのでは」という不安が起こり、疑心暗鬼から職場の人間関係に限界を感じやすくなります。 誰かに話を聞いてもらったり相談に乗ってもらったりするのはストレス解消に効果的ですが、悪意を込めた悪口は自分にもデメリットがあるので、言わないほうがいいでしょう。   職場の人間関係に限界を感じているサイン 職場の人間関係に限界を感じると、心や体、考え方などに何かしらの変化が現れることが多いです。どのような変化が限界のサインなのか、詳しく解説していきます。   心や体が不安定になる 職場の人間関係に限界を感じると、気持ちのアップダウンが激しくなったり、食欲や睡眠時間に増減が現れたりします。この他にも、何となく体がだるい、おなかの調子が悪い、やる気が出ない、イライラするなど、心身ともに調子が不安定になりやすいです。 自分は限界を自覚していなくても、このような症状が出ていれば限界を迎えている可能性が高いので、働き方や人付き合いの方法を見直しましょう。   「辞めたい」と思う回数が増える 現状にストレスを感じれば、自然と「逃げたい」という感情が芽生えます。仕事を辞めたいと頻繁に思ったり、転職について真剣に考えたりするようになるのも、一つの限界サインです。 また、辞めたいと周囲に打ち明ければ、話を聞いてもらえる機会は増えるでしょう。そのため「限界なことを誰かに分かってもらいたい」という潜在意識によって、辞めたいと思う頻度が増えている場合もあります。   ネガティブ思考が強くなる 限界を感じるようなつらい状況が長引くと、今後状況が良くなる希望が見いだせなくなり、どんどんネガティブになっていきます。否定的な考え方や発言が増えたり、「どうせうまくいかない」と考えて何をするにもおっくうに感じたりするでしょう。 さらにひどくなると、常に強い絶望感にさいなまれ、メンタルヘルスを発症してしまうケースもあります。   人間関係のストレスで限界を超えないための対処法 職場での人間関係のストレスを完全になくすのは難しいです。大切なのはストレスが限界を超えないように、自分なりに行動を工夫すること。 ここからは、人間関係のストレスで限界を超えないための方法を解説します。   きちんと休息を取る 基本中の基本でありながらも意外と忘れがちですが、ストレスを蓄積させてはいけません。小さなストレスでも蓄積すれば大きな精神的負担となり、いつか限界突破してしまいます。 ストレスを溜めないための工夫として、きちんと休息を取りましょう。仕事中もどこかでほっとできる時間を作る、毎日たっぷり寝るなどして心身を休める時間を確保すれば、こまめにストレスを発散できて限界に到達しにくいです。 また、仕事以外の時間を利用して、趣味やプライベートを充実させるのも心の休息になります。 「なかなか時間が取れない…」という場合は、有給休暇を取得して思いきりリフレッシュするのがおすすめです。   職場の人に深入りしない 職場の人間関係がストレスの根源なら、職場の人に深入りせず割り切った付き合いをするのも有効な対処法といえます。職場の人間関係に限界を感じる人は周囲の目を気にしやすく「人の輪に入らないと」と考えがちですが、職場の人とは仕事に関するコミュニケーションさえ取れていれば特別親しくする必要はありません。 もちろん、一緒に働く人への気遣いや思いやりは必要であるものの、無理に周囲に馴染もうとしないだけで人間関係のストレスはかなり軽減するはずです。 仕事に集中する、悪口や陰口に首を突っ込まない、プライベートの話はしないなど、いくつかのことに気をつければ職場の人と程よい距離感でいられるでしょう。   自分の主張はしっかり伝える 嫌なことや頼まれても引き受けるのが難しい仕事にはハッキリNOと言い、自分の考えなども積極的に言葉にしましょう。 行動や発言を我慢して構築する人間関係にはストレスが生じやすく、いつか限界がきてしまいます。職場の人間関係で限界を超えないためには、相手に気を遣いすぎず、必要に応じて自己主張するのが大切です。 ただし、自分の主張だけを押し通そうとすれば今度は相手に人間関係のストレスを与えてしまうので、自分の主張はアピールしつつ相手の主張も聞き、質の高いコミュニケーションを目指してください。   自分を変える努力をする 職場の人間関係が良くなれば、ストレスが減って限界だと感じなくなるでしょう。しかし、他人を変えるのは容易ではないため、たとえ職場の人間関係を悪くしている原因の人がわかっていても、その人に変わってもらうことには期待できません。 そのため、いきなり他人を変えようとするのではなく、まずは自分を変える努力をしてください。 たとえば、行動を変えて自ら積極的にコミュニケーションを取る、明るい挨拶を心掛けるなどすれば、次第に周囲の反応が変わって職場の人間関係そのものが良くなる可能性があります。   定期的に第三者に相談する 人間関係にストレスを感じると視野が狭くなりがちです。精神的・身体的にも限界を超えないためにも、定期的に第三者に相談して客観的視点を得ましょう。誰かにわかりやすく伝えようと言葉を探すことで置かれている状況を整理できますし、自分の気持ちを口に出すだけで気持ちがすっきりします。 相談する相手は信頼できる人であれば誰でも構いませんが、誰に相談していいのかわからないときや具体的なアドバイスが欲しいときは、プロのキャリアコンサルタントに相談するのがおすすめです。 キャリアコンサルティングでは、キャリアにまつわる悩みだけでなく、職場の人間関係の悩みについても相談できます。問題の原因を丁寧に深掘りしてくれるため、自分でも気づかなかった点に気づかされるケースも多く、悩みを乗り越える糸口が見つかるはずです。   それでも職場の人間関係が我慢の限界なら 自分なりに対処してみても、職場の人間関係に耐えられず限界だと感じる場合もあります。ここでは、そんなときに取るべき行動を紹介しましょう。   心身の不調があるなら医療機関を受診する 心身に不調がある場合は、早めに医療機関で医師の診察を受けましょう。たとえ今は小さな違和感だったとしても、このまま放置すれば重大な疾患に繋がってしまうかもしれません。 早めに受診し、問題なければそれに越したことはないので、不調・違和感は放置せず適切な処置を受けてください。   休職制度を使って休む 本当に限界なときは、休職制度を利用して長期休養するのもありです。 不調がある場合、仕事をしながら治療をするよりも、一旦職場から離れて治療だけに専念したほうが回復を早められます。 ただし、会社によっては休職制度がない場合もあるため、まずは就業規則で制度の有無を確認しましょう。この他、上司への相談や必要書類の準備も忘れないでください。   異動・転職をする 限界な現状を変えるのが難しいと感じたら、異動や転職を検討するのも一つの選択肢です。 異動には「転職せずに環境を変えられる」というメリットが、転職には「今の職場から完全に離れて気持ちをリセットできる」というメリットがあります。 合わない人間関係の中で働き続けても成長や成功は見込めないので「自分らしいキャリアを形成するにはどうすればいいか」を一度考えてみてください。   職場の人間関係に限界を感じたら無理は禁物 人間関係のトラブルやいざこざが一切ない職場は少数派であるものの、限界だと感じるほど強いストレスがあるケースもそう多くはありません。職場の人間関係に限界を感じたときは、無理して耐えるのではなく、自分にできる工夫はないか、どのように対処するのが適切かを冷静に考え行動しましょう。 また、誰かに話を聞いてもらいたいとき、異動・転職がよぎったときは、ぜひキャリアコンサルティングを受けてみてくださいね! この記事を参考に、自分に合った人付き合いの方法や働き方を探し、「もう限界」と感じる悩みから抜け出してください。

2025/01/24
あなたの今の悩みは?