
子育てママのキャリア実現のために
「日々時間に追われている…」「心の余裕が持てない…」など、子育てと仕事や家事の両立は、一筋縄ではいかない場合がほとんど…。やることが次々出てきて、本当に大変…! そんな大変な時期を少しでも自分らしく乗り越えられますように…! 今回は、子育てママに役立つキャリアに関する考え方をお伝えしていきたいと思います! 子育てママのキャリアの状況 日本では、子育てをしながら働いている女性は、年々多くなってきています。 厚生労働省の2021(令和3)年 国民生活基礎調査によると、子育てをしている女性のうち、75.9%の方が何かの仕事をしているということがわかります。また、そのうちの29.6%が「正規の職員・従業員」で、37.3%が「非正規の職員・従業員」、そして、8.9%は自営業・内職などの「その他」となっています。 また、「仕事をしていない」という方は、24.1%で人数は年々減り続けています。 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa21/dl/12.pdf 参考)厚生労働省2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況 子育てママのキャリアの種類 そんな、子どもを育てているお母さんは、どのようなキャリアを目指し、どのように歩んでいるのでしょうか? 子育てママの主なキャリアの種類を見ていきましょう。 会社員として働く 「会社員として、フルタイムや時短などで働く」という選択肢をとる方は、比較的多くいらっしゃると思います。会社によりますが、会社は育児時短制度や子育て支援制度が整っていると、それを活用したり、保育園・学童保育などを使用したりして、働きながら子育てするケースです。 専門性を磨き、スペシャリストになる 資格などを取り専門性を身に着けて、スペシャリストになる道もあります。幅広く経験するゼネラリスト的に働くのではなく、専門的な分野を特化して知識やスキルをつけて活躍する形です。例えば、コンサルタントや弁護士、保育士、管理栄養士、薬剤師などが挙げられます。 スキルを手に入れて独立する 最近は、フリーランスや起業をする方も増えてきています。プログラミングやWebデザイン、Webディレクターなど、特定のスキルを身に着けて活躍されている場合もあります。フリーランスの働き方は、いつでもどこでも仕事ができるため、自由度が高い分、自己管理能力が必須になってきます。 専業主婦として子育てに集中する 最近の日本では減少傾向にありますが、本人やパートナーの状況・家族の財政状況などを踏まえて、専業主婦になり、子育てに集中するという選択肢もあります。一定期間、子育てが終わると、社会に復帰するママもいらっしゃいます。 子育てママのキャリアに関する悩み 子育てママならに多い、キャリアや生活に関する悩みは、どういうものがあるのでしょうか?一緒に見ていきましょう。 子どもの養育費など、経済的に不安がある 一般的に日本では、子ども1人を育てるのに総額2,000万~3,000万円かかると言われています。そのため、子どもにかかる費用に関して、経済的に不安がある…という悩みが多くあります。「パートナーの収入だけでは、日々の生活を送るのが厳しいので、働いている」という方も多いのではないでしょうか。 仕事と子育ての両立ができず、落ち込む 「最近、保育園からの呼び出しが多くて、全然仕事に集中できない…」「ここ1ヶ月、仕事が忙しすぎて、子どもとの時間を十分に取れずに、愛情が伝わっているか不安…」 1日は24時間と限られているので、子育てをしながら働いていると、時間が足りずに、仕事か子育てのどちらかが疎かになってしまっていると感じて、落ち込む…という悩みは、子育て中ならば誰もが直面する現実と言えるでしょう。 子どもに対してイライラしてしまう 「子どもに対してイライラ、怒りっぽくなってしまう…」「どうしてあんなことで起こってしまったんだろう…」 そう感じるママも多いと思います。 言うことを聞いてくれない…、忘れ物が多い…、勉強しない…、うまくコミュニケーションが取れない…などなど、子どもへ期待するからこそ、そう思ってしまうこともあります。 また、子どもだけでなくパートナーや他の家族に怒りっぽくなってしまうこともあるかもしれません。それが原因で、幸福感を感じることが少なくなったりすることもあるでしょう。 悩みを相談できる人がいない この悩みは、最近よく「ロールモデルの不足」と言われたりもします。 何か困ったときに気軽に相談できるような職場の人や友人、家族などはいますか?「わたしもこうなりたい」「私もそういう工夫をしたら実現できるかも」というようなロールモデルは近くにいますか? 周りを見渡しても、仕事と子育てを両立しているのは、深夜まで働くようなバリキャリの先輩だったり、スーパーウーマンと呼ばれるような上司だったり…。そのようにロールモデルがいない状況だと「私には無理かも…」と心の中で線を引いてしまうこともあるかもしれません。 キャリアアップしたいのに、環境が要因でできない 厚生労働省HPにある、以下の資料によると、女性は管理職・一般職を問わず、6歳以下の子どもがいる場合は、いない場合と比較して労働時間が短くなっています。一方、男性は子どもがいても労働時間に変化がないという傾向があることがわかります。 ワンオペ育児が原因で、キャリアアップしたい!けれど子どもがいるからできない…というような現実も多く見受けられます。 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000051535_1.pdf参考)厚生労働省:女性の活躍推進が求められる日本社会の背景 良いこともたくさん!子育てで成長できること これまで様々なお悩みを紹介してきましたが、もちろんたくさんの良いこともあると思います。ここからは、子育てママならではのメリットを見ていきましょう! なにより子育ての幸せを感じられる 子育ては何より幸せ!と感じられるママは多いでしょう。可愛らしい寝顔、抱っこや歩き始め、一生懸命ハイハイしている姿、学校であったことを嬉しそうに話す姿、、すべてが愛おしく、幸せに感じる時間。 子どもが成長すると、もう二度と戻ることはできない時間なので、子育ての一瞬の思い出は一生の宝物になります。今しかないこの瞬間をぜひ楽しんでください。 マルチタスク能力がつく また、子育てはマルチタスクの連続です。子どものことだけでなく、家のことなど、どんどんと同時進行にやるべきことがたまっていきます。またPTAなども担当するママも多く、学校でのイベントや行事に向けてなどもタスクが山のように…。 日々のそんな多くのタスクをこなしていると、気づいた時には、マルチタスク能力がついていた!というママも多いです。 タイムマネジメント力・集中力が伸びる マルチタスク能力と同時に、タイムマネジメント力や集中力もつくでしょう。仕事しているママは特に、「この時間でこの仕事(この家事)を終わらせる!」と決めて時間で区切って、何かをすることが多くなるようです。 限られた短い時間のなかで、より生産性の高いアウトプットを出すような集中力が身につくと言われています。 コミュニケーション能力が身につく 子育てママは普段から、子どもに分かりやすく説明する場面や、地域や学校の人たちとの交流など、仕事をしているときよりも関わる人の幅が広がります。こういったコミュニケーションスキルは、必ず将来のキャリア形成に活きてくるスキルでしょう。 キャリアアップのための工夫や努力 つい日々目の前のたくさんのことに気を取られがちな子育てママですが、キャリアアップのために工夫できることもたくさんあります。ここではその一部をご紹介します。 子育てママの権利やもらえるお金を把握しておく 子育てママには、無理な長時間残業をしない権利や、出産手当金、出産育児一時金など、申請すればもらえるお金があります。 ご自身の状況に合わせて調べて、活用するようにしましょう。その際は、決して周りに遠慮しすぎず、自分の将来を考えて行動するようにしましょう。 理想的な働き方をあらかじめしっかり考えておく 子育てママは目の前にどんどんとタスクがやってくるので、自分の理想の働き方や理想の姿など、考える余裕がなくなりがちです。 ですが、目標や理想をもって日々過ごすことで、無意識的にそこに向かった行動ができる、とも言われています。 子育て中だと自分の時間をつくることはなかなか難しいものですが、思い切って一度、1人きりでカフェに行くなどの時間をとって、理想の姿や働き方について棚卸しをする時間をとってみるのもよいでしょう。 価値観、能力、体力、気力などは、人それぞれです。自分の価値観などの判断軸が明確だと、日々の迷った時の選択もしやすく、進みやすくなります。 自分にとって何が本当に大事なのか?じっくり考えて、今の過ごし方を選んでください。 時間の使い方を考える時間をとる 具体的に1日24時間をどう使っているか?を見直しすることもおすすめです。 現在の1日の過ごし方、スケジュールを書き出してみて、家族と話し合ってみるのもいいかもしれません。実際、1日のスケジュールを書き出してみると、「ここの時間を削れるなあ」「この時間を入れ替えるとスムーズかも」というような気付きが出てくるかもしれません。 30分~1時間、集中して子どもと接する時間を作る 日々忙しい中でも、短くとも1日に30分~1時間は、子どもと一緒に過ごす時間をとるように心がけると、子どもへ愛情が伝わりやすいと言われています。 意識的に”子どもと過ごす時間”を取ると決めて、その時間は仕事のことは一切考えない、などメリハリをつけると良い効果があるかもしれません。 家事の時間に子どもを巻き込む 子育てに仕事に家事に…と、すべてのことを完璧に両立するのは、ほとんど不可能に近いです。 そこで、家事の時間に子どもをまきこんで、遊びのように一緒に家事をすると、一石二鳥になると思います。例えば、「洗濯物をたたむこと」をゲーム化したりすると、子どもとの時間に家事も片付き、とても効率的です。 子育て後のキャリアをイメージする 「子どもを暮らしの中心に」と考えて、日々子育てに全力を注いでいる子育てママは、家族のためを思って頑張ることができる本当にすごい方です。 そんな方こそ、子どもが成長して、子育てフェーズが終わった後の自分の人生の過ごし方・キャリアを長期的に考えてみることが大切です。 いざ子育てが終わって、「私のやりたかったことってなんだっけ…」「子育てで燃え尽きた…」というような状態になるのは、非常にもったいないことです。ご自身の未来のキャリアを見据えて、今の働き方・過ごし方を選択していきましょう。 最後に 子育てママのキャリアは、実は無限大です。 一方で、「ここで頑張らないと…」「周りに迷惑をかけちゃいけない…」「これはあきらめよう」というような、自分自身の固定観念によって、自分が自分のストッパーになってしまっていることもあります。 本当はもっと周りに頼って良い環境かもしれませんし、失敗してもいい環境かもしれません。自分自身のやりたいことや、なりたい姿をどうか見失わず、色んなことを欲張ってみてください。 頑張っている日々の中で、もし自信がなくなる日があったとしても、ほとんどのママが経験することなので安心してください。自分の中で「両立すべき」という呪いがあるのかもしれません。 人生は長いので、試行錯誤しながら落ち込む時期があってもいいですし、経験がないのに、「私の子育て、自信満々なので、見てください!真似してください!」みたいな人はちょっと怖いですよね笑 等身大の自分を受け入れて、巡ってくるチャンスには意思があればぜひ引き受けて、一人で抱え込まずに、ハッピーにキャリアを築いていきましょう! また、このような時期こそ、キャリアコンサルタントに相談することも、とてもおすすめです。 自分の長期的なキャリアプランや、今の時間の過ごし方、今抱えているもやもやするポイントなど、ぜひキャリアコンサルタントにお話してみましょう。 1対1の面談の中でじっくりと話して、色々な質問に答えていくうちに、自分では考えつかなかった観点や考えに、出会えるかもしれません。

今後が不安…30代後半から考える女性のキャリア
「この仕事いつまで続けられるだろう…」「この先のキャリアパスがわからない」 と感じている女性は多いのではないでしょうか。女性のキャリアは様々なライフイベントにより、いつも真っ直ぐ進んでいけるという訳ではありません。 また30代後半になってくると、ライフイベントを乗り越えて復職しても、あまりモチベーションを保つことができないという方もいるのではないでしょうか。 今回は30代後半から考える女性キャリアについて、ご紹介していきます。 30代後半に差し掛かると増える悩み 30代後半になると、40歳を目前に今後への悩みが出てくるのではないでしょうか。特に働いていると、20代では感じていなかった不安を感じるようになってくるはずです。 ここでは30代後半の女性が感じる悩みについて、ご紹介していきます。 キャリアパスに行き止まりを感じる 30代後半まで会社勤めをしていると、これから先のキャリアパスが気になりますよね。女性の管理職がいない環境であれば、働き方のイメージもしづらくなります。 その場合、仕事や職場環境が気に入っていたとしても、この先も今の環境で年齢を重ねていくことに不安を感じてしまうのではないでしょうか。 管理職やキャリアアップを目指している方なら尚更、環境を変えないと、今の環境では難しいのではないかと思いますよね。 しかし何となく不安だから環境を変えるというのは、あまりおすすめできません。まずは社内の制度や、上司や役職者の方に話を聞いてみるなど、今ある環境で情報収集をしてみてください。 もしかすると、今後は女性管理職を新たに登用していきたいと考えているかもしれませんし、管理職以外でもあなたの経験を生かしていけるような部署が設立されるかもしれません。キャリアパスについてあなたが考えていることを、まずは周囲に相談してみましょう。 プライベートとキャリアの両立 キャリアについて悩むとき、問題になるのは仕事の内容や職場環境だけではありません。家族や家庭の状況などのプライベートも大きく影響します。 30代後半になってくると、結婚や出産などのライフイベントを経験した方も多いのではないでしょうか。産休育休などを経験すると、復職したけれどやはり子どもの体調不良で急に仕事を休まないといけなくなったりと、プライベートと両立する難しさを感じているはずです。 子どもの発熱で急な休みを取らないといけなくなったり、仕事に穴をあけてしまうかもしれないということで、普段の業務に対してもモチベーションが保ちづらくなったりします。 また30代後半になると、ご両親も高齢になってくるため、実家の近くへの移住を考える方も出てきます。将来的に、介護なども視野に入れておかなければならないからです。 今の仕事が完全に在宅ワークなどであればいいかもしれませんが、転居をしても続けられるかどうかわからない場合は、今後の生活についても悩みが絶えませんよね。 仕事とプライベートのどちらかを取らないといけないわけではありません。しかしどちらかの比重が大きいのであれば、もう一つはセーブするという選択もしなければならなくなるのです。 20代半ばから多くの女性がライフイベントにより、キャリアへの悩みを抱えることになります。 体力的な限界を感じてくる 40歳を手前にすると、日々体力の衰えを感じる方も多いのではないでしょうか。今は営業職で毎日外回りをしていても、これから先も同じように働いていけるのかはわかりません。 今は長時間労働を当たり前にこなすことができていても、定年まで今の働き方をできるのかどうかなどは一度考えておく必要があります。 社内でもう少し体力的に楽な部署があるのであれば、そこへの異動を希望することもできますし、今の経験を生かして他の会社で管理職のポジションを目指すなども一つの方法です。 今すぐに働き方を変えないとしても、今後にどのような選択肢があるのかを確認しておくことで、後々キャリアの選択肢が広がるかもしれません。 未経験求人へのハードルが高くなる 30代前半まではまだ未経験でも応募できる求人があったかもしれませんが、30代後半になってくると、未経験で応募できる求人が大幅に減ってしまいます。 「未経験歓迎!」という求人は、その企業が業務未経験の人に対しても専門的な教育をおこなって、長期的に働いてもらうという前提があるからです。 30代後半が高齢というわけでは、決してありません。しかし採用する企業からすると、同じ未経験の20代後半と30代後半の転職希望者を見比べた時に、前者の方が10年長く働いてくれる可能性があると感じます。 これは女性だからということではなく、男女共通で年齢が上がれば上がるほど未経験の職種にはチャレンジしにくくなるという事実があるのです。さらに女性であれば、面接で子どもがいるかなどの家庭環境を確かめられたりと男性よりも制限が多い場合もあります。 書類選考や面接で年齢を理由に不採用とするのは、法律違反ではあります。しかし実際には、書類選考で年齢が採用判断に大きく影響するのも現状だということを知っておきましょう。 そのような現状を知ってしまうと、未経験の仕事にキャリアチェンジに挑戦しにくくなるというのは悩みの種になるかもしれません。ですが、もちろん、あなたの人柄を伝え、面接対策をしっかりとすることで、未経験の職種にチャレンジすることは可能なので、希望する場合には対策をしっかり行いましょう。 女性が悩むキャリアの選択肢 30代後半だと、これからのキャリアの選択肢が気になりますよね。今の年齢や女性であることで、選択肢が狭まってしまうのではないかという不安もあるはずです。 ここでは、女性が悩みやすいキャリアの選択肢にはどのようなものがあるのかご紹介していきます。 転職でのキャリアアップを目指す 今の職場でのキャリアアップには限界を感じる方は、経験を生かして同業界での転職が頭をよぎるのではないでしょうか。 30代後半までしっかりとキャリアを歩んできたのであれば、経験者として他の会社で責任ある立場での採用をしてもらえる可能性があります。 自分自身でチャレンジしたいことがもう今の職場でないのであれば、環境を変えて経験を活かして新たなことにチャレンジしたり、年収を上げていくというのは選択肢の一つです。 おすすめできる選択ではありますが、同業界や同じ商材を扱うからといって全ての業務内容が同じというわけではありません。 最初は、業務ツールなどの基本的なものから覚え直していく必要がありますし、新会社での仕事の進め方やスピード感が合わないということもあり得ます。 もし転職でキャリアアップを目指すのであれば、日々の業務内容や今後の会社のビジョン、仕事の進め方などをしっかりと確認するようにしてください。 キャリアの選択肢は様々ありますが、一度手放した環境にまた戻ってくるというのは簡単ではありません。自分は経験があるからといって、簡単に決断をしないように気をつけてください。 転職で失敗しないコツは、事前準備を怠らないということです。 労働時間を抑えて雇用形態を変える 今の働き方をどうにかしたいという人は、雇用形態を変えて働くという選択肢があります。家庭環境に合わせて、パートや派遣など時間を融通しやすい働き方に変えるというキャリアもあります。 働き方を変えたいけど、正社員にこだわりたいという方は、それはなぜなのかを一度よく考えてみてください。 確かに毎月安定した収入が手に入りますし、ボーナスがあるところが多いでしょう。有給休暇も使うことができて、安定しているような気がします。 しかし、会社の経営が傾くとそうでもありません。「安定しているから正社員以外考えられない」というのであれば、少し視野を広げてみてもいいかもしれません。 パートナーのいる方であれば、働き方を変えて扶養に入るという選択肢もあります。 家計が回らなくなってしまうのであれば、もう一踏ん張り必要かもしれませんが、もし自分自身が今の働き方に限界を感じているならば、この先も無理して働いていくべきなのか、もう少し自分の時間を確保する方が良いのか考えてみてはいかがでしょうか。 社内での異動を希望する 今の会社が好きでずっと続けたいけど、忙しすぎて続けられるかは不安という方は、まず社内での異動を検討してみましょう。 立ち仕事がキツくなってきたのであれば、企画や事務などの他の部署を希望するなど、今の環境のままできることがあるかもしれません。 労働環境を変えたいと思ったときに、選択肢は転職だけではありません。周りを見渡した時に、様々な環境があるはずです。今の会社でがんばってきたあなたのスキルや経験を評価し、希望を聞いてくれることも十分に考えられます。 異動の相談をすることに抵抗がある人も多いと思いますが、会社の制度などをしっかりと調べて人事部に相談してみてください。 一度勇気を出せば新たな情報が手に入ったり、希望の部署へ異動が叶ったりする可能性が出てきます。逆に行動を恐れていては、あなたはずっと我慢するしか無くなってしまうのです。 一度しかないあなたの人生で、後悔を残さないような選択を考えてみてください。 独立してやりたいことをする もう会社でやりたいことがないという方は、独立してフリーランスとなったり、法人設立をするという選択肢もあります。 「独立」というと、とても大変なように聞こえますが、最近では会社員からフリーランスに転向する方が多くいます。 とてもリスクがあるように感じますが、まずは副業などから挑戦を始めることで収入の軸を作っておけば安心です。 今ではインターネットやSNSで、起業の仕方やフリーランスでの働き方を発信している人が多くいるので、情報収集も簡単に行えるでしょう。 少しでも興味のある人は、会社勤めをしながら情報収集をしてみるのがおすすめです。副業禁止の会社であっても、情報収集をすることまで制限されている訳ではないので気軽に取り組んでみてください。 新しいことに触れてみることで、独立以外でも新しい選択肢が出てくるかもしれません。現状を変えたい、不安だ、という気持ちがあるのであればまず行動を起こしてみることをおすすめします。 理想のキャリアプランを練ってみよう! キャリアへの不安や悩みを感じたら、自分の理想のキャリアプランを練ってみてください。あなたの理想を可視化することで、新たな発見があったりこれから何に取り組めば良いのかを具体的に考えられたりします。 まずは自分の理想を言語化してみる 理想のキャリアを考える際に、まずは自分自身の「理想」を言語化してみてください。 家族との時間を大切にしたい?仕事でキャリアを重ねていきたい? プライベートを重視するのか、仕事で社会的に評価されたいのか、何となくのイメージはできるのではないでしょうか。 あなたにとって仕事とは、キャリアとは「何のため」のものなのかも合わせて考えてみるといいかもしれません。 ただお金を稼ぎたいのであれば、世の中にはたくさんの仕事があるので何とかなりそうですよね。ですが、ある業界で成果を出して認められたいなど具体的な目標があるのであれば話は変わってきます。 あなたがこれからの人生をどのように歩んでいきたいのか、仕事とプライベートの両方を掛け合わせて考えていくことで、理想のキャリアプランを練っていくことができます。 キャリアプランはあなた自身だけでなく、あなたの周りの家族やパートナーにも大きな影響を及ぼします。キャリアに迷ったら早い段階でキャリアプランをイメージしてみてください。 キャリアはプロに相談すると、より安心! キャリアプランと言われても、ピンと来ない人も多いでしょう。自分ひとりで考えていても合っているのかわからないし、今考えていることが実現可能なのかもわからない…という状況に陥りやすくなります。 1人で考えてもよくわからないという方は、一度プロに相談してみるのがおすすめです。「何を相談していいかもわからない」という方も安心してください。 今まで多くの人の悩みを聞いてきたプロのコンサルタントだからこそ、あなたに状況に沿ったアドバイスをしてくれるでしょう。 今悩んでいることを代わりに言語化をしてくれたり、今の状況を乗り越える方法を一緒に考えてくれたりします。 30代後半になってくると周りの人に相談したり、頼ったりすることに抵抗を感じる方も増えてきます。そういった方でも相手がプロであれば話しやすいのではないでしょうか。 またこの先悩んだ時にまた相談できる相手ができるというのは、あなたのキャリアにとって大きなメリットとなります。 悩んでいる時間がもったいないと感じる人は、ぜひプロのコンサルタントに相談してみてください。

20代でキャリア迷子だと感じたらやっておくべきこと
「入社したばかりだけど、この仕事は自分に合ってない気がする…」「とはいっても、やりたいことがないんだけど…」 と感じることはありませんか。もしかしたら今、あなたはキャリアの方向性がわからなくなってしまっているキャリア迷子の状態かもしれません。 でも、20代でキャリアの方向性がわからなくなるのは、多くの人が経験することでもあります。そこで今回は、キャリア迷子に陥る原因や、そこから抜け出すために20代のうちにやっておくべきことをご紹介していきます。 キャリア迷子だと感じる3つの原因 キャリアについて20代のうちから焦ってしまったり、何となくモヤモヤしてしまうということは多くの人に起こり得ます。 ここではなぜキャリア迷子だと感じてしまうのか、3つの原因に分けてご紹介していきます。 「やりたいこと」がわからない 仕事をしている中で、今取り組んでいることが本当に自分の「やりたいこと」なのかわからないという人は大勢います。しかもこれは、20代に限ったことではありません。 社会人になると感じるかもしれませんが、具体的に「これがやりたい!」という目標がある人は実は少ないのです。 ただその実際の状況と反して、就職活動では面接でやりたいことを伝えないといけないので、やりたいことベースで会社選びをした人が多いはずです。そういった経験から、「やりたいこと」は絶対にないといけないと感じてしまっている人が多いのではないでしょうか。 社会人になり思っていた仕事と違うということはよくありますし、仕事に慣れてくると余計に「これは自分のやりたいことなのか?」と疑問を抱きます。 「やりたいこと」というのは、日々変化するものなので自分自身でも正確な正解というのはわからないものです。そこに対して悩みを抱えることで、キャリアについてモヤモヤした感情になってしまいます。 「自分に合っているか」わからない 誰でも「自分に合っている」、すなわち自分の能力が発揮できて評価される場所を選びたいですよね。しかし始める前から、そんなことは判断できません。 適職診断のようにあなたの性格や行動原理などを分析して、適職を判断してくれるツールもありますが、現実は適職診断通りともいかないように、そんなに上手くはいかないのではないでしょうか。 学生の頃から社会人になったら、社内外で評価され輝かしい成績を残すことを夢見ていたという人も、実際に社会に出てみると周りについていけず挫折するという方も多くいます。 労働環境や業務内容があなたに合っていないという場合もありますが、企業の人事部もあなたの適性を判断して配属しているはずです。なので20代であれば、自分に合っているか合っていないかを自己判断する前に、目の前の業務への取り組み方などを見直した方が良いかもしれません。 「これは自分に合っていない!」と判断してしまうと、そこからはモチベーションを保つのが難しくなってしまうので、悩む気持ちはわかりますがあまり考えすぎないのがおすすめです。 「どうなりたいのか」わからない これから自分が「どうなりたいか」という理想のようなものを持つことができていないと、今後のキャリアに関してとても迷いが出ると思います。 しかし先述の通り、自分の目標や理想を具体的に持って働いているという人の方が少数派なのです。 20代だと「目標を決めておかないと!」と思う気持ちもわかりますが、まずは目の前の業務や仕事上でのノルマや目標に対して真摯に向き合うことも大切です。 褒められたい、評価されたいという気持ちが強いのであれば「求められたもの以上を返す自分でありたい」というようにポジティブな自分を理想に置いてみてください。 明確に「こうなりたい!」と無理に決める必要はないのです。なりたい自分というのもこれから色々な経験をしたり、様々な人の価値観に触れたりすることでどんどん変化していくものだと思ってください。 20代でやっておくべきこと 年齢を重ねると躊躇してしまったり、色々な制限を受ける可能性があるので可能な限り挑戦をしていきたいですよね。 ここでは20代の若手である間に、後悔しないためにもやっておくべきことをご紹介します。 多くの人と関わるようにする 20代であるからこそ、できる限り多種多様なコミュニティの人と関わるようにしてください。多くの価値観に触れて自分自身の価値観の幅を広げていくことができるからです。 同じ会社の同期や地元の友人と関わることが多いかもしれませんが、せっかく社会人となり簡単にコミュニティを広げられる状況になっているのですから、その状況をうまく活用することをおすすめします。 30代・40代になってくると新しい環境に飛び込むのが億劫になって、なかなか勇気が出なくなる可能性がありますよね。20代という若さを武器にして、今後の人間関係の土台づくりをしておくことが大切です。 異業種異業界の人と関わることで、普段の業務に生かせる発見があるかもしれませんし、今後のキャリアを考えた際に相談できる相手ができるかもしれません。 何か迷った時に気軽に相談できる相手がいることは、キャリア以外の今後の人生においても必ず役に立ちます。 思い切った失敗を経験する あえて失敗する方法を選ぶということではありませんが、若いうちに失敗を経験することはとても大切です。こだわりを持ち、思い切った挑戦をして失敗をすることでその経験が後に仕事へ生きてくるのです。 まだ若手のうちの方が挑戦に対してのハードルが低く、周りの目もあまり気にしなくていいですが、年齢を重ねて社内でもある程度の地位を持つようになると失敗を恐れてやりたいこともやりたいと言えない環境になってしまう可能性があります。 若手としてみられる時期は一瞬で終わってしまうので、後悔のないように挑戦し失敗を経験してみてください。 積極的に自己投資をする 20代のうちに積極的に自己投資をする習慣をつけておくことで、今後の自分のスキル習得や新しい分野への挑戦への心理的ハードルが下がります。 また20代のうちに興味のある分野に対して自己投資をしておくことで、今後のキャリアの広がりをイメージできたり、知識としてのちに役立つこともあります。 20代は「興味があるけど転職するのはちょっと…」というような内容でも、今の会社で働きながらオンラインスクールに申し込んでみるなど、自分の時間やお金をかけることができる時期です。またそうして学んだことが、キャリアに生かしやすい時期でもあります。 30代に差し掛かってくると、結婚などのライフイベントの発生で思うように時間やお金を使うことができなくなったり、自分投資への精神的なハードルが上がってしまったりします。 もっと若いうちに色々やっとけばよかったなぁと後悔するのを防ぐためにも、興味を持ったことにはどんどん挑戦する時期にしていってください。 お金についての知識をつけておく これから先やりたいことと自分の収入を天秤にかけないといけなくなったり、ライフイベントの発生でお金に困ってしまったりとお金に振り回される可能性が大いにあります。 そのような時に、もっと早くから貯蓄しておけば…と後悔することがあるかもしれません。今は税金対策や資産形成の方法などの情報が、簡単に手に入るようになっています。 日々日々お金について考える必要はありませんが、20代のうちからお金の使い方や資産形成の方法などをある程度頭に入れておくことで、今後必ず役立つ時が来るはずです。 お金については、早めに備えておくことに越したことはないですよね。これから先何かやりたいことができた際も、費用がかかってしまうこともあるでしょう。自分自身の選択肢を狭めないためにも後悔しない20代を過ごすようにしてください。 20代からキャリアの道筋を立てる方法 20代でキャリア迷子から脱出するためには、しっかりと今後のキャリアの道筋を立てておくことが重要です。 ここではキャリア道筋を立てる方法をご紹介していきます。 自分自身について理解する キャリアを考える際には、まず自分自身を知ることが重要です。あなたは周りから評価されて目立つのが好きなのか?1人でコツコツ自分のサービスを作っていくのが向いているのか?など職業選択にも大きく関わります。 なんとなく今の仕事をしているという人も、なぜその会社に出会い選択をしたのかを振り返ることで何かしら自分の考えがあるはずです。 今までの人生で行ってきたさまざまな選択を「なぜだったんだろう?」と振り返ることで、あなたが大切にしている価値観が見えてくるでしょう。 長時間残業をしてでも仕事でのスキルアップをしたいのか、収入が減ってでも定時で帰り家での時間を大切にしたいのかなど、どこかに引っかかるはずです。 今までの選択を全て人に任せていたという方はいないでしょう。もし両親や友人に勧められたものを全て鵜呑みにしてきたとしても、最終的な決断は自分自身でしてきましたよね。 これから長いキャリアを歩んでいく20代です。自分自身と向き合い大切な価値観を見つけ出すようにしてください。 会社や業界について理解する 自分についての理解も大切ですが、相手(仕事)に対する理解もとても重要です。「こんな仕事がしたい!」と明確にあるのであれば、それが実現できそうなのはどんな職種なのか、そこに行くためにはどのような経験が必要なのかを分析してみてください。 今働いている会社で実現できるものかもしれませんし、少し特殊な経験やスキルが必要になるかもしれません。そういった判断を20代のうちにできることで、今後のキャリアの選択肢が格段に広がっていきます。 なんとなくのイメージで行動をしていると、自分の理想の道からいつの間にか大きくずれてしまっているかもしれません。そのような後悔をしないように、少しでも興味のある職種などについては理解を深めるようにしてください。 20代であればやる気やコミュニケーション能力などの定性的な部分で転職活動できていたものが、30代・40代と年齢を重ねると専門性や経験などを重視されるようになります。 20代であることのアドバンテージを活用して、上手くキャリアを重ねていくことも大切なのです。 転職市場について理解する 今では転職という選択は当たり前のようになりつつあります。だからと言っていつでも、どこにでも転職できるということではないことを理解してください。 20代のうちは若手に特化した転職エージェントや求人がたくさんあるので、転職が簡単そうだというイメージなるかもしれません。 しかし何の仕事でもどんな条件でも仕事ができればいいという人は少ないので、希望の条件を入れると膨大な数の求人は一気に減っていくでしょう。 20代である今のうちから自分が気になる求人などに目を通しておくことで、これから必要な経験などもイメージできるのではないでしょうか。 「稼げそうなイメージだったけど、意外と年収が低いな」など具体的に、その職業の実情なども知っておくことも大切になってきます。 そして今のあなたの経験が5年・10年後に転職市場でどのような評価をされるのかもぜひ知っておいてください。 今経理を担当しているのであれば、「決算書の作成は経験しておかないといけなさそう」など、多く出ている求人の条件を確認することでどのようなスキルや経験を持っている人を企業は求めているのかがわかってきます。 そういった情報を事前に頭に入れていくことで、今後今の仕事の中でも経験しておきたいことなどが出てくるはずです。 信頼できる相談相手を見つける キャリアに関しては、1人で思い悩んでも解決できないことがほとんどです。20代のうちに信頼して相談できる相手を見つけておいてください。 可能であれば転職を経験した先輩や、興味のある業界で実際に働いている人など具体的にアドバイスがもらえそうな人がおすすめです。 経験談から適切なアドバイスをもらえることもありますし、人に悩みを話すことで幾分か気持ちも楽になるはずです。 年齢を重ねてから信頼できる友人ができることももちろんありますが、自分自身の考えや価値観が固まっている可能性があるので、まだあまり社会人経験を積んでおらず人からのアドバイスを素直に聞き入れられる段階で相談相手を見つけておくのが無難です。 キャリアの相談は知り合いにはしたくないという方は、プロのコンサルタントに相談してみるのがおすすめです。もちろん外部サービスなので守秘義務もありますし、あなたが相談したということが外に漏れることもありません。 知り合いでない上にキャリア相談のプロであれば、あなたも安心して相談できるのではないでしょうか。 具体的な悩みがなくても、同じような人の経験談などを聞くことで今後への情報収集にもなりますし、何より今後悩んだ際にプロに相談するという選択があることを知っておくことは大きなメリットになります。 キャリアプランを作成する 20代でこれからのキャリアについて道筋を立てておくには、今後のキャリアプランを作成しておくことがおすすめです。 いきなりこれからのことなんてイメージできないという方は、まずは短期的な目標を立ててみてください。特に思いつかない方は「次の査定で1段階評価を上げる」などわかりやすく、振り返りやすい目標を立てておくことがおすすめです。 中期的な目標だと「35歳で営業部長になる」というようなものから、どんどん逆算して目標を立てていきます。そのためには30歳でリーダー業務はこなせていないといけない、など具体的にイメージが湧いてくるのではないでしょうか。 今の会社での仕事の話だけでなく「30代で転職して地方へ移住する」など、ライフプランを交えた目標を立てておくのも行動がしやすくなります。 様々な目標を立てていく中で大切なのが「自分はこうありたい」とありたい姿が反映されているかを確認することです。定量的な仕事の目標だけで計画していくと、目標に対して行動を実行できているはずなのになぜかモヤモヤしてしまう要因になります。 様々なキャリアの選択があるなかで、あなた自身がイキイキと働いていける選択をできるように意識してみてください。

20代の今後のキャリアの考え方とキャリアプランの作り方をご紹介!
「キャリアについてはまだ考えなくていいや」「周りと差をつけたいけど何からすればいい?」 と考える、働く20代は多いのではないでしょうか。キャリアについて考えるのは早いに越したことはありません。 今後数十年働いていく中で、何となく働いているという時間を少なくすることで同じ20代でも周りと差をつけることができます。 今回は20代の方に、キャリアについて考えるメリットやキャリアやプランについてご紹介していきます。 20代で自分のキャリアに向き合うメリット 20代でまだ仕事を始めたばかりだから、キャリアなんて考えていないという方も多いのではないでしょうか。しかし早い段階でキャリアについて考えることは、実はメリットだらけなのです。 ここでは、20代でキャリアについて考えるメリットをご紹介します。 長期的にキャリア形成しやすい 20代でキャリアについて考え始めると、まず長期的なキャリアを描きやすくなります。単純にこれから働いていく時間が長いということもありますが、時間がかかる目標に対しても、着実に近づいていくことができるからです。 営業一筋だった人が50代になって、「やっぱりゲームが作りたい!」と思い立つのと、20代で営業職のあなたが「ゲームを作ってみたい!」と思うのでは難易度も変わってきます。 もちろん何歳になっても、やりたいことに挑戦することはできます。しかし物事にはそれに対して、ある程度かけなければならない時間や経験もあるのです。 今少しでも興味のあることややりたい事があるのであれば、後にそれを実現するための選択ができるようにしておくのも大切です。 上司や先輩など経験者に相談しやすい 20代だとまだ社内でも若手ということで、気軽に上司や先輩に相談できるというメリットがあります。 社内に転職経験者である中途入社の先輩がいたり、直属ではない上司がいたりと、若手だからこそ話しかけやすい人、あるいは、あなたが若手だからこそアドバイスをしてくれる人たちもいるはずです。 近くに自分より長くキャリアを歩んでいる先輩方がいるので、経験談など聞いておけば、この先自分のキャリアを考えるときに参考になるときがくるでしょう。 今全くキャリアについて悩みがなかったとしても、「20代のうちにやっておけばよかったこと」など情報収集しておくのがおすすめです。 また年次が上がってくるにつれて、キャリアに悩んだ際に周りに話しづらくなってしまうという状況もできてしまうので、今のうちから社内に相談相手を作っておくというメリットもあるでしょう。 先輩からしても、自分に相談してくれる後輩のことは気にかけたくなるものです。今しかできない行動をどんどんしていくことが、今後のキャリアに影響してきます。 今後に繋がる選択をできる 企業で勤めていると、キャリアに関して様々な選択をするタイミングがあります。そのような時に、日頃からキャリアについて考えておくと今後に繋がる選択をできるでしょう。1つの案件に対しても「めんどくさいから断る」と考えるのか、「大変そうだけど成長できそう!」と考えるのか、受け止め方にも違いが出てきます。 20代のうちから前向きに捉える習慣がついていると、自ずと周りからの評価も上がりますし、何より働いているあなた自身がストレスを感じにくくなるはずです。 企業勤めであればなおさら、社内の評価や自分のモチベーションを上げておくことで、仕事もやりやすくなりますし、さまざまなタイミングでチャンスが巡ってくる可能性が高くなります。 20代のうちに、ぜひ社内での基盤を作っておいてください。 キャリアに無頓着な人が仕事で陥る現象 20代でキャリアについて特に考えてこなかった人は、考えてきた人と比べるとモチベーションの維持や成長スピードに差が出てくる可能性があります。 ここでは、あまりキャリアについて考えていない人が陥ってしまう現象についてご紹介します。 モチベーションが維持しづらい キャリアについてあまり考えていない人は、業務に対するモチベーションを感じにくくなってしまうことがあるはずです。 明確に目標があるわけではないので、目の前の業務に対して意味付けするのが段々難しくなり、「何のためにこの仕事をしているんだろう…」「意味あるのかなぁ」と不満を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。 そして一度そのループに入ると、なかなかモチベーションを取り戻すのは難しくなってしまうでしょう。 キャリアを長期的に見据えた周りの同期はモチベーションも高く、自分だけが置いて行かれているような感覚になってしまうかもしれません。周りと比べることで、余計に自己嫌悪に陥ってしまう可能性があります。 早期に転職を選択してしまう キャリアに向き合う機会が少ないと、「とにかく今の職場(仕事)が嫌だから」「まだ若いから」と安易に転職を考えてしまいます。 確かに年齢が若いうちの方が、未経験の職種などにも挑戦しやすくはなりますが、「しっかりとした転職理由がない」「新しい会社でも明確にやりたいことがない」という状態では、採用してもらうことは難しいでしょう。 20代前半だと、就職活動の延長のように転職活動を考えてしまうかもしれませんが、一度他の企業に入社したということはあなたは中途社員として評価されます。経験が求められるかどうかは年齢にもよりますが、最低限の社会人マナーなどは身についていて当然とみなされます。 そして何より、新卒入社から早期に離職をした場合、「すぐに仕事を辞めた」という経歴はあなたのキャリアにおいて一生消えることはありません。 企業によっては、過去の転職回数が多いと書類選考の段階で不採用とするところもあります。早まった転職の決断は、あなたが思うよりもずっと、大きな影響を残す可能性があるのです。 20代前半と後半では異なる悩み 20代とひとまとめに呼んでいても、学生から社会人になったばかりの20代前半と、数年社会人を経験している20代後半とでは悩みの種類が変わってきます。 では、20代前半と後半ではどのように悩みが異なってくるのでしょうか。 教えられる側から教える側へ 学生から社会人になった20代前半では、周りは全員先輩で、わからないことは聞けばいいし、仕事でミスをしてもフォローしてもらえていたかもしれません。しかし20代後半に差し掛かると、状況は大きく変わっているはずです。 あなた自身に後輩ができ、指導したりミスを庇ってあげたりしないといけなくなります。あなたの会社での立場は、明確に変わっていくでしょう。 20代前半では質問することが当たり前でも、20代後半で同じように質問すると「そんなことも知らないの?」と呆れられてしまうことがあります。 経験を重ねた社会人であることを意識し、日々学んでいかなければ、周りの環境はあなたが思うよりもずっと早く変化していきます。そんな周りの環境や自分の立場の変化、そして日々の業務に悩まされるということが20代後半では起こってしまいます。 転職活動を始める同期が増える 入社して1~2年は、同期と横並びで「仕事を覚えていくぞ」という時期だったかもしれませんが、数年経ってくるとやる気に満ち溢れていた同期も転職活動を始めたり、急に転職したりすることがあります。 一緒に頑張っていた人が突然いなくなると、不安にもなりますよね。 周りの環境は、人の悩みに対して大きな影響を与えます。職場を変えることなんて頭になかったという方も、「自分も環境を変えた方がいいのかもしれない…」と変に焦ってしまうのではないでしょうか。 もちろんあなた自身が今の環境に不満がないのであれば、悩む必要はないのですが、周囲の同僚が環境を変えていくことが、一度自分のキャリアを見直すきっかけになるかもしれませんね。 今後のキャリアパスを考える段階になる 新人時代からある程度の成績を残していた方であれば、20代後半にもなれば、リーダーなど責任のある業務を任されている方も多いのではないでしょうか。 そうなってくると今度は、30代からの自分のキャリアが気になりますよね。周りを見渡して30代での役職者は多いのか、それとも全くいないのかでもキャリアの見通しが変わってきます。 社内で昇進を目指すのであれば、早くから社内で「管理職になりたい」と積極的にアピールしておくことも大事です。何も言わない人よりも「こうなりたい!」と日々発信している人の方が、いざ誰が適任かと考えた時に頭に思い浮かびやすいからです。何より、「本人がやりたいと言っている」ということが、そのポジションを任せるかどうかの決定打になることもあります。 めんどくさかったり、媚びてるみたいで嫌だと感じる人もいるかもしれませんが、20代後半になってくると、社内での身の振り方も考え始めなければならないのです。 ライフイベントの発生 20代後半になると、結婚や出産などのライフイベントが発生する可能性が高くなります。マイホーム計画を始めて、お金に対して考えることも増えるかもしれません。 自分には関係ないと思っていても、予期せぬタイミングで仕事を休まないといけなくなったり、今の仕事自体続けられなくなるということもあるのです。 女性であればなおさら、妊娠で今後のキャリアを大幅に見直さないといけなくなるということもありますし、産休に入ることでキャリアに空白の時期ができてしまいます。 休むことでマイナスなことばかりではないですが、自分の思っていたタイミングと全く違っていたりすると、ネガティブな考えにもなってしまいます。 独身であれば、周囲の結婚出産ラッシュで焦りを感じることもあるでしょう。両親からのプレッシャーなども感じ始めるのではないでしょうか。 仕事だけの悩みではなくなってくるのが、20代後半の特徴でもあります。 20代からできるキャリアプランの考え方 キャリアを考えるにあたって、自分自身のキャリアプランを明確にしておくことが大事になってきます。 急にキャリアプランを言われても困ってしまうと思いますが、どのような考え方をすれば良いのでしょうか。 まずは自分のなりたい姿を考える キャリアプランを考える際には、自分のやりたいことや理想の働き方などをまずイメージしてみましょう。キャリアプランだからといって、仕事のことだけをイメージするのではなく、どんな働き方をしたいか、将来的にパートナーや子どものいる生活を考えるのか、とライフスタイルを考えるのも大切です。 今後さまざまなライフイベントの発生で、ずっと仕事優先で生きていくとは限りません。キャリアプランはライフプランと密接に関係していることを知っておいてください。 例えば「家族との時間を大切にしたいから、将来的にはマイホームを建てて在宅の仕事をしたい」というプライベート優先の考え方もあれば、「世界中で愛されるようなゲームを作りたい」という仕事上の目標を優先する場合もあるでしょう。 自分が何を大切にしたいのか、現段階で明確にしておくことがとても大切です。今後その内容が変わったとしても、根本的に大事にしているものは大きく変わらないはずです。 例えば「仕事で評価されていっぱい稼ぎたい」と仕事優先に思う方も、実際は「家族を幸せにするためにいっぱい稼ぎたい」とプライベートを大切にした考え方を持っているということもあります。 あなた自身が何を大切に思っているのか、早くから知っておきましょう。 短期的な目標から決めていく いきなり20年、30年後の自分を想像するのは難しいので、まずは短期的な目標から決めてみてください。 今新入社員なのであれば、「3ヶ月後には同期で1番の成績を出す」「1年後にはMVPを獲る」など、自分の中でイメージしやすい目標がおすすめです。 そしてそこから逆算して日々の業務をこなしていくと、「何のためにやっているのか」という目標が明確なので、モチベーションの維持がしやすくなります。 毎日の業務が何のためのものなのか、本質的に理解して納得することで、業務のパフォーマンス自体向上していくことでしょう。 現職でしっかりと評価されていれば、もし転職など環境を変えることになっても自信を持った行動をすることができるはずです。 いつでも軌道修正できる余裕をもつ プランという言葉を使うと、その通りに進まなければならないと感じてしまうかもしれませんが、決してキャリアプランに縛られる必要はありません。 キャリアを歩んでいるうちに、新しく興味を持てるモノやコトに出会うかもしれませんし、素敵な出会いがあって急に起業するなんてこともあるかもしれません。 20代でキャリアプランを練っておくことの最大のメリットは、いつでも柔軟に軌道修正できるということです。 40代、50代になってくるとキャリアプランから逸れた選択をすることに対して、無駄な時間や寄り道だと感じてしまうかもしれませんが、20代であるからこそ、より自分らしく生きていける選択をできるのではないでしょうか。 具体的にキャリアプランを立てるには? キャリアプランを立てたい!と思っても、具体的に何をすればよいか難しいですよね。 最後に、具体的にキャリアプランを立てる方法をご紹介していきます。 やりたい事が明確であれば詳しい人に相談 将来的に絶対にやりたい事がある人は、実際にその業務をしている人や詳しい人に相談してみてはいかがでしょうか。 例えばマーケティング会社を創りたいのであれば、実際に起業している人の話を聞いてみましょう。知り合いにいなくても、今ではSNSなどで繋がりを持つこともできます。起業まではいかなくとも、マーケティングのプロとしてキャリアを高めていきたいのであれば、社内外でロールモデルとなるような人を見つけて、話を聞いたりウェビナーに参加してみるのもおすすめです。 その人の経歴などを知ることで、実際に役立つ経験や持っておいた方がいいスキルを知ることから始めてみてください。 ここで注意しなければいけないのは、その方はキャリアに関しての専門家ではないので、あくまで実体験として参考にするにとどめておくことです。同じ経験をしないと!と思い込んでしまうのは危険です。その人はたまたま成功したかもしれませんが、あなたが同じやり方で成功するとは限らないからです。 未来へ向けて、材料を集める感覚で情報収集をしていきましょう。 20代だからと躊躇わずにプロに相談 「将来的にこれがやりたいけど、どういう選択をすればいいの?」というやりたいことが明確だけどそのプロセスがわからない方、あるいは「まだ20代だしやりたいこともわからない」という方は、ぜひキャリアのプロに相談してみてください。何となく不安という段階でも問題ありません。 プロに相談というと転職を勧められそうと思う方が大半ですが、仕事を斡旋する転職エージェントではなく、専門のキャリアコンサルタントにキャリアについて相談するだけのサービスもあります。 不安なことがまだなかったり、何に対して不安なのか明確でない人こそプロに相談しアドバイスをもらうことで、自分らしい働き方の選択をする事ができます。 本質的に自分が大切にしている価値観に気付くことができたり、ちょっと興味のあることに背中を押してもらえたり、1人では何も変わらない状況を変えていけるはずです。 これから長いキャリアを歩んでいく20代だからこそ、何も考えずに働く時間はもったいないと思ってください。 20代で相談しておくことで、自分にはプロの相談相手がいるという状況を作ることができます。年代が変わってもまた相談できる相手がいることで精神的にも安定するでしょう。 20代だからといって外部のサービスを利用することは決して早くありません。周りがやっていないのであれば、率先して利用することで周りと差をつけることもできるのではないでしょうか。

キャリアを見直すタイミング?働く30代が抱える悩みは環境を変えると解決するの?
30代になると、今後のキャリアについての悩みを抱える人が増加します。 20代から働いてきてある程度仕事ができるようになると、悩みの種類も変わってきますし、周りの転職などもあなたの悩みに影響してくるでしょう。 今回は働く30代に向けてキャリアの悩みの種類や環境を変えると悩みは解決するのかなどご紹介していきます。 20代と30代では悩みの種類が異なる 20代の若手と言われていた頃と、30代で中堅と呼ばれるようになった今とではキャリアに関しての悩みの種類も変わってきたのではないでしょうか。 ここではどのような要因で悩みが変化していくのか、ご紹介していきます。 評価・給料が上がらない 20代では新人だったこともあり、少しずつ評価され給料も上がっていくことを実感できていました。しかし30代になるとそのスピードは緩やかになったり、止まってしまうというのは珍しくありません。 一見当たり前のように思いますが、実際に今まで通りの成績を残していても評価されない状況になると不満が生まれてくるものです。 会社によっては、20代よりも期待されるものが大きくなっているということが顕著に見えてくるかもしれません。 「業務内容は変わっていないのにどうすれば…?」と思う人も多いかもしれませんが、30代では今までの業務に自分で考え付加価値をつけていくことが求められているのです。 評価も給料も変わらないのにそんなことできないよ、という方は一度自分のモチベーションになるものを探した方がいいかもしれません。 後輩の教育が上手くいかない 30代になるとある程度業務を経験して、後輩の教育を任されるという人が増えてきます。 今までは自分の業務だけでよかったものが、後輩の面倒を見るとなると同じスケジュールで働くこともできませんし、シンプルに業務負荷が重くなりますよね。 そういった状況で、自分は後輩のことを考えて時間も割いているのに全く教育が上手くいってない…となるとストレスが溜まってしまいます。 後輩の態度などにもイライラしてしまったりと、悩むことが増えるでしょう。「このタイミングで、自分はこんなことしたいんじゃない」と感じる方も多くいます。 仕事とプライベートの両立が上手くいかない 20代後半から30代にかけて結婚・出産などで、プライベートに環境の変化が訪れたという方は多いのではないでしょうか。 そういった中で、思い描いていた結婚生活が送れていなかったり、育児に追われて仕事に集中できなかったり…という事態に直面することもあります。独身時代には感じなかった、「仕事とプライベートの両立」が悩みの一因になるでしょう。 家族で様々な家事の役割を担当しているにも関わらず、仕事でも段々と責任が重くなってくる状態では、どちらかが疎かになってしまう可能性もあります。 共働きでは、それがストレスや言い争いの原因になってしまうこともありますし、「家族のために働いているのに…」という方はよりストレスを感じてしまうかもしれません。 また、家族を養うために働いていても、激務が続いて子ども寝顔しか見ることができないという方もいるのではないでしょうか。 専門性がないと感じる 20代から一貫して同じ会社で働いていても、自分に専門性がないと感じると不安になりますよね。特にエンジニアなどの専門職でない方ですと、「自分には何ができるのか」と思ってしまう方も少なくないようです。 もちろん今まで仕事を頑張ってきているあなたは、自分で気付かないかもしれませんが確実に成長しているはずです。 20代の頃は苦手だった商談も、今では上手く流れを作れるようになっていたり、資料作りの時間が半分になっていたりと、実は気付かないスキルが身についているのではないでしょうか。 しかしそれでは、自分自身なかなか納得できないのが現実ですよね。たとえ客観的にみれば素晴らしい「スキル」であっても、自分では当たり前にできていることほど、それを「スキル」だと認識するのは難しいものです。その結果、職務経歴書を書いてみると、スキルや経験の部分でなかなか空欄が埋められないとなると不安になります。 周りの人が転職していく 30代になると、周りの転職や退職で焦りが生じるのではないでしょうか。 自分自身は転職など全く考えていなかったとしても、周りがどんどん転職していくとなんとなく不安になるものです。同じ部署のエース社員が、突然転職するということもよくありますよね。 そういった状況で「自分はこのままでいいのだろうか」と感じることは、当たり前の感覚とも言えます。 全ての人が今の会社で、「これを成し遂げてやる!」というような野望とも言える目標を持っているわけではありません。 目標は特にないけど、正社員だから続けているという方もいるはずです。自分自身のそのような感覚でいたのに、周りからの刺激によって変化していくことが多いというのも30代の特徴ではないでしょうか。 今の環境を変えずにキャリアアップする方法 キャリアに悩むと転職がすぐに頭をよぎるかもしれません。 しかし転職に乗り出す前に、まずは今のまま社内でできることを探してみてはいかがでしょうか。 ここでは、環境を変えずにキャリアアップを目指す方法をご紹介します。 社内でチャレンジできるポジションを探す 今のポジションや業務内容が少し退屈だと感じていたり、もっと違うことに挑戦したいという場合は、まず社内でチャレンジできそうなポジションがないか探してみましょう。 社内公募を行なっているような会社もありますし、人事などの詳しい人に話を聞いてみると、意外と会社を変えずに違うポジションへ挑戦できる可能性があります。 「業務内容や働く環境を変えたいけど、転職はちょっと…」という方は、ぜひ社内で挑戦できないかを確かめてみてください。 特に社員数が多い会社の場合は、「これがやりたい!」と自分の意思表示をしておき、席が空いたときには最初に思い出してもらえるような状況を作っておくことが大切です。 情報を集めて絶対に社内で挑戦できないとわかった場合でも、「自分の挑戦したいという気持ちと転職への不安を、天秤にかけてよく考えてみる」といういい機会になるでしょう。 今の業務に関連している勉強をする 今の職種のままキャリアアップを目指すのであれば、自分で業務に付加価値をつけていくことが必須となってきます。 そのためにはまず、業務に紐づいたスキルの勉強をしていくことがおすすめです。 「とりあえず頑張る!」と目の前の業務に取り組める方であればそれでもいいですが、自分自身が停滞していると感じていたり今の業務で今以上に評価を受けるのが難しいと感じる方は、プラスαで知識をつけていくのが良いでしょう。 そうすることで、今までなんとなく行なっていた業務の本来の意味を知ることができたり、「もっとこうしてみよう!」とアイデアが浮かんでくることもあります。 前向きな姿勢で業務に取り組むことで、あなたに対して周りの印象や評価も変化していくでしょう。 家族やパートナーへ協力を依頼する プライベートとの両立が難しいと感じる人は、家族やパートナーに悩みを相談し協力をお願いしてみましょう。 例えば、家事の分担を少し軽減してもらうことで仕事に充てる時間を増やしたり、時短家電などを導入するというのはいかがでしょうか。 すぐに仕事とプライベートの両立ができるようになるのは難しいかもしれないですが、今のあなたの気持ちを伝えることで何かしらの折衷案は出てくるはずです。 あなたがもっと仕事を頑張りたいというのであれば、パートナーが家庭に入るという選択肢も出てくるかもしれません。 いずれにせよ、あなたがこれからあらゆる選択をした結果、一番近くで影響を受けるのは家族やパートナーなので、しっかりと悩みを共有しておくことが大事です。 会社のビジョンを再確認し、モチベーションを維持する 入社して数年経ってくると、意外と会社のビジョンを忘れてしまっている人もいるのではないでしょうか。入社のタイミングでは、会社のビジョンに共感して頑張ろうと思っていたとしても、常日頃その気持ちを忘れないというのは難しいものです。 会社の雰囲気など全体を見渡すことができるようになった今、同じように会社のビジョンに共感できていますか。 「あぁそういえばこのために頑張っていたんだ」と、初心を思い出すことができるかもしれません。そうなれば、停滞気味だった仕事へのモチベーションもまた巻き返せるでしょう。今の環境に特に不満はないけれど、なんとなくキャリアという点で不安に思ってしまっている方は、今の環境でもう一度頑張ろうと思えるのではないでしょうか。 もう一度気持ちを持ち直す経験をすることで、どんな環境でもまた頑張ろうという力がついていくはずです。 今30代であれば、今後20年ほど働くことになる会社なので、会社が成し遂げたいビジョンとあなたが理想とするものの齟齬がないかの確認はぜひ確認してみてください。 キャリアを見直し転職をする場合 もちろんキャリアを見直した結果、転職して環境を変えるという決断をする方もいるでしょう。 30代であるということがプラスにもマイナスにも働く可能性があるということを理解して、しっかりと準備して転職活動に臨むのが大事です。 同じ業界・職種で経験を活かす キャリアを見直した際に、同じ業界や職種で経験を活かした転職をするという選択が一番想像しやすいのではないでしょうか。 業界や仕事内容は嫌いではなくても、今の会社ではできない経験をしたいという場合や、もっと収入を上げたいという場合によくある決断です。 「自分の能力をもっと伸ばしていきたい」という方にはおすすめですが、30代の経験者を採用するとなると、採用する側もあなたに大きな期待をしていることを忘れてはいけません。 採用企業は経験者であればあまり教育もしなくていいため、若手を採用するよりも高いコストをかけて採用しています。そのような中で新しい会社だからと新人気分でいては、会社からの期待を裏切ってしまう可能性があります。 自分の経験を活かして転職をする場合は、今まで以上にしっかりと業務と向き合い、結果を出すことを求められているという状況を理解しておきましょう。 勉強をしてから未経験の仕事へ挑戦する また、30代から未経験のキャリアへ挑戦するというのも、決して遅くない決断です。 しかし20代の若手と同じような気分で、「やる気はあります!」というアピールをしても採用してもらうのは難しいかもしれません。 例えば、今の職場での経験をある程度活かすことができるのであれば、プラス評価かもしれませんが、全く関係ない職種に挑戦する場合は、新卒入社の社員と同等のレベルで評価されることを理解しておかなければなりません。 そのため、未経験の職種に挑戦する場合は、ある程度事前に勉強して知識をつけておくのが良いでしょう。 エンジニアなどの専門職であれば、先に副業やオンラインスクールで経験を積んでおき、業務を学ぶ意欲があり、実際の業務も全くの未経験ではないこと、自分でできる限りのスキルを身に付ける努力をしてきたことをアピールするのがおすすめです。 30代になって「何もわかりませんがプログラマーになりたいです!」と面接で言われても、担当者は困ってしまいますよね。 未経験でもやりたい!と思えることがあるのであれば、自分でアピールできることを増やしてから挑戦するのが良いでしょう。 独立してやりたかったことに挑戦する やりたいことがある方に関しては、必ずしも企業に所属する必要はありません。独立してフリーランスになるのもいいですし、法人を設立することもできます。 ただし、今まであった安定収入を手放すというのは誰しも不安なはずです。家庭など守るものがあって、挑戦は難しいという方も多いでしょう。 そういった方は、まずは副業などをして収入の軸を複数作っておくと安心です。収入面での不安を少しでも軽くしておくことで、独立のための資金にもできますし、精神的にも安定するでしょう。 準備なしの転職は要注意 30代で、多くの人がキャリアに悩むことがあるでしょう。あらゆる選択肢がある中で、転職という選択をする場合はしっかりと事前準備をしてください。 「興味があるから」「やってみたいから」など理由は様々あると思いますが、そこから「なぜ興味を持ったのか」「なぜやってみたいのか」と深く掘り下げていく必要があります。 30代で自己分析をしてみることで、20代のころの自分との比較や改めて自分自身と向き合うことができます。 1人で考えてみても上手く言語化できない方は、人に話すことで上手く頭の中の考えを整理できるかもしれません。仲のいい友人に話すと気分転換にもなります。 しかし長期的にみて転職後もしっかりと計画を立てておきたいという方は、ぜひプロのコンサルタントに相談してみてください。 多くの人の悩みを聞いてきたプロのアドバイスによって、決意していた転職を思い留まるという可能性も大いにあります。 転職は人生において大きな転機になるので、絶対に失敗したくないという方はプロへの相談で少し安心して行動できるかもしれませんね。

これからの時代を生き抜く女性のキャリアの考え方
「これからのキャリアってどうすればいいんだろう?」 そう感じる女性は多いのではないでしょうか。近年男女平等が謳われていますが、実際は全ての働く女性が、働く男性と同じ境遇というわけではありません。 結婚や出産、育児などのライフイベントを考慮しつつも、女性が自分らしく後悔しないキャリアを歩んでいく考え方をご紹介します。 女性はライフイベントの影響を受けやすい ライフイベントの発生により、キャリアについて悩む女性が多いのが現状です。妊娠や出産など女性ならではのものもあり、なかなか思う通りにはなりません。自分の理想のキャリアを歩むことを断念する方も多くいます。 今の段階で自分には関係ないと思っていても、キャリアを考える上で今後どのようなライフイベント発生の可能性があるのかは知っておく必要があります。 結婚 結婚によって仕事を辞めたり、転職したりする方は多くいます。 生活が変わるというのは女性だけではありませんが、まだまだ「女性は家庭を守るもの」「夫の仕事に合わせて、仕事を変えるもの」という考えの方も多いのではないでしょうか。 また、退職や転職はしなくとも、結婚によって独身時代よりも家事が増えたり住む場所が変わって通勤時間が長くなることもあります。そういった負担の積み重ねにより、キャリアについての悩みを感じる方は少なくありません。 またパートナーの職業によっては、全国転勤や海外駐在になることもあります。もちろんその際に一緒に行かない選択をすることも可能ですが、大半の女性はパートナーについていくことを選択するようです。 妊娠・出産 女性ならではのライフイベントといえば、妊娠と出産です。これだけは、男性が経験することのない一大イベントですよね。 妊娠と出産では、それぞれ義務付けられた休暇を取得しなければなりません。したがって、数ヶ月はキャリアが途切れるのを避けられないのです。 妊娠期間の休暇である産前休暇の取得は任意ですが、仕事をしていて急に陣痛がきてしまってそのまま休むとなると、会社に大きな迷惑をかけてしまうため、働く妊婦のほぼ全員が取得します。 そして産後休暇は、母体回復のために取得が義務付けられています。産後8週間の休暇が定められていますが、最短42日で医師の許可が出れば働くことも可能です。 しかしながら、1ヶ月以上は必ず休むことになるため、働いてキャリアアップを目指している方、なかなか仕事が休めない方などは妊娠へのハードルが高く感じるでしょう。 育児 育児はもちろん女性だけがするものではありません。しかし、授乳など母親にしかできない育児もあります。 我が子に向き合い育児をしていくうちに、仕事よりも家庭や育児に専念する方が自分には合っているかもしれないと考える方や、「子どもが小さいうちは、できるだけ一緒にいたい」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。 また多くの自治体で待機児童の問題もあり、保育園に預けてすぐに復職する予定であっても、2年間育児休業を取得しても保育園入園が叶わず、やむを得ずに退職を選択する方もいます。 育児は初めての経験だからこそ、予想がつかないことが起きるものです。その結果、想像もしていなかったタイミングで仕事を失ったり、働き方を変えなければならなくなることもあるでしょう。 企業でキャリアアップ?働き方を変える? さらに企業で数年働いていると、これからも続けていくのか働き方を変えるのかという悩みが出てきます。 女性が働きやすい環境であるのであれば、もちろんそのまま続けていくという選択になりますし、難しそうであれば働き方も変えていかなければなりません。 では、どのような選択肢があるのでしょうか。 フルタイムで働きながらキャリアアップ 今フルタイムで働いている方は、働き方を変えずにキャリアアップや長く働いていくことをまずは考えるでしょう。今の仕事が好きな方、今の仕事が安定している方、やりたいことや取りたい資格があるなど目標が明確な方はフルタイム勤務を続けていくことが一番です。 ただ先述の通り、女性であるからこそのライフイベントが発生する可能性もあります。その場合に向けても、まずはフルタイム勤務前提でキャリアを設計しつつ、他の選択肢として時短勤務になるかもしれないなどの可能性を頭に置いておくことが大切です。 ただ残念ながら、子どもが小さい間に時短勤務を選択すると、今までと任される業務が変わったり、「マミートラック」と言われる状況に陥ったりすることもあるのも現実です。今の企業がフルタイムで子育てしながらキャリアを積んでいける環境か、先輩社員の事例を見ながら見極めておきましょう。 フルタイムでの勤務を希望しているけれども、子育てしながらフルタイムを続けるのが難しそうな場合には、早いうちに転職を検討することも必要かもしれません。 扶養内でのパートタイマー 結婚や出産を機に、パートナーの扶養内で働くという選択もあります。 昔は結婚すると、寿退社をして女性は家庭に入るというような風潮が強くありましたが、現在は育児や家事と両立できる程度の時間でパートに出る女性が多くいます。 これは元々フルタイムで会社員として頑張っていた方が、家事や育児にも時間を取りながら、社会との繋がりが薄くなってしまう不安を解消するためにも良い選択でしょう。また扶養範囲内とはいえ、月数万円のパート収入は、家計にとっても大きなプラスになります。 出産や育児を経験すると、社会との繋がりがないことに不安を覚えたり、日中子どもと2人きりでの生活をストレスに感じたりする女性も多くいます。 フルタイムで働くのは難しいけれど少し外に出て働きたい方や、これからの教育費なども考えて家計の足しにしたい方には、パートで働くという選択肢もよいでしょう。 フリーランスとして独立 近年注目されているのが、フリーランスとして独立するという働き方です。最近では在宅ワークの求人なども多数あり、インターネットで仕事を見つけやすいので、空いた時間を効率的に使って働きたい方や就労証明を出して保育園に子どもを預けたいという方にはおすすめです。 フリーランスは個人事業主になるので、収入面で不安定になることは否めませんし、社会保険料などの負担が大きくなる可能性もあります。ただし、フリーランスであっても、扶養控除内の収入であれば、保険組合によってはそのままパートナーの健康保険に入ることもできます。事前によく調べておくとよいでしょう。 独立なんて怖い!と思うかもしれませんが、webデザインやwebライター、SNS運用など女性に人気の職業も多数あるため、働き方や仕事内容に興味のある方は、詳しく情報収集してみてはいかがでしょうか。 企業でキャリアを積んでいきたい女性へのハードルとは? 今の職種でキャリアを積んでいきたいという女性は多いと思います。特に専門職など、今の業務内容が好きであったり、会社に愛着があることもありますよね。 ずっと同じように働いていくことができれば良いのですが、長期的に考えた際に自分の理想のキャリアを描くことができない可能性も考えなければなりません。残念ながら、女性であるからこそ、キャリアへのハードルを感じることもあるからです。 男女での評価の違い 男女平等が謳われている世の中ですが、まだまだ男女格差が残っている企業もあります。 事務職だからといって、お茶汲みやコピーを頼まれることもあるのではないでしょうか。また、女性の昇進が難しかったり、あまり例がなかったりすることもあるかもしれません。 さらに、独身であれば結婚の予定やパートナーの有無を聞かれたりと、女性の突然のライフイベントの発生に敏感になっている企業もあります。重要な大型プロジェクトを任せてみたいけど、数年がかりのものであれば、途中で妊娠などの事情で抜けなければならない状況に陥ることもあるからです。 そうなってくると、自然と重要なポジションには男性がついていることが多いと感じてしまうのではないでしょうか。 女性のロールモデルがいない 「子どもができても、同じように仕事を続けていきたい」「同期に遅れることなくキャリアアップしていきたい」と具体的なイメージが自分の中にあったとしても、実際に体現している方がいなければ不安になりますよね。 まず想像できるのが、女性が昇進するのは難しいのではないかということ。そして、子育てをしながら今の会社に長く勤めるのは難しいのではないかということです。 長く勤めるのであれば、それなりに評価されたり昇進したりすることを期待しますが、そういった扱いを受けている女性が他にいなければ期待は薄くなります。また、評価や昇進に興味がなかったとしても、「興味がない」ことで居づらくならないのか、という不安もあるでしょう。 もちろん会社の創業年数なども関係するので、まだ若い会社なのであれば自分がロールモデルになっていくということもあり得ます。 会社の規模や女性の在籍年数などを考えた時に、今後への不安があるのか判断できればいいですね。 将来の家族計画が未定 「仕事は楽しいけど、いつか子どもが欲しいなぁ」と考える女性は少なくありません。子どもは授かりものですからいつ妊娠できるかもわかりませんし、パートナーと考えを擦り合わせておく必要もあります。 いつになるかわからない「いつか」のために仕事を少し抑え気味にするのか、悩ましいところですよね。 その場合は、現在の仕事に不満がないのであればそのまま仕事に取り組むのがいいのではないでしょうか。「いつか」の可能性が頭にあるだけでも十分ということもあります。 ワークライフバランスを重視する際の注意点 ライフイベントの発生など何らかの節目のタイミングで、ワークライフバランスを重視した働き方に変えようと思う方は多いのではないでしょうか。 例えば出産を機に専業主婦になるのも一つの選択です。しかし、とりあえず仕事を辞めるというような考え方では、その後の人生において後悔する可能性もあるのです。 ワークライフバランスを重視するあまり、キャリアの観点で後悔しないように注意するポイントを紹介します。 パートナーの理解を得る ワークライフバランスを重視して、フルタイムからパートタイム勤務に変更するなどキャリアを大きく変更するのであれば、パートナーの理解を得ることはとても大切です。 今までフルタイムの共働きであったのであれば、家にいる時間が長くなる分家事の分担を変えてみたり、毎月のお小遣いを変動させてみたりと工夫することも必要になるでしょう。 パートタイム勤務になると変にパートナーとの格差を感じてしまったり、上下関係が生まれてしまうこともあるので、事前にしっかりとお互いの考えを擦り合わせておくと安心です。 長期的にみたお金の問題 仕事の時間を減らすという選択をした場合、当然ながら時間労働から得られる収入は減少します。 今はそれでも生活できていけると感じるかもしれませんが、将来的に子どもの教育費やマイホーム資金など長期的にお金の問題を考えておく必要があります。 必要であればFPに相談して、将来設計や保険の見直しなども行っておくと安心できます。 「仕事=お金」が全てというわけではありませんが、ワークライフバランスを重視した選択をしたのにも関わらず、ライフの部分が崩れてしまう可能性もあるのです。今までと同じような支出をしていくことはできないことを、理解しておきましょう。 逃げの選択になっていないか考える 後々振り返った時に後悔しないためには、今選択しようとしていることが「逃げ」の選択になっていないかを一度考えてみてください。 「通勤が嫌だから」「残業が嫌だから」「やりがいがないから」などネガティブな理由ばかり思いつく時は、要注意です。 または「パートナーのために」「子どものために」と、決断の主語が他の人になっている時も、一度落ち着いて考えてみましょう。 自分が何をしたいか、どういう生活を送りたいかということが不明確なまま、嫌な理由や誰かのためにという理由を見つけて決断すると責任転嫁してしまう可能性があります。 「あなたのために仕事辞めて、キャリアを諦めたのに!」という気持ちになってしまうのも良くないですし、言われた相手も困ってしまいますよね。 キャリアを考えるときは、これからの人生全体を考えるようにして突発的な逃げの選択になってしまわないように気をつけましょう。 女性がキャリアを充実させるポイント さまざまなキャリアの選択肢がありますが、あなたが一番後悔なく自分らしく在れるようにしたいですね。 女性であるからこその我慢もあるかもしれませんが、女性であるからといってキャリアを諦めてはいけません。 あなたのキャリアを充実したものにするポイントを紹介します。 頼れるものはしっかりと頼る フルタイム働きながら子育てもするというのであれば、パートナーはもちろん周りをしっかりと頼りましょう。 近くに住んでいるのであればご両親に保育園のお迎えを頼んだり、家事まで手が回らないというのであれば、ベビーシッターやハウスキーパーの手を借りるというのはいかがでしょうか。 バリバリ仕事を頑張っていきたいという女性の多くは、仕事も家庭も疎かにしない!と自分で全てを背負い込んでしまいがちですが、頼れるものは頼るというのが長くキャリアを歩んでいくためには必要な方法です。 転職して評価される環境を選ぶ 「仕事を頑張っていく!」という方は、今の環境に対して不安があるのであれば、この環境で頑張り続けるというよりも、自分が評価されるような環境を選ぶことも大切です。 たとえば管理職を目指しているのに、女性管理職がいない職場だと出世にも時間がかかりそうですよね。その場合、同じ業界内でも女性管理職比率が高い会社を選んだり、子育て支援をしっかりと行っている会社を選ぶことで不安は薄くなるでしょう。 自分がどのような女性になりたいのか、どのような働き方をしたいのかを体現している、ロールモデルのような方が複数いる会社に出会えるかもしれません。 キャリアプランを練る 女性がキャリアを充実させるためには、キャリアプランをしっかりと練っておくことが大切です。 なんとなくで進んでいても上手くいくこともあります。しかし、突発的なライフイベントの発生などで本当はやりたかったことができなくなる可能性も十分にあるのです。 自分はどのようになりたいか、そして自分は今それに向かって進んでいけているのかを明確にしてみてはいかがでしょうか。 働き方や待遇の面での希望と、自分自身のスキルを棚卸することで今の立ち位置を知ることでこれからの行動を考えやすくなります。 自分自身で考えることも大切ですが、プロのキャリアコンサルタントと相談しつつキャリアプランを練ることもおすすめです。 あなたが理想としているプランに対して、実現するための行動指針を作ることができるでしょう。転職を考えていなかったとしても、現在の市況間など踏まえて考えが変わってくる可能性もあります。 キャリアコンサルタントに相談というと、転職をする人が仕事を紹介してもらうようなイメージが強いですが、今後のキャリアプランを相談するだけという方も多く利用しています。 プロの手助けも受けながら後悔しない、自分らしいキャリアプランを見つけてみてください。

結婚後の女性の働き方ってどうしたらいい?自分なりの答えの見つけ方【後編】
結婚後の女性の働き方について、前編では正社員やパート・派遣社員として会社に勤める働き方をご紹介してきました。 しかし、結婚後の働き方には「専業主婦として家事育児に専念する」「フリーランスとして働く」「起業する」など「会社に雇われない働き方」もあります。 自分に合う道があるか、それぞれの働き方を選ぶときに何を考慮すればよいのか、そのメリットデメリットを確認していきましょう。 家族との時間を優先して専業主婦になる 総務省統計局「労働力調査特別調査」によると、2020年の共働き世帯は1240万。一方で専業主婦世帯は571万と、共働き世帯数が増える一方で専業主婦世帯数は減少の一途をたどっています。 しかし、本音では「できることなら専業主婦になりたい」と思う方も少なくないようです。ソニー生命保険株式会社が2020年に行った「女性の活躍に関する意識調査」で、働く女性に対し、本当は専業主婦になりたいかという質問をしたところ、「非常にそう思う」と「ややそう思う」と答えた女性は全体の29.8%。年代別に見ると、20代が41.7%でした。 また別の調査をみると、ニュースサイト「しらべぇ」編集部が行ったアンケートでは、専業主婦になりたいと思った人の割合は27.3%。この調査では30代が36.4%と高い数値を出しており、調査によって変動はありますが、全体のおよそ3割が専業主婦を希望していることがわかります。 「夫が高収入でないと、専業主婦になるのは難しい」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、総務省統計局のデータによると、実際には専業主婦世帯で一番多い世帯年収は300~399万円。ついで200~299万円となっています。 画像引用元:「ARUHIマガジン」共働き世帯の世帯年収は現状どれくらい? 年収別のライフスタイルも解説より 国税庁「民間給与実態統計調査(令和元年分)」によると、20代後半の男性の平均年収は403万円ですから、専業主婦を実現するために必ずしも夫が高収入である必要はなく、夫婦の間に「そういうライフスタイルを実現したい」という思いがあれば、平均並みの収入で実現している人は多くいるということです。 それでは、「専業主婦」という働き方を選ぶメリット、デメリットをみていきましょう。 専業主婦のメリット1.家事や育児に十分に時間をかけられる 家事も育児も、やろうと思えばいくらでもやることがあり、どれだけ時間があっても足りないほどです。 しかし、正社員でもパートでも、外に働きに出れば、どうしても時間に追われてしまいます。仕事と家事と育児を両立するには、「できる範囲でできることを」やれるよう、時間とバランスを見つけなければなりません。 しかし、家事や育児に自分の時間をすべて使える専業主婦という働き方ならば、「家事や育児に手をかけたい」「子どもが小さいうちはできる限り一緒にいたい」「子どもや夫との生活や時間を大切にしたい」いう思いを叶えられます。人生で、自分の大切な人のための時間、大切な人と過ごす時間を一番に考えられるのは、お金には代えられない大きなメリットでしょう。 専業主婦のメリット2.仕事関係のストレスから解放される 会社を辞めてしまえば、仕事に関係するストレスは一切なくなります。納期やノルマに対するプレッシャー、職場の人間関係など、そうしたものから解放されます。 前述のように、仕事との両立で時間に追われることもなければ、仕事のストレスでイライラすることもなくなるので、心に余裕をもって家族に接することができるようになり、専業主婦になって家庭が円満になったという方も。 専業主婦になることで、心が軽くなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 専業主婦のメリット3.夫の勤務スタイルに合わせられる 専業主婦になれば、夫の勤務スタイルに合わせることができます。国内外の転勤にも一緒に行くことができますし、激務の夫との家庭内のすれ違いを最小限に抑えることもできるでしょう。 専業主婦のデメリット1.経済的なリスクが高まる とはいえ、もちろんデメリットもあります。次にそれを確認していきましょう。 まず挙げられるのが、自分自身の収入がないので「経済的なリスクが高まる」ことです。「夫が高収入であること」が専業主婦になる必要条件ではないことは前述の通りですが、家計は夫からの収入のみになるということには、いろんなリスクがあり、それは夫が高収入でも平均並みの収入でも変わりません。 例えば、夫がリストラにあったり、病気で休職が必要になったりしたときに収入源が激減、あるいはなくなってしまうこともあります。転職で年収が下がるかもしれませんし、あるいは夫本人がどんなに仕事を辞めたいと思っていても、「年収が下がるから」という理由で転職を諦めてもらいたくなるかもしれません。 また、いつまでも夫婦円満でいるのが理想ですが、結婚生活がいつまでも円満とは限りません。何か離婚したい事由が発生した際に専業主婦でいると、「経済的に自立ができないから」という理由で離婚をためらう方が多いのも事実です。 さらに夫が高収入でない場合には、子どもの教育費や住宅費、老後資金に不安が付きまとうのも現実です。将来に備え、しっかり家計管理を行う必要があるでしょう。 専業主婦のデメリット2.自分が自由に使えるお金が減る 専業主婦は、自分で自由に使えるお金も少ないです。少し前の調査になりますが、2013年の博報堂の「子供を持つ既婚女性の就業形態と消費に関する調査結果」によると、1ヶ月あたりの専業主婦のお小遣いの平均は1万4942円。 フルタイムの主婦のお小遣いは2万6725円、パート・アルバイトの主婦は1万5562円ですから、専業主婦が一番低くなっています。 「でもそれでも1万5000円近くあるなら…」と思ってはいけません。この数値は平均値なので、年収数千万を稼ぐ夫を持ち、月に何万円も、何十万円も、自由に使えるマダムのような人が平均値を上げている数字なのです。 「@nifty」の「何でも調査隊」によると、30代以下の専業主婦の1か月のお小遣いは5000円以下が64%と圧倒的に多数です。 「自分の服はここ何年も買っていない」という専業主婦は、筆者の身近にもたくさんいます。家事も育児も立派な仕事ですが、「自分の収入がない」という状況がもたらす様々な面も、きちんと理解しておきましょう。 専業主婦のデメリット3.「自分」としての社会との関わりが減る 専業主婦になると、「家族」との時間は増えますが、「自分の時間」はほぼなくなります。その結果、社会とも「〇〇さんの奥さん」「××ちゃんのママ」として関わることが圧倒的に多くなり、「一個人として社会に関わる」と実感できる機会が一気に減っていきます。 社会との関わりを必要最小限にしておきたい方には、これはメリットとなりますが、「最近大人と会話していない」「子育て以外の話をしていない」と感じてしまうこともあるかもしれません。 自分の好きな仕事でフリーランスとして働く 正社員やパートなどで、会社に勤めるとどうしても時間に縛られてしまいます。 「決められた時間に仕事をする働き方では、家事と育児と仕事を両立できるか自信がない」 そんな方は、自分の経験や好きなことを活かしてフリーランスになるという働き方もあります。今はクラウドソーシングサイトで仕事も探しやすく、デザイナーや経理、Web制作など経験を活かした業務はもちろん、Webライターのように未経験から始められる案件も探しやすくなっています。 フリーランスとして仕事を始めやすい今だからこそ、そのメリット・デメリットを確認して、自分に適性があるか可能性を考えてみましょう。 フリーランスのメリット1.家事と育児と仕事のバランスを自分で決められる 自分の時間をどのように使うか、どれくらい仕事をしてどれくらい家族のために時間を使うか、仕事の量や時間をある程度、自分で決められるのがフリーランスの最大のメリットです。特に今はWebで受発注が完結し、在宅でできる案件も多いので、通勤時間を費やすことなく時間を有効活用することもできます。 単価も様々ですが、パート代や自分のお小遣いくらいの収入を得ることの難易度はそれほど高くはなく、デザインなどのスキルがあれば、正社員並みの収入を得ることも可能です。 収入を得ながらも、時間的な制約はパートや正社員、派遣社員よりも格段に緩いので、子どもが病気になった時や、子どもの園行事や学校行事に参加する時などに都合がつけやすいでしょう。 フリーランスのメリット2.仕事上のストレスをコントロールできる フリーランスですから、どんな案件を引き受けるか、どれくらいの仕事をするのか、決めるのはもちろん自分です。クライアントとどのような関わり方をする案件なのか、どれくらいの納期で対応するのか、自分が選んだものを引き受けていくのがフリーランスです。 「収入のために、仕事は選ばない」ことも選べますし、「自分の価値観や働き方を優先したいから、仕事を選ぶ」ことも選べるから、仕事上のストレスをある程度、自分でコントロールできます。 フリーランスのデメリット1.収入は不安定になる 仕事での自由裁量の部分は大きくなりますが、仕事の案件数や収入が保証されているわけではありません。また、正社員や派遣社員のように夏休みや有給休暇はなく、自分が仕事をしなかったら報酬は発生しないので、長期的な休みを取ったり、病気やけがなどで仕事が出来なくなったりした場合には収入が途絶えてしまいます。 フリーランスのデメリット2.確定申告や帳簿管理が面倒 フリーランスは、個人事業主としての収支管理も自分で行わなければなりません。正社員や派遣社員、パート社員だったら雇用主である会社が行ってくれる年末調整などもないので、自分で確定申告を毎年行う必要があります。 毎月の経費管理も必要となるため、面倒な事務処理は会社員時代に比べると多くなるでしょう。 フリーランスのデメリット3.健康保険料が高くなることも そして、健康保険料も大きな問題となります。基本的には国民健康保険に加入することになり、保険料は各市町村によって異なるのですが、収入を得らえるようになればなるほど、保険料はかなり高くなります。正社員等で会社に雇用されていれば、「労使折半」で会社が出してくれている保険料を、自分で全額払わなければならないからです。 フリーランスが加入できる組合や協会に加入すると、健康保険料を押さえることができますが、手続きが面倒だったり、加入条件が厳しかったりするものも多いことも知っておきましょう。 思い切って起業する 最後に、思い切って起業するという働き方もあります。 「起業」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、「起業」して事業を始めるレベルは人それぞれ。本格的な事業計画書を書いて、銀行から融資を取り付けて始める「起業」もあれば、自分の貯金の範囲内で自宅の一室を使って自分の特技を教える教室を開いたり、カフェを始めたり、手作りのものを売ったりと、小さく始める「起業」もあります。 本格的に始めるとなれば、ストレスやプレッシャーは正社員時代の非ではありませんが、その分大きなやりがいを得られます。事業が成功すれば、収入も正社員時代をはるかに上回ることもできるでしょう。 また、自分でできる範囲のことを自分で持っているリソースのみをつかって、リスクを抑えて小さく起業することもできます。自己資金で始めれば、返済のプレッシャーがない分、自分のペースで事業を育てていくことができるでしょう。 さらに今は、個人でも取引できるM&Aサイトも複数あり、1から事業を立ち上げるのではなく、既存事業や既存店舗を買収し、自分のアイデアをそれに加えて事業を始めることもできます。 どんな事業でも立ち上げ期は大きなエネルギーが必要で、自分の時間を費やさなければ成果は上がりませんが、ある程度の規模になれば事業を人に任せることができるのも起業のメリット。そうなれば収入を得ながら、自由に時間を使うことができるようになります。 自分の気持ちと、家計と、パートナーの希望のバランスを いかがでしたでしょうか。正社員や派遣社員、パートなど「会社に雇われて働く」以外にもいろんな働き方があります。 結婚後の女性の働き方は、自分がどうありたいかという気持ちが一番大切ですが、現実的にはそれだけで決められないのが難しいところです。パートナーである夫の希望(家事や家計負担の希望、転勤の有無などのワークスタイルなど)もふまえて、バランスをとりながら、納得できる働き方を探していきましょう。 ただ、どうバランスをとればいいのか、自分の気持ちがどこにあるのか、一人で考えているとわからなくなってしまうこともあります。 キャリア・コンサルティング・ラボでは、女性が結婚後の働き方を見つけられるように「女性のライフイベントと今後の働き方を考える60分」のコースを設け、女性のキャリア支援に長けたコンサルタントが「これから」を考えるサポートをしています。この先どうしようか迷ったら、ぜひお気軽にご相談ください。

結婚後の女性の働き方ってどうしたらいい?自分なりの答えの見つけ方【前編】
結婚したからといって特に働き方が変わることが少ない男性と異なり、女性は結婚というライフイベントを迎えるにあたって、一度自分の働き方を見直さなければなりません。 男性の育児休暇取得の推進がほんの少しずつ進んできたり、家事分担ができる男性も少しずつ増えてきてはいますが、それでも結婚後の家事育児の役割分担は圧倒的に女性が多くを担うことになるのが現状だからです。 夫の収入と家事の協力度合、子どもを預ける保育園の問題、ワーキングマザーに対する職場の理解と支援体制など1人1人の状況が異なるなか、自分にとってのベストな働き方はどうやって見つけたらいいのか。 悩んだらこんな視点から、結婚後の働き方を考えてみませんか。 正社員、派遣、パート、専業主婦…まずは自分がどうしたいかを大切に 結婚後の働き方を考えるの上で、1番大切なのは「自分がどうしたいか」という自分自身の希望です。どんな働き方がしたいか、ではなくて「どんな生き方をしたいか?」という視点から、自分の気持ちに向き合ってみましょう。 結婚後は、家事や家族との時間を優先したいのか。結婚で今まで築いたキャリアが途絶えないようにしていきたいのか。教育資金や老後資金など、経済的な備えを万全にしていきたいのか。結婚した後も、家族や子育ての範囲だけでなく違う形で社会と接点を持っていきたいのか。 他にもいろいろな希望があると思います。40才や50才になったときに、どんな自分でいたいのかも想像しながら、考えてみてください。 家事や家族との時間を優先する、仕事のペースを落とすのが希望なら、派遣社員やパートとしての働き方や、専業主婦として家事と育児に専念する働き方がいいかもしれません。今まで築いたキャリアを捨てたくない、将来に向けて経済的な備えを万全にしたいのであれば、正社員の働き方がベストといえます。 「何らかの形で社会と接点を持ち続けたい」という希望であれば、企業で雇われる以外にも社会とのかかわり方はあるので、結婚後の環境に合わせて様々な選択肢があります。フリーランスや起業するという選択肢もありますし、ボランティアで地域の仕事に関わるという関わり方もあります。 ではそれぞれの働き方を選ぶときに、何を考慮する必要があるのか、どんなメリットデメリットがあるのかをみていきましょう。 仕事のやりがいや収入を得たいなら正社員 仕事のやりがいや収入を得る選択肢は「正社員」です。正社員としての働き方を選ぶなら、まずはパートナーの理解と協力を確認しましょう。 2019年に内閣府が発表した男女共同参画社会に関する世論調査では、女性が職業を持つことについて、「子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい」と考える人が61%と過去最高になりました。また、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について尋ねたところ、「賛成」と答えた人は35%だったのに対し、「反対」は60%でした。 これをみると、世の中は確実に変わっています。しかし、女性が外で働くことに賛成している男性でも、本音では「一般論としては、ずっと職業を続けるほうがいいけれど、自分の妻には家庭を守ってほしい」「仕事は続けるのは構わないけれど、家事はしっかりやってほしい」という男性も少なからずいます。 あなたのパートナーの本音は、どこにあるでしょうか。正社員としての働き方を選ぶなら、パートナーがその働き方を理解してくれるかどうかが大きな問題となりますので必ず本音を確認しておきましょう。 そして、正社員を続けることに理解があるパートナーならば、家事の分担についての考えも確認しておきましょう。どちらの仕事が忙しく、どちらがどんな家事が得意かは、夫婦によってケースバイケース。正解はありませんが、お互いに納得できる役割分担と、妥協点を見つけることが大切です。 パートナーが「仕事を続けるのに賛成してくれても、家事は分担してくれない」となると、正社員の道を選ぶことは大きな負担となります。後から「こんなはずじゃなかった」とならないよう、結婚前にしっかり認識を合わせておきましょう。 また、出産を希望するなら、職場の子育て支援制度や風土も重要です。女性が結婚後に正社員としてキャリアを築くためには、夫と職場の理解と協力が不可欠だからです。 夫の理解も協力もあるけれど、職場の理解や支援制度がないという場合には、出産後もワーキングマザーが働きやすく、実際に活躍している企業へ転職活動をすることも、前向きに考えていきましょう。 「正社員」を選ぶメリット 正社員を選ぶメリットは、なんといっても安定した収入が得られることです。 ニッセイ基礎研究所が2016年に発表した「大学卒女性の働き方別生涯所得の推計 」によれば、正社員で働き続ければ育児休暇や時短勤務を利用しても生涯所得は2億円以上。 ・第一子出産後に退職し、第二子小学校入学時にフルタイムの非正規雇用(派遣社員など)で再就職した場合:9670万円・第一子出産後に退職し、第二子小学校入学時にパートでで再就職した場合:6147万 と、派遣社員やパートの道を選んだ時の2~3倍以上の収入が得られます。もちろん、現役時代は正社員で働くことで出費も増えますが、定年退職後に得られる厚生年金も派遣社員やパートに比べると多くもらえます。 収入が多いということは、それだけ自分のために使えるお金も多いということ。子供の教育費や老後の生活を考えても、正社員を続けることの経済的メリットは非常に大きいでしょう。 また、正社員であれば責任ある仕事を任される、裁量を持って働くなど、正社員ならではのやりがいもあります。 さらに、もし結婚生活が破綻しても、経済的に自立していれば、夫の収入に頼ることなく自分の気持ち次第で結論を選ぶことができます。厚生労働省の「人口動態統計速報(令和2年8月分」によると、2019年の離婚件数は20万8496組。婚姻件数は59万8965組ですから、今や離婚も珍しいことではありません。正社員はその意味でもリスクヘッジになります。 「正社員」を選ぶデメリット 正社員を選ぶデメリットは、家事と育児と仕事のバランスをとる難しさにあります。時短勤務をしても、効率化しても、家事にも育児にも時間がかかるので、正社員として働いているとどうしても時間に追われる毎日になります。 また、子供が保育園のうちは病気にもかかりやすく、保育園からの急な呼び出しに対応しなければなりません。保育園や学校では参観日等の行事も多いですが、有休をとれないこともあるでしょう。 時短勤務制度があるならば大いに活用すべきなのですが、その時短勤務制度に対して職場の理解が実はあまりないことや、なんとなく肩身が狭い思いをしてしまうという方がいらっしゃるのも悲しいですが現実です。 さらに、時短勤務で働くことで補佐的な仕事の担当になってやりがいがなくなってしまったり、同僚や後輩にキャリアで追い抜かれたような気持ちになってしまったりと、複雑な思いをすることも。 これらのデメリットは子供が成長して育児の負担が減少すれば、少なくなっていくものですが、最初のうちはやるせない思いを感じてしまうこともあるかもしれません。 バランス重視なら派遣社員 「フルタイムの仕事がしたいけれど、家庭と仕事の両立ができるように負荷の少ない働き方をしたい」 それを実現するのが、派遣社員としての働き方です。そのメリットデメリットをみてみましょう。 「派遣社員」を選ぶメリット 派遣社員は、派遣会社に登録をし、派遣会社から派遣されます。派遣会社に登録するときに、希望の残業時間を申請して、その希望を満たす職場を紹介してもらえるので、自分が望むワークライフバランスを実現しやすくなります。特に大都市圏では派遣社員としての選択肢も多いので、今までの経験を活かし、自分の働く時間も場所も、自分の希望に合う職場を選んで働くことができるでしょう。 時間の都合が調整しやすいので、様々な理由でパートナーが家事の分担ができないとき、自分が家事を担いたいときにも、仕事と家事、育児をバランスよくこなすこともできます。 また、一般的に派遣社員は正社員に比べると仕事の範囲が限定されるので、正社員のようなプレッシャーやストレスもありませんが、今までの経験を活かした仕事ができます。また、大企業系列の派遣会社では、親会社の大企業と同じ健保や福利厚生が利用できることもあります。条件を満たせば産休も育休も取得できます。 さらに、派遣会社の採用選考通過すれば、派遣先が決まっていない待期期間でも、毎月決まった額の給料をもらえる無期雇用派遣になることもできます。 派遣社員の契約期間の上限は、基本的に3年と決まっていますが、これも見方によっては「いろんな業界や会社を経験することができる」ともいえるため、新しい環境で刺激を得ることが好きな方にはメリットとなるでしょう。 「派遣社員」を選ぶデメリット 大きなデメリットは、「雇用の安定性」です。派遣社員の契約期間の上限は、基本的に3年間と決められており、どんなにその職場が快適だったとしても同じ職場で3年以上働くことはできません。 また、20~30代のうちは求人は多いのですが、50代となるとだんだんと求人が限定されてくるのも現実です。年齢が上がるにつれて、現場の上司が「年上の派遣社員は扱いにくい」と感じてしまうのがその理由のようです。ただし、派遣の仕事がないわけではないので、できる案件を引き受けていくとよいでしょう。 家庭優先で家計の足しの収入を得るならパート 経済協力開発機構が発表した「雇用アウトルック2015」によると、子どもをもつ女性の7割が「家事や育児などプライベートと両立できる程度で働きたい」と答えており、子どもを持つ働く女性の雇用形態は、「パート・アルバイト」が最も多く62%です。 働く時間や曜日を選びながら、家事や子どもの行事など自分が優先したいことを優先しつつ、家計の足しになる収入を得られることが、多くの女性が結婚後にこの働き方を選ぶ理由といえるでしょう。 では「パート」を選ぶメリットデメリットも確認していきましょう。 「パート」を選ぶメリット メリットはなんといっても、働く時間を選ぶことができること。1週間で働く日数や時間を自分で決められますし、基本的に残業がないので無理なく働けます。 さらに、「子どもが保育園に行っている9時~14時」など、自分の希望に合わせて勤務時間帯、働く曜日も選べるので、子どもの園行事、学校行事に参加するにも都合をつけやすく、自分が家事や育児をするのに必要な時間も確保できるので、家庭や家族を優先するライフスタイルが実現できます。 「未経験OK」と特別なスキルや経験がいらないことも多いですし、家から近い案件も多くみつかります。求人数も多く、面接でも今までの経験や学歴が重視されることはほぼないので、案件をある程度選ばなければ、年齢が高くなっても仕事には困りません。 また、パートで真面目に働いていれば、子どもが成長して大きくなったときに、その会社でそれまでの実績が認められて正社員に登用される可能性もあるでしょう。 「パート」を選ぶデメリット パートの場合、税制面や会社の福利厚生面等でメリットが得られる夫の扶養範囲内に収入を押さえる方がほとんどになります。時給、または日給制で、ボーナスや退職金もないので、デメリットはやはり収入が派遣社員や正社員に比べて低いことでしょう。 人生、お金がすべてではありませんが、生涯年収は定年まで正社員で働いた場合の3分の1以下。夫の扶養範囲内に収入を押さえていれば、年金も第3号被保険者となるため、厚生年金に加入できる正社員や派遣社員に比べるともらえる金額は低くなります。 また単純労働が多いので、責任のある仕事や変化のある仕事に携わりたいタイプの方は、物足りなさを感じてしまうでしょう。さらに、有給休暇や福利厚生も正社員や派遣社員ほどは充実していません。 いかがでしたでしょうか。どの働き方を選ぶかで、ライフスタイルは大きく変わりますので、「自分の仕事に対する考え方、自分が実現したいライフスタイルはどんなものか?」と自分に向き合い、パートナーと話し合いながら、これからのキャリアプランを考えてみてください。 ただ、自分の考えは自分だけではなかなかまとまらなかったり、自分自身の本音にも気づかなかったりすることもよくあります。そんな時にはぜひ私たちキャリアコンサルタントを活用してください。 キャリア・コンサルティング・ラボでは、女性の働き方をサポートするために「女性のライフイベントと今後の働き方を考える60分」のコースを設け、女性のキャリア支援に長けたコンサルタントが「これから」を考えるお手伝いをしています。 また、このほかにも、女性の結婚後の働き方には、この他にも専業主婦として家事育児に専念する働き方や、フリーランスとして独立・起業する働き方もあります。こちらの働き方を選ぶときのポイントや現実については、後編をぜひご覧ください。

社会人としてこのままでいいのか不安な時に試したい5つの方法
仕事をしていて、ふと「このままでいいのか」と不安に思うことは誰にでもあります。 今の仕事や環境の何が不満というものがなかったとしても、やりたいことを見つけて転職や独立する友人知人、社内でバリバリと活躍する同僚や後輩をみたり、将来のことを考えたりすると、自分はこのままでいいのかとつい考え込んでしまう…それは誰もが経験することでしょう。 将来への小さな不安は日常生活に紛れてしまうことも多いですが、モヤモヤした不安がいつまでも消えないこともよくありますよね。そんなときには、こんな行動を試してみませんか。 1. 不安を感じる自分の気持ちを整理してみる 「不安」は漠然としたままでは、どうしていいかわからないものですが、その原因がわかれば、「不安」の解消法も見えてきます。解消法が見えてきたら、あとはそれを試していくことで、たとえ解決しなかったとしても何かしら状況は変わっていきます。 つまり、不安を感じる自分の気持ちを整理し、その原因に向き合うことは、漠然とした不安を解消する第一歩です。 ここでは「このままでいいのか不安」と思う原因としてよくあるものをご紹介します。自分が当てはまるものはないか、もしくは自分には他の気持ちがあるのか、今を見直すきっかけにしてみましょう。 仕事にモチベーションを感じない 仕事にも慣れ、なんとなくこなせるようになってきて、辞めたいと思うほど何かが嫌なわけではないし、職場に問題があるわけでもない。上司との関係も可もなく不可もなく、「まあこんなものだろう」という程度。 このような「職場や上司にストレスを抱えるほどでもなければ、ワクワクもしない」状況が続くと、仕事に対するモチベーションも下がってきてしまうのではないでしょうか。 「辞めたい」「もう無理」という気持ちが強くなれば、転職活動を始めるエネルギーにもなりますが、辞めるほどまで気持ちが強くないうちは、かえって不完全燃焼のような、漠然とした「このままでいいのか?」という思いが募ってしまうかもしれません。 ただ、仕事に対するモチベーションは、仕事が変わるか、仕事に対する自分の見方が変わると変わってきます。仕事を変えることは、転職だけでなく社内での担当替えや異動などでも実現できますし、自分の仕事に対する見方も、自分の視野や世界を広げたり、誰かと話したりすることで変わっていく可能性が大いにあります。 仕事そのものか、仕事に対する見方か、どちらかを変えられないか、試してみてはいかがでしょうか。 今の会社をずっと続けられるのか不安 環境変化の激しい現代では、超大手企業といえど一生安泰というわけにはいきません。 赤字によるリストラだけでなく、企業は黒字でも人件費削減のために大規模な早期退職を募るようになっています。2025年には労働人口の6割が45歳以上となり、役職に就かない中高年がさらに増えることから、定年延長と共に進む「希望退職」「早期退職」の流れは、今後も続くと予想されます。 転職したいわけじゃないのに、このままこの会社にはいられないかもしれない。その時、自分はどうしたらいいのか。 仕事に対する不安とは別に、「今の会社でずっと働き続けることができるのだろうか」という会社への不安がある方もいらっしゃるでしょう。 ただし、この「働き続けることができるのか?」という問いの答えは、誰にもわからないものです。未来は誰にもわかりません。将来に対する不安は、感じ始めると次から次に別の不安が生まれてしまうものなので、「今、ここ」に意識を集中できるような何かを始めてみるといいかもしれません。 将来への蓄えなど経済的な心配がある 人生には、「住宅資金」「教育資金」「老後資金」と三大支出があります。「住宅資金」は「一生賃貸でもいい」という考え方もありますし、「教育資金」は子どもを持たないという選択もありますが、「老後資金」だけは誰もが避けては通れない問題です。 「老後資金」については、2019年に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が「老後20~30 年間で約1,300 万円~2,000 万円が不足する」という試算を発表したことにより、「老後には2000万円が必要」と不安になった方も多いのではないでしょうか。 ただしこの不足分は平均貯蓄額を上回るため、多くの世帯では年金と退職金でやりくりができているといわれます。しかし今後、平均寿命が延びる一方で、退職金が減少傾向にあり、年金支給額が減額されると推測されます。また自分の将来だけでなく、親や家族の問題が自分の家計に影響してくることもあります。 このような経済的な不安は、きちんとマネープランを考えて貯蓄や投資信託、NISAや個人年金など、自分に合った備えを始めることで解消していきます。情報収集を始め、マネープランを学ぶことから始めてみるとよいでしょう。 同じ生活の繰り返しで刺激がない 「毎日が同じ生活の繰り返しでつまらない」「生活がマンネリしていて、何の変化も刺激もない」「生活のために働いているけれども、特に何の目標もやりがいも楽しいこともない」 そんな毎日が続いて、「このまま同じ生活を続けていてもいいのだろうか」という漠然とした不安になることもあります。 自分がどうなっていきたいのか目標があったり、何か楽しみを見つけられるとこの状態は変わっていきますので、次に紹介する「今までやりたかったこと、新しいことを始めてみる」方法を試すと、何かが変わってくるかもしれません。 2. 自分が今までやりたかったこと、新しいことを始めてみる 自分のやりたいことや好きなこと、楽しいと思えることができていたら、「このままでいいのか」と不安に感じることはおそらくないでしょう。 だから今、「このままでいいのか」と漠然とした不安があるのは、それが何らかの理由でできていないか、自分にとってそれが何なのかわからないか、そんな状況ではないでしょうか。 そんなときは、どんなにささやかなことでもいいので、「今までやりたかったこと」をしてみましょう。 「やりたかったこと」を行動に移すという、小さなサイクルを繰り返していると、「自分はやりたいことを行動に起こせる」という感覚が身についてきます。 「自分は、やりたいことができるんだ」と、気持ちのスイッチとセルフイメージが切り替われば、様々な「やりたいこと」や「好きなこと」が浮かんでくるようになるでしょう。 自分が本当にやりたいことや好きなことは、意外に見つけるのが難しいもので、「これだ!」と思っていたことでも、実際にやってみると「何か思っていたのと違う」ことはよくあります。だからこそ、本当にやりたいことを見つけるには、興味を持ったことを少しずつでもどんどん試してみる、そんな行動力が大切なのです。 たとえば、以下のようなことに興味はありませんか。 少しでも心が動いたものがあれば、まずは行動を起こすことから始めてみましょう。 ジョギングやヨガなど運動を始める 適度な運動は、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニン神経と脳を活性化させます。セロトニンは、精神の安定や安心感、平常心、頭の回転をよくして直観力を上げるなどの働きをするもので、不足すると慢性的ストレスを感じるようになり、向上心の低下、仕事への意欲低下、協調性の欠如などの症状がみられるようになります。 運動のなかでもジョギングやサイクリング、水泳などの比較的簡単な有酸素運動は、セロトニン神経を活性化させますし、自宅でもYoutubeを見ながらでもできるヨガも、セロトニンを分泌する効果が高いといわれています。 体を動かすことでセロトニン神経が活性化して、「このままでいいのか」という漠然とした不安が解消されて、いつの間にか前向きな気持ちになれるかもしれません。 習い事や資格取得の勉強を始める 習い事や資格取得の勉強を始めると、「●曜日は習い事の日」「×月▲日は試験」といった具合に生活にリズムや張り合いが生まれ、目標もできます。 また文部科学省によると、人間の意識はある瞬間では一つのことにしか向けることができないといわれていますので、習い事で好きなことに熱中する時間や、試験の勉強に集中する時間を作ることで、不安を感じる時間を減らすこともできるでしょう。 キャリアアップのために仕事に関する習い事や資格でも、料理や音楽、アートなど、趣味を広げるための習い事でも、新たな知識や新たな人との出会いを通じて、自分の世界が広がります。その楽しさに、「このままでいいのか」という不安も忘れられるのではないでしょうか。 副業を始める 「どうせ何かを始めるのなら、経済的な不安を解消できることを」と思う方もいらっしゃるでしょう。今は副業OKの会社も増えていますので、空いた時間に副業を始めるという方法もあります。 「副業ができるほど、スキルやキャリアもないし…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、最初から稼ぐことを目標にしなければ、今は副業も始めやすい環境が整っています。 何かを作ることが好きならば、自分で作ったものをオンラインで簡単に販売できるサイトもありますし、隙間時間を売買してちょっとした頼みごとを依頼するようなサイトもあります。また、クラウドソーシングサイトも数多くありますので、それに登録して簡単な業務から始めてみるのでもいいでしょう。 自分の興味のある分野で副業を始めれば、収入だけでなく楽しみにもつながります。自分の世界も広がり、もしかしたら将来につながる新たな可能性も見つかるかもしれません。 新しいチャレンジを上司に希望してみる もし、上司が理解のある人であれば、新たなことにチャレンジしてみたいと上司に相談してみるのもおすすめの方法です。 たとえ同じ部署であっても、担当領域が少し変わるだけでも業務に変化が生まれ、視野が広がります。「同じ仕事ばかりでつまらない」「毎日刺激がない」などが不安の原因であれば、新たなチャレンジをすることが不安を解消する突破口になるはずです。 部下の「新しいチャレンジをしてみたい」という思いを大切にしてくれる上司は、わりといるものです。「これがやってみたい」と思っていたことがもしあれば、勇気を出して相談してみましょう。 3. 友人や先輩など、人と話してみる 親しい人と近況を情報交換するだけでも、気持ちがすっきりしたり、整理できたりしますよね。これは人は誰かと話をすることで、自分が何を考え、どう感じているのかを頭の中で整理することができるからで、「オートクライン効果」と言われています。 このままでいいのか不安なときは、友人や先輩など、誰か話せる人に聞いてもらうのもよいでしょう。 オートクライン効果だけでなく、相手からの思わぬ情報に刺激を受けたり、「そういう考え方もあるのか」とちょっと前向きになれたり、何か「スイッチ」が入ることもあります。また、相手も実は同じような不安を持っていて、「自分だけじゃないんだ」と安心する…なんてこともあるでしょう。 コロナ禍のなか、外食するのは難しい時期かもしれませんが、オンライン飲み会などを活用しながら、話を聞いてもらってはいかがでしょうか。 4. マインドフルネスを試してみる 将来のことに目を向けると、先が見えなくて不安になります。でも先のことは誰にもわかりません。そんなときは、「今ここ」に意識と五感を集中することで心を整えることもできます。 それが、マインドフルネスです。マインドフルネスの実践方法である「マインドフルネス瞑想」は、過去の経験や先入観、将来への不安などにとらわれることなく、自分の五感に意識を集中させ、「今の気持ち」「今の身体状況」をあるがままに受け入れるものです。 その効果として、ストレスの軽減や集中力の強化などが得られるとされることから、世界中で注目され、アップルやグーグル、フォードなどの世界的大企業が社員研修の一環として取り入れられています。 マインドフルネス瞑想はお金もかからず、自宅でも一人でも簡単に始められます。やり方についてはネットでも詳しく紹介された情報を得られますので、興味がある方はぜひ調べてみてください。 5. これからのキャリアについて真剣に考えてみる 「このままでいいのか不安」という思いの根底には、自分がどうしたいのか、どうなりたいのか、これでいいのかわからないという状態があるのではないでしょうか。それを解消するには、これを機にこれからのキャリアについて真剣に考えてみるのもおすすめです。 「キャリアについて考える」と聞くと、どのようにキャリアアップしていくか?というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、キャリアとは本来、出世や仕事の成果や実績を表す言葉ではなく、働くことに関わる「継続的なプロセス」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものです。 ですから、 ・どんな環境で働いていたいのか・ワークライフバランスをどのようにしていきたいのか・どのような働き方がしたいのか・どのように収入を得ていたいのか など、「自分がこれからどう働いていきたいか?」を考えることが、キャリアを考えることになります。 「自分がどう働いていきたいか?」に対して自分なりに方向性が見えてくると、そのために何をすればいいのかも明らかになってきます。「これから何をすればいいのか」というアクションプランを考えるようになれば、「このままでいいのか」という不安も消えていくでしょう。 キャリア・コンサルティング・ラボでは、このような「このままでもいいのか」という漠然とした不安を整理し、これからの働き方を見つけるサポートをもしています。キャリアについて考えることは一人でもできますが、キャリアコンサルタントと話すなかで現状を捉えなおし、「今の環境でも、できることがまだたくさんあった」と新たな気づきを得る方も多くいらっしゃいます。 「このままでもいいのか」という不安をきっかけに、これからの働き方を一度考えてみてみたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

女性のキャリアプラン|結婚や出産も諦めないキャリアの考え方
女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントに大きく影響されることが多いのが現状です。男性のキャリアがこのようなライフイベントの影響を受けることは少ないことを考えると、残念ながらキャリア形成の面での男女格差は、令和になってもまだ発展途上にあるのが現実です。 それでも、結婚や出産とキャリアを両立する女性や、しなやかなキャリアプランで子育てしながらイキイキと働く女性も増えています。結婚や出産などのライフイベントとこれからのキャリアプランについて不安になったら、このように考えを整理してみませんか。 結婚も出産もキャリアも諦めないために、整えておきたい3つのこと 「キャリア」と聞くと、多くの方がイメージするのは、「バリキャリ」という言葉に表れているように「バリバリと仕事をすること」や「組織のなかで出世すること」、もしくは「仕事の成果として得た実績、経験」ではないでしょうか。 実は本来の意味での「キャリア」は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものを指しています。専業主婦も労働対価こそありませんが、家族のための家事労働をしていますから、その意味では「専業主婦という生き方を選ぶこと」も「キャリア」と解釈できるでしょう。 しかしここでは、まずは一般的なイメージの「キャリア」、つまり「主に組織の一員として仕事をし、成果を出して、周囲から評価を得、相応の経験・実績を積んでいくこと」にフォーカスして話をしたいと思います。 結婚や出産を経ても、この意味でのキャリアを諦めたくない場合、次の3つの環境を整えることが必要不可欠になります。 働く環境を選ぶ 1つ目は、「働く環境をきちんと選ぶこと」です。組織に女性が結婚し、出産しても働きやすい制度や風土があってこそ、結婚や出産しても諦めることなくキャリアを築くことができます。制度だけでなく、風土として以下の点が今の組織にあるか、確認してみましょう。 ・妊娠期間に仕事をすることに対する理解はあるか。妊婦がハラスメントを受けることなく、必要な業務を続け、体調不良で休むときにも協力的な雰囲気があるか。・育児休暇はきちんと利用されているか。・ワーキングマザーがちゃんと仕事復帰して活躍しているか。・職場全体がワーキングマザーを受け入れて、子どもの急な発熱などで早退や遅刻をしなければならないときも応援する社風があるか。・在宅勤務など、柔軟な働き方ができるか。・ワーキングマザーが仕事を任され、責任ある仕事についているか。 もしも当てはまらない場合には、早めにできる限り上記の条件に当てはまる企業への転職を検討したほうがよいかもしれません。 また、働く環境は自分だけではなくパートナーの環境も同様に重要です。男性の育児休暇が取りやすかったり、保育園への送り迎えがしやすい環境であれば、育児は格段に分担しやすくなります。自分だけでなく、パートナーにも職場の環境を一緒に見直してもらうとよいでしょう。 夫の理解を得る 2つめに大切なのは、「パートナーから仕事を続けることへの理解と協力を得ること」です。 育児と仕事を両立するためには、夫と家事や育児の分担が避けては通れません。しかし、本当に分担する気があるのかを確かめるのは難しく、男性の中には、表面的には女性の社会進出を応援するようなことを言っていても、いざ結婚して自分の家庭の話となると、「妻には家にいてほしい」「妻の家事や育児を分担する気はあまりない」という人もいます。 好きになった人と結婚するのが望ましいですが、パートナーが「妻がキャリアを築くことを理解し、協力してくれる夫」でない場合には、自分の考えを理解してもらえるように根気強くコミュニケーションを続けるか、自分のキャリアを諦めるか、または自分の考えを理解してくれる別のパートナーを探すことを考えたほうがよいでしょう。 「子育て支援」をできる限り活用する 3つめが、「周囲の子育て支援を整え、活用できるものはどんどん活用すること」です。 どんなに職場や夫のサポートがあっても、待機児童が多い地域だったり、行政や民間の子育て支援環境が整っていない地域であれば、仕事と子育てを両立することは困難となります。 反対に、行政や民間の子育て支援サービスが得やすい地域に住めば、子育てと仕事の両立のしやすさは全く変わってきます。 保育園だけでなく、民間の子育て支援サービス、または自分の両親や義両親のサポートが得られるかどうかなど、結婚や引越しを考えるときには、その点を考えて「住む場所」を選ぶとよいでしょう。 結婚も出産もキャリアも諦めないための3つの心構え そして環境を整えるだけではなく、心も整えておく必要があります。独身時代とは、少し心構えも変わってきますので、気持ちの準備をしておきましょう。 思い通りにいかなくても焦らない 3つの環境が必要と分かっていても、あるいはその環境を整えたつもりでも、現実にはなかなか思うようにいかないこともあります。 ワーキングマザーを支援するような企業となかなかご縁がなかったり、理解あるパートナーなのに、転勤することになって単身赴任か仕事を辞めてついていくか決断を迫られたり…。一緒になりたいと思うパートナーが家事や育児に協力的ではなかったり、「専業主婦になってほしい」と言われたり…。そのような事情から、キャリアを諦めたくなかったのに、泣く泣くキャリアを諦めている女性も数多くいらっしゃいます。 さらには、会社に制度はあっても現場では妊婦やワーキングマザーへの風当りが強かったり、直属の上司からマタハラを受けたりすることもあるでしょう。 ハラスメントはなくても、育児休暇を経て復職したら、「子どもがいるから大変でしょ」という気配り(?)から今までよりも責任の軽い仕事や簡単な仕事を任されたりして、 「育休で、キャリアダウンしている…」「同期に後れを取っている」 とショックを受けることもあるかもしれません。 キャリアプランを描くことはとても大切ですが、描いたキャリアプラン通りに順調に進むことは非常に稀です。だからこそ、思い描いたキャリアプランへの思いが強すぎると、「こんなはずではなかったのに」と思い通りに進まない現状がとても苦しくなってしまいます。 結婚し、出産した後は子どもの病気や行事など自分の思い取りに物事が進まないことが山のようにでてきます。それは仕事にも多かれ少なかれ影響しますが、子育てをしながら仕事をしていると、思い通りにいかないのが当たり前。そして、思い通りにいかない道を歩くことが、振り返ってみると人間として大きく成長できる経験になっていることもあります。 思い描いた通りにならなくても焦らず、肩の力を抜いて状況を受け止めるように心がけましょう。 キャリアを長い視野で考える 「思い通りにいかなくても焦らない」ことをお勧めするのはなぜかというと、出産と育児で独身時代のように仕事に取り組むことができない期間が数年あったとしても、定年まではまだまだ数十年あるからです。 「育休でキャリアダウンをした、同期に後れを取った」と感じることがあっても、子どもが大きくなれば、以前のように時間を使えるようになる日が必ずやってきます。それを何らかのかたちで取り戻せるチャンスは、きっとやってくるでしょう。 また、この期間にこれからの仕事に大きく影響する人やモノやコトに出会える可能性もあります。 「どうして私だけ…」「何でこうなるのか」「本当はこんなはずじゃなかったのに…」など、気持ちがネガティブになると、そのようなチャンスも見逃してしまいます。少しペースダウンする期間も楽しめるよう、キャリアは長い視野で考えてみましょう。 家事も育児も仕事も完璧を目指しすぎない 結婚し子どもが生まれると、生活も仕事も、自分だけでなく家族や子どもの都合も考えなければならなくなります。 思い通りにならないことが増える上に、やることもたくさんあって時間の余裕がなくなってくるので、世の中に溢れる「~したほうがいい」「~ねばならない」という常識や、自分のなかの「これくらいはしないと…」という思いに囚われすぎると、行き詰り、苦しくなったり強いストレスを抱えたりしてしまうかもしれません。 家事も育児も仕事も、「自分としてもここまではやりたい」と思うものがあり、それができないと落ち込んでしまったり、自己嫌悪してしまったりすることもあるかもしれませんが、キャリアを諦めないためには完璧を目指し過ぎずないことも大切です。 完璧を目指し過ぎて、辛くなってしまい、何もかもが嫌になってしまうよりは、「そこそこ」で大変な時期を「乗り切る」ことを目標にしていきましょう。 「正社員として働く」以外のキャリアも考えてみる 「キャリア」の本来の意味は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものだと紹介させていただいたように、本来の「キャリア」は「正社員として経験と実績を積み上げ、組織の中で相応の地位を得る」ことだけではありません。 正社員として企業に勤める働き方は、確かに経済的には安定しており、生涯年収も高くなります。しかし、「どう生きたいか?」という意味でのキャリアを考えるときには、年収だけが重要なわけではなく、やりがいや自分のライフスタイルに合っているか、好きなことができているかなども重要な要素になります。 結婚や出産を経験して視野が広がり、新たなキャリアや選択肢に興味が湧いたり、道が拓けたりする可能性もあります。「こんなはずじゃなかった」と過去のキャリアプランに固執をしているとその可能性を見落としてしまいますが、「こういうのもありかもしれない」と思えれば、結婚・出産後に見つかる新たなキャリアが、今後の人生のやりがいになるかもしれません。 正社員として働く以外のキャリアの可能性も知っておきましょう。 パートや派遣社員として働く 今まで、女性の労働力率を年齢階級別のグラフにすると、結婚と出産を経験する30代でへこみ、子育てがひと段落した40代で働き始めるため、「M字カーブ」と言われてきました。 総務省が2019年に発表した労働力調査では、35~39際の労働力率は76.7%と過去最高に近い水準となり、この年代で働く女性が増えていることがわかります。しかしそのうちパートや派遣社員などの非正規労働者は55%と、多くの女性が正社員ではない働き方をしています。 その理由は、「家事や育児と両立するため」「夫の扶養に入るため」「夫が転勤族なので、転勤した土地で少し家計の足しにするため」「親の介護のため」など、様々な事情があるでしょう。 自分から希望してパートや派遣社員になった方もいらっしゃれば、仕方なくそうせざるを得なかった方もいらっしゃるかと思います。 自分にとって大切なものが家族との時間であれば、それを第一にできるのが自分らしいキャリアですし、もし今「仕方なく」そうしていたとしても、目の前の仕事にきちんと向き合っていけば、パートから正社員に登用され、新たなキャリアを築くチャンスもあります。 生涯年収は確かに正社員で働き続けることに比べれば下がりますが、その代わりに「子どもの行事のために休みがとりやすい」「家族のために自分がしたいと思うことができる」など、手に入れられるものもあります。 自分が大切にしたいこと、やらなければならないことに向き合ってキャリアを柔軟に考える視点も忘れずにいましょう。 得意分野を生かしてフリーランス・自営業になる 結婚後のキャリアとして、組織に属さず、得意なことを活かしてフリーランスとして仕事をする、自営業として独立するという選択肢もあります。 デザインやマーケティング、WEB制作やプログラミングなどの専門スキルがあれば、今までの人脈を生かしてフリーランスになるのもよいでしょう。人脈がなくても、今はクラウドソーシングサイトもいろいろあるので、顧客開拓は比較的簡単にすることができます。 また、特別なスキルがなくても「記事作成」等で誰にでもできる仕事で自宅にいながら収入を得られる業務も増えていますし、自宅にいながらリモートワークで経理などの事務ができる案件もあります。 何か作ることが得意ならば、自営業として開業し、「creema」などのサイトで販売するのもよいでしょう。 今は、フリーランスや自営業として仕事をしやすい環境が整っています。結婚や出産を機に、自分が本当にやりたかったこと、興味があったことを始めてみるのもよいかもしれません。 専業主婦として家族や地域のために働く 「専業主婦」をキャリアとして考える方は少ないかもしれません。特に、共働きが主流になってきた今のご時世では、専業主婦であることに引け目を感じてしまう方もいるようです。 確かに報酬は得られないですが、専業主婦として家族のために働くことも立派な働き方の1つです。家事も育児も奥が深く、やろうと思えば際限ないですし、子育てしていると避けては通れない地域やPTAの活動もあります。そうした活動にも報酬が発生することは少ないですが、社会に必要とされている仕事であることには変わりません。 たとえ、意図せずに専業主婦にならざるを得ない状況になってしまったとしても、専業主婦だからこそできることにぜひチャレンジしてみてください。そこから、自分では思ってもみなかった何かが広がるかもしれません。 キャリアを柔軟に考えると、結婚も出産も諦めない道が見えてくる 結婚する前は、「結婚しても出産しても、キャリアは諦めたくない」と思う気持ちがあっても、実際に結婚して出産すると、その思いとは裏腹に、独身時代に思い描いていた順風満帆なキャリアをなかなか思うようには進めないことも出てきます。 「独身だったら、自由にできるのに」と未婚の同僚や、子どもが生まれても独身時代と変わらずに働ける男性の同僚に切ない思いをすることもあるでしょう。 しかしそこで、過去のキャリアプランに縛られ過ぎず、かといって自分のやりたいことを諦めずに、「今できること」「今大切なこと」に目を向けてそれに集中することで、結果として結婚と出産を楽しみ、自分自身が納得できる働き方・キャリアを手に入れることができます。 スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提案したキャリア理論では、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」としています。 つまり、個人のキャリアは計画通りに進むのではなく、8割は自分でも思ってもみなかった偶然の出来事が、キャリアを決めていくのです。だからこそ、「思い通りにいかない」と嘆くのではなく、その予期せぬ偶然の出来事、目の前のことにベストを尽くしていくことが大切ではないかと、私たちキャリアコンサルタントは考えています。 「結婚と出産でキャリアを諦めないといけないのかな…」と思ったときこそ、自分にとっての「キャリア」とは何なのか、自分は本当はどんな状態が幸せなのか、ぜひ立ち止まって長い視点で「キャリア」を考え直してみませんか。私たちも、お手伝いさせていただきます。

やってられない!職場に嫌気がさしたときにおすすめの3つの行動
女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントに大きく影響されることが多いのが現状です。男性のキャリアがこのようなライフイベントの影響を受けることは少ないことを考えると、残念ながらキャリア形成の面での男女格差は、令和になってもまだ発展途上にあるのが現実です。 それでも、結婚や出産とキャリアを両立する女性や、しなやかなキャリアプランで子育てしながらイキイキと働く女性も増えています。結婚や出産などのライフイベントとこれからのキャリアプランについて不安になったら、このように考えを整理してみませんか。 結婚も出産もキャリアも諦めないために、整えておきたい3つのこと 「キャリア」と聞くと、多くの方がイメージするのは、「バリキャリ」という言葉に表れているように「バリバリと仕事をすること」や「組織のなかで出世すること」、もしくは「仕事の成果として得た実績、経験」ではないでしょうか。 実は本来の意味での「キャリア」は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものを指しています。専業主婦も労働対価こそありませんが、家族のための家事労働をしていますから、その意味では「専業主婦という生き方を選ぶこと」も「キャリア」と解釈できるでしょう。 しかしここでは、まずは一般的なイメージの「キャリア」、つまり「主に組織の一員として仕事をし、成果を出して、周囲から評価を得、相応の経験・実績を積んでいくこと」にフォーカスして話をしたいと思います。 結婚や出産を経ても、この意味でのキャリアを諦めたくない場合、次の3つの環境を整えることが必要不可欠になります。 働く環境を選ぶ 1つ目は、「働く環境をきちんと選ぶこと」です。組織に女性が結婚し、出産しても働きやすい制度や風土があってこそ、結婚や出産しても諦めることなくキャリアを築くことができます。制度だけでなく、風土として以下の点が今の組織にあるか、確認してみましょう。 ・妊娠期間に仕事をすることに対する理解はあるか。妊婦がハラスメントを受けることなく、必要な業務を続け、体調不良で休むときにも協力的な雰囲気があるか。・育児休暇はきちんと利用されているか。・ワーキングマザーがちゃんと仕事復帰して活躍しているか。・職場全体がワーキングマザーを受け入れて、子どもの急な発熱などで早退や遅刻をしなければならないときも応援する社風があるか。・在宅勤務など、柔軟な働き方ができるか。・ワーキングマザーが仕事を任され、責任ある仕事についているか。 もしも当てはまらない場合には、早めにできる限り上記の条件に当てはまる企業への転職を検討したほうがよいかもしれません。 また、働く環境は自分だけではなくパートナーの環境も同様に重要です。男性の育児休暇が取りやすかったり、保育園への送り迎えがしやすい環境であれば、育児は格段に分担しやすくなります。自分だけでなく、パートナーにも職場の環境を一緒に見直してもらうとよいでしょう。 夫の理解を得る 2つめに大切なのは、「パートナーから仕事を続けることへの理解と協力を得ること」です。 育児と仕事を両立するためには、夫と家事や育児の分担が避けては通れません。しかし、本当に分担する気があるのかを確かめるのは難しく、男性の中には、表面的には女性の社会進出を応援するようなことを言っていても、いざ結婚して自分の家庭の話となると、「妻には家にいてほしい」「妻の家事や育児を分担する気はあまりない」という人もいます。 好きになった人と結婚するのが望ましいですが、パートナーが「妻がキャリアを築くことを理解し、協力してくれる夫」でない場合には、自分の考えを理解してもらえるように根気強くコミュニケーションを続けるか、自分のキャリアを諦めるか、または自分の考えを理解してくれる別のパートナーを探すことを考えたほうがよいでしょう。 「子育て支援」をできる限り活用する 3つめが、「周囲の子育て支援を整え、活用できるものはどんどん活用すること」です。 どんなに職場や夫のサポートがあっても、待機児童が多い地域だったり、行政や民間の子育て支援環境が整っていない地域であれば、仕事と子育てを両立することは困難となります。 反対に、行政や民間の子育て支援サービスが得やすい地域に住めば、子育てと仕事の両立のしやすさは全く変わってきます。 保育園だけでなく、民間の子育て支援サービス、または自分の両親や義両親のサポートが得られるかどうかなど、結婚や引越しを考えるときには、その点を考えて「住む場所」を選ぶとよいでしょう。 結婚も出産もキャリアも諦めないための3つの心構え そして環境を整えるだけではなく、心も整えておく必要があります。独身時代とは、少し心構えも変わってきますので、気持ちの準備をしておきましょう。 思い通りにいかなくても焦らない 3つの環境が必要と分かっていても、あるいはその環境を整えたつもりでも、現実にはなかなか思うようにいかないこともあります。 ワーキングマザーを支援するような企業となかなかご縁がなかったり、理解あるパートナーなのに、転勤することになって単身赴任か仕事を辞めてついていくか決断を迫られたり…。一緒になりたいと思うパートナーが家事や育児に協力的ではなかったり、「専業主婦になってほしい」と言われたり…。そのような事情から、キャリアを諦めたくなかったのに、泣く泣くキャリアを諦めている女性も数多くいらっしゃいます。 さらには、会社に制度はあっても現場では妊婦やワーキングマザーへの風当りが強かったり、直属の上司からマタハラを受けたりすることもあるでしょう。 ハラスメントはなくても、育児休暇を経て復職したら、「子どもがいるから大変でしょ」という気配り(?)から今までよりも責任の軽い仕事や簡単な仕事を任されたりして、 「育休で、キャリアダウンしている…」「同期に後れを取っている」 とショックを受けることもあるかもしれません。 キャリアプランを描くことはとても大切ですが、描いたキャリアプラン通りに順調に進むことは非常に稀です。だからこそ、思い描いたキャリアプランへの思いが強すぎると、「こんなはずではなかったのに」と思い通りに進まない現状がとても苦しくなってしまいます。 結婚し、出産した後は子どもの病気や行事など自分の思い取りに物事が進まないことが山のようにでてきます。それは仕事にも多かれ少なかれ影響しますが、子育てをしながら仕事をしていると、思い通りにいかないのが当たり前。そして、思い通りにいかない道を歩くことが、振り返ってみると人間として大きく成長できる経験になっていることもあります。 思い描いた通りにならなくても焦らず、肩の力を抜いて状況を受け止めるように心がけましょう。 キャリアを長い視野で考える 「思い通りにいかなくても焦らない」ことをお勧めするのはなぜかというと、出産と育児で独身時代のように仕事に取り組むことができない期間が数年あったとしても、定年まではまだまだ数十年あるからです。 「育休でキャリアダウンをした、同期に後れを取った」と感じることがあっても、子どもが大きくなれば、以前のように時間を使えるようになる日が必ずやってきます。それを何らかのかたちで取り戻せるチャンスは、きっとやってくるでしょう。 また、この期間にこれからの仕事に大きく影響する人やモノやコトに出会える可能性もあります。 「どうして私だけ…」「何でこうなるのか」「本当はこんなはずじゃなかったのに…」など、気持ちがネガティブになると、そのようなチャンスも見逃してしまいます。少しペースダウンする期間も楽しめるよう、キャリアは長い視野で考えてみましょう。 家事も育児も仕事も完璧を目指しすぎない 結婚し子どもが生まれると、生活も仕事も、自分だけでなく家族や子どもの都合も考えなければならなくなります。 思い通りにならないことが増える上に、やることもたくさんあって時間の余裕がなくなってくるので、世の中に溢れる「~したほうがいい」「~ねばならない」という常識や、自分のなかの「これくらいはしないと…」という思いに囚われすぎると、行き詰り、苦しくなったり強いストレスを抱えたりしてしまうかもしれません。 家事も育児も仕事も、「自分としてもここまではやりたい」と思うものがあり、それができないと落ち込んでしまったり、自己嫌悪してしまったりすることもあるかもしれませんが、キャリアを諦めないためには完璧を目指し過ぎずないことも大切です。 完璧を目指し過ぎて、辛くなってしまい、何もかもが嫌になってしまうよりは、「そこそこ」で大変な時期を「乗り切る」ことを目標にしていきましょう。 「正社員として働く」以外のキャリアも考えてみる 「キャリア」の本来の意味は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものだと紹介させていただいたように、本来の「キャリア」は「正社員として経験と実績を積み上げ、組織の中で相応の地位を得る」ことだけではありません。 正社員として企業に勤める働き方は、確かに経済的には安定しており、生涯年収も高くなります。しかし、「どう生きたいか?」という意味でのキャリアを考えるときには、年収だけが重要なわけではなく、やりがいや自分のライフスタイルに合っているか、好きなことができているかなども重要な要素になります。 結婚や出産を経験して視野が広がり、新たなキャリアや選択肢に興味が湧いたり、道が拓けたりする可能性もあります。「こんなはずじゃなかった」と過去のキャリアプランに固執をしているとその可能性を見落としてしまいますが、「こういうのもありかもしれない」と思えれば、結婚・出産後に見つかる新たなキャリアが、今後の人生のやりがいになるかもしれません。 正社員として働く以外のキャリアの可能性も知っておきましょう。 パートや派遣社員として働く 今まで、女性の労働力率を年齢階級別のグラフにすると、結婚と出産を経験する30代でへこみ、子育てがひと段落した40代で働き始めるため、「M字カーブ」と言われてきました。 総務省が2019年に発表した労働力調査では、35~39際の労働力率は76.7%と過去最高に近い水準となり、この年代で働く女性が増えていることがわかります。しかしそのうちパートや派遣社員などの非正規労働者は55%と、多くの女性が正社員ではない働き方をしています。 その理由は、「家事や育児と両立するため」「夫の扶養に入るため」「夫が転勤族なので、転勤した土地で少し家計の足しにするため」「親の介護のため」など、様々な事情があるでしょう。 自分から希望してパートや派遣社員になった方もいらっしゃれば、仕方なくそうせざるを得なかった方もいらっしゃるかと思います。 自分にとって大切なものが家族との時間であれば、それを第一にできるのが自分らしいキャリアですし、もし今「仕方なく」そうしていたとしても、目の前の仕事にきちんと向き合っていけば、パートから正社員に登用され、新たなキャリアを築くチャンスもあります。 生涯年収は確かに正社員で働き続けることに比べれば下がりますが、その代わりに「子どもの行事のために休みがとりやすい」「家族のために自分がしたいと思うことができる」など、手に入れられるものもあります。 自分が大切にしたいこと、やらなければならないことに向き合ってキャリアを柔軟に考える視点も忘れずにいましょう。 得意分野を生かしてフリーランス・自営業になる 結婚後のキャリアとして、組織に属さず、得意なことを活かしてフリーランスとして仕事をする、自営業として独立するという選択肢もあります。 デザインやマーケティング、WEB制作やプログラミングなどの専門スキルがあれば、今までの人脈を生かしてフリーランスになるのもよいでしょう。人脈がなくても、今はクラウドソーシングサイトもいろいろあるので、顧客開拓は比較的簡単にすることができます。 また、特別なスキルがなくても「記事作成」等で誰にでもできる仕事で自宅にいながら収入を得られる業務も増えていますし、自宅にいながらリモートワークで経理などの事務ができる案件もあります。 何か作ることが得意ならば、自営業として開業し、「creema」などのサイトで販売するのもよいでしょう。 今は、フリーランスや自営業として仕事をしやすい環境が整っています。結婚や出産を機に、自分が本当にやりたかったこと、興味があったことを始めてみるのもよいかもしれません。 専業主婦として家族や地域のために働く 「専業主婦」をキャリアとして考える方は少ないかもしれません。特に、共働きが主流になってきた今のご時世では、専業主婦であることに引け目を感じてしまう方もいるようです。 確かに報酬は得られないですが、専業主婦として家族のために働くことも立派な働き方の1つです。家事も育児も奥が深く、やろうと思えば際限ないですし、子育てしていると避けては通れない地域やPTAの活動もあります。そうした活動にも報酬が発生することは少ないですが、社会に必要とされている仕事であることには変わりません。 たとえ、意図せずに専業主婦にならざるを得ない状況になってしまったとしても、専業主婦だからこそできることにぜひチャレンジしてみてください。そこから、自分では思ってもみなかった何かが広がるかもしれません。 キャリアを柔軟に考えると、結婚も出産も諦めない道が見えてくる 結婚する前は、「結婚しても出産しても、キャリアは諦めたくない」と思う気持ちがあっても、実際に結婚して出産すると、その思いとは裏腹に、独身時代に思い描いていた順風満帆なキャリアをなかなか思うようには進めないことも出てきます。 「独身だったら、自由にできるのに」と未婚の同僚や、子どもが生まれても独身時代と変わらずに働ける男性の同僚に切ない思いをすることもあるでしょう。 しかしそこで、過去のキャリアプランに縛られ過ぎず、かといって自分のやりたいことを諦めずに、「今できること」「今大切なこと」に目を向けてそれに集中することで、結果として結婚と出産を楽しみ、自分自身が納得できる働き方・キャリアを手に入れることができます。 スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提案したキャリア理論では、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」としています。 つまり、個人のキャリアは計画通りに進むのではなく、8割は自分でも思ってもみなかった偶然の出来事が、キャリアを決めていくのです。だからこそ、「思い通りにいかない」と嘆くのではなく、その予期せぬ偶然の出来事、目の前のことにベストを尽くしていくことが大切ではないかと、私たちキャリアコンサルタントは考えています。 「結婚と出産でキャリアを諦めないといけないのかな…」と思ったときこそ、自分にとっての「キャリア」とは何なのか、自分は本当はどんな状態が幸せなのか、ぜひ立ち止まって長い視点で「キャリア」を考え直してみませんか。私たちも、お手伝いさせていただきます。

入社10年目でもう仕事を辞めたいと思ったら…知っておきたい対処法
女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントに大きく影響されることが多いのが現状です。男性のキャリアがこのようなライフイベントの影響を受けることは少ないことを考えると、残念ながらキャリア形成の面での男女格差は、令和になってもまだ発展途上にあるのが現実です。 それでも、結婚や出産とキャリアを両立する女性や、しなやかなキャリアプランで子育てしながらイキイキと働く女性も増えています。結婚や出産などのライフイベントとこれからのキャリアプランについて不安になったら、このように考えを整理してみませんか。 結婚も出産もキャリアも諦めないために、整えておきたい3つのこと 「キャリア」と聞くと、多くの方がイメージするのは、「バリキャリ」という言葉に表れているように「バリバリと仕事をすること」や「組織のなかで出世すること」、もしくは「仕事の成果として得た実績、経験」ではないでしょうか。 実は本来の意味での「キャリア」は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものを指しています。専業主婦も労働対価こそありませんが、家族のための家事労働をしていますから、その意味では「専業主婦という生き方を選ぶこと」も「キャリア」と解釈できるでしょう。 しかしここでは、まずは一般的なイメージの「キャリア」、つまり「主に組織の一員として仕事をし、成果を出して、周囲から評価を得、相応の経験・実績を積んでいくこと」にフォーカスして話をしたいと思います。 結婚や出産を経ても、この意味でのキャリアを諦めたくない場合、次の3つの環境を整えることが必要不可欠になります。 働く環境を選ぶ 1つ目は、「働く環境をきちんと選ぶこと」です。組織に女性が結婚し、出産しても働きやすい制度や風土があってこそ、結婚や出産しても諦めることなくキャリアを築くことができます。制度だけでなく、風土として以下の点が今の組織にあるか、確認してみましょう。 ・妊娠期間に仕事をすることに対する理解はあるか。妊婦がハラスメントを受けることなく、必要な業務を続け、体調不良で休むときにも協力的な雰囲気があるか。・育児休暇はきちんと利用されているか。・ワーキングマザーがちゃんと仕事復帰して活躍しているか。・職場全体がワーキングマザーを受け入れて、子どもの急な発熱などで早退や遅刻をしなければならないときも応援する社風があるか。・在宅勤務など、柔軟な働き方ができるか。・ワーキングマザーが仕事を任され、責任ある仕事についているか。 もしも当てはまらない場合には、早めにできる限り上記の条件に当てはまる企業への転職を検討したほうがよいかもしれません。 また、働く環境は自分だけではなくパートナーの環境も同様に重要です。男性の育児休暇が取りやすかったり、保育園への送り迎えがしやすい環境であれば、育児は格段に分担しやすくなります。自分だけでなく、パートナーにも職場の環境を一緒に見直してもらうとよいでしょう。 夫の理解を得る 2つめに大切なのは、「パートナーから仕事を続けることへの理解と協力を得ること」です。 育児と仕事を両立するためには、夫と家事や育児の分担が避けては通れません。しかし、本当に分担する気があるのかを確かめるのは難しく、男性の中には、表面的には女性の社会進出を応援するようなことを言っていても、いざ結婚して自分の家庭の話となると、「妻には家にいてほしい」「妻の家事や育児を分担する気はあまりない」という人もいます。 好きになった人と結婚するのが望ましいですが、パートナーが「妻がキャリアを築くことを理解し、協力してくれる夫」でない場合には、自分の考えを理解してもらえるように根気強くコミュニケーションを続けるか、自分のキャリアを諦めるか、または自分の考えを理解してくれる別のパートナーを探すことを考えたほうがよいでしょう。 「子育て支援」をできる限り活用する 3つめが、「周囲の子育て支援を整え、活用できるものはどんどん活用すること」です。 どんなに職場や夫のサポートがあっても、待機児童が多い地域だったり、行政や民間の子育て支援環境が整っていない地域であれば、仕事と子育てを両立することは困難となります。 反対に、行政や民間の子育て支援サービスが得やすい地域に住めば、子育てと仕事の両立のしやすさは全く変わってきます。 保育園だけでなく、民間の子育て支援サービス、または自分の両親や義両親のサポートが得られるかどうかなど、結婚や引越しを考えるときには、その点を考えて「住む場所」を選ぶとよいでしょう。 結婚も出産もキャリアも諦めないための3つの心構え そして環境を整えるだけではなく、心も整えておく必要があります。独身時代とは、少し心構えも変わってきますので、気持ちの準備をしておきましょう。 思い通りにいかなくても焦らない 3つの環境が必要と分かっていても、あるいはその環境を整えたつもりでも、現実にはなかなか思うようにいかないこともあります。 ワーキングマザーを支援するような企業となかなかご縁がなかったり、理解あるパートナーなのに、転勤することになって単身赴任か仕事を辞めてついていくか決断を迫られたり…。一緒になりたいと思うパートナーが家事や育児に協力的ではなかったり、「専業主婦になってほしい」と言われたり…。そのような事情から、キャリアを諦めたくなかったのに、泣く泣くキャリアを諦めている女性も数多くいらっしゃいます。 さらには、会社に制度はあっても現場では妊婦やワーキングマザーへの風当りが強かったり、直属の上司からマタハラを受けたりすることもあるでしょう。 ハラスメントはなくても、育児休暇を経て復職したら、「子どもがいるから大変でしょ」という気配り(?)から今までよりも責任の軽い仕事や簡単な仕事を任されたりして、 「育休で、キャリアダウンしている…」「同期に後れを取っている」 とショックを受けることもあるかもしれません。 キャリアプランを描くことはとても大切ですが、描いたキャリアプラン通りに順調に進むことは非常に稀です。だからこそ、思い描いたキャリアプランへの思いが強すぎると、「こんなはずではなかったのに」と思い通りに進まない現状がとても苦しくなってしまいます。 結婚し、出産した後は子どもの病気や行事など自分の思い取りに物事が進まないことが山のようにでてきます。それは仕事にも多かれ少なかれ影響しますが、子育てをしながら仕事をしていると、思い通りにいかないのが当たり前。そして、思い通りにいかない道を歩くことが、振り返ってみると人間として大きく成長できる経験になっていることもあります。 思い描いた通りにならなくても焦らず、肩の力を抜いて状況を受け止めるように心がけましょう。 キャリアを長い視野で考える 「思い通りにいかなくても焦らない」ことをお勧めするのはなぜかというと、出産と育児で独身時代のように仕事に取り組むことができない期間が数年あったとしても、定年まではまだまだ数十年あるからです。 「育休でキャリアダウンをした、同期に後れを取った」と感じることがあっても、子どもが大きくなれば、以前のように時間を使えるようになる日が必ずやってきます。それを何らかのかたちで取り戻せるチャンスは、きっとやってくるでしょう。 また、この期間にこれからの仕事に大きく影響する人やモノやコトに出会える可能性もあります。 「どうして私だけ…」「何でこうなるのか」「本当はこんなはずじゃなかったのに…」など、気持ちがネガティブになると、そのようなチャンスも見逃してしまいます。少しペースダウンする期間も楽しめるよう、キャリアは長い視野で考えてみましょう。 家事も育児も仕事も完璧を目指しすぎない 結婚し子どもが生まれると、生活も仕事も、自分だけでなく家族や子どもの都合も考えなければならなくなります。 思い通りにならないことが増える上に、やることもたくさんあって時間の余裕がなくなってくるので、世の中に溢れる「~したほうがいい」「~ねばならない」という常識や、自分のなかの「これくらいはしないと…」という思いに囚われすぎると、行き詰り、苦しくなったり強いストレスを抱えたりしてしまうかもしれません。 家事も育児も仕事も、「自分としてもここまではやりたい」と思うものがあり、それができないと落ち込んでしまったり、自己嫌悪してしまったりすることもあるかもしれませんが、キャリアを諦めないためには完璧を目指し過ぎずないことも大切です。 完璧を目指し過ぎて、辛くなってしまい、何もかもが嫌になってしまうよりは、「そこそこ」で大変な時期を「乗り切る」ことを目標にしていきましょう。 「正社員として働く」以外のキャリアも考えてみる 「キャリア」の本来の意味は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものだと紹介させていただいたように、本来の「キャリア」は「正社員として経験と実績を積み上げ、組織の中で相応の地位を得る」ことだけではありません。 正社員として企業に勤める働き方は、確かに経済的には安定しており、生涯年収も高くなります。しかし、「どう生きたいか?」という意味でのキャリアを考えるときには、年収だけが重要なわけではなく、やりがいや自分のライフスタイルに合っているか、好きなことができているかなども重要な要素になります。 結婚や出産を経験して視野が広がり、新たなキャリアや選択肢に興味が湧いたり、道が拓けたりする可能性もあります。「こんなはずじゃなかった」と過去のキャリアプランに固執をしているとその可能性を見落としてしまいますが、「こういうのもありかもしれない」と思えれば、結婚・出産後に見つかる新たなキャリアが、今後の人生のやりがいになるかもしれません。 正社員として働く以外のキャリアの可能性も知っておきましょう。 パートや派遣社員として働く 今まで、女性の労働力率を年齢階級別のグラフにすると、結婚と出産を経験する30代でへこみ、子育てがひと段落した40代で働き始めるため、「M字カーブ」と言われてきました。 総務省が2019年に発表した労働力調査では、35~39際の労働力率は76.7%と過去最高に近い水準となり、この年代で働く女性が増えていることがわかります。しかしそのうちパートや派遣社員などの非正規労働者は55%と、多くの女性が正社員ではない働き方をしています。 その理由は、「家事や育児と両立するため」「夫の扶養に入るため」「夫が転勤族なので、転勤した土地で少し家計の足しにするため」「親の介護のため」など、様々な事情があるでしょう。 自分から希望してパートや派遣社員になった方もいらっしゃれば、仕方なくそうせざるを得なかった方もいらっしゃるかと思います。 自分にとって大切なものが家族との時間であれば、それを第一にできるのが自分らしいキャリアですし、もし今「仕方なく」そうしていたとしても、目の前の仕事にきちんと向き合っていけば、パートから正社員に登用され、新たなキャリアを築くチャンスもあります。 生涯年収は確かに正社員で働き続けることに比べれば下がりますが、その代わりに「子どもの行事のために休みがとりやすい」「家族のために自分がしたいと思うことができる」など、手に入れられるものもあります。 自分が大切にしたいこと、やらなければならないことに向き合ってキャリアを柔軟に考える視点も忘れずにいましょう。 得意分野を生かしてフリーランス・自営業になる 結婚後のキャリアとして、組織に属さず、得意なことを活かしてフリーランスとして仕事をする、自営業として独立するという選択肢もあります。 デザインやマーケティング、WEB制作やプログラミングなどの専門スキルがあれば、今までの人脈を生かしてフリーランスになるのもよいでしょう。人脈がなくても、今はクラウドソーシングサイトもいろいろあるので、顧客開拓は比較的簡単にすることができます。 また、特別なスキルがなくても「記事作成」等で誰にでもできる仕事で自宅にいながら収入を得られる業務も増えていますし、自宅にいながらリモートワークで経理などの事務ができる案件もあります。 何か作ることが得意ならば、自営業として開業し、「creema」などのサイトで販売するのもよいでしょう。 今は、フリーランスや自営業として仕事をしやすい環境が整っています。結婚や出産を機に、自分が本当にやりたかったこと、興味があったことを始めてみるのもよいかもしれません。 専業主婦として家族や地域のために働く 「専業主婦」をキャリアとして考える方は少ないかもしれません。特に、共働きが主流になってきた今のご時世では、専業主婦であることに引け目を感じてしまう方もいるようです。 確かに報酬は得られないですが、専業主婦として家族のために働くことも立派な働き方の1つです。家事も育児も奥が深く、やろうと思えば際限ないですし、子育てしていると避けては通れない地域やPTAの活動もあります。そうした活動にも報酬が発生することは少ないですが、社会に必要とされている仕事であることには変わりません。 たとえ、意図せずに専業主婦にならざるを得ない状況になってしまったとしても、専業主婦だからこそできることにぜひチャレンジしてみてください。そこから、自分では思ってもみなかった何かが広がるかもしれません。 キャリアを柔軟に考えると、結婚も出産も諦めない道が見えてくる 結婚する前は、「結婚しても出産しても、キャリアは諦めたくない」と思う気持ちがあっても、実際に結婚して出産すると、その思いとは裏腹に、独身時代に思い描いていた順風満帆なキャリアをなかなか思うようには進めないことも出てきます。 「独身だったら、自由にできるのに」と未婚の同僚や、子どもが生まれても独身時代と変わらずに働ける男性の同僚に切ない思いをすることもあるでしょう。 しかしそこで、過去のキャリアプランに縛られ過ぎず、かといって自分のやりたいことを諦めずに、「今できること」「今大切なこと」に目を向けてそれに集中することで、結果として結婚と出産を楽しみ、自分自身が納得できる働き方・キャリアを手に入れることができます。 スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提案したキャリア理論では、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」としています。 つまり、個人のキャリアは計画通りに進むのではなく、8割は自分でも思ってもみなかった偶然の出来事が、キャリアを決めていくのです。だからこそ、「思い通りにいかない」と嘆くのではなく、その予期せぬ偶然の出来事、目の前のことにベストを尽くしていくことが大切ではないかと、私たちキャリアコンサルタントは考えています。 「結婚と出産でキャリアを諦めないといけないのかな…」と思ったときこそ、自分にとっての「キャリア」とは何なのか、自分は本当はどんな状態が幸せなのか、ぜひ立ち止まって長い視点で「キャリア」を考え直してみませんか。私たちも、お手伝いさせていただきます。

仕事の辞め癖と逃げ癖、その末路には何がある?
女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントに大きく影響されることが多いのが現状です。男性のキャリアがこのようなライフイベントの影響を受けることは少ないことを考えると、残念ながらキャリア形成の面での男女格差は、令和になってもまだ発展途上にあるのが現実です。 それでも、結婚や出産とキャリアを両立する女性や、しなやかなキャリアプランで子育てしながらイキイキと働く女性も増えています。結婚や出産などのライフイベントとこれからのキャリアプランについて不安になったら、このように考えを整理してみませんか。 結婚も出産もキャリアも諦めないために、整えておきたい3つのこと 「キャリア」と聞くと、多くの方がイメージするのは、「バリキャリ」という言葉に表れているように「バリバリと仕事をすること」や「組織のなかで出世すること」、もしくは「仕事の成果として得た実績、経験」ではないでしょうか。 実は本来の意味での「キャリア」は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものを指しています。専業主婦も労働対価こそありませんが、家族のための家事労働をしていますから、その意味では「専業主婦という生き方を選ぶこと」も「キャリア」と解釈できるでしょう。 しかしここでは、まずは一般的なイメージの「キャリア」、つまり「主に組織の一員として仕事をし、成果を出して、周囲から評価を得、相応の経験・実績を積んでいくこと」にフォーカスして話をしたいと思います。 結婚や出産を経ても、この意味でのキャリアを諦めたくない場合、次の3つの環境を整えることが必要不可欠になります。 働く環境を選ぶ 1つ目は、「働く環境をきちんと選ぶこと」です。組織に女性が結婚し、出産しても働きやすい制度や風土があってこそ、結婚や出産しても諦めることなくキャリアを築くことができます。制度だけでなく、風土として以下の点が今の組織にあるか、確認してみましょう。 ・妊娠期間に仕事をすることに対する理解はあるか。妊婦がハラスメントを受けることなく、必要な業務を続け、体調不良で休むときにも協力的な雰囲気があるか。・育児休暇はきちんと利用されているか。・ワーキングマザーがちゃんと仕事復帰して活躍しているか。・職場全体がワーキングマザーを受け入れて、子どもの急な発熱などで早退や遅刻をしなければならないときも応援する社風があるか。・在宅勤務など、柔軟な働き方ができるか。・ワーキングマザーが仕事を任され、責任ある仕事についているか。 もしも当てはまらない場合には、早めにできる限り上記の条件に当てはまる企業への転職を検討したほうがよいかもしれません。 また、働く環境は自分だけではなくパートナーの環境も同様に重要です。男性の育児休暇が取りやすかったり、保育園への送り迎えがしやすい環境であれば、育児は格段に分担しやすくなります。自分だけでなく、パートナーにも職場の環境を一緒に見直してもらうとよいでしょう。 夫の理解を得る 2つめに大切なのは、「パートナーから仕事を続けることへの理解と協力を得ること」です。 育児と仕事を両立するためには、夫と家事や育児の分担が避けては通れません。しかし、本当に分担する気があるのかを確かめるのは難しく、男性の中には、表面的には女性の社会進出を応援するようなことを言っていても、いざ結婚して自分の家庭の話となると、「妻には家にいてほしい」「妻の家事や育児を分担する気はあまりない」という人もいます。 好きになった人と結婚するのが望ましいですが、パートナーが「妻がキャリアを築くことを理解し、協力してくれる夫」でない場合には、自分の考えを理解してもらえるように根気強くコミュニケーションを続けるか、自分のキャリアを諦めるか、または自分の考えを理解してくれる別のパートナーを探すことを考えたほうがよいでしょう。 「子育て支援」をできる限り活用する 3つめが、「周囲の子育て支援を整え、活用できるものはどんどん活用すること」です。 どんなに職場や夫のサポートがあっても、待機児童が多い地域だったり、行政や民間の子育て支援環境が整っていない地域であれば、仕事と子育てを両立することは困難となります。 反対に、行政や民間の子育て支援サービスが得やすい地域に住めば、子育てと仕事の両立のしやすさは全く変わってきます。 保育園だけでなく、民間の子育て支援サービス、または自分の両親や義両親のサポートが得られるかどうかなど、結婚や引越しを考えるときには、その点を考えて「住む場所」を選ぶとよいでしょう。 結婚も出産もキャリアも諦めないための3つの心構え そして環境を整えるだけではなく、心も整えておく必要があります。独身時代とは、少し心構えも変わってきますので、気持ちの準備をしておきましょう。 思い通りにいかなくても焦らない 3つの環境が必要と分かっていても、あるいはその環境を整えたつもりでも、現実にはなかなか思うようにいかないこともあります。 ワーキングマザーを支援するような企業となかなかご縁がなかったり、理解あるパートナーなのに、転勤することになって単身赴任か仕事を辞めてついていくか決断を迫られたり…。一緒になりたいと思うパートナーが家事や育児に協力的ではなかったり、「専業主婦になってほしい」と言われたり…。そのような事情から、キャリアを諦めたくなかったのに、泣く泣くキャリアを諦めている女性も数多くいらっしゃいます。 さらには、会社に制度はあっても現場では妊婦やワーキングマザーへの風当りが強かったり、直属の上司からマタハラを受けたりすることもあるでしょう。 ハラスメントはなくても、育児休暇を経て復職したら、「子どもがいるから大変でしょ」という気配り(?)から今までよりも責任の軽い仕事や簡単な仕事を任されたりして、 「育休で、キャリアダウンしている…」「同期に後れを取っている」 とショックを受けることもあるかもしれません。 キャリアプランを描くことはとても大切ですが、描いたキャリアプラン通りに順調に進むことは非常に稀です。だからこそ、思い描いたキャリアプランへの思いが強すぎると、「こんなはずではなかったのに」と思い通りに進まない現状がとても苦しくなってしまいます。 結婚し、出産した後は子どもの病気や行事など自分の思い取りに物事が進まないことが山のようにでてきます。それは仕事にも多かれ少なかれ影響しますが、子育てをしながら仕事をしていると、思い通りにいかないのが当たり前。そして、思い通りにいかない道を歩くことが、振り返ってみると人間として大きく成長できる経験になっていることもあります。 思い描いた通りにならなくても焦らず、肩の力を抜いて状況を受け止めるように心がけましょう。 キャリアを長い視野で考える 「思い通りにいかなくても焦らない」ことをお勧めするのはなぜかというと、出産と育児で独身時代のように仕事に取り組むことができない期間が数年あったとしても、定年まではまだまだ数十年あるからです。 「育休でキャリアダウンをした、同期に後れを取った」と感じることがあっても、子どもが大きくなれば、以前のように時間を使えるようになる日が必ずやってきます。それを何らかのかたちで取り戻せるチャンスは、きっとやってくるでしょう。 また、この期間にこれからの仕事に大きく影響する人やモノやコトに出会える可能性もあります。 「どうして私だけ…」「何でこうなるのか」「本当はこんなはずじゃなかったのに…」など、気持ちがネガティブになると、そのようなチャンスも見逃してしまいます。少しペースダウンする期間も楽しめるよう、キャリアは長い視野で考えてみましょう。 家事も育児も仕事も完璧を目指しすぎない 結婚し子どもが生まれると、生活も仕事も、自分だけでなく家族や子どもの都合も考えなければならなくなります。 思い通りにならないことが増える上に、やることもたくさんあって時間の余裕がなくなってくるので、世の中に溢れる「~したほうがいい」「~ねばならない」という常識や、自分のなかの「これくらいはしないと…」という思いに囚われすぎると、行き詰り、苦しくなったり強いストレスを抱えたりしてしまうかもしれません。 家事も育児も仕事も、「自分としてもここまではやりたい」と思うものがあり、それができないと落ち込んでしまったり、自己嫌悪してしまったりすることもあるかもしれませんが、キャリアを諦めないためには完璧を目指し過ぎずないことも大切です。 完璧を目指し過ぎて、辛くなってしまい、何もかもが嫌になってしまうよりは、「そこそこ」で大変な時期を「乗り切る」ことを目標にしていきましょう。 「正社員として働く」以外のキャリアも考えてみる 「キャリア」の本来の意味は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものだと紹介させていただいたように、本来の「キャリア」は「正社員として経験と実績を積み上げ、組織の中で相応の地位を得る」ことだけではありません。 正社員として企業に勤める働き方は、確かに経済的には安定しており、生涯年収も高くなります。しかし、「どう生きたいか?」という意味でのキャリアを考えるときには、年収だけが重要なわけではなく、やりがいや自分のライフスタイルに合っているか、好きなことができているかなども重要な要素になります。 結婚や出産を経験して視野が広がり、新たなキャリアや選択肢に興味が湧いたり、道が拓けたりする可能性もあります。「こんなはずじゃなかった」と過去のキャリアプランに固執をしているとその可能性を見落としてしまいますが、「こういうのもありかもしれない」と思えれば、結婚・出産後に見つかる新たなキャリアが、今後の人生のやりがいになるかもしれません。 正社員として働く以外のキャリアの可能性も知っておきましょう。 パートや派遣社員として働く 今まで、女性の労働力率を年齢階級別のグラフにすると、結婚と出産を経験する30代でへこみ、子育てがひと段落した40代で働き始めるため、「M字カーブ」と言われてきました。 総務省が2019年に発表した労働力調査では、35~39際の労働力率は76.7%と過去最高に近い水準となり、この年代で働く女性が増えていることがわかります。しかしそのうちパートや派遣社員などの非正規労働者は55%と、多くの女性が正社員ではない働き方をしています。 その理由は、「家事や育児と両立するため」「夫の扶養に入るため」「夫が転勤族なので、転勤した土地で少し家計の足しにするため」「親の介護のため」など、様々な事情があるでしょう。 自分から希望してパートや派遣社員になった方もいらっしゃれば、仕方なくそうせざるを得なかった方もいらっしゃるかと思います。 自分にとって大切なものが家族との時間であれば、それを第一にできるのが自分らしいキャリアですし、もし今「仕方なく」そうしていたとしても、目の前の仕事にきちんと向き合っていけば、パートから正社員に登用され、新たなキャリアを築くチャンスもあります。 生涯年収は確かに正社員で働き続けることに比べれば下がりますが、その代わりに「子どもの行事のために休みがとりやすい」「家族のために自分がしたいと思うことができる」など、手に入れられるものもあります。 自分が大切にしたいこと、やらなければならないことに向き合ってキャリアを柔軟に考える視点も忘れずにいましょう。 得意分野を生かしてフリーランス・自営業になる 結婚後のキャリアとして、組織に属さず、得意なことを活かしてフリーランスとして仕事をする、自営業として独立するという選択肢もあります。 デザインやマーケティング、WEB制作やプログラミングなどの専門スキルがあれば、今までの人脈を生かしてフリーランスになるのもよいでしょう。人脈がなくても、今はクラウドソーシングサイトもいろいろあるので、顧客開拓は比較的簡単にすることができます。 また、特別なスキルがなくても「記事作成」等で誰にでもできる仕事で自宅にいながら収入を得られる業務も増えていますし、自宅にいながらリモートワークで経理などの事務ができる案件もあります。 何か作ることが得意ならば、自営業として開業し、「creema」などのサイトで販売するのもよいでしょう。 今は、フリーランスや自営業として仕事をしやすい環境が整っています。結婚や出産を機に、自分が本当にやりたかったこと、興味があったことを始めてみるのもよいかもしれません。 専業主婦として家族や地域のために働く 「専業主婦」をキャリアとして考える方は少ないかもしれません。特に、共働きが主流になってきた今のご時世では、専業主婦であることに引け目を感じてしまう方もいるようです。 確かに報酬は得られないですが、専業主婦として家族のために働くことも立派な働き方の1つです。家事も育児も奥が深く、やろうと思えば際限ないですし、子育てしていると避けては通れない地域やPTAの活動もあります。そうした活動にも報酬が発生することは少ないですが、社会に必要とされている仕事であることには変わりません。 たとえ、意図せずに専業主婦にならざるを得ない状況になってしまったとしても、専業主婦だからこそできることにぜひチャレンジしてみてください。そこから、自分では思ってもみなかった何かが広がるかもしれません。 キャリアを柔軟に考えると、結婚も出産も諦めない道が見えてくる 結婚する前は、「結婚しても出産しても、キャリアは諦めたくない」と思う気持ちがあっても、実際に結婚して出産すると、その思いとは裏腹に、独身時代に思い描いていた順風満帆なキャリアをなかなか思うようには進めないことも出てきます。 「独身だったら、自由にできるのに」と未婚の同僚や、子どもが生まれても独身時代と変わらずに働ける男性の同僚に切ない思いをすることもあるでしょう。 しかしそこで、過去のキャリアプランに縛られ過ぎず、かといって自分のやりたいことを諦めずに、「今できること」「今大切なこと」に目を向けてそれに集中することで、結果として結婚と出産を楽しみ、自分自身が納得できる働き方・キャリアを手に入れることができます。 スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提案したキャリア理論では、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」としています。 つまり、個人のキャリアは計画通りに進むのではなく、8割は自分でも思ってもみなかった偶然の出来事が、キャリアを決めていくのです。だからこそ、「思い通りにいかない」と嘆くのではなく、その予期せぬ偶然の出来事、目の前のことにベストを尽くしていくことが大切ではないかと、私たちキャリアコンサルタントは考えています。 「結婚と出産でキャリアを諦めないといけないのかな…」と思ったときこそ、自分にとっての「キャリア」とは何なのか、自分は本当はどんな状態が幸せなのか、ぜひ立ち止まって長い視点で「キャリア」を考え直してみませんか。私たちも、お手伝いさせていただきます。

仕事がわからない時の聞き方・暗黙のルールを確認しよう
女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントに大きく影響されることが多いのが現状です。男性のキャリアがこのようなライフイベントの影響を受けることは少ないことを考えると、残念ながらキャリア形成の面での男女格差は、令和になってもまだ発展途上にあるのが現実です。 それでも、結婚や出産とキャリアを両立する女性や、しなやかなキャリアプランで子育てしながらイキイキと働く女性も増えています。結婚や出産などのライフイベントとこれからのキャリアプランについて不安になったら、このように考えを整理してみませんか。 結婚も出産もキャリアも諦めないために、整えておきたい3つのこと 「キャリア」と聞くと、多くの方がイメージするのは、「バリキャリ」という言葉に表れているように「バリバリと仕事をすること」や「組織のなかで出世すること」、もしくは「仕事の成果として得た実績、経験」ではないでしょうか。 実は本来の意味での「キャリア」は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものを指しています。専業主婦も労働対価こそありませんが、家族のための家事労働をしていますから、その意味では「専業主婦という生き方を選ぶこと」も「キャリア」と解釈できるでしょう。 しかしここでは、まずは一般的なイメージの「キャリア」、つまり「主に組織の一員として仕事をし、成果を出して、周囲から評価を得、相応の経験・実績を積んでいくこと」にフォーカスして話をしたいと思います。 結婚や出産を経ても、この意味でのキャリアを諦めたくない場合、次の3つの環境を整えることが必要不可欠になります。 働く環境を選ぶ 1つ目は、「働く環境をきちんと選ぶこと」です。組織に女性が結婚し、出産しても働きやすい制度や風土があってこそ、結婚や出産しても諦めることなくキャリアを築くことができます。制度だけでなく、風土として以下の点が今の組織にあるか、確認してみましょう。 ・妊娠期間に仕事をすることに対する理解はあるか。妊婦がハラスメントを受けることなく、必要な業務を続け、体調不良で休むときにも協力的な雰囲気があるか。・育児休暇はきちんと利用されているか。・ワーキングマザーがちゃんと仕事復帰して活躍しているか。・職場全体がワーキングマザーを受け入れて、子どもの急な発熱などで早退や遅刻をしなければならないときも応援する社風があるか。・在宅勤務など、柔軟な働き方ができるか。・ワーキングマザーが仕事を任され、責任ある仕事についているか。 もしも当てはまらない場合には、早めにできる限り上記の条件に当てはまる企業への転職を検討したほうがよいかもしれません。 また、働く環境は自分だけではなくパートナーの環境も同様に重要です。男性の育児休暇が取りやすかったり、保育園への送り迎えがしやすい環境であれば、育児は格段に分担しやすくなります。自分だけでなく、パートナーにも職場の環境を一緒に見直してもらうとよいでしょう。 夫の理解を得る 2つめに大切なのは、「パートナーから仕事を続けることへの理解と協力を得ること」です。 育児と仕事を両立するためには、夫と家事や育児の分担が避けては通れません。しかし、本当に分担する気があるのかを確かめるのは難しく、男性の中には、表面的には女性の社会進出を応援するようなことを言っていても、いざ結婚して自分の家庭の話となると、「妻には家にいてほしい」「妻の家事や育児を分担する気はあまりない」という人もいます。 好きになった人と結婚するのが望ましいですが、パートナーが「妻がキャリアを築くことを理解し、協力してくれる夫」でない場合には、自分の考えを理解してもらえるように根気強くコミュニケーションを続けるか、自分のキャリアを諦めるか、または自分の考えを理解してくれる別のパートナーを探すことを考えたほうがよいでしょう。 「子育て支援」をできる限り活用する 3つめが、「周囲の子育て支援を整え、活用できるものはどんどん活用すること」です。 どんなに職場や夫のサポートがあっても、待機児童が多い地域だったり、行政や民間の子育て支援環境が整っていない地域であれば、仕事と子育てを両立することは困難となります。 反対に、行政や民間の子育て支援サービスが得やすい地域に住めば、子育てと仕事の両立のしやすさは全く変わってきます。 保育園だけでなく、民間の子育て支援サービス、または自分の両親や義両親のサポートが得られるかどうかなど、結婚や引越しを考えるときには、その点を考えて「住む場所」を選ぶとよいでしょう。 結婚も出産もキャリアも諦めないための3つの心構え そして環境を整えるだけではなく、心も整えておく必要があります。独身時代とは、少し心構えも変わってきますので、気持ちの準備をしておきましょう。 思い通りにいかなくても焦らない 3つの環境が必要と分かっていても、あるいはその環境を整えたつもりでも、現実にはなかなか思うようにいかないこともあります。 ワーキングマザーを支援するような企業となかなかご縁がなかったり、理解あるパートナーなのに、転勤することになって単身赴任か仕事を辞めてついていくか決断を迫られたり…。一緒になりたいと思うパートナーが家事や育児に協力的ではなかったり、「専業主婦になってほしい」と言われたり…。そのような事情から、キャリアを諦めたくなかったのに、泣く泣くキャリアを諦めている女性も数多くいらっしゃいます。 さらには、会社に制度はあっても現場では妊婦やワーキングマザーへの風当りが強かったり、直属の上司からマタハラを受けたりすることもあるでしょう。 ハラスメントはなくても、育児休暇を経て復職したら、「子どもがいるから大変でしょ」という気配り(?)から今までよりも責任の軽い仕事や簡単な仕事を任されたりして、 「育休で、キャリアダウンしている…」「同期に後れを取っている」 とショックを受けることもあるかもしれません。 キャリアプランを描くことはとても大切ですが、描いたキャリアプラン通りに順調に進むことは非常に稀です。だからこそ、思い描いたキャリアプランへの思いが強すぎると、「こんなはずではなかったのに」と思い通りに進まない現状がとても苦しくなってしまいます。 結婚し、出産した後は子どもの病気や行事など自分の思い取りに物事が進まないことが山のようにでてきます。それは仕事にも多かれ少なかれ影響しますが、子育てをしながら仕事をしていると、思い通りにいかないのが当たり前。そして、思い通りにいかない道を歩くことが、振り返ってみると人間として大きく成長できる経験になっていることもあります。 思い描いた通りにならなくても焦らず、肩の力を抜いて状況を受け止めるように心がけましょう。 キャリアを長い視野で考える 「思い通りにいかなくても焦らない」ことをお勧めするのはなぜかというと、出産と育児で独身時代のように仕事に取り組むことができない期間が数年あったとしても、定年まではまだまだ数十年あるからです。 「育休でキャリアダウンをした、同期に後れを取った」と感じることがあっても、子どもが大きくなれば、以前のように時間を使えるようになる日が必ずやってきます。それを何らかのかたちで取り戻せるチャンスは、きっとやってくるでしょう。 また、この期間にこれからの仕事に大きく影響する人やモノやコトに出会える可能性もあります。 「どうして私だけ…」「何でこうなるのか」「本当はこんなはずじゃなかったのに…」など、気持ちがネガティブになると、そのようなチャンスも見逃してしまいます。少しペースダウンする期間も楽しめるよう、キャリアは長い視野で考えてみましょう。 家事も育児も仕事も完璧を目指しすぎない 結婚し子どもが生まれると、生活も仕事も、自分だけでなく家族や子どもの都合も考えなければならなくなります。 思い通りにならないことが増える上に、やることもたくさんあって時間の余裕がなくなってくるので、世の中に溢れる「~したほうがいい」「~ねばならない」という常識や、自分のなかの「これくらいはしないと…」という思いに囚われすぎると、行き詰り、苦しくなったり強いストレスを抱えたりしてしまうかもしれません。 家事も育児も仕事も、「自分としてもここまではやりたい」と思うものがあり、それができないと落ち込んでしまったり、自己嫌悪してしまったりすることもあるかもしれませんが、キャリアを諦めないためには完璧を目指し過ぎずないことも大切です。 完璧を目指し過ぎて、辛くなってしまい、何もかもが嫌になってしまうよりは、「そこそこ」で大変な時期を「乗り切る」ことを目標にしていきましょう。 「正社員として働く」以外のキャリアも考えてみる 「キャリア」の本来の意味は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものだと紹介させていただいたように、本来の「キャリア」は「正社員として経験と実績を積み上げ、組織の中で相応の地位を得る」ことだけではありません。 正社員として企業に勤める働き方は、確かに経済的には安定しており、生涯年収も高くなります。しかし、「どう生きたいか?」という意味でのキャリアを考えるときには、年収だけが重要なわけではなく、やりがいや自分のライフスタイルに合っているか、好きなことができているかなども重要な要素になります。 結婚や出産を経験して視野が広がり、新たなキャリアや選択肢に興味が湧いたり、道が拓けたりする可能性もあります。「こんなはずじゃなかった」と過去のキャリアプランに固執をしているとその可能性を見落としてしまいますが、「こういうのもありかもしれない」と思えれば、結婚・出産後に見つかる新たなキャリアが、今後の人生のやりがいになるかもしれません。 正社員として働く以外のキャリアの可能性も知っておきましょう。 パートや派遣社員として働く 今まで、女性の労働力率を年齢階級別のグラフにすると、結婚と出産を経験する30代でへこみ、子育てがひと段落した40代で働き始めるため、「M字カーブ」と言われてきました。 総務省が2019年に発表した労働力調査では、35~39際の労働力率は76.7%と過去最高に近い水準となり、この年代で働く女性が増えていることがわかります。しかしそのうちパートや派遣社員などの非正規労働者は55%と、多くの女性が正社員ではない働き方をしています。 その理由は、「家事や育児と両立するため」「夫の扶養に入るため」「夫が転勤族なので、転勤した土地で少し家計の足しにするため」「親の介護のため」など、様々な事情があるでしょう。 自分から希望してパートや派遣社員になった方もいらっしゃれば、仕方なくそうせざるを得なかった方もいらっしゃるかと思います。 自分にとって大切なものが家族との時間であれば、それを第一にできるのが自分らしいキャリアですし、もし今「仕方なく」そうしていたとしても、目の前の仕事にきちんと向き合っていけば、パートから正社員に登用され、新たなキャリアを築くチャンスもあります。 生涯年収は確かに正社員で働き続けることに比べれば下がりますが、その代わりに「子どもの行事のために休みがとりやすい」「家族のために自分がしたいと思うことができる」など、手に入れられるものもあります。 自分が大切にしたいこと、やらなければならないことに向き合ってキャリアを柔軟に考える視点も忘れずにいましょう。 得意分野を生かしてフリーランス・自営業になる 結婚後のキャリアとして、組織に属さず、得意なことを活かしてフリーランスとして仕事をする、自営業として独立するという選択肢もあります。 デザインやマーケティング、WEB制作やプログラミングなどの専門スキルがあれば、今までの人脈を生かしてフリーランスになるのもよいでしょう。人脈がなくても、今はクラウドソーシングサイトもいろいろあるので、顧客開拓は比較的簡単にすることができます。 また、特別なスキルがなくても「記事作成」等で誰にでもできる仕事で自宅にいながら収入を得られる業務も増えていますし、自宅にいながらリモートワークで経理などの事務ができる案件もあります。 何か作ることが得意ならば、自営業として開業し、「creema」などのサイトで販売するのもよいでしょう。 今は、フリーランスや自営業として仕事をしやすい環境が整っています。結婚や出産を機に、自分が本当にやりたかったこと、興味があったことを始めてみるのもよいかもしれません。 専業主婦として家族や地域のために働く 「専業主婦」をキャリアとして考える方は少ないかもしれません。特に、共働きが主流になってきた今のご時世では、専業主婦であることに引け目を感じてしまう方もいるようです。 確かに報酬は得られないですが、専業主婦として家族のために働くことも立派な働き方の1つです。家事も育児も奥が深く、やろうと思えば際限ないですし、子育てしていると避けては通れない地域やPTAの活動もあります。そうした活動にも報酬が発生することは少ないですが、社会に必要とされている仕事であることには変わりません。 たとえ、意図せずに専業主婦にならざるを得ない状況になってしまったとしても、専業主婦だからこそできることにぜひチャレンジしてみてください。そこから、自分では思ってもみなかった何かが広がるかもしれません。 キャリアを柔軟に考えると、結婚も出産も諦めない道が見えてくる 結婚する前は、「結婚しても出産しても、キャリアは諦めたくない」と思う気持ちがあっても、実際に結婚して出産すると、その思いとは裏腹に、独身時代に思い描いていた順風満帆なキャリアをなかなか思うようには進めないことも出てきます。 「独身だったら、自由にできるのに」と未婚の同僚や、子どもが生まれても独身時代と変わらずに働ける男性の同僚に切ない思いをすることもあるでしょう。 しかしそこで、過去のキャリアプランに縛られ過ぎず、かといって自分のやりたいことを諦めずに、「今できること」「今大切なこと」に目を向けてそれに集中することで、結果として結婚と出産を楽しみ、自分自身が納得できる働き方・キャリアを手に入れることができます。 スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提案したキャリア理論では、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」としています。 つまり、個人のキャリアは計画通りに進むのではなく、8割は自分でも思ってもみなかった偶然の出来事が、キャリアを決めていくのです。だからこそ、「思い通りにいかない」と嘆くのではなく、その予期せぬ偶然の出来事、目の前のことにベストを尽くしていくことが大切ではないかと、私たちキャリアコンサルタントは考えています。 「結婚と出産でキャリアを諦めないといけないのかな…」と思ったときこそ、自分にとっての「キャリア」とは何なのか、自分は本当はどんな状態が幸せなのか、ぜひ立ち止まって長い視点で「キャリア」を考え直してみませんか。私たちも、お手伝いさせていただきます。

「時短勤務って迷惑!」と言われない人がしている3つの気遣い
女性のキャリアは、結婚や出産などのライフイベントに大きく影響されることが多いのが現状です。男性のキャリアがこのようなライフイベントの影響を受けることは少ないことを考えると、残念ながらキャリア形成の面での男女格差は、令和になってもまだ発展途上にあるのが現実です。 それでも、結婚や出産とキャリアを両立する女性や、しなやかなキャリアプランで子育てしながらイキイキと働く女性も増えています。結婚や出産などのライフイベントとこれからのキャリアプランについて不安になったら、このように考えを整理してみませんか。 結婚も出産もキャリアも諦めないために、整えておきたい3つのこと 「キャリア」と聞くと、多くの方がイメージするのは、「バリキャリ」という言葉に表れているように「バリバリと仕事をすること」や「組織のなかで出世すること」、もしくは「仕事の成果として得た実績、経験」ではないでしょうか。 実は本来の意味での「キャリア」は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものを指しています。専業主婦も労働対価こそありませんが、家族のための家事労働をしていますから、その意味では「専業主婦という生き方を選ぶこと」も「キャリア」と解釈できるでしょう。 しかしここでは、まずは一般的なイメージの「キャリア」、つまり「主に組織の一員として仕事をし、成果を出して、周囲から評価を得、相応の経験・実績を積んでいくこと」にフォーカスして話をしたいと思います。 結婚や出産を経ても、この意味でのキャリアを諦めたくない場合、次の3つの環境を整えることが必要不可欠になります。 働く環境を選ぶ 1つ目は、「働く環境をきちんと選ぶこと」です。組織に女性が結婚し、出産しても働きやすい制度や風土があってこそ、結婚や出産しても諦めることなくキャリアを築くことができます。制度だけでなく、風土として以下の点が今の組織にあるか、確認してみましょう。 ・妊娠期間に仕事をすることに対する理解はあるか。妊婦がハラスメントを受けることなく、必要な業務を続け、体調不良で休むときにも協力的な雰囲気があるか。・育児休暇はきちんと利用されているか。・ワーキングマザーがちゃんと仕事復帰して活躍しているか。・職場全体がワーキングマザーを受け入れて、子どもの急な発熱などで早退や遅刻をしなければならないときも応援する社風があるか。・在宅勤務など、柔軟な働き方ができるか。・ワーキングマザーが仕事を任され、責任ある仕事についているか。 もしも当てはまらない場合には、早めにできる限り上記の条件に当てはまる企業への転職を検討したほうがよいかもしれません。 また、働く環境は自分だけではなくパートナーの環境も同様に重要です。男性の育児休暇が取りやすかったり、保育園への送り迎えがしやすい環境であれば、育児は格段に分担しやすくなります。自分だけでなく、パートナーにも職場の環境を一緒に見直してもらうとよいでしょう。 夫の理解を得る 2つめに大切なのは、「パートナーから仕事を続けることへの理解と協力を得ること」です。 育児と仕事を両立するためには、夫と家事や育児の分担が避けては通れません。しかし、本当に分担する気があるのかを確かめるのは難しく、男性の中には、表面的には女性の社会進出を応援するようなことを言っていても、いざ結婚して自分の家庭の話となると、「妻には家にいてほしい」「妻の家事や育児を分担する気はあまりない」という人もいます。 好きになった人と結婚するのが望ましいですが、パートナーが「妻がキャリアを築くことを理解し、協力してくれる夫」でない場合には、自分の考えを理解してもらえるように根気強くコミュニケーションを続けるか、自分のキャリアを諦めるか、または自分の考えを理解してくれる別のパートナーを探すことを考えたほうがよいでしょう。 「子育て支援」をできる限り活用する 3つめが、「周囲の子育て支援を整え、活用できるものはどんどん活用すること」です。 どんなに職場や夫のサポートがあっても、待機児童が多い地域だったり、行政や民間の子育て支援環境が整っていない地域であれば、仕事と子育てを両立することは困難となります。 反対に、行政や民間の子育て支援サービスが得やすい地域に住めば、子育てと仕事の両立のしやすさは全く変わってきます。 保育園だけでなく、民間の子育て支援サービス、または自分の両親や義両親のサポートが得られるかどうかなど、結婚や引越しを考えるときには、その点を考えて「住む場所」を選ぶとよいでしょう。 結婚も出産もキャリアも諦めないための3つの心構え そして環境を整えるだけではなく、心も整えておく必要があります。独身時代とは、少し心構えも変わってきますので、気持ちの準備をしておきましょう。 思い通りにいかなくても焦らない 3つの環境が必要と分かっていても、あるいはその環境を整えたつもりでも、現実にはなかなか思うようにいかないこともあります。 ワーキングマザーを支援するような企業となかなかご縁がなかったり、理解あるパートナーなのに、転勤することになって単身赴任か仕事を辞めてついていくか決断を迫られたり…。一緒になりたいと思うパートナーが家事や育児に協力的ではなかったり、「専業主婦になってほしい」と言われたり…。そのような事情から、キャリアを諦めたくなかったのに、泣く泣くキャリアを諦めている女性も数多くいらっしゃいます。 さらには、会社に制度はあっても現場では妊婦やワーキングマザーへの風当りが強かったり、直属の上司からマタハラを受けたりすることもあるでしょう。 ハラスメントはなくても、育児休暇を経て復職したら、「子どもがいるから大変でしょ」という気配り(?)から今までよりも責任の軽い仕事や簡単な仕事を任されたりして、 「育休で、キャリアダウンしている…」「同期に後れを取っている」 とショックを受けることもあるかもしれません。 キャリアプランを描くことはとても大切ですが、描いたキャリアプラン通りに順調に進むことは非常に稀です。だからこそ、思い描いたキャリアプランへの思いが強すぎると、「こんなはずではなかったのに」と思い通りに進まない現状がとても苦しくなってしまいます。 結婚し、出産した後は子どもの病気や行事など自分の思い取りに物事が進まないことが山のようにでてきます。それは仕事にも多かれ少なかれ影響しますが、子育てをしながら仕事をしていると、思い通りにいかないのが当たり前。そして、思い通りにいかない道を歩くことが、振り返ってみると人間として大きく成長できる経験になっていることもあります。 思い描いた通りにならなくても焦らず、肩の力を抜いて状況を受け止めるように心がけましょう。 キャリアを長い視野で考える 「思い通りにいかなくても焦らない」ことをお勧めするのはなぜかというと、出産と育児で独身時代のように仕事に取り組むことができない期間が数年あったとしても、定年まではまだまだ数十年あるからです。 「育休でキャリアダウンをした、同期に後れを取った」と感じることがあっても、子どもが大きくなれば、以前のように時間を使えるようになる日が必ずやってきます。それを何らかのかたちで取り戻せるチャンスは、きっとやってくるでしょう。 また、この期間にこれからの仕事に大きく影響する人やモノやコトに出会える可能性もあります。 「どうして私だけ…」「何でこうなるのか」「本当はこんなはずじゃなかったのに…」など、気持ちがネガティブになると、そのようなチャンスも見逃してしまいます。少しペースダウンする期間も楽しめるよう、キャリアは長い視野で考えてみましょう。 家事も育児も仕事も完璧を目指しすぎない 結婚し子どもが生まれると、生活も仕事も、自分だけでなく家族や子どもの都合も考えなければならなくなります。 思い通りにならないことが増える上に、やることもたくさんあって時間の余裕がなくなってくるので、世の中に溢れる「~したほうがいい」「~ねばならない」という常識や、自分のなかの「これくらいはしないと…」という思いに囚われすぎると、行き詰り、苦しくなったり強いストレスを抱えたりしてしまうかもしれません。 家事も育児も仕事も、「自分としてもここまではやりたい」と思うものがあり、それができないと落ち込んでしまったり、自己嫌悪してしまったりすることもあるかもしれませんが、キャリアを諦めないためには完璧を目指し過ぎずないことも大切です。 完璧を目指し過ぎて、辛くなってしまい、何もかもが嫌になってしまうよりは、「そこそこ」で大変な時期を「乗り切る」ことを目標にしていきましょう。 「正社員として働く」以外のキャリアも考えてみる 「キャリア」の本来の意味は、「働くことに関わる継続的なプロセス(過程)」であり、働くことにまつわる「生き方」そのものだと紹介させていただいたように、本来の「キャリア」は「正社員として経験と実績を積み上げ、組織の中で相応の地位を得る」ことだけではありません。 正社員として企業に勤める働き方は、確かに経済的には安定しており、生涯年収も高くなります。しかし、「どう生きたいか?」という意味でのキャリアを考えるときには、年収だけが重要なわけではなく、やりがいや自分のライフスタイルに合っているか、好きなことができているかなども重要な要素になります。 結婚や出産を経験して視野が広がり、新たなキャリアや選択肢に興味が湧いたり、道が拓けたりする可能性もあります。「こんなはずじゃなかった」と過去のキャリアプランに固執をしているとその可能性を見落としてしまいますが、「こういうのもありかもしれない」と思えれば、結婚・出産後に見つかる新たなキャリアが、今後の人生のやりがいになるかもしれません。 正社員として働く以外のキャリアの可能性も知っておきましょう。 パートや派遣社員として働く 今まで、女性の労働力率を年齢階級別のグラフにすると、結婚と出産を経験する30代でへこみ、子育てがひと段落した40代で働き始めるため、「M字カーブ」と言われてきました。 総務省が2019年に発表した労働力調査では、35~39際の労働力率は76.7%と過去最高に近い水準となり、この年代で働く女性が増えていることがわかります。しかしそのうちパートや派遣社員などの非正規労働者は55%と、多くの女性が正社員ではない働き方をしています。 その理由は、「家事や育児と両立するため」「夫の扶養に入るため」「夫が転勤族なので、転勤した土地で少し家計の足しにするため」「親の介護のため」など、様々な事情があるでしょう。 自分から希望してパートや派遣社員になった方もいらっしゃれば、仕方なくそうせざるを得なかった方もいらっしゃるかと思います。 自分にとって大切なものが家族との時間であれば、それを第一にできるのが自分らしいキャリアですし、もし今「仕方なく」そうしていたとしても、目の前の仕事にきちんと向き合っていけば、パートから正社員に登用され、新たなキャリアを築くチャンスもあります。 生涯年収は確かに正社員で働き続けることに比べれば下がりますが、その代わりに「子どもの行事のために休みがとりやすい」「家族のために自分がしたいと思うことができる」など、手に入れられるものもあります。 自分が大切にしたいこと、やらなければならないことに向き合ってキャリアを柔軟に考える視点も忘れずにいましょう。 得意分野を生かしてフリーランス・自営業になる 結婚後のキャリアとして、組織に属さず、得意なことを活かしてフリーランスとして仕事をする、自営業として独立するという選択肢もあります。 デザインやマーケティング、WEB制作やプログラミングなどの専門スキルがあれば、今までの人脈を生かしてフリーランスになるのもよいでしょう。人脈がなくても、今はクラウドソーシングサイトもいろいろあるので、顧客開拓は比較的簡単にすることができます。 また、特別なスキルがなくても「記事作成」等で誰にでもできる仕事で自宅にいながら収入を得られる業務も増えていますし、自宅にいながらリモートワークで経理などの事務ができる案件もあります。 何か作ることが得意ならば、自営業として開業し、「creema」などのサイトで販売するのもよいでしょう。 今は、フリーランスや自営業として仕事をしやすい環境が整っています。結婚や出産を機に、自分が本当にやりたかったこと、興味があったことを始めてみるのもよいかもしれません。 専業主婦として家族や地域のために働く 「専業主婦」をキャリアとして考える方は少ないかもしれません。特に、共働きが主流になってきた今のご時世では、専業主婦であることに引け目を感じてしまう方もいるようです。 確かに報酬は得られないですが、専業主婦として家族のために働くことも立派な働き方の1つです。家事も育児も奥が深く、やろうと思えば際限ないですし、子育てしていると避けては通れない地域やPTAの活動もあります。そうした活動にも報酬が発生することは少ないですが、社会に必要とされている仕事であることには変わりません。 たとえ、意図せずに専業主婦にならざるを得ない状況になってしまったとしても、専業主婦だからこそできることにぜひチャレンジしてみてください。そこから、自分では思ってもみなかった何かが広がるかもしれません。 キャリアを柔軟に考えると、結婚も出産も諦めない道が見えてくる 結婚する前は、「結婚しても出産しても、キャリアは諦めたくない」と思う気持ちがあっても、実際に結婚して出産すると、その思いとは裏腹に、独身時代に思い描いていた順風満帆なキャリアをなかなか思うようには進めないことも出てきます。 「独身だったら、自由にできるのに」と未婚の同僚や、子どもが生まれても独身時代と変わらずに働ける男性の同僚に切ない思いをすることもあるでしょう。 しかしそこで、過去のキャリアプランに縛られ過ぎず、かといって自分のやりたいことを諦めずに、「今できること」「今大切なこと」に目を向けてそれに集中することで、結果として結婚と出産を楽しみ、自分自身が納得できる働き方・キャリアを手に入れることができます。 スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提案したキャリア理論では、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」としています。 つまり、個人のキャリアは計画通りに進むのではなく、8割は自分でも思ってもみなかった偶然の出来事が、キャリアを決めていくのです。だからこそ、「思い通りにいかない」と嘆くのではなく、その予期せぬ偶然の出来事、目の前のことにベストを尽くしていくことが大切ではないかと、私たちキャリアコンサルタントは考えています。 「結婚と出産でキャリアを諦めないといけないのかな…」と思ったときこそ、自分にとっての「キャリア」とは何なのか、自分は本当はどんな状態が幸せなのか、ぜひ立ち止まって長い視点で「キャリア」を考え直してみませんか。私たちも、お手伝いさせていただきます。

男性が育児をするとキャリアに影響する?原因や両立に必要なこと
「キャリアも大切だけど、家庭も大切にしたい」「もっと育児をしたいけど、そうするとキャリアに影響が出るかも」 このような悩みを持つ男性は多いのではないでしょうか。共働き夫婦の増加に伴い育児をする男性は増えたものの、まだまだ「男性が育児しやすい環境になった」とは言い切れないのが社会の実情です。 今回は、育児とキャリアの両立が難しい男性ならではの原因を深掘りし、そこから両立するためのポイントや成功に必要なことを解説します。 男性も育児とキャリアを両立する時代へ かつての日本には「男性は仕事、女性は家庭」という考え方がありました。しかし、社会で活躍する女性が増えたこと、性別による固定的な観念や偏見をなくそうという動きが活発化したことなどから、現代においてこの考え方は古い価値観となっています。 そして、働く女性の増加によって、育児に参加する男性も増加しました。男性の育児休業取得率は年々上昇しており、2024年度の取得率は40.5%を記録しています。 社会の意識は「育児は女性だけのもの」から「育児は夫婦で行うもの」に変わり、育児・介護休業法が改正された影響も相まって、育児とキャリアを両立する男性は今後もさらに増えると見込まれています。 男性の育児はキャリアに影響する? しかし、古い価値観からの脱却は、簡単にはうまくいかないケースもあります。育児とキャリアの両立を目指す男性が増えるにつれて、「パタハラ」に悩む男性も現れるようになりました。 パタハラとは「パタニティハラスメント」の略であり、育児に関する制度を利用しようとする男性社員に対して行われる、嫌がらせ行為を指します。 育児中の男性社員に対して「そもそも育休の申請を認めない」「キャリアアップの機会を与えない」「嫌味を言う」などがパタハラの代表的な事例で、時には将来のキャリアにまで影響が出てしまうことも…。 もちろん、ほとんどの会社は育児をする男性に理解を示しており、過剰に心配する必要はありません。ですが、中にはこのようなパタハラを行う会社もあるため、育児がキャリアに悪影響を及ぼす懸念が全くないとは言い切れない状況となっています。 男性にとって育児とキャリアの両立が難しい原因 育児をする男性は増加傾向ですが、まだまだ育児は女性中心で行われているのも事実です。なぜ、男性は育児とキャリアの両立がしにくいのでしょうか?ここでは、その原因を解説します。 企業体制が整っていない 男性が育児をしながらキャリアを歩むには、会社の理解や支援が欠かせません。 ところが「男性も育児を」という価値観は近年になって急速に進んだ考え方のため、育児をする男性社員をサポートする体制がまだ整っていない企業も多いです。 このような会社では、男性の育休制度が整備されていなかったり、制度は一応あるものの取得実績がなく利用しにくい雰囲気があったりします。 企業に昔の固定観念が残っている 組織の考え方が古く、「男性は仕事、女性は家庭」という価値観をまだ持っている企業も存在します。 昔の固定観念が残っている企業では、育児をする男性への理解が進んでいません。育児休業を申請しても「妻がいるなら夫が取る必要はない」と受理されなかったり、受理されたとしても「本当は休みたいだけでは」と思われて評価を下げられたりしやすいです。 また、古い固定観念で運営している企業は残業や休日出勤も多い傾向にあり、これも男性が育児とキャリアを両立しにくい理由になるでしょう。 上司や同僚に理解がない 会社そのものは男性の育児に理解があっても、身近な上司や同僚に理解がないと働きにくさを感じます。 実際、育休の申請を受けるのは上司ですし、育休中などにフォローをするのは同僚であるケースがほとんどです。そのため、上司や同僚から理解が得られないと、嫌味や嫌がらせといったパタハラが発生しやすくなるでしょう。 このような環境下では男性もキャリアへの影響を懸念して育児に消極的になり、両立から遠ざかってしまいます。 責任ある立場や業務を任されやすい 社会で活躍する女性は増えましたが、女性が長期的にキャリアを築ける環境はまだ十分とはいえません。男女の役割分担意識が未だに社会に根深く残っている影響もあり、責任ある立場や業務は男性に偏っている現状があります。 そして、パパになる人が多い20代から30代は、男性にとって重要なポジション・仕事を任されやすい時期。 育児に参加したい気持ちはあっても、キャリアアップによって業務内容や労働環境がガラリと変わり、両立に苦戦する男性は多いです。 夫婦で平等に育児をしている家庭が少ない 「令和元年度 家事等と仕事のバランスに関する調査」の結果によると、夫婦における家事育児の負担割合は妻が6割強、夫が3割弱でした。 家事育児の負担割合は、共働きの家庭が増えても妻のほうが依然として高く、これを受けて「他の家庭も妻メインで家事育児をしているのだから、自分の家庭も同じで良いだろう」と考える男性もいます。 このような考え方は男性の育児参加率を下げ、キャリアとの両立を不可能にするでしょう。妻からの不満も募りやすく、家庭問題に発展しやすいです。 男性が育児とキャリアを両立させるためのポイント 男性が育児しやすい社会に、ただ変わるのを待っているだけではいけません。個人でできる取り組みを行うだけでも、育児とキャリアを両立させる難易度は下がります。 ここでは、男性が育児とキャリアを両立させるためのポイントを解説しましょう。 社内で理解を深める働きかけをする 誰彼構わず職場の人に家庭のことを話す必要はないものの、身近な上司やチームのメンバーには、日頃からある程度家庭の話をしておくのがおすすめです。 職場で家庭の話をするのに抵抗がある男性もいるかもしれませんが、育児をしている自分の状況をオープンに話すことで、周囲の理解を得やすくなります。 また、あなたが「育児をしながらキャリアを築く男性社員」のロールモデルになれば、他の男性社員も育児とキャリアの両立に挑戦しようとするかもしれません。育児をする男性社員が増えると会社の意識も変わり、今以上に「育児しながらでも働きやすい環境」を実現できる可能性があります。 職場で「自分のポジション」を確立しておく ここでいう「自分のポジション」とは、単なる役職ではありません。「あの人はムードメーカー」「あの人なら仕事を任せられる」といった他人の評価からなる、職場内で確立された暗黙の立場を指しています。 周囲に良い印象を与えて居場所を確保しておくと、育休なども取りやすくフォローしてもらえる場面が多いです。 常日頃から真面目に業務に取り組むのはもちろん、周囲のフォローも積極的に行い、自分のポジションを確立させておきましょう。 育休をキャリアの停滞と捉えない 「育休を取りたいけど、休むと仕事のことがわからなくなりそう」「復帰後、社内に居場所がなさそう」 このような不安から育休取得をためらう男性は多いですが、前提として育児休業はキャリアの停滞ではありません。 育児経験は資産となり、自分の新たな可能性を広げてくれるものです。今後の働き方や仕事の意識を再定義するきっかけにもなり、ワークライフバランスの実現やキャリアの再構築にもつながるでしょう。 もしも社内に「育休=キャリアの停滞」とする風潮がある場合、会社側に問題があるので、労働環境を見直すのも一つと手といえます。 育休を取るタイミングはよく考える 育休を取るタイミングは妻とも話し合い、よく検討しましょう。男性の育休は「産後パパ育休(出生時育児休業)」と「育児休業」を組み合わせて取得することも可能で、分割取得もできます。 たとえば、夫婦交代で育休を取得すると、夫婦間の育児負担を均等に分担しやすいです。男性中心で育児をする期間を設けることで「夫婦の育児スキル格差」を解消できるのもメリットといえます。 育休中に徹底して育児に取り組み慣れておけば、仕事復帰してからも育児に参加しやすく、キャリアと両立するハードルも下がるはずです。 職場復帰=育児終了ではない 育児休業が終わって職場復帰したからといって、自分の育児の役目が終わったわけではありません。 育児が楽になるまでには、十数年単位の長い時間を要します。「育休中だけ育児に参加し、その後は妻任せ」という状況を作ると、妻から不満を持たれ夫婦関係が悪化するでしょう。 育休から職場復帰したあとも育児中であるという自覚を持ち、キャリアとの両立を目指して行動する必要があります。 男性の「育児とキャリアの両立」に必要なこと 育児とキャリアの両立を目指すうえで、男性はどのような点に意識や努力を払うべきでしょうか。ここからは、育児とキャリアの両立に必要なことを解説します。 パタハラを受けたときは冷静に対処する パタハラを受けた直後は、驚きや傷心で頭が真っ白になるかもしれません。しかし、男性にも育児をする権利はあるので、自らの権利を守るためにも冷静に対処しましょう。 パタハラを受けたと感じたときは、まずは記録をつけるのが大切です。曖昧な訴えや相談は信ぴょう性に欠けると判断されやすいため、記憶が鮮明なうちに「いつ」「誰が」「どのような言動をしたのか」を具体的に記録しておきます。 その後、社内のハラスメント窓口や労働組合などに相談し、問題解決を図ってください。 何事も効率を考えて行動する 育児をしながらキャリアを築くためには、常に「効率」を意識する必要があります。 子どもを持つ前と同じペースで仕事をしていては、育児をする時間を十分に確保するのは難しいです。また、育児も時短や効率を考えなくては、自分の時間がどんどん削られてしまいます。 やるべきタスクを整理して優先順位付けするのを習慣化すると、仕事でも評価されやすくなり、育児をしながらのキャリアアップも叶いやすいです。 周囲の苦労にも理解を示す 育児とキャリアの両立を目指すと、日々やるべきことに追われてとにかく大変。しかし、自分の大変さばかりに目を向けると、人は周囲への配慮を欠きやすくなるので注意してください。 妻には妻の苦労が、職場の人にもその人にしかわからない苦労があるものです。 家族仲や職場の人間関係を壊さないためにも、周囲の人の苦労にも理解を示し、余裕があるときはサポートしようとする姿勢を見せましょう。 キャリアプランを立て直す 育児を視野に入れずにキャリアプランを立てていた場合、キャリアプランの立て直しが必要となるケースも多いです。子どもが生まれると価値観や考え方も変わりやすいので、育児をきっかけに一度キャリアプランの見直しを行うと良いでしょう。 子どもの成長に合わせて目標設定したり、妻にも内容を共有したりすると、実現可能なキャリアプランを立てられます。自分の経験やスキルだけでなく、家庭の事情も考慮しながら計画を立案してみてください。 働き方や労働環境を見直すのもあり 働き方や労働環境を見直すのも、育児とキャリアを両立するための方法の一つです。 「そんなことをすれば、キャリアダウンになるんじゃ…」と心配する男性は多いですが、たとえばスキルを武器に育児に理解のある会社に転職すれば、育児とキャリアアップを同時に実現できます。また、今の会社で柔軟な働き方を選択できる場合は、慣れ親しんだ環境で働きつつ育児時間を増やすことができ、精神的負担を小さくできるでしょう。 まずは、理想の働き方や職場を具体的にイメージし、実現のためにはどのような行動が必要かを考えてみてください。 育児とキャリアの両立に悩んだときは、プロに相談するのがおすすめ 男性の育児は、理解も制度もまだまだ発展途中です。取り組み事例もそこまで多くないうえ、課題や障壁もまだ残されており「どうすれば両立できるだろう」と悩むこともあるかもしれません。 育児をきっかけに今後のキャリアを考える際は、キャリアのプロに相談できる「キャリアコンサルティング」を受けてみるのがおすすめです。 キャリアコンサルティングでは、対話を通じて一緒にキャリアプランを立てられる他、働き方や転職に関する助言も行ってくれます。正しい知識と豊富な経験をもとに可能性を整理してくれるので、一人で悩むよりもきっと早く問題が解決するでしょう。 現代にはこのように、育児をする男性の助けになるサービスが多くあります。ぜひ有効活用して「育児もキャリアも諦めない選択」をしてください!

ストレス限界のワーママ必見!しんどい原因と改善方法
家事に育児に仕事に…、いつもやることが山積みのワーママはストレスもたくさん。そのような状態が続いた結果「もう限界!」と思うこともあるでしょう。 ストレスが溜まっていてもタスクは積みあがっていきますが、だからといってストレスを放置し続ければ心身の調子を崩してしまうリスクもゼロではありません。 この記事では、ストレス限界のワーママに向けて、しんどい原因やストレスを溜めないための工夫、改善策などについて解説します。少しでもストレスを減らして、家庭と仕事を両立させたいと考えているワーママは必見です! 【家庭編】ワーママのストレスが限界になる原因 まずは「家庭」にフォーカスして、ワーママのストレスが限界になる主な原因を解説します。当てはまる原因はないか探し、自分が何に強くストレスを感じているのか把握するのが大切です。 夫が家事育児に非協力的 共働き夫婦の家事育児のバランスは、5:5の割合になるのが理想的です。 しかし「令和元年度 家事等と仕事のバランスに関する調査」では、夫婦における家事育児の負担割合は妻が6割強、夫が3割弱という結果でした。この結果から、家事育児の負担は妻側に偏っている家庭が多いことがうかがえます。 「働きながら子供を育てる」という同じ条件下であるにもかかわらず、夫が家事育児にあまり協力的でないと、妻はやるべきことに追われるうえ夫に対する不満も募り、強いストレスを感じるでしょう。 アウェイ育児をしている 結婚や夫の転勤をきっかけに地元を離れると起きやすいのが、「アウェイ育児」。アウェイ育児とは、親族や友人が近くにいない見知らぬ土地で子育てをすることです。 近くに家事育児のサポートを頼める実家があったり、何でも相談できるママ友がいたりすれば、仕事と家庭を両立するストレスは大幅に軽減されますが、アウェイ育児の場合は周囲に頼れる人がいません。 困ったことや悩みがあっても誰にも相談できないので、問題を一人で抱えてストレスが膨らみやすいです。 完璧を求めてしまい家事育児の負担が大きい 仕事には就業時間や納期といった定めが設けられていますが、家事育児には明確な「終わり」がありません。やろうと思えば次から次にタスクを生み出せてしまうため、完璧を求めるとどんどんやるべきことが増えてストレスになってしまいます。 ワーママが限界までストレスを溜めないためには、家事育児に過剰な完璧を求めず、時に「やらない」という選択をするのも大切です。 完璧を追求するのではなく「どうすれば少ない負担で気持ちよく家事育児ができるか」を考え、仕事と育児のバランスを取りましょう。 子どもがよく体調不良を起こす 大人より免疫が弱い子どもは、よく体調を崩します。体調不良は子どものせいではありませんが、子どもが体調を崩すとそのたびにワーママは会社を休んで看病したり、病院に連れて行ったりしなくてはいけません。 そのため、あまりにも頻繁に子どもが体調不良になると、つい「またか…」とげんなりしてしまうときもあるでしょう。 子育てに理解のない会社に勤めている場合、子どもの体調不良を理由に欠勤すると嫌な顔をされることもあり、これもワーママのストレスになりやすいです。 心身に必要な休息が取れない ワーママはとにかく日々やることがいっぱい。常に時間やタスクに追われ、気付いたらあっという間に一日が終わってしまうという日も少なくないでしょう。 しかし、このような状態で毎日を過ごしていると心身に必要な休息時間を確保するのも難しく、どんどん余裕がなくなっていきます。 「仕事を頑張りたい」「子どもと楽しく過ごしたい」という気持ちはあっても、余裕がなければついイライラして本来の自分らしく振る舞えず、そんな自分にさらにストレスを感じるという悪循環に陥りやすいです。 【仕事編】ワーママのストレスが限界になる原因 ワーママのストレスが限界になる原因は、「仕事」にあるケースも多いです。自身の働き方や職場環境を振り返りつつ、当てはまる原因はないかチェックしてみましょう。 職場で肩身が狭いと感じている 子どもがいることで、ワーママはどうしても働き方が制限されやすいです。残業や出張のある業務をバリバリこなすのは難しいですし、急な子どもの体調不良により欠勤や早退してしまう日もあります。 そのため、子どもがいない他の従業員よりも会社に貢献できていないような気がして、肩身が狭いと感じるワーママもいるでしょう。 必然的に社内で気を使うシーンが多くなり、それがストレスや人間関係の疲れにつながる場合もよくあります。 通勤時間が長い 一分一秒も無駄にできないワーママにとって、通勤時間が長いのはストレスになりやすいです。 長い通勤時間を「自分の時間」として楽しめるタイプならいいですが、そうでない場合は「時間を無駄にしている」という感覚が強くなるでしょう。たまの長距離移動ならまだしも、通勤はほぼ毎日のことなので不満が積み重なっていきます。 早めに家を出ないといけなかったり、帰宅時間が遅くなったりするのもデメリットで、体力的な負担も大きいです。 仕事だけに全力投球できず成果が出せない ワーママは働ける時間や働き方に制限があるため、子どもがいなかった頃よりも仕事で成果を出すのが難しくなります。また、仕事中もついつい子どものことが気になって、業務に集中できない場合も…。 「もっと仕事を頑張りたい」「理想のキャリアを築きたい」という目標はあるのに、全力を出しにくい状況が続くため、もどかしさを感じやすいです。 思い通りに仕事やキャリアを進められないのが原因でネガティブにもなりやすく、不満や不安を感じることもあるでしょう。 仕事内容や業務量に不満がある 「ワーママというだけで信頼されず、簡単な仕事しか任せてもらえない」「業務量が多すぎて、持ち帰りの仕事や休日出勤が常態化している」 仕事内容や業務量は、適正でないとこのような不満につながります。仕事内容は簡単すぎても難しすぎても、業務量は少なすぎても多すぎても、大きなストレスになるのです。 また、業務の内容や量に問題がある職場では人間関係もギスギスしやすく、人間関係のストレスまで抱えてしまうことがあります。 うまく家庭と両立できない 自分なりの「仕事と家庭のバランスの取り方」が見つからないと、2つをうまく両立させられずストレスが溜まります。イライラして余裕がなくなりやすいため、不必要なほど子どもに強い言い方をしてしまったり、仕事で些細なミスを連発したりして、そんな自分に失望感を抱くかもしれません。 「他のワーママはできているのにどうして自分は…」と他の家庭と比較しやすくもなるので、どんどん思考がマイナスに向かってしまうケースも多いです。 いつストレスが限界突破してもおかしくない、精神的負担がかなり大きい状態であり、早急な対処が必要といえるでしょう。 ワーママがストレスを限界まで溜めないための工夫 ここでは、限界までストレスを溜めないための工夫を解説します。ストレスを軽減もしくは発散できる方法を見つけて、限界を超えないようにしましょう。 家族や周囲に協力を求める 夫婦間における家事育児の分担を見直す、親族にサポートをお願いするなど、まずは身近な周囲に協力を求めましょう。相手側も「あなたが嫌がるかも」と気を使って、サポートを申し出ていないだけという可能性もあります。 この他、地域や保育園独自の子育て制度、職場の支援制度なども積極的に活用するのがおすすめです。遠慮せず、まずは気軽に提案する気持ちで協力を得られないか確認してみてください。 家事は「時短」を重視 「完璧」よりも「時短」に重きを置くと、いつもの家事がぐっと楽になりストレスが軽減しやすいです。 家事の時短はサボりや手抜きではなく、ワーママが限界を迎えないための知恵であり、時短を目指すことに罪悪感を覚える必要はありません。 便利家電、宅配サービス、家事代行サービスなど、現代には家事を時短できるさまざまなアイテム・サービスが登場しているので、うまく生活に取り入れましょう。 自分の時間を作る 疲労が積み重なるとストレスになり、心身ともに限界を迎えやすくなります。ストレスを限界まで溜めないためには、心身を癒す「自分の時間」を意識的に確保するのも大切です。 自分の時間を確保するアイデアとしては、「家族に協力してもらう」「子どもが寝た後を自由時間にする」などが挙げられます。 また、一つ前に紹介した「家事の時短」に成功すれば、結果的に時間に余裕が生まれて自分の時間も作りやすくなるでしょう。 ワーママのストレスを改善する方法 育児をしながら働くストレスを最小限にできれば、ワーママのしんどさが限界に達することもありません。ここでは、ワーママのストレスを改善する方法を解説します。 残業の免除申請をする 子どもが小学校就学前であれば、育児介護休業法に基づいて残業の免除申請ができます。1回の申請につき「1年以内」という期限付きですが、申請回数に制限はないので子供が小学校に入るまでは何度でも申請可能です。 残業の免除申請をすれば、家事育児をするための時間を確保しやすく、少ないストレスで仕事と家庭を両立できるでしょう。 ただし、雇用期間が1年未満の人や、1週間の所定労働日数が2日以下だったりする場合は制度を利用できないので注意が必要です。 リモートワークやフレックスタイムで働く 社内の働き方に選択肢があるなら、リモートワークやフレックスタイムといった自由度の高い働き方を選ぶのもおすすめです。 このような働き方ができれば、家事や育児に合わせて柔軟に動けるのでストレスが減るでしょう。保育園のお迎えや病院などにも行きやすいので、早退や欠勤する頻度を下げられる可能性もあります。 大々的に制度を打ち出していない会社でも、相談すれば応じてもらえる場合があるので、一度会社に相談してみるといいかもしれません。 時短勤務を希望する 現在、正社員としてフルタイム勤務をしているワーママは、時短勤務を検討してみるという方法もあります。 ただし、時短勤務を希望するには「子供が3歳未満であること」「日の所定労働時間が6時間以上であること」など条件があるので、まずは条件を満たしているかを確認しましょう。 時短勤務で働ければ、育児をしながらキャリア形成ができます。「ゆくゆくはフルタイム勤務に戻れる」という将来への安心感があるのも、時短勤務のメリットです。 子育てしやすい部署への異動願いを出す 残業時間や子育てへの理解度は、部署ごとに異なるケースも多いです。業務の特性上、残業が発生しやすい部署・しにくい部署がありますし、子育て中の女性が多い部署は自然と子育てへの理解が高まります。 扱っている業務に興味があり、子育てもしやすそうな部署が社内にあるなら、そちらへの異動を希望してみても良いでしょう。 ただし異動願いは、出したからといって必ず通るものではなく、希望が叶わないこともあります。 子育てしやすい会社に転職する 今は、子育てに理解のある会社や、ワーママが多い職場もたくさんあります。今の職場で肩身の狭い思いをしていたり、通勤時間の長さに頭を悩ませたりしているなら、子育てしやすい会社に転職するのも一つの手です。 子育てしやすい環境なら、子ども都合の早退や欠勤にも理解を示してくれる傾向にあります。 リモートワークやフレックスタイムを取り入れている会社も多いので、育児と両立する負担の軽減が見込めるでしょう。 ストレスが限界なワーママにおすすめのキャリアコンサルティングとは? ストレスが限界に近いなら働き方の変更を検討したほうが良いですが「どんな働き方が合っているのかわからない」「転職すべきか決断できない」というワーママも多いのではないでしょうか。 そんなときにおすすめなのが、キャリアコンサルティングです。キャリアコンサルティングは、自分自身の働く価値観を明確にしたり、理想のキャリア実現に向けたアドバイスが得られたりする場。 転職の無理強いはせず、一人ひとりに合ったキャリア形成を考えてくれるので、子育てしながら働くのにベストな方法がきっと見つかるはずです。 忙しいワーママは、ストレスを限界まで溜めないのが大切 仕事と家事育児はどちらも大変で、ストレスをゼロにするのは難しいかもしれません。ですが、ストレスが少ない環境を自ら整えたり、その日のストレスをその日のうちに解消できたりすれば、疲労やイライラが限界を超えなくなるはずです。 この記事を参考に自分なりの「ストレスとの付き合い方」を見つけ、仕事と家庭の両立に活かしましょう。 キャリア・コンサルティング・ラボでは、働き方やキャリアに悩むワーママを応援しています。少しでも気になった方は、気軽に相談してみてくださいね!

育児と仕事を限界まで頑張り続けるリスクとは?つらい時期の乗り越え方
「育児と仕事をうまく両立できない」「両立のために頑張っているけど、もう限界かも」 このような悩みを持つ働くママは少なくありません。毎日忙しいと頭の中を整理する時間も取りにくく、パンク寸前という方も多いのではないでしょうか。 本記事では、育児と仕事に追われて「限界」と感じている方に向けて、疲労が限界突破すると起こるリスクや限界を回避する方法、どうしてもつらいときの対処法などを解説します。 育児と仕事の両立に限界を感じやすいのはいつ? 感じ方は人それぞれですが、子育ては一般的に「新生児期から3歳頃まで」が、最もしんどいといわれています。そのため、育児と仕事を両立する多くの女性が、ちょうどこの時期に限界を感じやすいです。ママの年代でいうと、20代後半から30代頃に該当するでしょう。 新生児期は産後の疲労が残った状態での育児となるうえ、昼夜問わず授乳やオムツ替えが必要になります。 また、子どもが生後半年頃から1歳半頃になると始まる可能性があるのが、夜泣き。子どもが満1歳になっている場合は既に育休を終えているケースもあり、日中は仕事、夜は夜泣きの対応で睡眠不足に陥り、育児と仕事の両立に限界を感じるママが少なくありません。 そして何とか夜泣きの時期を乗り越えたとしても、1歳半から3歳頃の子どもにはイヤイヤ期が訪れます。子どもに自我が芽生え成長している証拠ではありますが、なかなか言うことを聞いてくれないので心身の疲れがピークに達しやすいです。 育児と仕事を限界まで頑張ってしまう人の特徴 育児と仕事の両立に限界を感じる人は、基本的に「頑張り屋さん」です。多少つらくても頑張り続けてしまうからこそ、ギリギリまで疲労やストレスを溜めてしまいます。 ここでは、育児と仕事を限界まで頑張ってしまう人によく見られる特徴を解説しましょう。 人に頼るのが苦手 限界まで育児と仕事を頑張ってしまう人は、人に頼るのがあまり得意ではありません。「人にお願いすると迷惑がられるかも」「人に任せるのは不安」などのように考える傾向が強く、多くのタスクを一人で抱え込みます。 また、人に頼るのが苦手な人はこれまでも大概のことを一人でこなしてきているため、要領が良い人が多いです。要領が良いのは一つの長所ですが、だからこそ何でも「自分でやったほうが早い」と考えがちで、自ら負担を増やしてしまいます。 真面目で責任感が強い 真面目で責任感が強い人は、一度やると決めたスケジュールやタスクに忠実です。 ストイックに物事に取り組めるのは強みであるものの、ストイックすぎるがゆえに常に自分のことを後回しにします。疲れていたり具合が悪かったりしても目の前の育児や仕事を優先しようとするため、心身のエネルギーをゼロになるまで使い切り限界を超えやすいです。 また、もしもほんの少しでも予定通りにスケジュールが進まないと、自分を責めてより頑張ろうとしてしまいます。 完璧主義 完璧主義の人は、100点満点を求めるからこそ細かい点にまでよく気付きます。 仕事ではそれがプラスに働く場面も多いですが、次から次にやるべきタスクが発生する家事育児においては、常に細かい点まで追っていると対応しきれません。いくらやってもやるべきタスクが減らない状況に自らを追い込んでしまい、最終的にはキャパオーバーを起こす可能性が高いです。 仕事はともかく、育児には「100点」や「正解」がないため、完璧を追求すればするほどやるべきタスクが増えてしまいます。 育児と仕事の疲労が限界突破すると起こるリスク 「もう限界かも」と思うほどギリギリの状態を、放置するのは危険です。育児と仕事の疲労が限界突破することには、以下のようなさまざまなリスクが潜んでいます。 夫婦仲が悪くなるリスク 仕事をしているのは同じなのに、家事育児の負担が女性にだけかかっている場合、パートナーへの不満が募るでしょう。夫に対して不信感や苛立ちを抱くため、夫婦間の考え方にもすれ違いが生じやすいです。 また、たとえ夫が家事育児に協力的だったとしても、こちらに精神的な余裕がないと夫婦仲がぎくしゃくしてしまうことがあります。 余裕のなさは視野を狭くして、些細なことにもイライラしやすくなります。「夫のこんなところが嫌」「夫は何もわかっていない」のように相手の悪い部分ばかり見てしまい、関係がこじれる原因となるのです。 最悪の場合、離婚問題にまで発展する恐れがあり、今後の自分の人生だけでなく子どもの育成環境にまで影響を及ぼすかもしれません。 産後うつになるリスク 産後うつは出産から数か月後に発症するケースが大半ですが、産後1年を過ぎてから発症する事例も少なくありません。そして産後1年を過ぎた頃というのは、ちょうど育休を終えて仕事復帰する人が増えるタイミングです。 育児と仕事の疲れが重なり、それをうまく発散・解消できずに溜め込んでしまえば、産後うつを発症する危険性が高くなります。 ただし、産後うつは適切な治療やサポートを受ければ回復する病気です。早期に適切なケアを行うと回復も早くなるので、限界まで我慢するのではなく小さくても症状に気づいたら産婦人科、心療内科、自治体の保健センターなどに相談してください。 望まないキャリアを選択するリスク 育児と仕事に追われてキャパオーバー寸前だと、「一刻も早くつらい現状から抜け出したい」という気持ちがどんどん膨らんでいきます。現状を変えたい一心でよく検討しないまま退職や転職を決断しやすく、本来歩みたいキャリアとは別のキャリアを安易に選択して後悔する可能性が高いです。 一旦育児に専念して、育児がひと段落してから希望のキャリアを再構築するという選択もありますが、ブランクがある子育て女性のキャリア構築は簡単ではありません。 心身ともにギリギリなときほど、冷静な判断力を失って突飛な決断をしやすいので注意が必要です。 なお、検討やシミュレーションを重ねたうえでしっかり納得できているのであれば、育児を理由にした転職や退職は正しい選択といえます。 育児と仕事の両立で限界を迎えないためにできること 育児と仕事をうまく両立するためには、日頃から限界を超えないように対策するのが大切です。ここからは、育児と仕事の両立で限界を迎えないために日々心掛けてやることを解説します。 夫婦で家事育児を分担する 限界の近さを感じるほど育児と仕事の負担が大きいときは、夫婦で家事育児の分担を見直す必要があります。 妻側の負担が大きすぎる可能性もゼロではないため、やるべきタスクを丁寧に洗い出して家族内で明確に役割分担したほうが良いでしょう。 また、同じ家事をするのでも、夫婦によってやり方が異なるとトラブルの原因になります。相手のやり方を非効率に感じて不満が募ったり、万が一相手の代わりを務める際にもやり方がわからなかったりと問題が起きやすいので、分担した家事育児は方法まで夫婦でシェアするのがおすすめです。 夫婦で会話する時間を作る 日中は仕事、帰宅後は家事育児というルーティンができると、どうしても夫婦の会話が少なくなりがちです。 しかし、夫はともに家事育児を行うパートナーであり、長く良好な協力体制を築くにはお互いへの配慮や歩み寄りが欠かせません。「毎日15分だけ」「休日は必ず一緒にご飯を食べる」などルールを決めて、意識的に夫婦で会話する時間を作りましょう。 夫婦で会話する時間をきちんと取ると、お互いの仕事の状況などもわかります。それに合わせて家事育児の役割分担を調整することもでき、育児と仕事を無理なく両立しやすいです。 ストレスを溜めない工夫をする 育児と仕事の両立で限界を感じるのは、極限まで疲労やストレスを溜めるのが原因です。何か一つの出来事だけで限界突破するケースは稀で、小さなマイナス要素がいくつも重なることで限界に到達してしまいます。 そのため、疲労やストレスが満タンまで溜まる前に、定期的にリフレッシュできる時間を作りましょう。 この他、完璧を求めたり何でも自分でやろうとしたりする習慣を手放し、ストレスを感じにくくする工夫をするのも大切です。 周囲のサポートやサービスを活用する 実家の協力、育休や会社独自の子育て支援制度、地域の子育てサポートサービスなどは、積極的に活用しましょう。 仕事をしながら子育てをすると、どうしても夫婦2人だけでは手が回らない部分や時間が足りない場面もあります。常に「自分一人でやらないと」と考えると、身体的にはもちろん精神的にも大きな負担となりやすいので、「育児と仕事の両立は、自分たちだけでやらなくてもいい」という考え方を持つのが第一歩です。 誰かにうまく頼れるようになると、時間的・体力的にはもちろん精神的にも余裕が生まれやすく、限界を超えにくくなります。 情報収集を怠らない 効率よく家事育児をこなしたり、自分に合った外部の子育て支援を利用したりするためには、情報収集も必須です。育児情報を収集する手段としては、ネットやSNS、ママ友との交流、地域の子育て支援センターなどが挙げられます。 なお、ネットやSNS、ママ友との交流で情報収集する際は、他人の家庭と自分の家庭を比較しないのがポイント。 よその家庭で成功しているやり方が自分の家庭でもうまくいくとは限らないので、全ての情報をうのみにするのではなく情報を上手に取捨選択しましょう。 もう無理!育児と仕事の両立に限界を感じたときは 育児と仕事を両立するストレスをゼロにするのは難しいため、きちんと対策していても限界を超えてしまうときがあります。「もう無理!」と限界を感じたときは、まずは周囲に助けを求め適切な行動を取りましょう。 限界なことを周囲に知らせる 育児と仕事の両立に限界を感じたときは、自分一人で何とかしようとしてはいけません。自己解決しようとすると自分で自分を追い詰めて余計に負荷がかかりやすいため、まずは限界を迎えていることを周囲に知らせ、サポートを要請しましょう。 また、地域の子育て相談窓口や児童相談所などに話を聞いてもらうという方法もあります。 限界であることと同時にやってもらいたいことや希望まで伝えられるのがベストですが、本当に限界で考えがまとまらないときはありのままを話すだけでもOKです。今とにかく限界であり、助けを必要としていることを周囲に理解してもらう必要があります。 心身に不調が出ているなら回復を優先する 家事や育児、仕事に追われる日々を過ごす中で、心身のバランスを崩してしまうケースも珍しくありません。働きながら子育てする女性は、会社や子どもを優先してつい自身のことを後回しにしがちですが、心身の不調を放置するとより症状が深刻化する可能性も考えられます。 頑張りすぎて心身に不調が出ているときは、「しっかり休む」「必要に応じて医療機関を受診する」などして、回復を優先させるのが重要です。また、少し回復してきたら、不調に陥った原因を特定し対処を考える必要があります。 働き方について考えてみる 育児と仕事の両立に限界を感じたときは、今の仕事や働き方が自分に合っているのか見直してみるのも一つの手です。 以下のような選択肢を検討してみることで、育児と仕事を両立しやすい環境を実現できる可能性があります。 今の会社で部署異動や時短勤務を希望する 働き方に条件をプラスして正社員以外で働く 現職よりも好条件な働き方ができる職場に転職する どのような働き方なら無理なく育児と両立できるか、具体的にイメージしつつ考えてみましょう。 限界がくる前に対処して、育児と仕事の両立を目指そう 育児と仕事を両立させると、心身に疲労が蓄積し「もう限界」と思うこともあるでしょう。 その状況を放置すればより悪い事態へと発展するリスクがあるため、キャパオーバーする前に現状を見直し、「家事育児」「仕事」だけでなく「自分」も大切にする方法を見つけてください。 また、家事育児と両立して自分らしいキャリアを歩みたいなら、キャリアコンサルティングを受けてみるのがおすすめ。 キャリアコンサルティングでは、理想のキャリア実現に向けてプロ目線からの情報やアドバイスが得られます。「どうすれば理想を実現できるか」をキャリアコンサルタントは一緒に考えてくれるので、一人で悩むよりも早く問題が解決しやすいです。 限界を超えてしまうと負ったダメージを回復させるのにも時間がかかるので、限界がくる前に対処して上手につらい局面を乗り切っていきましょう!

育児しながらだと仕事できない!両立する方法と注意点
子なし時代はバリバリこなしていた仕事も、育児をしながらでは一気に難易度が上がります。 働くママの中には「育児しながらだと仕事ができない…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。 この記事では、育児中に陥りやすい「思うように仕事ができない状態」から抜け出す方法や注意点、必要な心構えなどを解説します。育児と仕事を両立させるヒントを得て、自分に合ったスタイルを見つけてください。 育児しながらだと仕事できないと感じる原因 まずは、「育児しながらだと仕事ができない」と感じる主な原因を解説します。原因がわかれば対処法も見つけやすくなり、現状打開に一歩近づくはずです。 時間が足りない 家事育児だけでもやることはたくさんあるのに、そこに仕事まで加わると、とにかく毎日時間がありません。 朝は保育園や仕事に間に合うように家事を済ませ、日中は定時退社を目指して仕事に集中し、夜は子どもの生活リズムに合わせて世話をするといったように、とにかく一日中時間に追われるのです。 家事育児と仕事に大半の時間を奪われるので自分の時間が取りにくく、疲労やストレスが蓄積して「育児しながらだと仕事ができない」と思うことがあるでしょう。 体力的にきつい 育児と仕事の両立は、身体的にもハードです。毎朝子どもを保育園に預けた後ダッシュで出社する、仕事終わりに子どもを抱っこしながらスーパーで買い物をする、子どもが寝てから家事をして毎日寝不足など、身体に負担がかかる場面がよくあります。 また、仕事はともかく育児には基本的に休日がないので、消耗した体力を回復させにくいのも悩みとなるでしょう。 このように、体力的なしんどさから「育児中は仕事ができないかも」と思い詰めてしまう人も少なくありません。 職場の理解が少ない 育児と仕事を両立させるには、ママの努力はもちろん周囲の理解・協力が不可欠であり、その一つに職場も含まれます。 とはいえ、理解度は企業によってまちまちで、子育てへの理解が不足している職場も多いです。働く職場によっては、育児休業をすんなり取らせてもらえなかったり、子育てハラスメントを受けたりと、嫌な思いをすることがあるかもしれません。 子育てへの理解が少ない会社で働くと、精神的なストレスにより「育児と仕事の両立は不可能」という結論を出しやすくなります。 保育所の確保が難しい 仕事中は子どもを保育所に預ける家庭が大半ですが、希望する保育園や認定こども園に必ず入れるとは限りません。自宅や会社から遠い園しか空いていなかったり、そもそも近隣の保育所に一切空きがなかったりする場合もあります。 スムーズに保育所を確保できないと「仕事がしたいのにできない」という状況に陥りやすく、そこで働くことを諦めてしまう人も。 各自治体は待機児童問題解消に取り組んでいますが、現状では課題に追い付いていない部分があるのも事実です。 パートナーの協力不足 育児と家事の負担を夫婦で分担しなければ、仕事を両立させることはできません。 しかし、日本の男性は世界的に見ても長時間労働の割合が高く、パートナーの帰りが遅いため毎日ワンオペ状態で育児をしているという人も多いのではないでしょうか。総務省公表の「平成28年社会生活基本調査の結果」でも、6歳未満の子どもがいる家庭での妻の家事関連時間は、夫の約4倍に上っています。 夫婦の片方に家事育児の比重が偏れば、負担が重いほうのバランスが崩れてしまい、「育児をしながら仕事をするのは無理」と考えやすくなるでしょう。 育児しながらだと仕事できない!から抜け出す方法 ここでは、育児と仕事の両立に苦戦しているママに向けて、現状から抜け出すアイデアを5つ紹介しましょう。 優先順位付けとスケジュール管理を徹底する 働くママの一日は、やるべきタスクがぎっしり。優先順位や予定を立てず手あたり次第にタスクに取り組むと、後々都合が悪くなる可能性が高いです。 そのため、やるべきタスクに優先順位をつけ、きっちり予定を管理しましょう。ただし、育児中は突発的なタスクが発生して予定が崩れる場合も多いので、状況に応じて予定に融通を利かせるのも重要になります。 この他、予定を詰めすぎて苦しくならないよう、今日やらなくてもいいタスクはあえて後日に回すのも一つの工夫です。 家庭内で明確に役割分担をする 家事育児は夫婦で分担する必要がありますが「気付いた人がやる」をルールにすると、細かいことによく気が付くほうばかりが負担を負ってしまいます。 夫婦の片方だけに負担が偏らないよう、家庭内で「誰が・何を・いつまでにやるか」を明確に決めておくのが大切です。「いつまでにやるか」は意外と見落とされがちなポイントですが、タスク完了の期限を決めておかないと、いつ完了するのかわからないストレスでイライラしやすくなります。 また、気持ちがすれ違うのを防ぐため、家事の進め方もパートナーとしっかり共有しておきましょう。 働き方を見直す 今の職場や働き方によっては、どうしても育児と仕事の両立ができない場合もあります。そんなときは、今の働き方を見直すのも一つの手。育児に理解のある職場に転職するという方法もありますし、短時間勤務制度や社内の育児支援制度を利用するという方法もあります。 まずは、自分にとってちょうどいい育児と仕事のバランスを明確にして、理想の働き方を具体的にイメージしてみましょう。 そこから「どうすれば理想の働き方を実現できるか」を考えると、自分に合った働き方がわかるはずです。 子育て支援サービスを活用する 現代にはさまざまな子育て支援サービスが登場しているので、使えるサービスは積極的に利用しましょう。 たとえば、保育園や認定こども園によっては、独自の支援サービスを行っているところもあります。また、市区町村が設立・運営しているファミリーサポートセンターを利用するのもおすすめです。 自治体の区役所や子育て支援センターなどでは、利用できるサービスを紹介してもらえるので、ぜひ一度問い合わせてみてください。 周囲に助けを求める 課題や悩みに直面したときは、一人で悩まず周囲に頼るのも大切です。 パートナーはもちろん、親戚や実家、外部の相談窓口などが心強いサポーターとなってくれる場合もあります。また、自分と同じように働きながら子育てするママ友から、情報収集できる場合もあるでしょう。 一つのコミュニティに依存するよりも複数の拠り所を持つほうが、多様な視点が得られて問題解決の糸口が見つかりやすいです。そのため、普段から周囲と良好な関係を築き、頼れる人や場所を増やしておくのもカギとなります。 育児中、仕事ができないと感じたときの注意点 育児中、思うように仕事ができないと、ストレスでマイナスな行動を取ってしまうことも…。ここでは、気をつけたい注意点について解説します。 勢いで転職・退職しない 育児をしながら働くと、なかなか仕事で成果を出せなかったり、労働そのものがつらいと感じたりすることがありますよね。それに伴い、転職や退職といった選択肢が頭に浮かびやすくなりますが、よく検討しない状態での転職・退職は避けましょう。 もちろん、転職・退職が問題の解決策となる場合もあります。しかし、勢いだけで転職・退職すると、その後の金銭面やキャリアに問題が生じやすいです。 後悔しない選択をするには入念な準備が必要なので、転職・退職が頭をよぎったら「キャリアを変える目的」をよく考えてください。 周囲と比べない 現代には育児に関する情報があふれており、他の家庭や先輩ママの経験談を参考にすることも多いでしょう。 しかし、他の家庭の事情を知ると、どうしても自分の家庭と比較しやすくなってしまいます。他の子とわが子を比べてしまったり、育児と仕事を両立している他のママと自分を比べてしまったりして、劣等感を抱くケースも少なくありません。 仕事においては他人との比較が自分の成長につながる場合もありますが、正解がない家事育児においては自分の基準に基づいて判断・行動するのが大切です。 イライラしたときは意識的にクールダウンする 育児と仕事の両立がうまくできないと、家庭でも仕事でもいつも以上にイライラしやすくなります。冷静さを欠いた言動をしてしまい、後から自己嫌悪に陥る場合もあるでしょう。 このような負のループを断ち切るためには、イライラを感じたらすぐにその場を離れてクールダウンするのがおすすめ。イライラの原因から距離を取れば、高ぶった感情も静まっていきます。 もしもイライラの対象が子どもで距離を取るのが難しいときは、その場で自分の感情を客観視すると、冷静な視点を取り戻しやすくなるでしょう。 たまにはリフレッシュの時間も作る 家事育児は365日やるべきタスクが発生し、働くママはたとえ仕事が休みでもなかなかゆっくり休めません。 しかし、リフレッシュや休養日がないと疲労が蓄積し、前述のイライラやその他の心身不調を引き起こしやすくなります。 時にはパートナーや親族に協力してもらい、「自分だけの時間」を作り出すのも重要です。なお、周囲に協力してもらうのが難しい場合は、自治体が提供する一時預かりサービス「子育てリフレッシュステイ」を利用するという方法もあります。 育児も仕事も!働くママに必要な心構え ここでは、育児と仕事をうまく両立させるのに必要となるママの心構えを紹介します。注目すべき点や疲れたときに考えたいことを知っておけば、少しは気持ちが楽になるはずです。 「できないこと」より「できること」に注目 できないことばかりに意識を向けると、劣等感や自己嫌悪がどんどん募って精神的な負担が大きくなります。「育児しながらだと仕事ができない」と感じたときこそ、あえて意識をできることに向けてみましょう。 たとえば「最近、業務上のミスが減った」「今日は子どもとゆっくり話す時間が持てた」のように、できたことや良かった点に注目すると気持ちが前向きになります。この他、「育児と両立しやすい仕事もある」「周囲のサポートがあれば仕事ができる」と可能性を見出して、それを実現させるには何をすべきかを考えるのも明るい未来へとつながるでしょう。 できることに目を向ける習慣が身につくと、今後新たな課題に直面した際にも乗り越える力となります。 完璧を目指さない 「仕事も育児もうまくこなしたい」と工夫するのは良いことですが、完璧を目指すのは危険です。過剰に完璧を追求すると、夫婦の関係悪化や子育ての失敗を招く恐れがあります。家庭の問題が膨らんで、より仕事をするのが難しくなるかもしれません。 そもそも、育児に完璧はありませんし、育児と仕事を両立するベストな方法も家庭によって異なります。 育児も仕事も60点くらいで「まあいいか」と捉えたり、うまくいかないことがあっても「大丈夫」と考える習慣を身につけたりして、完璧主義を手放しましょう。 仕事と家庭でメリハリをつける 仕事中も子どものことが気になってしまう、帰宅してからも持ち帰りの仕事をこなす日があるなど、働くママは忙しいからこそ仕事と家庭の境界線が曖昧になりがち。 しかし、勤務時間中は仕事に集中する、家に帰ってからは家族や自分のことに集中するといったように、できるだけメリハリをつけて行動するのがおすすめです。 メリハリをつけると、それぞれの時間を大切にできるようになるので、結果的に両方の効率や充実度がアップします。気持ちのオンオフもしやすくなるため仕事のストレスを家庭に持ち込まずに済み、心身のバランスを保つのにも有効でしょう。 育児と仕事の両立に悩んだときは、キャリアコンサルティングも◎ 「育児しながらだと思うように仕事ができない」と感じたら、家庭と仕事、両面からの見直しが必要です。パートナーと役割分担について話し合う、家事育児で省略できるタスクはないか考えてみるなどして、毎日を楽にする工夫をしましょう。 また、仕事面を見直す際には、希望するキャリアやライフスタイルの実現をサポートしてくれる、キャリアコンサルティングに頼るのがおすすめ。 キャリアコンサルティングでは今後のキャリアの方向性を一緒に考えてもらえるため、家庭との両立がうまくできずに仕事を辞めようか迷っているママにも適しています。キャリア・コンサルティング・ラボなら、初心者の方でも利用しやすいライトコースがあるので、ぜひ気軽に悩みを相談してみてください。

男性が育児と仕事を両立させるには?取るべき行動と成功のポイント
男性における家庭での役割はこの数年間で大きく変化し、今は男性にも「育児と仕事の両立」が求められています。 しかし「男性が育児に参加しやすい社会」の整備はまだ十分とはいえず、さまざまな悩みや葛藤を抱えているパパもいるのではないでしょうか。 本記事では、育児と仕事を両立させたい男性に向けて、取り組むべき行動や両立成功のポイントなどを解説します。 「育児と仕事をうまく両立できない」「子育てのために働き方を見直したい」と考えている男性は、ぜひ参考にしてみてください。 育児をしながら働く男性が増えている 共働きの家庭が増えたことで、今は女性だけでなく男性も育児をするのが一般的になりました。かつては「育児をしたくても仕事を休めない」「家事に協力したくても毎日残業がある」という男性も少なくありませんでしたが、今は「産後パパ育休」という休業制度もあります。 社会や企業の理解度は確実に高まっており、男性にとって育児と仕事を両立しやすい環境整備が進みつつあるのです。 「育休は女性のもの」という固定概念により、導入当初は取得する人が少なかった産後パパ育休も、取得率は年々上昇傾向にあります。厚生労働省が発表した「令和6年度雇用均等基本調査」の結果では、男性の育休取得率が過去最高の40.5%を記録しました。 しかし、まだまだハードルも… とはいえ、男性が育児と仕事を両立するのは、まだまだ簡単ではありません。 子育て期は多くの男性にとって社内で中堅的なポジションになり、重要な仕事を任される時期と重なっています。家事育児のために定時で退社したくても、仕事が山積みで帰れないというケースも珍しくないでしょう。 また、「帰って子どもの世話をしたい」と言っても、上司の価値観が古いと「奥さんがいるから大丈夫だろう」「稼いで帰るのが男の役目」などと返されて理解が得られないこともしばしば。 上司に従って残業すれば、今度は妻から「もっと育児に協力してほしい」と不満をぶつけられてしまい、仕事と育児の板挟みに悩む男性も多いです。 男性が育児と仕事を両立するべき理由 大変なことも多い男性の育児。しかし、大変さを乗り越えた先には、さまざまなメリットや良い効果が期待できます。 ここでは、男性が育児と仕事を両立するべき理由を解説しましょう。 良好な家族関係が作れる 男性も育児に参加することで、家族一緒の時間が増えます。十分なコミュニケーションにより、父子の絆の深化や夫婦関係の良好化につながり、円満な家庭が作れるでしょう。 また、出産直後の女性はホルモンバランスや環境の変化によって「産後うつ」を発症するリスクがあります。夫婦で助け合いながら育児をすれば妻の負担を軽減でき、産後うつの予防にもなるのです。 夫のサポートによって妻の復職を早められる場合もあり、家計にもプラスの効果をもたらす可能性があります。 仕事の効率がアップする 実際の育児では、大変なことも多いものの子どもの成長を間近で見守れる喜びも感じられます。 「一瞬一瞬を大切にしたい」という思いが強くなるため、これまで以上に時間を意識するようになり、業務効率が上がりやすいです。 そもそも、次から次へとやるべきことが発生する育児中は、仕事のとき以上にスケジュール管理能力が問われます。スムーズに家事育児をこなそうと試行錯誤する内に時間管理能力が養われ、そのスキルが仕事の生産性向上に役立つケースも多いです。 人生における視点が広がる 男性も育児をする時代になったとはいえ、まだまだ日本には「育児=女性のもの」というイメージがあるのも事実です。男性にとって子育て経験は、定着した古い固定概念を壊し、多様性を尊重する考え方を養うきっかけにもなるでしょう。 そして、このような育児によって得た視点は、一種の経験として人生を豊かにしてくれます。 育児を通して気配り力、判断力、忍耐力などのスキルが身につくので、家庭はもちろん職場やその他のコミュニティでも効果を発揮できるはずです。 育児と仕事を両立させる!男性ができる取り組み 育児と仕事の両立を目指しつつも、具体的に何をすればいいのかわからず行動に移せていないという男性も多いのではないでしょうか。 ここからは、育児と仕事を両立させたい男性ができる工夫や取り組みを解説します。 育休や支援制度を積極的に活用する 産後パパ育休だけでなく、近年は男性従業員も利用できる独自の育児支援制度を設ける企業もあります。また、お住まいの市区町村によっては、自治体独自の子育て支援制度がある場合も!たとえ夫婦で助け合っても、育児の負担やストレスを完全にゼロにするのは難しいので、このような制度は積極的に活用しましょう。 制度の利用者が増えて今以上に「男性も育児をするのが当たり前」の社会になれば、より育児と仕事を両立しやすくなる可能性もあります。 仕事量を減らす 今の職場に留まりつつ、働き方を見直して仕事量を減らすのも工夫の一つです。 仕事量を減らすと、プライベートの時間が増えて家事育児に参加しやすくなります。自分がやらなくてもいい仕事まで何かと引き受けがちな男性は、少し引き受ける頻度を減らしてみてもいいかもしれません。 また、どうしても今の仕事量を減らせそうにない場合は、業務の自動化や簡略化を検討するという方法もあります。一日は誰しもに等しく24時間しかないので、その中で自分や家庭にとって最適のワークライフバランスを見つけてください。 リモートワークやフレックスタイムに変更する リモートワークやフレックスタイム制で働ける会社に勤めているなら、これらの働き方に変更するのもおすすめです。 リモートワークができれば、自宅で子どもの世話をしながら働けます。通勤時間も削減できるので、その時間で家事をこなすことも可能となり、家庭内で果たせる役割も増えるでしょう。 また、フレックスタイム制で働けると自分で始業・終業時間を決められるので、子どもの保育園の送り迎えなども担当でき、妻の負担を大幅に軽減できるはずです。 必要に応じて転職を検討する 「今の会社では、育児と仕事を両立するのが難しい」と感じる場合は、転職するという選択肢もあります。たとえば以下のような特徴を持つ会社を選ぶと、男性でも無理なく育児と仕事を両立しやすいです。 柔軟な働き方ができる スケジュールや休みの調整がしやすい 独自の子育て支援制度がある 男性の育児に理解がある 残業や出張が少ない 全ての条件を満たす会社でないといけないわけではありません。自分の家庭内での役割を把握し、その役割を果たす上で重要な条件を洗い出してください。 夫婦で話し合い、役割分担を決める 「産後パパ育休を取得した」「育児を理由に定時で帰った」だけでは、育児しているとはいえません。夫が家にいても、子どもの世話や家事をしなければ結局妻の負担は軽減されないからです。 また、夫的には家事育児をしているつもりでも、それが妻のしてほしいことではない場合、夫婦関係がぎくしゃくするケースがあります。 そのため「家事育児にどのようなタスクがあり、誰がどのタスクを担当するか」を夫婦でよく話し合いましょう。夫婦間の役割分担が明確だと、自分が取るべき行動を把握しやすく仕事と両立するためのスケジュールも立てやすくなります。 仕事より家庭を優先する 仕事と育児を両立すると、必ずどこかで「仕事と育児、どちらを優先させるか」という選択を迫られます。優先順位は時々の状況によっても変わるものの、仕事と育児の両立を目指すなら基本的には「家庭」を優先させるスタンスでいたほうが良いでしょう。 従業員であるあなたの代わりは他にもいますが、夫やパパであるあなたの代わりはいません。つまり、あなたがいなくても恐らく会社組織は崩壊しない一方で、あなたがいないと家庭は崩壊する恐れがあるのです。 特に、「家事育児に協力する」としつつ仕事中心でいると家庭崩壊を招きやすいので、バランスを大切にしてください。 男性が育児と仕事を両立するためのポイント 育児と仕事を両立する男性が増えるにつれて、「育児疲れ」や「育児うつ」に陥る男性も増えつつあります。これらを予防しながら、育児と仕事をうまく両立するにはどうすればいいのか、ここでは5つのポイントを紹介しましょう。 妻からのアドバイスを素直に聞く 自分なりに家事育児をやっても、妻から「やり方が違う」と指摘されてしまうときがあります。そうすると、自分のやり方を否定されたように感じてムッとしたり、もう家事育児をしたくないと思ったりすることもあるでしょう。 しかし、ここで男性側までヘソを曲げてしまうと夫婦関係が悪化しやすいので、妻から家事育児についてアドバイスされた際はできるだけ素直に聞きましょう。 「もっとこうしたほうが良いのでは?」というアイデアがある場合も、一旦妻の話を聞いてから自分のアイデアを話したほうが通りやすくなります。 よその家庭との比較はしない 子どもを持つ男性の中には、「家事育児はほとんど妻に任せている」という人もいます。そのような人の話を聞くと、時には「負担が少なそうでいいな」と羨ましく思うかもしれません。 しかし、男性がどれくらい家事育児を負担するのかは各家庭によって異なります。 よその家庭の負担率を正解と位置付けて「自分の負担は重すぎる」と捉えると、家事育児をするのが苦痛になりやすいので注意しましょう。 男性の育児について自ら情報収集する 「男性の育児」は、ここ数十年で急速に浸透した価値観であるため、女性の育児に比べると情報量が少ないです。女性向け育児情報も参考になりますが、男性ならではの視点や価値観をもとにした育児情報を得るため、書籍やWebなどを活用して積極的に情報収集しましょう。 また、男性向けの育児情報は、厚生労働省が立ち上げた「イクメンプロジェクト」の公式サイトからも取得できます。 パパ友仲間を作る 働きながらの育児にはさまざまな障壁がありますが、その苦労や悩みを妻には話しにくい場合もあるでしょう。そのため、自分と似たような立場で奮闘する「パパ友」を作るのがおすすめです。パパ友がいれば同じ目線の悩みや愚痴を気兼ねなく共有でき、精神的な支えになります。 この他、子育て情報を交換できるので、男性の育児について情報収集する手間も省けるかもしれません。 パパ友を作るには、保育園の送り迎えで他の保護者にもしっかり挨拶する、地域のイベントに参加してみるなど、小さな一歩から始めてみてください。 自分だけのストレス解消方法を見つける 「日中は仕事をして、帰宅後は育児をする」という生活の中では、なかなか自分の時間を持てません。仕事や育児のストレスを発散させる場がなくなりやすいので、意識して自分だけのストレス解消方法を見つけておきましょう。 なお、自分のストレスだけでなく妻のストレスにも配慮するのが大切です。たとえば、休日の午前中はパパが子どもの世話をしてママは自由に過ごす、午後からはパパママのポジションをチェンジするなどすると、夫婦ともども自分の時間を確保できます。 育児と仕事を両立したい男性には、キャリアコンサルティングがおすすめ 今の自分のペースを一切変えずに、育児と仕事を両立させるのは困難です。変える対象となるのは主に「働き方」もしくは「ライフスタイル」なので、子育てを機に働き方を見直そうと考えている男性も多いでしょう。 「どんな働き方なら、無理なく子育てできるだろう」「育児しやすい仕事に転職するべきか…」 このような疑問・悩みを抱えているなら、ぜひ一度キャリアコンサルティングを受けてみてください。 キャリアコンサルティングでは、相談者の価値観を深掘りして、最適な働き方やキャリアの方向性を考えます。専門知識を持つプロに相談することで、新たな情報や視点が得られ、悩み解消を早められるはずです。 工夫次第で、男性も育児と仕事を両立できる! 「男性は仕事、女性は家庭」という価値観は古く、今は男性も育児をする時代です。 理解や環境整備が追いついていない面もあるものの、男性の育児は急速に広まっており、男性にとって子育てしやすい社会が実現しつつあります。 しかし、いくら環境が整っても男性自身が努力や工夫をしなければ、両立は不可能なので注意しましょう。育児と両立するために働き方や職場を変えるのも一つの手であり、その第一歩としてキャリアコンサルティングを受けてみるのもおすすめです。 育児と仕事の両立を目指して、できる工夫からぜひ実践してみてください!